表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
158/196

第157夜 悪夢の数字を叩き出す悪魔が居た

午後の茶も 典子が熟し 夕食の準備

ヴェネツィア近郊の港で揚がった

アドリア海の海の幸が出されるかと思いきや丸のママ


68と38の教えを受けてる純金の三人の料理を食べたいらしい


「純金 火を通せよ 野締めだ 38の店の魚じゃない」大円 


「はいよ 俺のお勧めの包丁も日本から密輸した

 こんな1feetもある包丁とか外交官特権で密輸しないと無理

 三人分揃ってるから 使ってくれ」でかいアタッシュケース3つを出す ケンタ


見るとVG10とデカデカと書かれたアタッシュケース

開けると包丁の山 出刃に柳刃 薄刃の剥き包丁 菜切りに牛刀にペティも

無駄に出刃が6寸5寸4寸 柳刃が尺 7寸に8寸の薄刃柳刃 薄刃の剥きも7寸6寸5寸

菜切りも牛刀もサイズ違いで 挙句に9寸の鱧の骨きりに 8寸の蛸引きも入ってる 完全にケンタの趣味な包丁セット


「ケンタさん これは?」明奈


「どうせ 花嫁見定めコースで料理はあると踏んでな プロは毎日研ぐから鋼でいい

 研がなくても切れ味が落ちにくい VG10の真空焼入れにサブゼロ処理の奴で

 一式を堺の工房で誂えてな 大使館経由でここへ持ち込んだ」ケンタ


ケンタの包丁セットを有り難く 頂き 火を通した 魚料理を創り出す

料理人さん達 ケンタの包丁に興味津々で見てる


「68さんが研ぎまくった包丁には一歩引くけど 切れ味抜群」三人


大円もナイフを求めてあちこち廻った経緯もあり 刃物なので興味がある

料理人さん達と一緒になって 包丁を借りて 試し切りで「おお〜」となっている


レター用紙を持ってきて貰うケンタ

紙を受け取り 尺の柳刃で 紙を切っていく

「これだけ切れれば 手は切らん 切れない包丁のほうが危ないからな」


「ケンタ 毛皮と食い物の他にも こんな特技があるのか」大円


「違うって 食い物を造ってくれるのは料理人 その道具だ 一連の流れだ

 大円のナイフ行脚と同じで 日本で美味しいもの行脚してたら

 料理人の包丁にも興味が湧いてな 聞いて回っての包丁行脚をして探した

 手入れを欠かさない職人用の鋼はそこら中にあるんだ 関も三条も備前も行った


 でも、こういう素人向けの手入れを手抜きしても 切れ味が落ちないのは少ない

 材質で行くとATS34かVG10なんだ ATS34は余りにもナイフで有名だ

  ナイフはあるが包丁がない 大円もラブレスさんや松田さんのATS34は買ったろ

  VG10で包丁を誂えてくれる工房を堺で見つけて誂えた」ケンタ


大円 こう使いたい という使用目的(一応 生きた獣と偽装しているが)

