表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
スズサキ*  作者: さより
意識
52/63

*52

「あたし、そろそろ帰るねっ?」

 外はまだ明るいけど、時計を見ると確かにそんな時間だった。

 最近暗くなるの早いからな。

「待って。駅まで送るから」

「いいよっ! 熱下がってるかもしれないけど、さっきまではあったんだし」

 確かに、僕が外に出られる格好をするのに時間もかかるだろうし、その間に暗くなったら余計に危ないもんな。

「とりあえず、下まで一緒に行くから」

「大丈夫っ?」

「うん。本当にすっきりしてるし」

「そっか。汗もかいてるみたいだったし、シャワーとかした方がいいのかもね? あ、お風呂の方がいいのかな?」

「うん。ありがとう。そうする」

 下に下りると、口をもごもごさせながら燕がゲームをしていた。

 ………………………………………………………。

「燕」

「あ? 起きてきて大丈夫なん?」

「まあ。すっきしてるしな」

「で? 何?」

「…………………海原さん、駅まで送ってやってくれないか?」

「え? い、いいよっ! ひとりで大丈夫だよっ?」

 海原さんが遠慮する。

 僕だって、燕に頼むのは不本意だ。物凄く。

 それでも、1人で帰らせるよりはマシかと思った。

 燕がやっていたゲームをセーブして、口の中の物を麦茶で流し込んでから答える。

「いーよ。じゃ、もう出る?」

「わかってると思うけど、失礼なこと言ったりしたりするなよ?」

 燕に近付いて、海原さんに聞こえないように念を押す。

「わーってるって」

 玄関まで海原さんを見送って熱を計るとやっぱり平熱になっていた。

 風呂を貯めながら、もう一度部屋に戻って着替えを準備した後1階に下りる。

 ついさっき迄、海原さんがいて僕の…………。

 一緒に寝てしまっていたのかと思うと、とんでもなく恥ずかしくなる。

 有り得なくないか? 同じベッドで………あんなこととか………………。

 そのお陰なのか体調の悪い時にはよく見る変な夢も見なかったし、ぐっすり眠れた気はするけど………………いや、でも海原さん潰すところだったわけだし、危なかったよな? 気を付けないと……………。

 こんな事はもうないと思うけど……………ばれてないよな? 勝手に抱き締めたこととか……………。

 風呂から出ると、ちょっと食欲も出てきたような気がする。熱下がったし、さっぱりもしたからか?

 リビングに戻ると、テーブルの上に小さなおにぎりののった皿が置いてあった。

 おにぎり?

 ただ、そのおにぎりは皿の隅に2つ程残っていて、皿全体に被せてあったと思われるラップも、今はその2つに対して被せられているだけだった。

 その時丁度音がして、燕が帰ってくる。

「あ、腹減ってんならそれ食っていーよ?」

「これ、どうしたんだ?」

「咲妃さんがお粥作ってる間に作ってくれたヤツ。後で腹減ったら食えるように、って」

「…………………お前に?」

「いや? 一応にーちゃんに、ってことだったけど、食わなかったらおれ食うってことで作ってもらったから」

「何、勝手に食ってんだよ?」

「だって、にーちゃん起きてこねーし、また食わねーんだろーな、と思って」

「普通、訊いてから食うだろ?」

「寝れてんなら、寝てた方がいいじゃん?」

 こういう時にカツサンド買ってくる奴が、そんな心遣いするか?

「……………最初、何個あった?」

「多分、10個くらい? 小っせーからモノたんねーとか思ったけど、ゲームしながらでも食えるから便利だし、うまかったよ」

 まるで自分が作った物を自慢するかのような口振りで説明される。

「って! 何だよ? 蹴ることねーだろ⁈」

「食っていーよ? じゃねーよ⁈ もともと俺のだろーが‼︎ しかも、2個しか残ってないとか、蹴られても仕方ないだろ⁈」

「いいじゃん? 咲妃さんにカツサンドやったから、その代わりにもらっただけだろ?」

「そのカツサンドは誰の分だよ? それも俺のだろ?」

「ちげーよ! おれのに決まってんだろ⁈」

「じゃ、俺の昼飯分はあるのか?」

「ねぇよ」

「何でだよ?」

「おれが食った」

 イラっとして、もう一度蹴りを入れる。

「って一一! だってもったいねーじゃん? 何だよ? もう熱下がったのかよ?」

「おかげさまでな」

 ふんっと、おにぎりの皿を持って2階に上がろうと思っているところに、後ろから手が伸びておにぎりを取り去っていく。

「なっ!」

ザマァミロ(ざふぁみほぉ)

