第169夜 徳川様ではなくて松平様
大円は明奈と磐田へ向かっていた
途中、浜名湖でうなぎでお昼だが 白焼きは珍しいので ワサビ醤油で美味しく頂く
が、びっくり丼で 二人とも渋い顔になる
「ねえ 鏡智 乗ってるうなぎがしょぼくない?」
「うん でも頼んで配膳されてしまったし ハズレと諦めるを選択をしよう」
食べ始めて 御飯の下に また うなぎ でんと居て「びっくり」
「これね これでびっくり丼なんだ」 店員がニヤっとして通り過ぎる
再度 高速で会話する二人
「びっくり丼は良かったけど やっぱり私は豊橋から西の女 蒸したりは余分
腹で開いて焼いてタレに潜らせて焼いてのうなぎがいい
びっくり丼、今度マンションのうなぎ屋さんで相談してみましょう」明奈
「こればっかは仕方ない 豊橋を越して 東下り中だ
うなぎ屋なぁ 松平様からの地元民 無理を頼んで うちに店を出して貰った
そんな不白の下向途中の丼のリクエストは機嫌が悪くなる
その筋 知らない筈は無いし何か理由が有ってだろ うな丼も櫃まぶしも旨いし」
「松平様って?」
「徳川家康の実家だよ 徳川を名乗る前からが地元民 あの地区でさ
さくらんぼさんで 最近越してきた新参者がどうのと言われた先輩がいるんだけど
先輩の家 大東亜戦争の前の 日露戦争の時に引っ越してきてるんだ」
「そんなの明治の頃から住んでて それで新参者 はぁ?」
「それで新参者 地元民と呼ばれるのは松平様の絡み 徳川様ではなくて松平様
その先輩の紹介で、松平様から続く地元民のうなぎ屋の一番弟子を引っ張ってきた
ニ番弟子が 娘と出来て娘婿で 店で居心地が悪くなっててな 縁と運が会った
俺が頼むのも 人数とか 外人が居るとかの情報を渡して
今日のお勧めしか頼まない 一国親父だ でも任せれば旨い」
「他のお店も 出来る?とかのリクエストはするけど決定権は店主にお任せ
喫茶店も また 美味しいコーヒーとお菓子の店でムックに載ってた
どうやって そんな店主を集めたの」
「簡単 独立には資金が居る 俺のトコでなら 希望の内装・設備まで俺持ち
一国者の親父達だ 気に入らない客は断る 叩き出すもしたい が
普通に開店資金を自腹だと経営が辛い どうにも中途半端な事になる
店と部屋の家賃も格安にして リクエストは 普通に美味しいの
事と次第では叩き出すのもOK 断るのOK 好きにやって
但し 外人とか若いのは元々無理なので叩き出さずに 教え鍛えで育て欲しい
これで 握ったよ」
「資金力の力技と主義を尊重するですか」
「あの人らの普通に美味しい だから 普通に美味しい
季節物 漁に出れる出れない 畑だって気候あるし 育ちもある
だから おおまかなリクエストでお任せ」
そんな話をしながら 駐車場に入っていくGZG50
建屋に入る前に トラックが見えて LSD を熟してる金髪が見える
大円 うれしくて じっと見てる
「はい?? あのクリスチャンさんなの 別人! 精悍になってる」明奈
「行こう 筋肉女医29さんの話を聞こう」大円
挨拶もそこそこに
「大円君 年内をくれ 向こうのお家の事情もあるだろうがなんとかしてくれ
今やめると折角ついたクセが トレーニングが楽しい 筋肉は素晴らしいが
続かなくなる 続けないとまたお貴族様でティーカップだ」筋肉女医29さん
「頑張ってみます 帰るよ」大円
「面会もせずに?」明奈
「明奈だってTANITAに乗り始めてから 電気を消すし プールも一緒に行かない
クリスチャンだってTANITAに乗ってる グラフに納得できれば 会いに来いと
連絡してくる 待っていてあげよう」大円
「その例えw そちらの明奈さんも ウチで面倒をみようか」筋肉女医29さん
「9月の11日から後期の授業開始 7日8日が履修申告 今日が8月28日だから
9月の6日まで10日間 お任せします じゃ 明奈の着替えとかの荷物を降ろして
7日の0600に向かえにくるわ」大円
「はい??」
「明奈が電気をつけて きれいなシェイプを見せてくれることを期待する」大円
「やるだけは 頑張る ジャージとかはこちらにあるし 下着は明日までのがあれば
スポーツ用のが揃うから 心配要らないよ」筋肉女医29さん
明奈
思いっきり嵌められたと思うが 三穂を誘ってジムに行ってはいるが指導者が居ない
春奈姉さんはねねとリサを引き連れて 三河バイクの貴子さんの指導がある
『基礎トレ』に参加して 成果を出してコークボトルになってきている
今 私に用意されているのは 最高のトレーニング環境と最強の指導者のチーム
鏡智が描いた絵図ではなく きっと目の前の筋肉女医さんが描いた絵図 従おう
明奈が前向きだったのは、翌日29日の1400まで 筋肉女医の指導の真髄が
姿を見せ始めると、ヘロヘロになっていく
が
ヘロヘロでも 心が折れなく体がギリで動くので動かせる 絶妙の負荷と休憩
1800トレーニングのメニューが終わり シャワーを浴び ロッカールームで
へたり込んでいると声を掛けれる
「Entrambi continuiamo ad allenarci con saggezza.
