第163夜 ベアリングの回転性能で
8月17日 0440
色々なプレッシャーを感じで早朝覚醒で起きる裕太
身支度を整え ハウスから出ると 心太も起きてきていた
「前にさ 三穂さんに最高のマシンと膨大な練習量 他に勝つ道はない
最速の指導者が居ないけど頑張れと言われたけど
由美香父さんと姉ちゃん達が手配する前に拉致られてサンタモニカ専有
マシンもMontjuich 最速の指導者は幽霊だけど居る
頑張るしか無いけど 才能がないのが見えてきて 辛い」裕太
「そうは言っても頑張るしか無いよ 68さん達とは桁が違う
俺達下々ではありえない これだけの環境 ヘタれるのは来年の4耐で」心太
コーヒーが飲みたく二人で自販機を探すが、パドックに自販機がない無い
戻ると執事の人の指示で ガエターナさんがコーヒーを淹れてくれる
「こちらでは治安が悪く 自販機は無いのです」ガエターナさん
4人で座ってコーヒーを頂いていると ハウスから、こそっと出ていく人影が一人
受け止める人影が一人
「三穂にはポール達といきなりクッツクなと厳命したが 典子ちゃんには
言ってないから 自由恋愛 仕方ないな 俺にもコーヒーを」大円が居た
「うちにずっと居て 言葉で困るのを助けてて 結局 日本語は覚えれてないけど
姉ちゃんも惚れてるし 問題はこれを誰が伊組に宣言をするかだよね」裕太
「そんな見えてる地雷を誰が踏むかは 置いておいてコースを廻ろう」大円
裕太達を連れてコースを歩く大円 同じMontjuichに乗って走っているだけに
コースの解説がより具体的によりシビアになる ここで回転を保って半クラで前に
ここでFrフルブレーキでクリップへ ここでRrブレーキで倒し込む
ここの路面は荒れでマシンが流れる コース3.5km ターンが11と右を聞いていると
目眩がしそうなほどの情報量
『藤田さんの幽霊の倍はある これを熟さないと速く成れないんだ』心太&裕太
「いきなり全部は無理だから 藤田の言う事をよく聞いて まず2′を切ろうな
もうさ成仏の手伝いと思って 諦めて 藤田に付き合ってやってくれ」大円
「どうすれば 藤田さんは成仏するんですかね」心太
「そりゃ 藤田の弟子が 藤田をぶち抜いて 表彰台の隅っこでいいから立つ
そうすりゃ満足して成仏するだろ して貰わないと『まっちゃんの銀の四輪』と
2台になるから 鈴鹿への営業妨害になってチーフに叱られる」大円
「鈴鹿でぶち抜かれるまでしか化けて出れない約を
宝生さんの上司と自己紹介された方としていまして 裕太くん達を
ここで鍛えて 鈴鹿でぶち抜かれて 閻魔様の元への予定です」藤田の幽霊
「その約って 引っ繰返すと ぶち抜かれるまでは現し世に居ていいって事を
言ってるのか?」大円
「上司の方は
ぶち抜かれたら閻魔様の法廷へ直行便と言われてました」藤田の幽霊
『大日様だ 上司との自己紹介 言い廻し
また素性隠してトラップカマして』口には出さないけどな大円
「理解った 裕太くんたちが鈴鹿で23′′を切れるまで藤田は欧州ツアーな
アンドレアさんとは話がついてるんだろ 焦るとコケるからこっち居ろ」大円
「そうか アンドレアさんのコースの解説を頼まれて 解説の約を交わしたし
他のコースも約は交わしてないけどお願いはされた」藤田の幽霊
「俺らはコーヒーを飲みにパドックに戻る 藤田はどうする?」大円
「アンドレアさんと細かい打ち合わせをしないと行けない
この胸のロゴに恥ずかしい事は出来ないしね」
革ツナギではなく、MOTULの文字が胸に入ったジャケットを着た幽霊
3人+1幽霊でパドックに戻っていくと 6人掛けのテーブルに
ロレンツォ+三穂 これは理解る
明奈とキアラ 居心地が悪そうだ
ルイ+典子 オープンにしてきたかぁ
伊側が荒れないといいけど と 3人+1幽霊の希望は叶わず思惑が渦巻く
大円 ブサメンなので女絡みはハリセン入れて解決 しか持っていなくお手上げ
藤田はこずるく消えていく 大円と心太どうすることも出来ず
「ポールさんは? 由美香さんを口説いてたポールさんは何処に」裕太
由美香が仏語とお貴族様でご辞退したのを知っていてもポールに話題を振る
場をぐちゃぐちゃにして凌ぐしかないと判断した
「婿案件が一人 嫁案件が二人 同じゼミに居る」三穂 残る三人を売り飛ばす
「ここまでは情報提供をします 美味しいものツアーin日本では ゼミメンバー
8人全員で歓待の予定です 但しこの三人と後二人はベアリング済なので」明奈
「ベアリングとは?」当然の質問が出る
伊語と仏語が交じるので ガエターナの同時通訳が活躍しだす
「これだ 中野さんの10連覇を支えたシュパーブのラージハブから抜いた
ベアリングだ カップアンドコーン方式のベアリングを固定してリングにしてある
最初の指輪をベアリングにすると幸運を呼ぶ 純金ゼミの伝説だそうだ」
二人でベアリングの嵌った薬指を見せびらかすロレンツォと三穂
ゴソゴソとミネベアのシールドベアリングを並べる典子
ルイの指に嵌めてみてサイズ合わせ 二人でミネベアを嵌める
