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第161夜 しかも、ここは鈴鹿でもなくて

8月16日

早朝 0600 メディチ家を出発する二台のGZG50

0号車にケンタとご当主と執事さん

1号車に大円とキアラとボルソ


車の中でサンドイッチとコーヒーを頂きながら ボローニャのバイクラボへ向かう


「キアラ なんで今日の朝早くから、ご当主様まで来てんだ」大円


「力のある家が集まるが1点目 顔は出さないと 執事さんも同行だし

 集まった家に 三穂さんを嫁に迎える だから手を出すな が2点目

 典子さんの嫁入り先のお願い が3点目

 鏡智のバイクや車も見たい が4点目」キアラ


「俺はドベかぁ それでいい」笑う大円


「ロレンツォ兄さんの件が一番 私の嫁入り先もなにも 兄さんの嫁が決まらないと

 独身で未定のママ30だと 婿取り 私も23 かなりヤバイ状況になる

 このまま 三穂さんと婚約 卒業後の29.8で結婚式 ギリ間に合う

 私も嫁入り先を探すことが出来る」キアラ


「一つ年下だけど クリスチャンはどうなんだ」すっとぼけて訊く大円


「最初は 一つ年下 と思ったんだけど 一月違いの実質2つ年下 挙句能書き問題

 今のこっちで クリスチャンの嫁はいない ジョルジェットさんも困り果ててる」


「日本の格言で 男子、三日会わざれば刮目かつもくして見よ ってのがある

 男子は3日で変わるから3日前と同じと舐めるな との格言だ 頑張らせてる」


「でもね あの能書きと体たらく 余程肚の座った女じゃないと 私には厳しい

 これが こっちのそこそこの家の その年代の女性の回答よ」


『うっわ 3月の合宿からだから 噂は消えてもいい頃じゃないのか』声に出てる


「聞こえたから言っておくと 去年の秋から能書きが始まって 年明け辺りがピーク

 その後に謹慎で消えるかと思ったけど 各家には情報組織があり洗うと出てくる」


「それで日本で探せと 探してくれと俺に投げつけてきたんだ」今度は愚痴る大円


「鏡智頑張ってね 必要なモノは祖父から応援を出させるから」距離を取ったキアラ


「おまえ!!! 何度も隣同士の部屋で泊まった仲間だろうが 冷たいな」


「それでも 巻き込まれて能書きの仲間だと嫁入り先が無くなる」自分優先のキアラ

 

ボルソ 日本語が理解るので 関わったらダメ案件と判断して沈黙を保ちたいが


「もう既にクリスチャンさんとの仲間と思われてるのでは 去年から何度も一緒に

 日本に行っている 大円さんのペントハウスに隣同士で部屋がある」訊くしかない


当然の疑問だ ここをクリアにしないと 善後策のスタート地点を間違える

大円とクリスチャンは、キアラは仲間の認識だ キアラ自身は? 廻りの目は?


