第178夜 それに一線を越したのしか一派に居なかったから
三穂は黙り どの道も塞がれて 受け入れるしか無い
でも このクソ兄貴が居るのを承知で受け入れてくれるロレンツォが居るだけ
あの三人よりはマシと切り替えていると
クソ兄貴の携帯電話に着信 「伊語?」
しばらく話し込んで
「マッシモ メディチのご当主が直々に スフォルツァのご当主に話をされたそうだ
メディチのご当主は
『ロレンツォの嫁に三穂さん 懸案が片付いた 若夫婦の縁もあり協力有難う
若夫婦は ご苦労さん旅行で木曜日まで日本の旅に行っていると聞いている
日本ではうちの息子と合流している 通訳をお願いしたい』
『フィレンチェからのお願い うちの結婚式も応援頂いた 握る」
もう搦手で 脱走を丸め込んだらしい」
「うむ 流石 フィレンチェの主 丸め込んだ」マッシモ
「たぬき爺 木曜日の飛行機に乗って返ってこいまで入れて握ってる」ロレッツオ
「それまでに 収まると良いのですが」ジョルジェット
「収めれるだろ 収めれるれるから木曜日 ネタは振っておいた
さっきの純金の三人の婿と お嫁さん受け入れ 日本語を熟せと
キアラだって支払いはやらかすが 注文までの日本語を熟す
俺は 三穂が伊語をこなしてくれるから 楽勝だけどな」他人事なロレッツオ
「私達だって支払いまで『今は』出来るわよ」正直なジョルジェット
「ロレッツオ様 私が通訳として来てますが」スザンヌ
「そっか 大使館に見つかり そっから漏れると困るから 身を隠せ
義兄 どこか身を隠せる場所はないか」ロレッツオ
大円 考えに考えて 隊長に頼る事にして電話を掛ける
隊長なら鉄壁の護衛 スザンヌの身体生命の安全は確保できるし
美味しいものツアー中 美味しいものやハズレも味わえる
「どうした?」隊長
「隊長 由美さんと美味しいものツアー 一人匿ってもらえませんか」
「明日 午後以降なら 今な サンライズひかりに乗ってて車中泊だ」
「サンライズって寝台列車 豪華ふたり旅 おれもやろう」
「やめとけ 俺達が乗ってるのは サンライズ「ひかり」だ 台風の雨と停電で
1603東京発のひかりで今小田原駅で止まってる 明日になれば大阪で食い倒れ
あのふぐの看板の店に行く予定だが 朝日は新幹線の車内で見る事になりそうだ」
「それ希望的観測 他を当たります」
「そないにしときや 偶には電話しなはれ」
と食い倒れに気が向いておかしな京都弁ぽい なにかで電話が切れる
「困った 頼りにした隊長は新幹線で缶詰だ どうにもならない
ガエターナもスザンヌも黒髪姉妹 木を隠すなら森へ 山の上のお嬢様大学
俺以外の誰かに タクシーがいいか 日本語も支払いも行けるしな」大円
先日 英雄さんの件で作った 交通費の封筒を2袋も渡しておけばいい
たしか 典子母さんが父兄会の顔役 頼めば1週間位は 交換留学生扱いに
まだ22時前 電話をしてお願いをすると
朝 典子のSEガード&ファイトのチャレンジャーでピックアップまで受けてくれる
そのまま 典子家で お茶と料理の合宿になるそうだ
典子母 春先の合宿以来 お茶を教えたくて仕方がないらしく
あすは 茶と茶菓子とを買いに行くと張り切っている
続いて 涼子さんの旦那のカルロに電話して カクカクシカジカ
大使館に出張られると ややこしい 抑えてね とお願い
カルロ 身重の涼子さんを抱えての ややこしいお貴族様の相手はしてられない
「手は撃っておく」と回答して電話は切れる
「よし 大使館関係は手を撃った
スザンヌは明日から交換留学生に変身して 山の上のお嬢様女子大へ
お釣りは お茶のお稽古と料理教室の合宿 普通の人のお稽古だ 安心していい」
「木曜日までの期限付きだけど 脱走もお咎めなし
問題も解決しそう 祝杯を呑みましょう」ジョルジェット
「スザンヌと三穂はあすから大学がある ペントハウスに送ってくる」大円
キアラと書かれた 部屋をあてがい 忘れる前に封筒を一掴み渡してBarへ戻る
戻ると朝までドンちゃんではなく マスターのカクテルの評価会になってる
しかも カウンターの中 バーテンダーが増えて 3人居る もう一人は配膳
「大円さん うちの他にも多額のデジポット入れまくった挙句 雪が溶けたら
全然、行ってないそうじゃないですか 紹介もなしで浮いてるデジポット
運転資金に流用する魅力に耐えてる身にもなってあげて下さい」駅前
「誰が入れたんだ」ロレッツオ
「俺達夫婦 やらかすのが嫌で 入れて忘れてた」マッシモ
「三穂達にも 行かせるが 明日と明後日は2軒づつハシゴで廻る
