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第179夜 着付けで諦めた袴を持っていきます

夕方 明奈から

「大学側には 関係者に三穂が居るし アリスに任せればいいし と典子母が投げて

 やんごとなきお貴族様のお願いで軽く通ったわ

 それとスザンヌ一人を典子母の犠牲に出来ない 一緒に合宿して伊語のレッスン」

と連絡が入る


「せっかくのBarめぐり」と日本語で誘うと


「鏡智 いま日本語で言ったわ 滑るから行かない」と冷たくされる


悲しみに打ちひしがれながら ヤバイ弁護士1号と伊藤くんのキャバクラへ

まだ 開店準備中 店長の陣頭指揮で黒服と掃除のおばちゃんで掃除をして

黒服 テーブルを皆で最初はハイターで 次に水のダスターでキレイにしてる


1号の計画だと 二人でズカズカ入っていって ドカンと椅子に座って

机に靴のままの足を投げだして 「店長を呼べ」


「1号 やめよう 掃除の人に悪い やるなら1号だけでやって」

掃除のおばちゃんには弱い大円 ペントハウスの掃除のおばちゃんにも

『また、散らかして』と怒られながら 部屋が綺麗になっていくのを見てるだけ

地獄でも掃除担当の獄卒さんに一番弱い 返事はいつも「はい」


50杉の掃除のおばちゃん だけは 掃除のおばちゃん と言える

おばちゃんよりも『掃除の』この言葉が重く ありがたい存在でしかない

掃除のおばちゃんも『掃除のおばちゃんでヨシ!』と言ってくれてるので安心


1号も岐阜通いがバレて 嫁は温泉旅館の梯子をする旅を3ヶ月前に開始して

今現在は 台湾にもいい温泉があるそうで 台湾の温泉と夜市を堪能中らしく

掃除のおばちゃんに頼っている状態で 掃除をしてくれる人には弱く


「あのう すいません」と二人で入っていく


「カクカクシカジカで伊藤くんと吉井くんには目を掛けている

 ちょっとでもお姉さんと仲良くで 残業1時間付けてあげて」

名刺も出さずに 1号が適当パンチの言い訳を並べて 店長にお願いをする


「そうそう 伊藤くん達5人 頑張らせないと 3人が本家で頑張ってる

 酒も呑まずに黒服で送迎だ 偉い」大円


「そうは言っても 深夜勤務で 残業がギリに ポリより労基の方が怖い状態で

 黒服&送迎 なかなか成り手が居ない これ残業70時間/月とか 嫌でしょ」店長


店長が2人を連れて店外へ

「店の黒服とキャストが出来ると もうワヤ 仲裁も大変で それは厳禁

 隠密で出来ちゃって成婚まで行けばいいですが 自動的にキャストが辞める

 黒服で店に残ると キャストとの浮気疑いで揉めるので 元の組に帰すしか無い

 もう胃が痛くて 俺もキャストに手出してとの誘惑を」愚痴が続く


大円と1号 思いっきりのデカイ地雷を踏んだ事を認識する

1号 店に残る黒服の浮気疑惑で揉める 身に覚えがあるようで

即 現役の5号へ電話

「伊藤くんのキャバクラが労基に踏み込まれる前に 人員の補充を」と指示



「それ 苺求人の男性部門で募集して キツイ様で採用してもすぐ辞める

 仕方無しで 伊藤くん達を送り込んだ これ以上は3人を戻すですが

 本家の頭のとこへ出した後での発覚で 頭の承諾が要るのですよ

 ちょうどいい 頭と仲良しの1号さんも大円さんも居る 任した」躱し投げる5号


「流石 現役だわ 巧い まず社長に話しを通して 頭のトコへ電話するわ」

投げたつもりが投げつけられて 仕方無しで対応する1号 面倒見はいい


結局 社長も5号も若い衆4人と皆集まって 伊藤くんのキャバクラの対応


「頭から リーゼント組の3人は返せないが 他で3人送る と握れた」社長


「それは ありがたい 組で鍛えた若い衆が3人も居れば 残業も減らせる

 減らせれれば 一般募集の若いのも長続きするかも」店長


「水商売で 綺麗なお姉ちゃんがいっぱいで 開店が楽しみ」大円


「あ、大円さん お局様とか絶対ダメですからね 憧れがついたら寿

 無しだと ヤバイ言葉 というか危険なので この店は 今から出禁

 即退出で 大円さんはそこの茶店へ」


店長にキャストの出勤前に 店を追い出される大円

1号と5号に爆笑され 「一緒に行きましょう」と茶店へ行かされる


「店の開店前の掃除をね おばちゃんに任すのも手なんですが やっぱり黒服

 自分の店の意識が欲しくて 汚さなくなるとの実験結果もある

 人数さえ居れば3勤1休に持っていける そうすればキャストのBar通いも

 福利厚生で経費で落とせますし」店長


あれ?


