第162夜 下々の俺達と混ぜないで欲しい
夕方、挨拶も抜きで到着したハウスでシャワーを借りる 日本人チーム
サッパリして 着替えてと言っても ポロシャツとチノパンでお貴族様とご対面
フランス側から来た トゥルーズ家のご当主ピエールさんが
「緊急事態となったリカール家に出向いて 4耐と8耐の勝者を我が家に招いて
トゥルーズを案内して レオン家のある海洋都市のブレストに送り出してきた」
「はい?? なにが あったんですか?」と日本人組
「二人でポール・リカール・サーキットを一日中歩き続けてインスペをして
フランスヤマハのフルパワー版のFZR1000にスリック履かせて2日間走り続けて
リカール家も一緒になって盛り上がって ド新婚の奥様を放置
奥様達が風神雷神と化し 正座と言うのをして 有り難いお話を1時間聞いたと
男は余分な事を言って、また正座と雷は困るので みな家の女性陣にと役割分担
観光案内はうちの奥さんと娘に任せて 一緒に楽しんで奥様にご機嫌になって貰い
レオン家の奥さんに引き継いで大西洋を満喫してもらい
今頃はアンドレアさんの奥様の案内でパリを堪能して貰っている」
「ド新婚の新婚旅行で 68も38もポール・リカールに魅せられて走り続けるとは
リカール家も見入ってて止めないとは 調子のこきすぎだ 正座も雷も仕方なし
三穂 お前もその卦がある 注意しとけよ」
自分もポール・リカール・サーキットで4日間走り続けて ド新婚の嫁放置
気の利く仏情報部が栄子ちゃんを連れてマルセイユ観光2日間としてくれたから
雷が落ちなかっただけなのに やらかしてる事にも気づいてもいなくて
他人事で説教を入れてしまう 大円
「兄貴様に言われる筋あ」までで止まる三穂
兄貴様は滑落が日常だし世間も諦めて、日本語の方を捻じ曲げた実績もある
仏語で話しているし、過去の行動と実績を見聞きしたのを勘案すると
兄貴様が垂れていい説教ではないけど、言っている事自体は間違いではない
今現在 世間様の耳目 お貴族様が周りにいる 二人きりではない
空気を読む気がない兄貴様と同じ土俵に上がり、言い合いになった時点で
世間様から見ると私も兄貴様と同じ枠扱いになる。世間の枠に残りたい私
言われっ放しは屈辱だが、兄貴様と同じ枠はもっと嫌なのでスルーしか道がない
「お互いに注意し合おう」察したロレンツォが三穂に助け舟を出し救助に向かう
「仕方なし」と諦めれる愛人の明奈 関わったら負けと我関せずで黙る典子
「ポール・リカール・サーキットを2日間走り続けて って あの二人だと
本気で走りっぱの一人8耐✕2日とかやらかしたんだ そら雷の嵐だわ」裕太
「フルパワー版FZR1000って135psのバカ馬力だけど 230kg以上の重いツアラー
そんなので一人8耐とか 体力無限大」心太
「Montjuichが95psの155kg 軽くてトルクで前にいく乗り易いマシンだ」マルコ
「裕太くんも やらかして 2つ下の彼女に振られないようにね」話を振りたい三穂
「俺は大丈夫 そうなる前にヘロって 彼女の膝枕に沈みに行く」裕太
「心太くんもね」明奈 余分な減点を避けたい典子は会話に加わらず離れてみてる
「俺は 膝枕をしてくれる彼女探しからだ」心太
そんな済し崩しの 挨拶を済ませると パドックに並べられた机と椅子で
夕食会が始まる
メディチ家の執事さんより 伊の三組は 親は三穂のドライブ
息子組は典子の口説き 政略結婚でもないし 一緒に街の散策をして人柄も見た
女性が二の足を踏む家名問題があるなか 来てくれた典子
魔法の包丁とのスフォルツァ家の推し 胃袋も欲している お茶も飲んでみたい
サヴォイア家 カルロス19とアルフレード25
エステ家 グエルフォ24 ボルコ20
争奪戦になっている と報告される
キアラの伊日の同時通訳で 日本語で聴く大円と心太に裕太
「姉ちゃん モテまくってる 大円さん 裏はあるの」裕太
「渡欧前に時空をへし曲げての 68と38と73のガッツリの料理教室 プラス
ケンタスペシャルの包丁 これがまたよく切れるし錆びない」大円
「兄貴様の読みがドンズバリでハマってる 滑らない おかしい」三穂
「俺じゃねぇよ 絵描いたの宝生さんと阿閦さん プラス ケンタの支援」大円
そうなんだ 4耐優勝枠での8耐参戦はサロンさんだったし 納得する日本人組
「この二人にも彼女が出来たら 請求書は大円で包丁を発注するよ」ケンタ
「帰ったら リサもねねも 料理教室をやらせないと」明奈
「あれ やってないの?」大円
「お茶の仏様も料理の三人も 仏語でご指導 1時間で逃げ出した」明奈