「ねね りさ 三穂 ミネベアで続いたよ」典子
「三穂さん それどこのベアリング?」裕太と心太
「NSKが入っていた 手首と同じく 耐トルクの私向けだ」三穂
「私のは?」明奈
大円 この手の事はヌケサクなので準備をして無く 下を向いてたら
「義兄 シュパーブのスモールハブから抜いたシールドタイプをどうぞ」ロレンツォ
有り難く頂き 明奈の指には嵌める大円だが 難題が発覚
自分の指にはメディチ家から贈られた栄子ちゃんとのお揃いのGUCCIのリングが
嵌っている 離婚もしていなく貰ってから1年も経っていない
贈り主のメディチ家の目の前で外す訳にも行かなく また下を向くしか無い大円
「いいわよ 鏡智の指には正妻とのリング 私は嵌めてさえ貰えれば」明奈の助け舟
かなり締まらない状態だが 『鏡智らしい』と諦めるを選択できる明奈
「そんな ドタバタの行きあたりばったりで いいのか
指輪はきちんと測って 創って贈るものじゃ」カルロスの真っ当な意見
「それは正式に式が決まった時に 二人できちんとお店にお願いをする
68さん達の指輪はマルセイユの民が何度もサイズを測って準備した
それでも旦那とリカール家がやらかし 奥様が風神雷神となった
この様な突発でとりあえずは ベアリングだ きちんと廻るのが基本だ
先発のふた組はミネベアで廻った 私はシュパーブのNSKで続く」
兄貴様と絡むと 真っ当な意見を聞くと ご説 ご最もです『が』となっている三穂
「ルイのサイズが不明では 指輪は創れない 多品番があるミネベアで対応」
三穂の勢いに乗らないと滑落すると 全力で前に出る典子
ぐちゃぐちゃの中 ベアリングの回転性能で話を廻して乗り切る 三穂と典子
「お食事ですよ〜」ガエターナ 配膳が始まり色々を押し流していく
「ご飯を食べよう お腹が空いた」大円
「流石 ダート出身の兄貴様 どんなに荒れた場面でも ご飯が優先」三穂
「俺なんか山原先輩の足元 計算ラリーで2名乗車のナビをしながらお菓子が食える
世界を放浪中に色々あったが 山原先輩の凄さを再認識しただけだ」
配られたクロワッサンと海鮮系の具の多いスープを食べながらの大円
三穂も食べながら 山原先輩に連れて行かれたラリー練習会を思い出す
「ニホンカワウソ先輩Drのナビならなんとかなるけど 計算ラリーだと初〜中級者
変なGは掛かりまくるし、落ちるかもとの恐怖もある 座っているだけでゲロッピ
コマ地図でルート出して パスコン拾ってオンタイム計算して 無理 絶対無為」
「だろ ニホンカワウソ先輩のオンタイムの速さと山原先輩のナビを見て
ダートラに逃げた そこでもニホンカワウソ先輩にコテンパンにされて海外逃亡
日本に戻ってNA買ってスキーを始めたんだ バイクは三河バイクの内村さんに
誘われて復帰だ やっぱりバイクやスキーは体剥き出しで風を感じれるからいい
NAのオープンも風を感じれる」大円
「あれ 大円さん主導で 二人で工場前の一般公道でTZの全開加速やってて国家
権力に叱られた件が入っていない その件で俺は引退したんですが」藤田の幽霊
「そこは流してあげて あの指輪の逃げられた嫁の話をしないといけなくるから」
愛人の明奈としては 嫁の話は聞きたくない
『逃げられた嫁』このワードで お貴族様含めて これ以上複雑な話にしたくないし
"COL.MOSCHIN" 第5中隊 中隊長以下8人がワンフレーズの伝言でC130を飛ばし
降下してサクッと指揮下に入り 飯を食い酒を呑む男との情報は共有している
底が見えない男の古傷を抉るのは得策ではないと流す判断は出来る
そして底が見えない男の案内役でニコニコしているケンタさんも米政府代表部
ルイの抜け駆けの件も追いかけると伊の御曹司組が逃げられたとなるので封印となる
期せずして藤田の幽霊と明奈による ルイ+典子への絶好のアシストとなり
朝食は進んでいく
「裕太くんに心太くん 1枠目1′55″で20周引っ張る 1′50″で20周まで頑張ろう
お腹が落ち着いたら 着替えてコースに入ろう」革ツナギの藤田の幽霊
「藤田 1枠目は昨日の復習で2′フラットで行ってやってくれ」大円
「そうよ いきなり5″のジャンプは辛い」三穂
『やさしい 兄妹だ』と思う心太
『オチは何だ』三穂の 7枠行ける行ける との軽〜い発言で慎重な姿勢の裕太
「車の到着は1300 今0730 5枠で2′′づつ上げていければ 1′52′′まで行ける
枠は1時間で25周 タイムが出れば 休憩が長くなるシステムだと気合も入る
朝イチから兄貴様とインスペ入れてた二人の気合をみたからコースは譲る」三穂
『三穂さん 5枠連続の5時間走行を軽く言ってきた 譲らなくていいのに
しかも、枠の時間は固定でタイムで休憩時間が決まる千万町システム』裕太
「三穂 うちの弟達にコースを譲ってくれて有難う」典子
「しゃぁない 妹が譲ってしまったから 藤田 頼んだ」大円
若いライダーの二人が幽霊に引き摺られて 着替えに向かう
お貴族様も「頑張れ」と応援するが
5枠連続の意味が理解る人とそうでない人では「頑張れ」の意味が違う
今宵も深けたようで