 振り向いた時にはもう、おにぎりは燕の口の中に押し込まれていた。

「おま……………」

 もうどうしようもなくなってしまったおにぎりが、燕の腹の中に収まるのが悔しくてたまらない。でも、このままだと1つも食べられなくなってしまいそうな気がして、最後の1個が乗った皿を庇いながら、2階に上がる。

 不覚だ。残りの2つのうちの1つまであいつに奪われるとか…………。

 また、いつ食べられなくなるかわからない気がして、さっさと食べてしまおうとおにぎりを手に取る。

 確かに1口でもいけそうだと思ったけれど、大事に食べた。

 おいしい……………………。


 夜になって、またベッドに潜り込むと、何となく海原さんの匂いがするような気がして、変な気分になってしまい、なかなか寝付けなかった。


     *♡*♡*♡*


 鳥飼くんちのお布団が気持ちよかったからってっ……………。

 でもっ、ラインだと普通だったもんねっ? 気にしてないよねっ? 今日から学校来れるって言ってたし、また毎日顔見れるよねっ?

「おはよう」

 昇降口で鳥飼くんから声をかけられる。

「う、うんっ。おはよっ」

 鳥飼くん本当になんとも思ってないかなっ? あたしどこでも寝る子とか思われてないっ? それこそ子どもみたいとかっ。

 ちらっと鳥飼くんを見上げて目が合っちゃうっ。な、なんか、言わないとだよねっ?

「土曜日ありがとう。移ったりしてない?」

 迷ってたら鳥飼くんに先に話しかけられる。

「う、うんっ。大丈夫っ。あたしも会えてうれしかったしっ…………ごめんねっ? ね、寝ちゃったりとか……………」

「あ、いや、全然………………………」

 あれ? なんか…………………?

 いつもなら、気にしてないよ、とか…………あ、あたしっ! 鳥飼くんだったらこのくらい大丈夫とか思ってたっ⁈

 鳥飼くんやさしいから当たり前みたいに……………。

 紅実ちゃんに相談したら、予想はしてたけど爆笑だったっ。

「あんた、私ん家来ても結構寝てたりするもんね?」

「だ、だってっ、紅実ちゃんちのお布団気持ちいいしっ、和室も風通しよくて気持ちいいしっ…………」

「でも、そのくらい気にしなさそうだけど?」

「う、うんっ。あたしもそういうの当たり前みたいに思っちゃってたけど、もしかして、って…………」

「何か変なこと言っちゃったんじゃない?」

「言ってないよっ!」

 言ってないよねっ?

「寝てる時はわかんないでしょ?」

「寝てるとき?」

「あんた結構変な寝言多いのよね」

「どんな?」

「にゅいにゅいちゃらんぽ、とかよくわかんない呪文みたいのとか」

 に、にゅいにゅい………………?

「私起きてるのに、紅実ちゃん起きてっ! とか。寝てたのあんただからね?」

 ……………………………そ、そうなんだ。

「この前なんか七尾さんのおっぱいわけてもらったのっ、とか言ってたし」

「うそ一一一一っ⁉︎」

 あたしってば、なに言ってんのっ? そんなの鳥飼くんにきかれちゃったりなんかしたら、恥ずかしすぎ…………………。

「嘘じゃないわよ。あと、急に笑い出したりするのよね。結構おっきい声で」

「も、もういいっ!」

「それから、寝言じゃないけど涎垂らしてたりとか」

「もういいってばっ!」

 うわ一一一っ! どうしよっどうしよっ?

 よだれたらしながら、不気味に笑い出す自分の寝姿を想像してぞっとする。

 かわいくないっ! そんなんじゃ、引かれても当然だよ一一っ‼︎

 やっぱりっ、寝ちゃったときになにか言うかするかしちゃったのかなっ?

