第191夜 赤子の判明は『弟橘姫様のご神託』
「いつから」大円
「最初から 途中で変わると理解るでしょ 当たる日を安全日とも」明奈
「岡崎ICのお城からかぁ 予定日は」大円
「神父さんのご神託だと 身籠ったばかり 産婦人科のチャートで
計算しないと 即答は無理」明奈
「大円くん 側室で二人目の御目出度 武将らしい うん 武将だ
矢田さんも同じレベルの武将の肚 続いて下さい」因陀羅大将
「そうそう まず側室を」と戦国武将の思考回路で話す十二神将
四天王 平成日本の常識を持つので
『それで いいのか』とも思うが 宮毘羅さんたちも滑ってる
突っ込んだら負け 距離を取って生暖かく見守る を選択して
「矢田さんも 続いて下さい」とぶん投げる四天王
矢田は矢田で ここでなにか言っても無駄
「嫁と彼女が喧嘩しないよう頑張ります」と言う返し
「そこは家元が捌くので大丈夫」ぶん投げた三穂
「俺 シエラからGZGに乗り換えてくるわ シエラの硬い足では
妊婦さんの明奈にはダメだろ」出ていく大円
「何時から知ってたんだろ この処 雨でもタバコはテラスのテント
毎度呑んでたサエコを仕舞っても 黙って下のお店で一緒に一杯だけ
お酒も 栄た街にある優香家の料亭は呑む前に撤退だったし
その後も 私が呑まないから 私の前では呑んでないのよね」明奈
三穂
どうにも確認したい事がある 回答できるのは家元のみだが凍結したまま
旦那さんの顔を見ると Go もう行く と決めて
家元の両頬を真っ赤にする
戻っては来たが まだ解凍中なので 水を持ってきて渡して待つ
「家元 兄貴は本妻の栄子さんの時には 禁酒までしたのですか」
「栄子は ほぼ呑まなかったから 禁酒の苦しみもない
涼子達の呑んで渡るダメ女を見続ければ 呑んで渡るとか論外
その辺は大円くんも栄子の前では呑まず他で呑んでた
ただ 栄子とて大円くんの嫁に成るから
酒の味が解らないと恥ずかしいと判断してな
覚える為に多種多様なお酒をハーフショットで
領事館やBarで味見程度は呑んだ 赤子が確定した後は
真っ青さんにボケボケで 大円くんとは会ってすらいない」
「三穂と典子 最近 イケメンと三人でBarでダーダーらしいじゃない
禁酒頑張ってね 呑みグセが付いてると禁酒って結構苦しいわよ」明奈
純金ゼミで お酒でやらかさないように兄貴の身内のBarに教えを受けに行く
ただ結婚してからこっち 行く度に池田さんに捕まり 毎回「結婚おめでとう」
からのダーダーに続く愚痴 呑まないと聞いていられないからダーダー呑む
ねね達は見た瞬間180度 フル加速で店を変える 捕まるのは三穂と典子の二人
日を変えてBarを変えても どこにでも居る池田さん
松田さん達が居ても二人の顔を見た瞬間「まかした」と優香達を連れて店を変える
矢田さんは電話してもその電話には出てくれない 呑みグセがついてしまっていた
「明奈はどうなのよ バカみたいな種類と量のお酒があるペントハウス」典子
「鏡智が呑まないから 呑めなかったのよ それで我慢してたらこれ」
お腹を擦る明奈
「典子は今日から 矯正の禁酒 三穂はどうするの?」
「段階的に 減酒していくしかないな 走行前は呑まないを徹底してる
毎日 トライアラーで練習すれば 酒も断てるよ」
遠くから声を掛ける矢田 Barでの池田の事は聞いてはいるが触れたくない
「矢田さんの言う通り 私はトライアラー 2分間に全力を掛ける女
そのための禁酒と思えば 私だって兄貴だって走行前は禁酒を徹底している
あとBarに行かなければ池田さんは居ない それをすればいい」三穂