「仲間の認識だ 廻りもそう思っている かなりのビハインドを喰らってる

 正月明けにわざわざフィレンツェに来て 走行前に大円と一緒に

 ポール・リカールを何周も歩いてインスペをした ライダーの基本だ

 ゴロワーズチームも一緒になった とバイクでの走行をしていない

 クリスチャンが能書きを垂れたのも 漏れてる」俯き 絞り出すキアラ


「ボルソ チャンスだぞ」大円


「能書き仲間の問題もですが メディチの家名が重すぎる

 しかも551分隊がワンフレーズの伝言で降下して集合する男の紹介

 ご辞退の山にしかならない まだ典子さんはいいけどね」ボルソ


「典子ちゃん 大人気じゃん 空軍関係もか」話を変えたい大円


「三穂さんは90%は決まった あとは遠距離なので往来をして愛を紡ぐだけ

 となると残るは典子さん 料理も茶も華もの和風美人 伊語もそこそこ

 ただ、トリノにジェノバも動いてる 俺らただの軍人 少し不利だな」ボルソ


「そうでもないぞ お貴族様を避けたいと言ってたし」大円


「そうだが、俺らは連勤がある スクランブル対応で家に帰らないとかがある

 その辺を理解してくれないと 喧嘩になる 一般の女性には判り難い

 学生時分の彼女か軍内の管制や内勤の女性との結婚が多い

 近距離での交際だ ここと日本の遠距離 資本力と休暇の山が必要となる


 しかし、三人とも ぽちゃで凹む普通の女性 三穂さんが峠の魔女とは

 とても思えない」典子は不利と見て話を変えるボルソ


「まぁ 明日になれば理解るよ 三穂は俺のトラップに気がつくかな」大円 


ボローニャのバイクラボに到着すると 750F1 Montjuich(モンジュイ )が準備されていて

挨拶抜きで ポジションセットが始まる 1秒でも勿体ない状態

マシンを見て 3台をトランポに載せて やっと挨拶が始まる


ラボ側の三人

マルチェッロ チーフ

ファビオ

マルコ


気合充分 95馬力仕様で、タイヤも最初からサーキット仕様だと自慢げ


「四連覇したF2パンタレーシング・レーサーの実績とデータで

 開発がモデファイした マシンだ 任せな 」マルコ


トランポ1台とGXG50の2台でミサノのサンタモニカへ移動開始していく


750F1 Montjuich(モンジュイ )のトランポに載せ終わった頃 メディチ家では朝食が終わる

食後の休憩中 考え込む三穂


「どうしたの?」三穂に訊く明奈


「兄貴様の昨日の言葉 日本語だったし、どうにも引っ掛って」三穂


「今日はトランポに自転車を載せていって安全な郊外のサイクリンロードへ

 たるいコースだけど 同じ周回では飽きる 偶には外へ」ロレンツォ


「行き先は サンタモニカ・サーキットへ変更で やられた」三穂


「なに? どうしたの?」典子


「兄貴様 自転車に乗って頑張れ とは言ったけど 場所の指定をしていない

 サンタモニカ・サーキットに専有を掛けてる 自転車でインスペも出来る」三穂


「そうか 気分を変えるのと明日からのインスペが両立できる」ロレンツォ


「ブラインドでも詰められてる 兄貴様 今日は歩いてインスペを絶対入れてくる

 自転車でも十二分なレッキになる 日本語のナチュラルなトラップ」三穂


急ぎ 行き先を変更して サンタモニカ・サーキットへ向かう一行

お昼前にパドックに到着すると 人数分のお昼の準備が出来ている


「よく気がついたな三穂 下見はしておいた お昼を食べたら 歩こう」大円


きっちりの低脂肪高蛋白のデリバリーのお昼を皆で食べていると

アンドレアさんが現れる 二人連れてきている


「裕太くんと心太くん ようこそ」


「若いライダーを連れてきた ワクワクだ」アンドレアさん


「そこに 市販車の750F1 Montjuich(モンジュイ )が用意してある トルクで前に行く

 乗り易いバイクだ ご飯を食べたら インスペをして 頑張ろう」大円


お昼ご飯を食べて、コースを歩き始める一行 食後の散歩と明奈達も来る


「マシンもある ライダーも日本から連れてきた 乗るのでは」アンドレアさん


「それは焦り まずは歩いて廻る 専有でお金を使ってでもやる価値はある

 俺も大円さんにド突かれながら間瀬も鈴鹿も歩いて廻った」


「ド突いてはいないだろ 寝おちしてたから蹴りを入れて起こしただけだ

 裕太くんも心太くんも寝落ちしたら蹴りを入れるからな」大円


普通に仏語で会話しながらのチーム


「路面が荒れてる 間瀬より酷い やっぱり日本舗道の技術力は凄い」


「ちゃんと聞いとけよ」大円


「兄貴様 普通に藤田さんの幽霊が一緒に居て先頭で解説

 去年の最終戦 兄貴様の葬儀ブッチでレース続行の最期の約束のね

『あいつの最後の言葉だ 約束したんだ 守らない訳には行かない』

 

 このフレーズ サブタイトルにまでなって クリスチャンさんなんて

 もの凄く感動してたし 私も滑落を警戒してたけど少しは感動した

 