 教室に行くと、鳥飼くんはもう席にいてあたしとちょっと目が合うとそれとなく窓の外に目をやる。

 鳥飼くんなら、そんなことでいや、とは言わないよねっ? 多分、もっと別のことだよねっ?

「ね? 今日の数学、答えどうなったっ?」

 きくと、今気づいたみたいな感じで振り向いてくれる。

 数学の答え合わせをして、そのついでみたいに話しかける。

「鳥飼くんって、寝言とか言うっ?」

「寝言? さあ? 自分のは、分からなくない?」

 教科書とか、ノートをしまいながらきいてみる。

 はずかしいのと、こわいのとで顔見てはきけないけどっ!

「う、うんっ。あたしねっ、紅実ちゃんの家で寝ちゃったときとか、変なこと言ってるみたいなのねっ」

 ここで、ああっ! とか、そうだね、とか言われたらなんかあったってことよねっ?

 反応、ない?

「あと、笑ったりとか……………」

「坂上さんの家でも?」

「やっぱりっ、笑ってたっ?」

 紅実ちゃんちでも、ってことは、鳥飼くんのうちでもやっちゃったんだっ? やだっ! はずかしいっ!

「う、うん………………気持ち悪いよねっ?」

 鳥飼くん、どう思ったっ?

 自分で言っててなんだけど、そうだねっ、とか言われたらどうしようっ?

 おそるおそる鳥飼くんの様子をうかがうと、窓のほうを向いてる。けど、なんか右手で顔隠して、ちょっと笑ってるっ?

「鳥飼くんっ?」

「ご、ごめん。ちょっと思い出して……………」

「何を?」

「海原さんが寝てるときに笑ってたの」

「やっぱりっ?」

「うん」

 もーーっ! やだやだやだやだやだっ! 

はずかしすぎっ! まだよくわかんない呪文のほうがよくないっ?

「あ、でもねっ? た、たまにだよっ? たまにっ!」

 慌てて言い訳するけど、ちょっと無理があるよねっ?

 あーーーんっ! はずかしすぎっ!

「き、気持ち悪かったよねっ? ごめんねっ?」

「気にしてないよ。可愛かったし……………」

 言って、鳥飼くんがまた顔を隠す。

 てれてるっ!

 あたしもだけどっ!

 鳥飼くん、意外とかわいいとか普通に言ってくれるけど、無意識に言っちゃったのに気づいててれる感じがかわいすぎなんだってばっ!

 それをごかすように、あわてて付け加える。

「あ、あと、蛙みたいとか言ってた。蛙好きなの?」

「か? かえる、って………………ふ、ふつう、かな?」


     *♠︎*♠︎*♠︎*


 この前、お見舞いに来てくれた時に海原さんの合意なく抱きしめてしまったことはばれてなかったみたいで少しほっとしたけど……………ばれたら嫌われるよな?

 嫌われるのが怖くて、言えないことがどんどんどんどんふえていく気がする……………。

 海原さんとは昇降口で会えなくても、教室で普通に挨拶はするようになっていた。

「おはよう。海原さん」

「鳥飼くんっ。おはよっ」

 挨拶だけでこんなに嬉しいとか…………。

 その後、海原さんが僕に背中を向けて、鞄から教科書を机に移したりとか、朝の準備を始める。

 ………………つい目に入ってしまって、慌てて逸らすけど、気になってまた視界に入れてしまう。

 ごめん。こんな彼氏で、とは思うものの、最近は見えるんだから仕方ないよな、と少し開き直ってしまったりもしている自分が、余計に申し訳ないと思う。

 昨日は水色………その前はピンク、白、水色、水色……………。

 海原さんって、水色好きなのかな?

 その背中に透ける白いキャミソール。

 キャミソールは透けるのを気にしてるのか白一択なんだよな…………………?

 今日はタンクトップ? そこから少しずれた肩紐の色が……………………………黒⁉︎

 しかも、いつもの感じと違う。

 いつも、もっとシンプルな感じなのに、レース………だよな?