ジョルジェットさんも 旦那のやらかし お付き合いをキチンするように」
ロレッツオ メディチの本家の次期でマッシモの1つ上
伊人がいい加減なのは仕方がないが 叱らないと同じ枠になる それは嫌
「足りない時は キチンと支払う さっきジョルジェットが出来ると聞いた」大円
「その心配はない ええだけ入ってる 入ってると言っても置いていく」
三人のバーテンの愚痴が始まる
「あれ 俺が一緒の時もなの」大円
「そうです 大円さんにやらかすのがバレるとバカにされると 隠れて置いていく
それも来た3回とも こっちも美人のお願い 聞いちゃって店長に叱られて」三人
「仕方がない 極悪人だが独身男子に呑みに行かせる」大円
「顔も知らなくては」
大円 ダッシュでペントハウスに戻り 酔っ払う前なのでヘロヘロにならずに
スキンケア池田のパンフを持ってきて
「ここの代表だ 写真はズルしてるがイケメンだ こいつに呑ませればいい」大円
「了解です でも焼け石に水かも」三人
「ジョルジェット どんなけ置いてきた」マッシモ
「CHFで一束づつ ✕2回 大円の真似した」ジョルジェト
目眩がする大円
それはやったが 君ら2人で程々の旅館に10泊でJPY一束だ お釣りも極わずか
駅前のマスターが来て大円を連れて離れる
「うちの店 デジポットを使い切ったら 大使館と県警のツケになるので
どれだけ呑んでも関係ないので なので公園前 ボーリング場横 GS裏 の
三軒に行ってもらったほうが 俺はペントハウスへ出張バーテン料金と
涼子さん一派解散で 呑む人が激減ですが 吉田さん達が署の若いのを連れて
来てくれてますので」
「デカイスーパーの残ってる一派全員に 3軒で呑めと言っておく様に頼む」
そんな話をしてる25時の少し前
「珍しく開いてる Barって来てみたかったのよ」派手なドレスの若い女性達4人と
と物凄く渋い顔の 若い衆が入ってくる
速攻で若い衆が大円の元へ
「そのパンチ 大円さんですよね 俺 ヤバイ金融の伊藤です
スヌケと三角ヤスリと檜を頂きました 助けて下さい」と 蜘蛛の糸にすがる
「どうした 訳を話せ」
「俺 今キャバクラの送迎係で キャストをキチンと寮のマンションまで送る役
それが いつもは閉まってるBarが今日は開いていて どうしても寄れと
寄って帰るのが遅れると 叱られるのは俺なんで」伊藤
「そうか しっかり仕事してるな 女性たちは1時間限定で 言い訳は俺がする
明日からBarめぐり ここ入れて4軒ある 飲み放題だけど1時間限定は厳守
Barの店長やバーテンも協力する 握らないか」
「そんな事したら うちの店だけでも30人は居るから 結構な金額に
誰が払うのです? 払いも考えないと キャストの依怙贔屓になって揉めます」
「他のリーゼントくんは? 伊藤くんだけが運転手なの」
「3人は本家に行儀見習いに 俺と吉井が 今の店で黒服と送迎やってます」
「二人で4人づつの計8人 その車に乗れば Bar1時間呑み放題 くじ引きで
ところで伊藤くんは呑まないの」
「そんな 呑んで事故って廃車にしたら 黒服の送迎係として格好が付きません」
黒服の矜持を発揮する意外とマジメな伊藤くん 先輩の廃車案件を肝に命じてる
「そうだよな 伊藤くんたちまで 毎月廃車だと 社長の愚痴が酷くなる
そこは諦めよう1時間の残業も申請しよう 誰に話せばいい」
「社長だと大事に 店長ですけど 店長だと大円さんを知らなくて能書だと」
「明日の開店前に行って 店長を呼んでと 話すから」大円
思いっきり嫌な予感しかし無く 渋くなる伊藤くん
「大丈夫 ヤバイ弁護士1号が暇してるから 一緒に行って貰う きっと顔も」
そんなんをしてると キャバ嬢四人 カクテルで盛り上がってる 26時15分前
物凄い口の上手さでキャバ嬢達を上機嫌のママ ワンBoxに載せていくバーテン四人
「すっごい プロの口の上手さ 脱帽です」伊藤くん
「見習ってな じゃ明日」店の名刺を貰った大円 伊藤くんを送り出す
「ふう デジポットを減らす目処がたった」大円
「減らないと思います 大円さん 今でこそ 落ち着きましたが 元はダーダー
うちにある上限の定冠詞の17とかサルートから始めて葡萄に行って
最後にアイラに黄色 それで我儘言ってジャンフューとかクルボアジュの
珍しいのを頼んで一人で2万
こちらの夫婦と来られると 更に葡萄でダーダー
今のキャバ嬢 おっしゃれなロングを2杯づつ 600円✕2✕4=4800円」
「そんなに安いの 高い酒出しとけば」大円