Noi tre faremo del nostro meglio.
(私も貴方も 賢明なトレーニングを続けている。三人で頑張ろう。)」
「はい? 伊語? あ! キアラ Andiamo avanti.(先に進もう)」明奈
8月31日 鈴鹿
GP250 とTT−F3とスポーツ走行が設定されて
明日からの2day TT-F3とGP250 の地区戦の参戦チームが集まり
早朝からパドックに街が出来ていく
ピット屋上で話をする二人
「TT-F3のエントラントが増えて 観客も動員が見込めるとの事で
前半は単独でしたが 後半では GP250 とのWレースの観客数が見たいと
地区は地区でGP250 と TT-F3 全日本は全日本で GP250 と TT-F3 で開催
GP500は単独との来年のレース設定の 調査ですね」チーフ川島
「そうなんだ 観客が増えるのはいい事 間瀬で寂し思いしたのは辛かった
向い側の海水浴場に 呼びに行きたかった」大円
「その間瀬 観客席とかピットの規定などで 地区戦の維持が出来なく
今年限りで返上とか 寂しいですね」
「そっか コースも荒れてるし 補修にも金が掛かるし 10月の間瀬は行こう
花火大会でもやって 盛り上がってきます」大円
「大円君のことだ スターマインから尺玉とかの花火大会だろ
そう言う事は最初に相談な 地区戦のパンフにも載せる 客を集めないとな」
地区戦役員の内村さんも来た
「じゃ 請求書は俺宛で 銀行に投げてくれればOK 内村さんが仕切ってよ
俺がやると『常識がない』とかさ 言われまくるから お任せ」大円
工藤さんも来て 清須の竹内さんも来て 他の地区戦役員も来て 密談して
御師の関係で花火大会の企画運営の経験がある 工藤さんの仕切りと決まる
清須Rのピット前のパドックに皆で話しながら移動して行くと
「大円君 裕太と心太 昨日やっと帰国してきた 向こうで走りこんだそうだ
藤田くんの幽霊に扱かれてきたんだろ」竹内さん
「それがね 藤田はさ YAMAHAか引退後に世話になったMOTULのユーザのみ
旗色を鮮明にしないと「ライバル」として認めていない事になるからね
あの二人 VFRにelfのOil だし 頑張って走り込めとしか言ってない」大円
「マシンも フルパワー版VFR400の軽量化しまくりのを2台も空輸してきた
スペアエンジンも予備のフルパワーが4機 足なんかも各種届いてる
代金とか 裕太はボンボン いざと成ればスネがあるが
心太の金銭的な負担が心配だ」竹内さん
「Le frère de la fiancée de mon fils participera à la course TT-F3 à Suzuka.
Il n'est pas encore très doué, mais je vais l'amener à faire de bons résultats
pour les 4 heures d'endurance de Suzuka l'année prochaine.