「それだと 出禁だわ デジポットが減らないわで 俺 役立たず」大円


「そんなの 黒服の残業付けたらキャストは呑んでてて無給でいいですが

 そこは税理士とも相談しないと」店長


「大丈夫 キャストはOff 黒服はonで 税務署は通せる」現役の弁護士5号


大円も国税の間宮さんに電話すると 相談の前に沢井さんの19の嫁の件で

愚痴を垂れ流される 挙句 そういや大円も19の嫁に20の愛人とかだったな

と攻め込まれて相談にならない 諦めて電話をぶちきる大円


「国税の間宮さんに相談しようとしたら 藪蛇もいいとこだった」大円


「19の嫁に20の愛人 殴られるわ」間宮さんを知っている1号に爆笑される


道を挟んだ対面のビルの1階のキャバクラ 黒服が店の前の歩道を掃除して

店のドアが空いてオープン 今夜も 騙し騙され狸と狐の化かし合いの夜が始まる


「キャストの件は別途 税理士さんと5号さんと税務署とで相談

 伊藤くん達が休みにBarに行く件は 本人にお任せで」と区切って店に戻る店長


ふっと気づくと若い衆4人は何処かに行き 1号と5号で茶店の会計をしている

瞬速で5号の前に廻る


「あれ 大円さんと社長でBarへ では」すっとぼける5号


「そんなの社長の愚痴が垂れ流しになるのが目に見えてる 断る

 デカイスーパーのミスドまで送って ね お願い」大円


キャバクラに行った経験のない大円 1号と初キャバクラを体験するつもりで

タクシーで着たけど 出禁 頭の倶楽部も 出禁 どうしよもない

サクサク 5号のターボブロアムに乗り社長との物理的距離をとる作戦の三人


「しかし本気で瞬間移動するんだ 川崎の本山で100人を1分以内で地獄送り

 嘘は言わない若い衆だけど 今日のを見てね実感した」5号


「そんなの 社長の愚痴から逃げるんだよ 急げだ 至急電だよ

 あと地獄には送っていない 閻魔王の法廷に送った その先は閻魔王の領域」


ちょっと無言になる二人 『閻魔王の法廷』 どのみち『地獄行き』だろうと思う


「ミスド? どうしてまた」1号


「デカイスーパーの女子社員にも呑んで貰わないとデジポットが残りまくってる

 勿体ないお化けが出る 怖くてしょうがない」大円


「そっか 大円くん 小さい頃は 家がクソ坊主に集られて毟られで食うや喰わず

 残さず食べるが染み込んでるからな 頭の山ほどの飯も残さず食ってたし

 大勢での時は 多めに頼んでも必ずオミヤ用の入れ物を準備して残さず」1号


「そうそう 頭の飯は山盛り 食えない時はオミヤで持って帰った

 みっともないとも言われたけど 勿体ないお化けは怖い」大円


「5号はBarめぐり付き合えるのか」


「俺の子供も小学生高学年 嫁側の爺婆が子供連れて外食に行きたくて仕方ない

 俺ら夫婦は邪魔らしいけど それをやると遠方の俺側の爺婆が僻む

 大円さんと1号さんのお誘いでBar 断れない大義になる 悪者になって」5号


「大円くんと爺婆は面識がない 5号の爺婆からの苦情は俺のトコか」1号


「俺の実家が岩手 冬はスキー 夏は涼しくて山遊びに川で魚釣り

 住むのは物凄く大自然で不便だけど 偶に遊びに行くなら最高で

 盆と正月は 子供のリクエストで岩手に行くの 

 嫁側 隣の市 幼稚園の頃は夫婦で飯食いに行くからで 子供を爺婆に預けたけど

 今だと大義がない 近所なのに会えない嫁側の爺婆」5号


この手の力関係は1号に少し習った 嫁と旦那側の爺婆は仲が悪い しか知らない

「1号の絵で5号が来れるようにして それと後で図描いて 詳しく」大円


「じゃ 1号さんが絵描いてくれて 三人で 今日のBarでどうですか」5号


そんなこんなでミスド到着 まだ1900 ミスドでドーナッツとコーヒーとなり

1号と5号はオールドファッションとあまり甘くないドーナッツ

大円 フレンチクルーラーのチョココートとカフェオレ


「よくそんな甘いのを」と言われるが