「高くて強い酒は渡る 次の日に残る 彼女たちもプロ やらかしませんよ
Barの雰囲気とロングを楽しむ女性 です」公園前
「となると 呑んで渡ってグだる涼子さんは 呑んで渡って歌う美里さんは」大円
「ダメ女候」とバーテンダーの声が揃う
全員の視線がジョルジェットに集まる 普通にしてて一安心
「それでも5000円づつでも減っていく 伊藤くんと吉井くんに頼ろう」大円
「うむ そうしよう 俺はヒルトンに戻るわ マッシモたちも戻ろう」
まとめるロレッツオ 引き上げていく3人
9月25日
昨日は 朝から晩まで大変だったので 女子大生組をモーニングで朝を
食べさせて 迎えに来た典子母にスザンヌを引き渡しチャレンジャーを見送ると
三穂と明奈は屋根があってエアコンが効く国産のグロリアに乗って登校していく
喫茶店で一息ついている大円 矢田がジョクでデカイスーパーに向かうのを見つけて
「デカイスーパーの残存一派の皆さんでデジポットを呑んで欲しい」とお願いするが
「顔も知らないでは Bar側も出せないだろ」と真っ当な返しの矢田
「勿体ないお化けが・・・出る」呟きながら ビビる大円
「仕方がない 俺とお前で 明日からBarめぐりだ 明日は公園前
閉館後の1930にミスドに集合で 一派と合流して紹介しないとな
Barのマスターを張ってるなら一回顔を見れば覚える 後は社員証で裏書き
頑張ろう とりあえず俺は 店に行くわ」走り始める矢田 ついていく千佳ちゃん
「どうして 他の一派の女の娘たちを サクッとBarに連れて行く話に」
浮気を疑うより なにかの違和感を感じる千佳ちゃん
「そんなの 上がしょぼい 先輩26にさゆりさんも抜けた
館内で統率が取れてないから 催事とかで話が通じない
無理くりにでも、一派を維持して纏めないと揉め事になる
先輩26クラスが居てくれればいいんだが卒業して 次は焦ってばかりで
下の面倒を見れていない 由美子さん一派の教え鍛える力も 資金力も無いしな
Barにデジポット 使い切ったら大円へ請求書を投げればいい なんだけど
あいつが勿体ないお化けで焦るんだ 山ほどあるだろ 使わせて貰おう」矢田
「確かに 茶華に着付けに料理にスポーツに簿記まで 花嫁修業はバリバリ
涼子さん一派に入れれば お稽古代とかなしで習えてたけど見分付き」千佳ちゃん
「だろ 厳しいけど結果を出せれば 身に付くものも沢山ある
それに一線を越したのしか一派に居なかったから 疎外感もない」矢田
「それって 私も一線を越してると 酷いと言いたいけど
先輩26にも自覚しろと言われたから・・ 反論は諦めます」千佳
「でさ 千佳 一派を率いない? 技術は茶も華も着付けも今の千佳で充分
必要なら由美子さんに声を掛けるが 返って負担になってご辞退になる
ご褒美のBarの資金はデジポット山盛り 足りない事はない
今までだと寿で デカイスーパーも卒業 でも千佳は俺の嫁で居座る」矢田
「はい??」
「振り袖や小紋の着物だって 余裕である
パーク大円 茶室もあるし 茶会どころか食事付きの茶事だってやれる
千佳が23 千佳より下だけでも 千佳が纏めてくればいい
ほっとくとデカイスーパーの女の子が口の旨いイケメンの草刈り場になる
となるとデカイスーパーの格が落ちて 自動的に俺の店も格が落ちる」
「商売上の要請なのね」
「休館日が減る予定になってる 4年後は年中無休だ 本体社員は交代できるが
俺達テナントは 休日なしになる テナントにかなり不利な経営方針だ
が、現状だとデカイスーパーのネームバリューと他の店舗からの客は捨てがたい
今の契約の残存期間までは持たせたい その後は地べたを買って自前の店に
その間は千佳のお目出度も我慢して貰ってなんだ」
「その件 与信さんも切れてて 愚痴は聞いたわ
そんな系列の食品スーパーじゃない この館は百貨店になってダイナースを目指す
会議で大演説をして 大反対したんだって」千佳ちゃん
「そっか 与信さんも頑張ってるんだ 俺の店 ダイナースも使えるんだ
与信さんには内緒な」矢田
今宵も深けたようで
デカイスーパーのテナントがチェーン店ばかりになったのが
休館日の減少で個人店のテナントが人手不足とういうか雇えるだけの
資金力がなく 営業時間延長に対する営業利益が出なかったから
個人店の撤退が続いたのが90年代
今ですと コンビニのフランチャイズ店の24時間営業との本部の契約
オーナー(自営業)なら営業時間は自由
契約で24時間営業 と本部
営業時間を縛るなら 雇用契約と同じ 雇用者と被雇用者
これ裁判で どうなるか 楽しみです