 何かあった? これから?

「………か、海原さん?」

 嬉しそうな顔をして振り向いてくれる。

「なにっ?」

「今日、何かあるの?」

「別に何もないよ? なんで?」

 普段と違う感じの下着だったから、とか言えるわけなくないか?

 反応はいつもと変わらないよな?

 海原さんは不思議そうに、首をかしげる。

「………………別に。何となくそう思っただけ。気にしないで」

「?」

 帰りも普通だった。

 廊下で待っていた坂上さんと部活に行くようだったし。

 女子って、特に何もなくても可愛いからとか、そういう気分だったからとか、あるよな?

 海原さんも、たまには違うイメージで、とか…………………いや、でも黒って………………しかも学校に………………?

 ほんとに何も…………………?

 気になりすぎる。

 直接は訊けないけど、ラインなら…………いや、ラインでも無理だろ? 毎日下着の色チェックしてるとか思われたら、気持ち悪がられる気しかしない。変態とか思われるんじゃないか? 結果的にそうなってるだけで、そういう訳じゃ…………………いや、でも普通、見えても見ないようにするよな?

 海原さんが黒の下着とか……………………。

 いろいろ想像してしまって、あまり眠れなかった。

 海原さんに申し訳なさすぎる。

 坂上さんなら、何か知ってるかな?

 ……………………訊ける訳ないけど。


 昇降口で海原さんと会う。

「鳥飼くん、おはよっ」

「あ、うん。おはよう」

 今日も、普通だ。可愛い。

 靴をしまう時、ちらっと背中を見ると、今日は水色だった。

 ……………………ごめん。

 きっと昨日はたまたまだったんだよな?

 そういう気分だったとかで………急いでたとか………………持ってることには変わりないけど。

 何かの時の服に合わせてとか、そういうことで持ってただけで………………………………。

「教室、行かないのっ?」

「あ、うん。行くけど………………」

「どうかしたっ?」

「ううん。何でもないよ」

「……………そっか。じゃ、あとでねっ?」

「うん」

 僕が落ち込んでると思ったのか、元気出してね? とでも言うように笑顔を向けてくれる。

 その顔に、罪悪感を感じる。

 海原さんの後ろ姿を視線で追った先の坂上さんと目が合った。

 坂上さんが僕を疑わしい目で見ている、気がした。

 視線が、痛い。


 次の日も普通だった。

 一昨日は………例えば他のは全部洗濯してたとか、そういう…………?

 それに、僕が知らないだけで今までもたまにはあったのかも知れないし、海原さんにとっては普通のことかもしれないし。

 もう、気にしないようにしよう。

 うん。黒い下着の海原さんとか………………ちょっとミステリアスな感じの海原さんを想像して、罪悪感に襲われる。

 ごめん、海原さん。もう見ないから…………………仕方ない時はあるかもしれないけど………………。

 でも、席替えとかあって他の男子が後ろになるのは嫌だよな。少なくとも夏服の間は。気を付けて欲しいとか…………言ったら今まで見てたのばれるよな?

 その日、帰り際に昇降口で坂上さんと会った。

「悩み事?」

「え?」

 不機嫌な様子を隠すつもりもなく、話かけられる。

「一昨日くらいから、変じゃない? 何かあった?」

「な、何のこと?」

 多分、ばれてるんだよな?

「咲妃に言えないこと?」

 当たり前だ。言える訳ない。

「私でよかったら話きくけど?」

「あ、うん。ありがとう…………で、でも、大丈夫だから」

 坂上さんにも言える訳ない。よく考えたら海原さんにばれるよりもよっぽど大変じゃないか?

 もしかしたら今後の学校生活とかにも影響したりとか…………………あと1年半くらいあるのに……………。

「そ? だったら、別にいいけど。また体調でも悪いのかもって心配してたわよ?」

「そんなことは、ないけど…………」

 海原さんも坂上さんも優しい……………それなのに僕は……………。

「坂上さんは、今日はもう帰るの?」  

「そう。今日気分乗んないし、親の帰りが遅いみたいだから早めに帰ろっかなーーと」

 気分が乗らない?