「ガキの頃は貧乏で 甘い物ってあけびとか山の実 山柿の渋っぶいのを沢山取って

 皮を剥いて冬まで干して干し柿 これくらいしか食べれなかった

 夏場とか山には甘い物があまりない 25円の御座候 あんこ系は吉田先輩達の

 奢りか マムシが〆で売れた時に食って美味いものだと思ったよ


 頭に『腹いっぱい食っとけ』と渡された万札握りしめて 妹連れて来たのがミスド

 貧乏人にはミスドの敷居は高くてさ 初めてで ドーナッツの大きさが判らないし

 残すと勿体ないお化けが出るから怖くて 1個食べては 又レジに行って買ってで

 二人で腹いっぱいドーナッツを食った」大円


「でもさ 徒歩圏内にミスドがあるだけ良い時代

 俺のガキの頃は ミスドはまだ東京の1号店 岩手の大自然の村に住んでたから

 本屋まで自転車で1時間だし 駄菓子屋の『おやき』がご褒美」5号


「おやき ってどんなの?」1号と大円


「こっちで言う 大判焼きですよ」5号


「あああ その名称問題は危険 ケンカになる うちの小学校が御座候

 西隣の小学校は大判焼き 東隣は今川焼き まぁ小学生が行く店の看板が

 そのままなんだけど 小学校3校が集まる中学で派閥でケンカになった」大円


そんな話をして 1930 矢田が来ない

電話をする大円

「あのな 今日の今日で 人が集まる訳無いだろ 明日でもキツイのに」


矢田に叱られ ヤバイ弁護士1号と5号と三人でGS裏のBarへ

5号の事務所の事務員さんも1人来てくれて 4人で始める


5号 呑んで渡って廃車にして皆に笑われる のは嫌なのでノンアル 

事務員さんの公美子23さん の頼むもので 統一

1杯目 500円のロング

2杯目 700円のロング

1時間が経ち 修了


「近所なので歩いて帰ります」公美子23さん


見送って


「あの娘も同じだね 少額でも使い切るまで応援を貰う 使い切った後に来たら

 請求書ですまして修了宣言はバーテンダーさんから そこまでにしよう

 でさ、なんでチーズがしょぼいプロセスとカマンベール?」大円


「平成日本の空気を読めてませんね ウオッシュやブルー 臭いと苦い ですよ

 リクエストがあれば出しますが 最初は外します」GS裏のバーテン


大円 1号と5号に笑われて 帰っていく


火曜水曜とロレッツオとマッシモ達組と矢田夫妻+大円で手分けして Barへの案内

極悪人の池田も来る イケメンで稼ぎもしっかりあり 業界では有名人


大円 黙ってみてると デカイスーパーの若い女子が 誰も池田の隣に座らない

呼んでみたライオンの二人の隣には 皆座ってみるが 二人共仏語が母国語レベルで

特訓中の伊語で話され ゴメンナサイと離れていく


矢田と二人で 訊いてみると


「ダブルヘッダーの悪行の人とは無理です」和美21ちゃん


「はい? なんで知ってるの?」大円と矢田 矢田も話を広めていない


「それは 崩壊はしてますが一派 申し送りで聞いています」和美21ちゃん


「千佳が一派を率いたら 来てくれる?」矢田


「千佳 先輩26に一般常識を教えられた 涼子さん一派 行きます」由香里23さん


「同年でも?」大円


「一線を越した一派 その中で唯一 世間一般常識がある千佳なので」歌子24さん


2日間で15人に訊いてみるが

 池田は悪行の人 と 千佳ちゃんは一線の向こう側の一派の人

これに揺るぎはなかった


2日間とも来てくれた ライオン二人は

「日本語で責任の持てない事はしない 伊仏語なら持ち上げで通るのが口説きになる

 池田さんへの対応を見て日本語は難しいと再認識した 島田が帰国したら展開」


「大円より三倍はしっかりしてる まぁ大円は日本語だと滑るから心配はない」矢田


大円 Barの隅で体育座りになって おでこと膝がクッツイている


「俺ら 日本人とバレると 茶と華を要求されるんです でも清流高校卒のライオン

