第53夜 我がリカール家の恥となるとこだった
シグナルグルーン コースイン 68のマシンチェック いい
流石 ヤマハワークス ロガーデータで綺麗に再現してくれてる
3周でピットイン 38 とヤマハの2台もチェック 綺麗に揃ってる
15” 14” 13”5 と休憩20分をはさみ 20周づゝ インとアウトで2周 計22周
ヤマハの2台は14”から 遅れだし 13″5ではツイてこれない
欧州組は二人づゝタイムロガーのモニターを眺めては パドックに戻る
偶にピット屋上 無線機の声をクリスチャンの通訳で聞きながら
このパターンを邪魔にならないように細心の注意で繰り返す
お昼で 皆でテーブルを囲み クリスチャン達にハウスのお礼を言って
初めて クリスチャンのお父さん=次期当主
弟さん=叔父さん=ジョルジェットの父 と紹介される
「申し訳ない まず勝つ準備 パーティは勝ってから 勝利の女神の祝福の後に」
「当然だ その為の応援に着た ハウスも自由に」と叔父さん
ヤマハの人が
「来てる ホンダの偵察部隊だ 全日本向けだと思うけど」
「何人居る? コース全体 西と東とか分けてる?」
「そこまでは居ないと 全体だけ」
「午後は 14″フラット でもインフィールド13” バックで抑えて辻褄を合わせる」
頷く68 と 38 引きつる ヤマハの二人
メカは必死になって 腰上の交換 5台全部やっている
60周でバイクが入れ替わる予定なので
午後一に 予備のマシンに入れ替わるのでマシンチェック 簡単に済む
さすがヤマハのワークス部隊 キチンとキャブセット済で任せれる
OKを出すと 38が「行くぞー」と左手を上げながら雄叫びを上げて
5台でコースイン キッチリ14”に偽装した13″ ヤマハの2台は遅れていく
偽装14” の20周の3セット 2セット目でヤマハの二人がギブアップして
もうホテルに向かう と言って 離脱していく
ラスト1セットは三台で走行して 今日のメニュー完了
ライダー三人はハウスを借りて
順にレーシグスーツから着替えてシャワーを浴びる
出てくると、ハウスのリビングのテーブルに料理
「食べやすく 消化の良いフレンチを」とクリスチャンが叔父さんを通訳
メカはまだ マシンのリフレッシュの最中だが
「先に食え ライダーの体調が一番だ 俺達はホテルで食う」と叫んでくる
これもクリスチャンが叔父さん達に通訳
「WGP並の緊迫感 凄い」 これくらいの仏語は判る
「ボルドールよりキツイスケジュール」とぼそっとお父さん
ガッツリ食って ワインを一杯頂いた 68と38 テーブルで寝落ち
クリスチャン父
「ハウスの奥にダブルのベッドルームが2つある 使ってくれ
ライダー最優先だ 私達はホテルに行く」と譲ってくれる
クリスチャンに「ええのか」と訊くと
「雰囲気を味わいたいだけの僕たちと ボルドール以上のスケジュールで
自分の限界のコースレーコードで周回を続けてたライダー二人
比較にすらならない ここで譲らねければ父は僕の尊敬する人物から外れる
我がリカール家の恥となるとこだった」
「クリスチャンってさクリスチャン・リカールなん 直系?」
「爺さんだよ 仏人はとにかく耐久が大好き 特にリカール家はね
父は譲って 尊敬を失わず 大きな勲章を手に入れた
我が一族のモーターハウスで68と38が休息を取ったいう事実
わざわざ 海運した甲斐がある」
ハウスの奥に担がれて行き 眠る68と38 シャワーもあるので朝も浴びたと
ご飯を食べに散歩がてら ホテルのレストランに集合する
2日目もヤッパリ寝落ちで 同じパターン
クリスチャンの一族が 物凄く満足げになってくる
マッシモ達は大人しい
「どうした 大人しいが」
「トイレの本番前の練習と同じ 邪魔は出来ない」マッシモとジョルジェット
「ちょっとやられた 3日のパーティのお酒 うちの一族にサクッと譲ってきた
シャンパンすら うちのスパークリングに譲った こんな裏があったとは」
「なんだその裏って 言ってあったろ 地区戦のシリーズ優勝の掛かった
最終戦 こっちも必死になってやるに決まってる」
3日目の水曜日のから午後 もうヤマハの開発とワークス部隊 地区戦に全力
なんでかって言うと全日本組ヘロヘロで 午前中までしか走れていないから
午後ニ 新車が投入される ゼッケンは 68と38
慣れるためフリーで走って 10周づつ 15” と 14” 綺麗に揃えてきた
ラストミーティング
ハウスの中 父からの「お疲れ様 本番の祝福を待つ」との挨拶
ヤマハから
「ここまで関わった 明日と明後日の偵察もウチでやります
インフィールド アウトフィールド キッチリ 全日本の体勢で行きます」
「仕事もあるだっろうが次の金曜の夜 ホテルは抑えた 休養をとって会おう」
68と38は彼女の運転で帰っていく トランポの運転も慣れてきたみたいだ
金曜日の夜は カルロ手配の55のバスで回収して鈴鹿入りの予定
此の3日間 栄子ちゃんは 涼子さん一派で ドレスを着ての立ち振舞の特訓
初日の夕方に 涼子さんと美沙さんが渡りかけ 冨美さんにビンタされる
という事案があっただけで ダンスとマナーの先生の指導 動きも板についてきた
いよいよ明日 本番のレストランテ嵯峨野 一杯づゝのワインで打ち上げ
「冨美さんが居なかったら 初日から渡ってたが人がいますし」恵美さん
「見たことのないマーテルなんて 普通に出されたら 渡るに決まってる」
と開きおなるツートップ
冨美さん
「明日は 気をつけましょうね」と二人に言い聞かせながら 自分にも言い聞かす
危なかった もう一杯とか言ったら 確実に止まらなくなって渡っていた
本気でトラップだらけの部屋ね と思う
そこに帰ってくる大円
「こっちは スケジュールを熟して万端 金曜の夜から本気出す」
「明日は」と訊かれ
「明日の主役は花嫁とその友人 俺はおまけ 入場と退場のエスコートが仕事だ
友人たちも目一杯着飾って 栄子ちゃんも負けないように着飾る」
「開き直ってるわね でも そうよね」と納得の一派
着飾ってと言われても 栄子はあのドレス 着物で対抗するしか 女性陣
もう一点 栄子ちゃんの自動車免許取得のお祝いと新車贈呈の企画をしたのだが
栄子ちゃんから 自動車学校の卒業の報告がない
とても本人には怖くて訊けない
涼子さんに訊いてみると
「この三日間も朝イチのコマで通ってたの でもね報告がないのね
これで 理解ってあげてね」
「それって 自動車学校の進捗を訊くのは 地雷 って意味?」
「その通り」
ディーラーに連絡して 納車はもう少し後で とお願いするしか無い
今宵も深けたようで