 でも、こうも毎度 藤田さんの幽霊登場では あの感動はなんだったの?なの

 しかも、ここは鈴鹿でもなくて、イタリアのサンタモニカ・サーキット

 完全に滑落してる どういう事情ですかと説明を求めてもいいわよね?」三穂


「それがなぁ宝生さんにお願いをしたけど 鈴鹿の銀の四輪と組むのも思い白いと

 無茶を言われて それよりは欧州に連れてきて隔離がいいかと」大円


「俺の事よりターン②の後が左コーナーばかり タイヤの右側が冷える 注意だよ」

まるで気にせず、普通に会話する藤田の幽霊


「四輪はまだマシだけど二輪は辛いわね」諦めて普通に会話に加わる三穂


「そんな注意点も 路面にコースに 藤田さんの幽霊さんは出来る」アンドレアさん


ターン⑦左の後の 軽い右 藤田が止まる 大円は少し先で止まって待っている


「裕太君に心太君 この右、鈴鹿のテグナー後の右より質が悪い 冷え切った

 タイヤの右側でグリップと相談しながらの 全開加速中のコーナーになる

 挙句に路面は荒れている 滑らせる走りが要る」藤田の幽霊


ほぼほぼ藤田の幽霊にコースの解説を任した大円 

伊達に2年も大円とチーム藤田で走り 地区戦年間シリーズ6位に食い込んでいない

ピットに戻るとアンドレアさんも納得して

「うちのプラーベートコースでも」と藤田の幽霊に解説をお願いをしてる


「男も女も幽霊も属性は関係ないタイムが総て をまた地で行かれてる」裕太


「いいのか 市販車とは言え かなりのマシンだ 俺ら乗れるのかな」

幽霊が居るのは諦めて認めて マシンに対応できるかが心配になった 心太


裕太と心太の750F1 Montjuich(モンジュイ )のポジション調整中に 三穂達は自転車でコースイン

コースを廻る5台 ロレンツォが先頭を走りペースを創る

アップして25km/hまで上げてダウンしてくると45分 ストレッチを始めると

ポジション調整が完了して心太くんと裕太くん達の肚も決まる


「裕太に心太君 頑張って」スーパー他人事の笑顔で応援する典子


「二人共 頑張れ」ロレンツォと婚約が決まったも同然でウルトラ他人事な三穂


「三穂さんと典子さんが頑張れ 俺も応援するわ」一安心のメディチ家の次期当主


裕太と心太の2台の750F1 Montjuich(モンジュイ )でコースインしていく


「あれ 兄貴様 引っ張ってあげないの」三穂


「宝生さんと大日様が 藤田くんの幽霊を大事にって 好きにさせるわ」大円


ゼッケン48のTZ250に引っ張られて走る 2台の750F1 Montjuich(モンジュイ )

ピットボードは典子と三穂 ボローニャのバイクラボの三人がクルーをしてくれる

でもTZから遅れだしていく裕太と心太 25周でヘロヘロになってピットイン

ボードで止められ サクッとマシンを抑えてもらい へたりながら降りる


2′01″がベストで速度が乗っていない裕太達はターン⑦の後の右は直線に見えて

たらっと抜けているので いきなり現る「ターン⑧の右が怖すぎる」と愚痴を垂れる


「次の走行までにマシンのチェックとセットアップ 典子なら実姉 あがらない

 通訳して貰って ヤらないとね 兄貴様25周回 40分しかない」三穂


交代でコースインする大円 藤田の幽霊もコース上に居る

4周目からUPして行き 藤田の幽霊をぶち抜いての周回を続ける大円


「兄貴様 また藤田さんの幽霊をぶち抜いて まぁ明日も出たら私もぶち抜くけど

 遅いのは仕方がない」裕太くん達の走行を見て走りたくなった三穂


マルチェッロ達と話をするもMontjuich(モンジュイ )のセットアップの前に


「この万人向けの一般市販状態で1′55′′を切ってから調整をしよう」マルコ


Best1′40″を叩き出して25周回+inoutの2周を熟してピットに戻ってくる大円

メットを脱いでポカリを貰い


「藤田は 最初のポイントゲットが6位だけど間瀬 路面が荒れてても対応ができる

 ターン⑦の後の右 まぁ路面ズルズルで曲がってるし 三穂も気をつけろよ

 裕太くんに心太くん メカとマシンの話をしてセットアップも済んだろうし

 2枠目 25周 行ってみようか」大円


裕太くんたちが頑張って2枠目の走行を熟している間にパドックには

伊ナンバーのバカでかいハウスが3台 メディチ家 サヴォイア家 エステ家

仏ナンバーのトランポとバカでかいハウスが3組が到着

仏の耐久レース大好きの3家はご自慢のマシンを持ち込んできたみたいだ


裕太くんと心太くんは 藤田の幽霊に タイヤを温めた後2′フラットで

ずっと引っ張られて20周回 ヘロヘロになってタイムが落ちてきて

ピットボードでP-INの指示 入ってきてボードで止めて貰って 降りてポカリタイム


すこし復活してきた 裕太&心太 藤田の幽霊の説教が始まる

藤田の幽霊がブレーキとアクセルでの荷重移動と体重での荷重と解説を始める

FrブレーキとRrブレーキではブレーキの性格が違う Frは減速 マシンは起きる

Rrは減速と言うよりも寝かし込みとフォース 今日は此処までで と消えていく


聞いていた大円

その昔 俺が鬼頭のご隠居に説教されて 藤田に説教して それをそのまま藤田から

心太くんたちに若い子に説教かぁ 繋がるなぁ ご隠居が聞いたら泣いて喜ぶ内容だ


今宵も深けたようで

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