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王子さまだって恋がしたい!!  作者: 朱音小夏


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13/22

episode13

明楽は若干放課後が憂鬱になってしまったが、気づけばその放課後となってしまった。

明楽は薫子から「気をつけて。」と言われ彼女を見送った。明楽は一息つくと、勇真の元へ向かった。


「お待たせ、小鳥遊君。じゃあ行こうか。」

「明楽!」

「...なんだい?」


明楽が勇真に声をかけると、彼は明楽を力強く呼んだ。


「その...なんだ...」

「?」

「オレの事は"勇真"って呼んでくれ!」

「な、何で...?」

「何でって...」


明楽は思わず疑問をぶつけてしまった。


「オ、オレはお前に名前で呼んでもらいたい!...ダメか?」


勇真はそう言うと、まるで子犬の様な眼差しを彼女に向けてきた。


「だ...ダメじゃないけど...」

「じゃあ!呼んでくれ!」

「ハァ...行くよ、"勇真"。」

「!おう!」


明楽が名前を呼ぶと、今度は大型犬の様に尻尾を振りながら勇真は彼女の後を追った。

明楽の杞憂をよそに、勇真は校舎案内の間、興味津々に「ココは?」「アソコは?」と彼女が説明をする前に疑問をぶつけてきた。そのお陰か、スムーズに校舎案内を終える事が出来た。そうして、教室へと戻ろうとした時、「明楽?」と後ろから呼び止められた。


「?あ、雅臣先輩。」

「お疲れ様、明楽。こんな時間に学校にいるなんて珍しいね。」

「あぁ、それは...」

「雅臣!」

「あれ?勇真?」


ここでも明楽の言葉を遮って勇真が声を上げるのであった。


「明楽はオレに校舎案内してんだよ。邪魔すんな!」

「邪魔って...勇真、明楽と同じクラスになったの?」

「あぁ!そうだ!」


勇真は雅臣の問いかけに力強く応える。しかし、雅臣はそんな勇真を気に止める事なく明楽に話しかける。


「ごめんね。勇真が迷惑かけてるみたいで。」

「いえ!先生に頼まれただけなので。」


明楽が少し頬を紅潮させているのに気がついた勇真は、面白くないと言わんばかりに二人の名を呼んだ。


「明楽!雅臣!」

「「?」」


そうすると勇真は明楽の腕を思いっきり引っ張り、自分の方に彼女を引き寄せ、雅臣に見せつける様に抱き締めた。


「?!」

「ゆ、勇真?!明楽に何を...」

「うるせぇ!明楽はオレのモンだ!」


そう言うと、勇真は強引に明楽に...口づけた。

周りには三人以外の生徒もいたので、皆がその光景に驚かされ、時間が止まったかの様に静寂に包まれた。


「ん?!んぅ!」

「ハッ!どうだ雅臣!コレで明楽はオレのモンだ!」

「...それは宣戦布告と捉えても?」

「モチロンだ!...お前にはゼッテェ負けねぇよ?」

「そう...明楽。」

「ハ、ハイッ!」


雅臣は明楽の名を呼ぶと、彼女の手を取り跪いた。


「君を誰かの物にする事はオレが許さない。安心して、オレが守るから。」


そう言うと明楽の手に口づけを落とした。

その光景はまるでおとぎ話のお姫様と王子様の様であった。

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