「そっか トリノの美味しいワインもタイムが出るまで一滴も呑まなかったと
ご当主様も言って見えたしね タイムを出したらダーダーだったけど
そういう枠だし 兄も妹もそうなんだ」明奈
一瞬物凄く嫌な顔をする三穂 兄貴と一纏めにされるのは嫌らしい
「うちの弟も その枠 レースや走行の2日前から 一切呑まない
どんなに誘っても いいお酒でも 呑まない」典子
「それなら裕太くんを見習えばいい いい見本が家に居る ラッキーだね」三穂
裕太くんと同じ枠ならと 自分を誤魔化し 諦める
そして 皆で鯉を食い 鮎を食い 肴を食い 呑める人や仏は呑んで
禁酒中組は禁酒をしいているので早めに 満足して解散していった
由美子さんは まだ 栄子と明奈の激突の余波で ボケて座っている
残った四天王で 片付けを始める
旦那さんと十二神将 余った肴を全部持って 奥の奥の離れに移動して
矢田を囲んで第二ラウンドを開始している
人の家で呑んで食ったら 片付けをする と言う常識が残っていたのが
四天王のみという惨状
「この片付け 俺らが一番 平成日本の常識がある証拠だ」広目天
「そうですよ 流石 私の配下」帝釈天も片付けを手伝っている
「ですよね うん納得の片付け」と五人で綺麗に片付けを終えて消えていく
ペントハウスに戻る大円と明奈 三穂と典子も北
リビングのソファで明奈の膝枕で寝てる大円
「御目出度かぁ 明奈も自覚して 鯉を食ったか
やっぱっり矢田は ここ一番で助けてくれる 流石だ
明奈も典子ちゃんも栄子ちゃんも目の綺麗な赤子が生まれる」
「さ お風呂入って寝ましょ 鏡智 放っとくとシャワーをチャで済ます
きちんとお風呂に入れないとね 奥様にも任されましたし
三穂と典子は ゲストルームを使ってね シャワーもあるからね」
ゲストルームの取説を三穂に渡して 奥のバスルームに向かう大円と明奈
ゲストルームタイプ1はバカでかいクイーンサイズのベッドルーム
タイプ2は6畳一間の昭和の畳部屋
「なにがどうなって このツータイプの部屋になるの?」典子
「兄貴のセレクト 考えても無駄 女子会だよ でかいベットにしよう
こっちにはシャワーもある ドアも閉まる 襖の扉は流石に嫌だわ」三穂
シャワーを浴びて 備え付けのジャージに着替える二人
ベットで寝そべり会話スタート
「兄貴関係は流す 総て流す 距離を取る 典子はどうするの」三穂
「鈴鹿の前に熱田に行ったじゃない
参列者は足りないけれど 神職と巫女さんに雅楽までが揃ってる
巫女さんに舞をして貰って神職の前で 三三九度までやっておけば
仏人は喜ぶからやっておけと 清須Rの竹内さんのアドバイス
それで そこまではやってあるの」典子
「万全 さすがレーシングチームのボス 仮でも喜ぶからいい
熱田の神様の前で 式『は』挙げてある事実が大事だね」三穂
「後は 紙と大学かぁ」典子
「スザンヌみたいに1週間の予定が1年の交換留学生もいるし
1年位の休学は仕方無しで 上手く行けば卒論は逃げ道がある」
「逃げ道って?」典子
「こっちには明奈のお膳を確認したゼウノって西洋の神様まで憑いてる
山の上のお嬢様女子大 ミッション系 なんとでもなる」
「使う気満々」
「スザンヌも信濃流で初級の許状は頂いたようだけど 漢字で苦しんでる
7家で交代で泊めて漢字とか教えてるんでしょ」三穂
「7家じゃないわよ 美久家 優香家 由美香家 伊仏語の先生
それに伊料理も熟すらしいの VG10の包丁も有り難いって
交換で 珠算と習字を優香に習って感動してたわ 優香段持ちだしね」