「まぁ 放置で 川内も笹原も 理系工学部の同好会料理を見せてくれるから
それから本人が慌てふためくのも おもしろい」笹原とは同期で河内の先輩の大円
「はい??」明奈&典子
「あれを同好会料理と呼んでいいのか 美味しい しょぼい店より美味しい」三穂
「なに? またトラップがあるの」明奈とキアラと典子
「3日前から手分けして 山に海に畑に農場に材料採取と包丁研ぎから
競技会だと 地元の協力が必須 地元に挨拶と買い付けで メンバーは走り廻る
ニホンカワウソ先輩が 総合の指揮 まぁ煮物も薫物も刺し身も手分けして創る
兄貴様が加わると 山の幸山盛り ジョージさんが海の幸で釣れれば山盛り
(猟|漁)師料理だけど 実験と同じで とにかく準備に手間を掛ける
物理計測で温度も質量も全部管理して人の感を極力排除な理系工学部料理
筑前煮は、理論的に種類別で大きさを揃えて別々に炊くのが真っ当と言い切る
これが城南の盆暮れの会 一般のお客さんが貯金箱に3万入れて帰るレベル」三穂
「はい??」キアラと典子と明奈
「城南ね 走る方は貧乏というか普通の理系工学部卒の会社員が多いんだけど
一般のお客さんは、お医者さんだとか社長さんだとか多いのよね
皆な応援してくれるの 盆暮れの会の参加券は枚数限定でくじ引きと人気があるの
盆暮れの会のお代はお気持ちで貯金箱に方式 3万は貰いすぎと思ってたけど
暮れの会で一回参加券の不正取引が発覚と言う事件があり そうなんだと」三穂
「それ聞いてないんだけど」大円
「不正と言っても 同じ医局の教授と研修医 研修医が当たって 教授が外れ
研修医から取り上げて 10万も口止め料を払ったって 都合15万円 バカよね
その年は 兄貴様もジョージさんも千万町や地元の畑も絶好調で山盛りの材料
バカみたいに料理造って 食べても余るから折り詰めにして オミヤで持って
帰って貰った年だし 研修医の人には教授が山盛りのオミヤ」三穂
「あの年の暮れの会そんな事件があったのか オミヤで持って帰って貰わないと
勿体ないお化けがでると ビビりまくってオロオロしてたらからな
まぁいいや 沢山払ってズルしたら オミヤで滑ったと 笑い話だ」大円
「それって 仏語は躱したけど 料理で旦那がトラップ」明奈
「68さん達とは別次元の料理 自分では下手だと思ってるけど 結果は出してくる
逃げ出した リサとねね にはツケを払って貰えばいい」他人事の三穂
「ここにもう一人居るから キアラも鍛えて貰え 和食が熟せるは強いぞ」大円
「和食最高 典子さんは僕の奥さんに 家名の重さを忘れて幸せになろう」伊の兄組
「そうだね 兄貴だと家名がね 年下の弟なら 楽勝だよ」伊の弟組
「と言っていますが、弟が先に結婚していて 兄が30まで結婚しないと
弟が家名を継ぐ そうよね」キアラ 我が身を振り返りつつ 通訳
「俺は三穂さんと幸せになる 家名は俺が背負うから任せて」兄のをキアラ通訳
そんな愛の言葉を交わす二人は無視され お貴族様達の興味は 城南の盆暮れの会へ
来てる仏組の3家と伊組の2家は 盆暮れの会どころか68の寿司も食べれていない
大円とペンション遠見の地の物や68の寿司を食べたスフォルツァ家は来ていない
同じく食べた リカール家は謹慎中でサンマリノには来れてない
そうなると今現在サンマリノに居る 68の寿司他を食べたメディチ家が標的になる
「メディチのご当主 ロレンツォさんのご婚約内定 おめでとう御座います
ヌケガケの3家の後始末は メディチ家でお願いできるとの認識で良いですよね」
食べれていない5家を代表してアンドレアさんが 確認を入れる
メディチ家と言えど 68の寿司屋から城南から全部の対応は無理と執事の人も困る
「盆暮れの会は 盆と暮れにやるから 盆暮れの会 追加でやるのは別の会
68さんの寿司と73さんの肉に山本先輩のを確保に動く ただ日程は向こう次第
奥様の雷の嵐も困る 決めた日程で来れないものは切り捨てる」三穂
「三穂さんが 動いて頂けると」アンドレアさん
「旦那の実家のためだ 嫁が動く
けどポールもルイも日本で美味しいものは食べたよ キンメも食べた」三穂
この処の鈴鹿で仲良しになった嫁三人組とは相互保障の約を交わしている
由美子さんも回復すれば嫁二人を含む強力な一派の動員期待できるから強気で押せる
お貴族様相手でも日程は、こちらの都合でと押していくのが正解だ
息子は食べてるとの指摘でルイの父のローランさんとポールの父アンドレアさんが
引いていくと
「その通り 日程は 造って下さる方の都合 あそこの家がこの家がと揉めると
永遠に開催が出来ない 三穂さんの言う通りが正解だ」ロレンツォの後方から支援