「何?」

「坂上さんでも、そういうことあるんだ?」

「あるわよ」

 真面目そうだし、好きそうなのに………それに、そういうふうに部活休んだりするもんなんだな?

「文化祭用のも大体できてるし、忙しくなる前にちょっと休んどこうかと思って」

「そうなんだ?」

「ファッションサイト巡りたいのもあるしね」

「今後の参考に、みたいな?」

「それもあるけど、普通に…………服選んだりするの楽しくない?」

「僕は、別に………………」

「でも、この前着てたのHSのでしょ?」

「HS?」

「ハイスコア。私もあそこの買うけど、サイズがね。値段もだけど」

「あれは……母親が……………」

 高校生にもなって、親の買って来た服着てるとかどうなんだろう? 興味がなくてあんまり気にしたことなかったけど。

「そうなの? お母さん、いい趣味してんのね?」

「いや、多分大人の都合とかもあるんじゃないかな? 多分。父親もサイズ同じくらいだし……………それより、文化祭用のって? コスプレ用だっけ?」

「あ、そうなの。咲妃に着てもらったんだけど、見る?」

 僕が返事をするよりも早く、坂上さんが鞄からスマホを取り出す。

「う、うん。いいの?」

「鳥飼君ならいいでしょ」

 言って、この前撮ったという写真を見せてもらう。

 あ…………………。

「どう? なかなかセクシーでしょ?」

 襟ぐりが大きく開いていて、この前の黒いレースの肩紐が見えている。

 そっか。このためだったんだ…………。

 けど、こういう服着る時にわざと見せるのか? 海原さんの……………?

「何? こういうの嫌なの?」

「そういう訳じゃないけど……………あんまり他の人には見せないで欲しい…………」

「ふーーーん?」

 坂上さんが納得いかないような顔でスマホを鞄にしまう。

 あ、ここ、とりあえず褒めるべきだったんじゃ…………坂上さんが作った服なんだし、可愛いには変わりない訳だし…………。

「で、でも、可愛いと思う」

「いいわよ。無理して褒めてくれなくても」 

 不機嫌だ。言葉が………こんな当たり障りのない言葉じゃなくて…………何か…………。

「ごめん。うまく説明できなくて…………」

「大丈夫よ。そんなに期待してた訳じゃないし」

 何も思いつかない………。服のこととかよくわかんないもんな。それよりは話を逸らした方が?

「これ、一昨日にはできてたんでしょ? これから、まだ何かするの?」

「それ、上だけだから下も…………何で撮ったの一昨日って知ってんの?」

 やばいと思って慌てて自分の口を塞ぐ。

 けど、これが余計に不信感を与えてしまった様で、睨まれる。

「何よ? やましいことでもあるワケ?」

「あ……いや………………た、たまたま………」

「たまたま、何よ?」

 な、何だっけ? 昔、読んだ本で………うまく誤魔化すためには一部分だけ本当のことを言う、だったか?

「そ、その日、ちょっと見えてて…………その、黒の……」

「あぁ、キャミ? 透けないように白のタンクも着てたけど、見えてたんだ?」

 キャミソールだったんだ?

 そっか。キャミソールは見えててもいいんだったよな? モノによる、とは言ってた気がするけど。それでも、海原さんが見られるのは嫌だけど。

 だったら、それほど気にすることはない、かな?

「う、うん。いつもはそんな色のは付けてないのに、どうしたのかと思って。写真撮るからだったんだ?」

「まあ、そうだけど……………いつもはって、どういうこと?」

 しまっ…………。

「や、違っ…………………」

 慌てて自分の口を塞ぐ。

「何? もしかしてあんた咲妃の下着の色毎日チェックしてんの⁉︎ バカじゃないの⁉︎ キモい、キショい、ヘンタイっ‼︎」

 持っていた鞄で殴られる。

「い、痛っ……いや、でも、前にいるから見えるだけで……………」

「余計キモいわっ‼︎ 咲妃に言いつけるからねっ⁉︎」

「い、嫌だ。それは、やめて⁉︎ お願いだからっ‼︎」

 みなさん、GW後半ということでいかがお過ごしですか?

 私は山登りに行き、足がやばいです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