「優香 珠算の段持ち 凄い 私 珠算は2級までで終わった」
「あの私も 一応は習字と珠算は初段の段持ちよ
三穂みたいに書道全国とかではないケド」
「書道は兄貴が字が汚いどころか下手クソ過ぎて 反動で私にはと
教室もいい処にガンガン通わしてくれた
道具はクソ坊主のを 取り上げて持ってきて いいのが揃ってる
筆は消耗品だからクソ坊主のがダメになったら 何処か現地へ行って
買ってきてくれた ついでに牡蠣の山も どっちが本命かは不明」
「それは牡蠣が本命で 筆がオマケ 広島の熊野筆でしょ」典子
「そうかも 美味しかったし 筆もいい感じだし 食い物絡みだと
兄貴は滑らないから 安心して任せれる」
「外商に もう少し上達したら熊野筆をお勧めします と言われたわ」
「そんなの最高のマシンと膨大な練習量と最速の指導者
三点セットで上達していく 書道もお茶の道も同じよ」三穂
「そのお茶の道の最速の指導者が最速過ぎて 今ハマってるの解ってる?」
「最速の上達ではあったけど トラップにハマった
この話題は諦めて 四天王さん達にお任せしよう 寝る」投げた三穂
「寝よう」諦めた典子
大円の話題は昔話のみ 明奈の話題はスルーした会話で 夜が更けていく
10月21日(土)0500
リビングに集合する四人
牛乳500mlにミロを入れて飲む 兄妹
「こればかりは 兄貴が無理してでも買ってくれてたから」三穂
「牛乳 2.5本分のカルシュウム」明奈
「それ ホントに牛乳 2.5本飲んでるだけだし」典子
三穂
反論したいが牛乳で体が出来たのは事実で 親が買ってくれなくても
レジから盗んででも兄貴が買ってきてくれて牛乳とミロだけは有った
山の幸も矢田さんの実家の店で売れた金の半分は牛乳基金で除けてあったし
今でも続けてる習慣で体力・筋力の源泉だし どうにもならない
「二人も飲んでおけよ 牛乳は母体にもいいんだろ」大円
「私はいつも通りミロを入れて200ml」と200mlを飲む明奈
「そうね 赤子のことも考えないと」200mlを飲む典子
「とにかくよく解らん この辺は万物の理も答えてくれない
典子ちゃんも明奈も実家に一度行って 病院で検査へ
信濃流の経産婦は 呑んで渡った実績があるからダメ」大円
「鏡智は本妻の指示通り 三穂は旦那が来日してる
今日は佐賀県産の毛皮を買いに行くのが2人のミッション
私と典子はうちのガードで 極秘に」と明菜が言っていると
バデカイチャイムがなる
矢田が来てくれた
「おはよう 昨日の結果を
奥の奥の主が8時に迎えに来る
車は明奈ちゃんのガードの車で移動で一旦信濃流の奥の離れに
典子ちゃんの家に 主と由美子さん夫妻で行って貰い
ご両親・同居の祖父母に 赤子の判明は『弟橘姫様のご神託』
誰も勝手に産科に行った訳ではない と断言をして貰う
コレやらないと、勝手に産科に行って と揉める
明奈ちゃんのトコも 同じパターンで受けて貰っている」
「さすが矢田だ 呑んでるかと思ったらこんな手配をしてたんだ
親戚付き合いの鬼だな」大円
「昨日の昼間の夜だからな 昼に爺さんの勘違いで揉めかけたし
コレくらいは手配しておかないとな
千佳が朝ゴハン用意してうちで待ってる 行こう」矢田
明奈達を連れて 矢田の部屋に移動していくと
バカでかいチャムが鳴り 毛皮を買いに行くチームの73の声がする
「大円さん バスが到着してますから降りてきて 乗って下さい」
「行くか」大円
「あっちは矢田さんに任せれば安心 兄貴は居ないほうがいい」三穂
今宵も深けたようでも