その辺の材質とかはナイフ工房に丸投げ 出来上がったのしか見ていない

そんな材質や処理工程なんて水谷の婚約ベアリングで聞いただけ


ケンタの評価 鯉が20匹は滝を登った


「ケンタ この包丁が あつらえで 調子こいたと言ってたやつか

 モノもいいし 数もある 確かにポケットマネーだと辛いな 納得だ 

 帰ったら そに工房に案内してくれ 残りの純金6人の嫁入り道具に贈る」大円


「その6人分も頼んである スマイリーとサイレントチータと由美さんの

 トコには贈っておいた これだけ行くと流石に資金がショートだ」ケンタ


ケンタの評価 鯉が更に20匹は滝を登った


「ケンタ 美香さんを忘れるやらかしの リカバリ バッチリだ 

 足りなければ 王道を10個くらい持ってってくれ 値千金のアタッシュケースだ

 でもさ 美香さんと由美さんなら 真っ当な包丁の使い方を知ってるけど

 美里さんだと これ投げないか せっかくのいい包丁が猫に小判かも」大円


言った大円自身も 聞いたケンタも 急速に不安になっていく

美里さん本人には怖くて聞けないので美香さんのトコに電話して 様子を訊いてみる


「有り難い贈り物なんだけど 猫に小判そのモノで牛刀小と菜切り小で頑張せてる

 錆びない包丁なのは ほんとに美里向きで 鋼の本割は3日で錆びさせて」


美香さんの愚痴が始まったので ケンタに電話を渡して聞いて貰う自分本意な大円

それでも愚痴も長引かず ケンタはお礼を言われ 電話が終わる


「そうか錆にも強いのか いい包丁だ」大円


そんな横道に逸れた話が終わると 料理も出来上がる


ご当主様婦人「なぜ 火を カルパッチョなどは」


「野締め 活け〆でないと お腹が痛くなるので 怖くて生はダメです

 それに 寄生虫も怖い 火を通さないと」三穂


「先生が68さんと38さん 厳しく指導されましたし」明奈と典子


ご当主様夫妻が味見をして 頷きまくりで 夕食を美味しく頂き始める

食後に ワインを呑みながら 歓談 でも 伊空軍組は正座に突入

小旗は伊空軍組がネタを振ったと マッシモが何気なく言ってしまった結果だ


翌日は 朝の三穂の茶から始まりお昼はミラノ美味しいものツアーに出発していく

夕食は肉料理にチャレンジしてる 純金三人

73の教えを受けてる 包丁もVG10のケンタスペシャル 抵抗もなく熟していく

今日も伊の料理人達の納得の出来


「マッシモも、ご当主様も なんで 俺達を足止めしてる

 栄子ちゃんも涼子さんも 見せてる 連れてくるんだ それなりの対応はしてくる

 その確認なのは理解る けど、ここには走る車もバイクもない」大円


「走る車がない そのモノで トリノでテスタが廃車

 エンジンチューンしてタイヤを太くして足を固めて までしか考えてなかった

 シャシ補強にバードゲージにブレーキ 想定外 慌ててやって諦めた」マッシモ


「それは無理だな  俺が乗ると一撃で廃車 ロールバーが無いと三穂だと乗らない

 メディチの御曹司の自転車を見に行こうぜ」大円


「モデナの本社から箱車を引っ張った 

 競技参加を前提として製作された288GTOが引っ張れた

 これを発展させる用の開発個体でメディチ家の 山岳コース用にセットアップ中

 3家合同で見に行く 昨日の夜の三家の会議で決まった 5日あればなんとかなる


 その間は ミラノ ジェノバ モデナ フィレンツェ の美味しい物ツアー

 ジモティの案内付きだ ミラノで拙者が外すのはご愛嬌で

 サン・マリノへは、ボローニャからバイクを移送をかける」


「サン・マリノって どっちだ? ミサノのサンタモニカ・サーキット か

 イモラのイモラ・サーキット ミサノがいいなぁ バイク海苔だし」大円


「確認するわ」ジョルジュト


「サーキットならランオフがあるし安全だ サーキットは安心できて開けれる

 ppmで事故っても病院対応がスムーズだしな  二重三重に安全性があがる

 車もミサノへ 誰かがナビに乗るんだ 車だけじゃあ無くコースも安全に」大円


「なんで ミサノなの」三穂


「バイクのWGPの開催地なのが一番だけど

 くねくね曲がってテクニカルな低速側 パワーとタイヤを使い切るテクが必要

 直線とシケインの組み合わせのストップandゴー 必要なのはパワーとブレーキ

 どっちが 乗り手の称号を得るんだ」大円


「くねくね そっちがいい それがミサノのサンタモニカ・サーキットなんだ」三穂


「訊いてくれ 考えてリクエストするから お貴族様の要望にも最大限答える

 マッシモ達の要望にも最大限答えたろ 雪がないんはどうしようもなかったけど

 積もってからは マッシモ達にモグラさん達 楽しく滑れた」大円


ジョルジェット 戻ってきて

「今 関係各所と繋がった 大円からリクエストとエビデンスを」


「三穂も明奈も典子もケンタも アンドレアさんも 行くよ」


会議室と言うには立派な部屋で 時々詰まりながら マッシモ夫妻の助けを借りて

能書きを垂れる大円 みな納得してミサノに七日後の8月17日の集合と決まる

その間は 一日美味しい物ツアー 一日移動と決まった

ただ 移動の車はGZG50 イタ車は壊れると関係各所の意見で決まる


翌日の早朝に

「私は キャブのウイザードと過ごせた 満足だ 帰る」仏に帰るアンドレアさん

昨夜 執事さんからのお叱りの電話を貰ったらしい 後ろ髪が引かれてるんが見える


またゴソゴソと大円と密談する アンドレさん ニッコリして

「任せろ 7日後に ミサノで」と元気になって帰ってく


残った一行は ミラノ美味しいものツアー 車で移動

ジェノバへの移動も三時間 途中のジェノバ近郊の街で案内無しの

嗅覚とケンタの感と明奈のおっしゃれな店感で食べ歩き

晩御飯もジェノバ料理で美味しい


ジモティのグエルフォとボルコ兄弟の案内でジェノバ美味しいものツアー開始

どれも美味しく頂き 晩御飯も美味しく頂き ワインも美味しく頂き

ご機嫌だった四人


普通に部屋にあるシャワーを浴びた大円と明奈

ジャグジーがあると喜んで行った三穂と典子 

メッチャ暗い雰囲気をまとい 大円&明奈の部屋に来る


「兄貴様 私達 明日から離脱して モデナは飛ばして フィレンツェに行く

 ロレンツォ・デ・メディチさんの指導で自転車に乗る」絞り出す三穂


「どうして 美味しいものツアーよ」明奈


「モデナの本社も楽しみにしてたろ」大円


「忘れてたけど 私 去年の1泊2日トリノ美味しいものツアーだけで2kgも太った

 更にディープな美味しいお店を廻って それが何日も続いて去年より食べてる

 この屋敷のジャグジーの処に悪夢の数字を叩き出す悪魔が居た」三穂


「私も 悪魔の存在を見てきた」典子


ダッシュでジャグジーに向かう明奈 ついていく大円

そこには明奈にとっても悪夢の数字を叩き出す悪魔が居た


「そうかぁ 俺の数字は普通だけど」大円 どこからか出てきたハリセンを喰らう


 戻ってくる二人


「それでかぁ 明奈のおっぱいがプニとして いい感じなんだよ」

今度はド突かれ 黙る大円


「おっぱいはいいけど お腹がヤバイ 三穂、典子 フィレンツェに行こう」明奈


「キアラに連絡しとけば、なんとかしてくれる 日本語OKだし」大円


速攻で電話して、打ち合わせを始める三人 鬼気迫るモノがある


今宵も深けたようで

作者も VG10の 6寸の出刃 と 尺の柳刃 買いました

いいです

やはり 柳刃で尺あると お造りが引き易い

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