「アンドレアさんも若い奥様と 俺達の拉致で日本に来てて大円さんのマンションの
飲食店街で3軒を一緒に廻った 68さん達程ではないけど 一流のお店」裕太
5家は集まり 談合開始 強気の三穂にそれを推すメディチの次期
アンドレアさんも抜け駆けと認定されて クルトネー家都合の優先順位が下げられる
この事実により当主は帰宅後 奥様に正座を指導され有り難いお話を頂く事になる
「三穂さんの日程で 但し今から6週間以降で 調整が要る」ローラン家のご当主
「そうして頂けると 6週間から9週間後の日程で調整しますが 何分季節のモノ
美味しい時期などを 兄貴様や 関係者に訊かないと 私では力不足
途中途中で報告と相談をしていきます 5家の代表の方の選出を」三穂
揉め始める5家 責任をメディチに投げるつもりでいたら 誰かが責任者
「代表と言ってもただの連絡掛かり 責任感は無用 きちんと展開してくれればいい
お貴族様ですら事と次第では蹴り出す昨季のシリーズの覇者で今年の4耐の覇者
の寿司屋と魚の仲卸 それに今年の8耐の覇者の肉屋を相手にお願いをする」三穂
「取り仕切るのは リカール家を丸ごと正座させて雷を落とした風神雷神に
事と次第でお貴族様でも蹴り出す千万町の魔女 心して役を果たすように」大円
一瞬 もの凄く嫌な顔をする三穂『風神雷神と同じ枠』でも相互保障の仲 諦める
「なんかさ 肩書が凄い シリーズ覇者に4耐と8耐の覇者に千万町の魔女
俺ら 場違い感が凄いんだけど」裕太
「最初は そんなもんですよ そこから這い上がればいい 俺も最終戦4位で
シリーズ6位に食い込んだ 表彰台なんて端っこに一回だけだし」藤田の幽霊
『端っこでも表彰台に乗った&シリーズ6位の時点で天上人 俺達下々とは違う』
裕太&心太 声には出さない 出したら突っ込まれるのは見えている
「そうでもないって 大円さんだって鬼頭のご隠居の教え鍛えで説教を喰らったと
俺も説教されまくり 先輩から後輩へ 繋がっていく 後輩が覇者となった
続くのは君たちだ」心太の心を覗いた藤田の幽霊
「鬼頭のご隠居って?」色々諦めて 藤田の幽霊に訊く裕太
「おれも 直接は会ってはいないけど 鈴鹿最古参のレーシングガレージ
鬼頭レーシングの初代社長と大円さんが言ってた
君たちに運があれば 会えるでしょ 俺は会う前に引退して事故死だけど」
「帰ったら 清須で竹内さんとかに訊いてみます」心太
「それ、俺も聞きたい」アンドレアさん 仏語で話してるので聞かれる
「いやいや 迎えに行ったのはアンドレア 送っていくのは俺で」ピエールさん
揉めだしたところで
「執事の人の了解を でないと 美味しいものin日本が開催できない」三穂
来てた3人の執事の人 大きく頷く 静かになるご当主達
ご当主たちが執事の人と談合開始 トゥルーズ家の執事の人が任せよと
大見得を切り 従うを選択する ご当主達
ウンウンとメディチ家の執事の人 68の店の前で説教を入れた過去がある
「そんなに今々でなくても 3日間はこのサーキットにいる その間に決めましょう
明日の朝イチは 皆で揃って 藤田さんの幽霊にインスペ指導を受けて
その後には若い二人の走行を見守る 育成も大事ですから」ロレンツォ
「そうだな インスペをして走行をしてタイム出ず インスペからやり直しだ
そうやって俺も藤田も68達も育ってきた 藤田も73も最初に会った時なんて
鈴鹿で28″が切れずにウロウロしてて地区戦の予選落ちだ 二人も頑張れ」大円
『予選落ちでもGP250で28” 30′′を切ってる時点でスタート地点が違う
GP250よりもTT-F3の方がタイムが出る下々の俺達と混ぜないで欲しい』
と思う二人だが
「耐久の一歩目だ 若い二人にコースを走らすのが爺の務め」お貴族様が揃う
「私達もゼミ仲間で来年のTT-F3の地区戦と4耐のスポンサードをする
頑張れ裕太に心太くん」典子
「そんなプロジェクトが 典子の応援だと 俺の嫁の応援」とまでで残りの三人に
蹴りを入れられて蹲るグエルフォ24
「痛いなぁ 現在求婚中の女性が応援 結果はどうあれ呑み込む
裕太くん達と縁を結んだ 俺達も応援しよう 親父達もな」グエルフォ24
「そうだな 能書きを垂れてショボい事をやるとクリスチャンだ」残りの三人
『三穂さんは離れすぎてご辞退だが 隠し玉の裕太君と心太君とまさしく縁を結んだ
典子さんと息子との姻戚関係だけが繋がりではない』
声には出ないが渦巻く思惑が お貴族様の父達の共通認識となる
「明日を楽しみに 寝ますか」余裕のあるロレンツォ
「おやすみなさい」と贔屓のメンバーとハウスで就寝していく
今宵も深けたようで