Comme il s'agit d'une course d'endurance, deux coureurs pourront
s'entraîner sur nos machines.」レオン家ローラン当主 ご登場
「息子の婚約者の弟が鈴鹿のTT-F3レースに参戦する。
彼はまだあまり速くはないけど
来年の鈴鹿4時間耐久レースではいい結果を出して貰うつもりだ。
耐久レースなので、2人のライダーが我々のマシンでトレーニングができる。
とか言われても 10日間 プライベートコースで乗り続けても 日本仕様の59psが
一番タイムを出せてる状態では」心太と裕太も ローランさんと共に現れた
清須Rのピット前のパドック
レオン家ローラン当主に仏人メカのフィリップとモーリスの二人来てて
心太に裕太 仏語勢が一気に増えて 行く
「典子ちゃんが居ないが」大円
「姉ちゃんは、うちの両親とルイさんとルイ母さんと 熱田神宮へ行ってる
俺が無理くり役割分担をカマして観光案内担当にして 頑張って貰ってる」裕太
「聞いたか 68と38と三穂 19のガキでもここまで出来るぞ」大円
68と38 大円のポール・リカール連続4日間はリカール家から聞いているので
大円に言われる筋合いはないと断言出来るが その後に逃げた嫁とはいえ
その場は許して貰ってる 裕太を褒めてるのもあるし ここまで0.7′′で考えて
黙って「はい 気をつけます」の選択を出来る客商売の4代目と3代目
三穂も色々言い返したいが 衆人が居る中での言い合いは 兄貴様と同じ枠行き
「兄貴様 明奈がいない 放り出した か ”また”逃げられた?」と話を変える
「明奈な 『ぽちゃ』を気にしてたから 専門チームに10日間預けてきた
クリスチャンとキアラと三人で チームの指導下で頑張っている
また電気を点けっぱで 一緒にお風呂に入れると期待している
俺はロレンツォの味方だから三穂には『ぽっちゃりで』としか言えない」大円
「そうなの『ぽっちゃり』が お好みのフィアンセなんだ
ちゃんと 落とす男の好みのリサーチして行くとは 抜かりはないわね」ねね
「でも 『ぽっちゃり』までよ」リサ
三穂 波状攻撃を受けて 「黙る」を選択
また兄貴様トラップ どうりで明奈からのジムへのお誘いの電話がない訳だ
一人だと挫けるのでジムに行きたくないから、お誘いがないからサボってた
しかも ロレンツォも兄貴様も『ぽちゃ』推進派 見事にハマった
「私達の 三河バイクWith軍団&信濃流の 基礎トレに参加されては」貴子さん
「はい お願いします」を選択する三穂
地獄で仏の助けの声に聞こえた様だが、仏様の色々は体験している筈だが忘れている
「三河バイク 集合
1ヶ月ぶりの鈴鹿だ コースを思い出せ TZは2ヶ月ぶり マシンも思い出せ
メカも思い出せ 今日の課題だ 始めろ」内村さんの咆哮で動いていく
「清須レーシング うちも始めるぞ
マシンがVFRだ 1君も来てくれた よく見て貰って方向性を決めたい
4枠目だ 時間はある ライダーもピットもよく話し合え」竹内さんも吠える
この二人の咆哮で 廻りのチームも始動していく
1枠目 GP250 23′′が切れない組 ← 予選通過ライン
2枠目 GP250 23′′が切れてる組
3枠目 TT-F3 25′′が切れない組 ← 予選通過ライン
4枠目 TT-F3 25″が切れてる組
午後4枠も同じ設定 但し 午前でタイムをクリアできていると速い組に行ける
三河バイクの3台のTZ 25′′での慣熟走行とタイヤの温めから入り
18″まで上げていき クリアラップで 少し車間を空けて 16″まで詰めてチェッカー
大円 チェアに座ってニコニコしてる タイムの出し方に満足してる
久しぶりのTZ 無理して14′′を狙わず 予選トップを確保できる
16′′で抑えたのが嬉しいのだ
今宵も深けたようで
なぜ 突然うなぎ しかも浜名湖で
このお話 作者は異世界の豊橋から西で育った爺で
こっちの世界で 某回転寿しのうな丼を食べて
「背開きで蒸してるのか 腹開きで焼くだけだとこの柔らかさは難しいしな」
とか思いながら食べてて 飲食店街の鰻屋を始めとした話も入れたくて
放り込みたくなったネタなんです
びっくり丼は実家が浜松の先輩に奢って貰ってホントにびっくりした30年前
なぜ回転寿しのうな丼かと言うと空いてれば5分で出てくる
真っ当な店は数が少なく 車で行かないといけない上に
注文→捌き→焼き→たれ→焼き(もう一回の店もある)なので
30分は掛かる 待つのはいいのですが ついビールと肴を頼みたくなり
我慢するのが苦行
元居た異世界では家から徒歩5分で川魚屋が2軒営業
楽勝でビールだった癖が抜けない