 横着もしまくりの過去で入門不可 どこか口利きして貰えませんか」和田


「千佳に習えばいい 千佳レベルにしとけ 大円が先生とかだとおかしな世界だ

 場所だけは パーク大円の茶室を借りればいい 他の女子はどうだ」矢田


「それをやって頂けると 着付けで諦めた袴を持っていきます」歌子24さん


「それは有り難いんですが 言語は伊語か仏語で 俺ら日本語が不自由」村井

サバンナのライオンらしい注文 やらかす前に予防線を張ってきた


「米語では」同時通訳が出来る千佳ちゃん


「美味しいお茶が不味くなる」村井


「メシマズはなぁ 村井くんの言う通り伊語で」体育座りから復帰した大円


「大円は教えなくていいからな 千佳が先生で 伊語で」矢田の裁定


一派に来るつもりの女子 『そんな 伊語で』とも思うが ライオンはカッコいい

ダブルヘッダーと違い キチンとしてる お断りは仕方なし と理性が勝って


「伊語で せっかくの千佳さんの先生に カッコいい男子 見るだけでも」歌子さん


「私は仏語で」と出てくる久子25さん


「いいじゃん その日の情勢で 伊語か仏語かは決めれば 島田にも言っとく」村井


「そこに 日本語と米語は ないの?」千佳ちゃん


「トラップだらけの日本語 と メシマズ語 ない!!!」ハモるライオンと大円


『大円はなぁ日本語が不自由だけど この年度のライオンもかぁ 後輩候だ』

矢田 思ったつもりが 声に出てて


「カッコいい男子が 日本語で滑るのは勿体ないので 伊語か仏語で」久子さん


「千佳 頑張れ」投げる矢田


「それで決まったの?」千佳ちゃん


「決まりました」歌子さん


「Chica, prenditi cura di noi.(よろしくね)」ライオンの二人


「I got it. I'll teach you. (任せて なんとかする)」千佳ちゃん


「Terminons par un toast.(乾杯で〆よう)」村井


皆がグラスを持ったところで


「Toast(乾杯)」大円


デカイスーパー 千佳一派が出来上がる


明奈と三穂は来ていない が ロレンツォにお断りの電話は有ったらしい

「伊国に移住すれば 樽も多く ぽっちゃりでも目立たない が 卒業までは日本

 山の上のお嬢様大学 ぽちゃまでしか居ないとクソ兄貴の検分結果

 伊国で美味しいものツアーで ぽちゃ に」思いっきり蹴ったようだ


ロレッツオはガッカリだが「伊国で美味しいものツアーで ぽちゃ に」を

聞き逃さず 「美味しいものツアーの準備だ マッシモさんも手伝って」と

元気に ミラノ便に乗り込み 空の人となる


「三穂 義兄が クソ兄貴になっていた」ロレッツオ


「それ 知らないんだけど」マッシモ


「何かのキッカケで いい兄貴様 となって 俺とあった時は いい兄貴様

 今回の来日では何かあったようでクソ兄貴 まぁ兄とはそんなもんだ」ロレッツオ


「パンチだし アホみたいに飛ぶし WCをトイレだし」ジョルジェット


「WCの件は俺達も長野親父に乗っかたし 人の事は言えない」マッシモ


そんな 情報交換をしながら空の旅の三人


「あれ スザンヌさんは?」ジョルジェット


「忘れてた まぁ義兄に任せておけば お茶の道の免状を頂いて帰ってくる

 公平に キアラも免状が頂け無ければ 帰国は認めない とすればいい

 キアラは何度も日本に『無断』で来ているし 出来るハズだ」ロレッツオ


「クソ兄貴候」ジョルジェット


「でもさ リカール本家の嫡男に 嫁を見つけるまで帰ってくるな と言ったのは

 従姉妹のお姉さんだと それだとクソ従姉妹だな」爆笑のマッシモとロレッツオ


今宵も深けたようで

着付けで諦めた袴を持っていきます これを言ってるのが「歌子さん」

作者 性格悪いね

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