第151夜 バイク海苔の夏の一番熱い日が始まる
7月30日
8耐 本戦日 バイク海苔の夏の一番熱い日が始まる
また続々と集結してくるバイク海苔 昨日からの10万人に更に6万人 計16万人
鈴鹿市の人口と同じレベルが鈴鹿サーキットに集まり今日の鈴鹿市の人口は倍になる
0855 ピットロードの作業エリアに現れる 1台のTT-F1 ゼッケン00
三河バイクWith軍団&信濃流カラーにリカールのスッテカーの YZF
4耐を見てきた組は 三河バイクWith軍団&信濃流&リカールカラーのYZFを見て
「マシンを用意できたんだ 頑張れ」と盛り上がる
今日からの組は公式通知のアナウンスで「ありかぁ」と盛り上がる
0900 フリープラクティス 73からコースインしていく
皮は大円が袋井で剥いてくれている 高温のタイヤウオーマーと真夏の鈴鹿の
路面温度 1周で食いつく マシンとコースの感触を確かめながら
20″ 19″ 18″ 16′′と上げていく クリアラップ アタック 14″を叩き出して
クールダウンしてピットイン
ライダー交代だけして 38コースイン 73と同じことをやって14″1まで出して
ピットイン ボードに止められ 止まる 体力温存で 引っ込むゼッケン00
「タイヤの皮むきを大円くんが袋井でやってきてくれた ハードが3セットある
6時間持つ ソフトの2セットはラスト2時間に投入する 二人共チャレンジで走れ
調子こいてもいい 全力で行け
73のスタート直後だけは調子コクな 混雑してるし ぶつけらたら終わる
廻りに注意して走れ また状況が変わってコースイン前に変更するかもしれんが
表彰台を目指していく」内村さん
「Oui,Uchimura」二人
「予選通過タイムが18″だし トップグループが13″台後半 二人共14”で揃えた
かなり前の方だ 昨日勢いだと まじで表彰台の上でキスする気だよ」心太
「昨日は正座にキスに幽霊まで 今日は何をやるんだろ」
サバンナの住人でも平成の常識は持つ裕太 『もうついて行けない』
1115 73コースイン グリッドにマシンを運んでいく
グリッドの38にマシンを渡す 密談
「ヤバイ 気温と路面温度が上がりすぎだ 午後はもっと上がる
マシンもパワーがあって速いけど、タイヤの負担がものすごくデカイ
ハードでもグリップはするけど 2時間持たないかも 22周でピットインする
持たせてのライドだと22周 燃料入れて38はタイヤのグリップの低下に注意して
とりあえず 23周で入ったほうがいい」73
「それだとタイヤが足りなくなるな
タイヤウォーマーと路面温度で1周で皮が剥ける 73に皮剥きを頼む
一回余分のピットイン チェッカーは任す ピットには伝えて準備する」38
1130 シグナルグリーン ダッシュするエントラント
PPの英雄さんエンジンが掛からない 掛かって出ると スグ後ろに73
YZF 2台つるんでの 爆走の追い上げが始まる
場内FM 今日も絶叫でスタート
「テクノロジーYAMAHA スタート失敗 でも 三河バイクWith軍団&信濃流と
YZFが2台並んで 最後尾から追走を開始していきます」
「はい? 3周目 テクノロジーと三河バイクWith軍団&信濃流 13″フラット
コースレコードを叩き出しながらの2台での追走が始まりました」
「18周目 1位 ロスマンスHRC 15″遅れて 2位 テクノロジーYAMAHA
3位 スグ後ろに三河バイクWith軍団&信濃流 追い上げてます」
三河バイクWith軍団&信濃流ピット
「Il a effectué 21 tours de circuit. (21周廻った)
Il a signé P-IN sur le tableau des pits.(P-INのサインは出した)
Il rentre aux pits au tour suivant.(次ピットに入ってくる)」
「来るぞ 燃料補給だけで 38を押し出せ」
「Oui」
ボードが止めて 燃料補給 ライダー交代 38を押し出す
「ヤバイくらいに気温も路面温度も高い 38は23周でピットインさせて
集中力が持たない 俺も集中力が高いライドで皮むき
ど新品にタイヤ交換と 22周のピットインでお願いします」73
ハウスのエアコンの効いた涼しいトコへ 貴子さんが付添して休息をとらせる
ロスマンスHRCとテクノロジーYAMAHA ほぼ同時にピットイン
ロスマンスHRCのガータナー ライダー交代せずに 燃料補給だけで出ていく
交代の準備をしていた川野 呆然とガータナーを見送る
テクノロジーYAMAHA 燃料補給とタイヤ交換 サロンに交代 押し出す
吉村Suzukiも森脇Kawaakiも躱してトップスリーに食い込んでいる ゼッケン00
三河バイクWith軍団&信濃流 13″台をキープ
「とりあえず 前のRCとYZFについて行けば表彰台だ 無理は不要」38
「日が高く路面温度が高いうちはハードだ 少し日が傾いてくる73の3回目の
ライドで皮剥きの速いソフトを入れる」内村さん
ソフトタイヤの段取りをして 22周回目のピットボードにP-IN のサイン
サクッと入っていく 燃料補給にタイヤ交換
「ついて行けばいい それで表彰台だ」38
「タイヤはハードだ 皮剥きも済んでる 温めてもある」内村さん
73にに伝えて マシンを押し出すクルー
「洒落にならない暑さ ヘタれる 73は22周でピットイン 俺が24周行く
ラストは73に任せる 休ませないと トップチームについて行けない」38
内村さんも 走ってるライダーの意見 納得して ピットインのタイミングの
変更と時間の再計算の指示を出す
クラリスの通訳でジャックが計算機で計算し始めるが
出川と奥山が暗算でサクッと弾き出す 紙に書いていく奥山 検算する出川
九九をやってきて珠算も熟す二人の暗算の方が速く正確だった
工具スタンドに貼り付けられている予定表が更新される
ロスマンスHRC ライダーが川野に変わる 15″がイッパイ 16″付近で周回
テクノロジーと三河バイクWith軍団&信濃流の2台のYZF
12″台に飛び込ませながら走り続けて パッシング&引き離す
森脇Kawasakiと吉村Suzukiが 追いかけてくるが 引き離す
少しペースを落とした 2台のYZF 共に 13″5前後で 淡々と周回を重ねて
ゼッケン00 73の22周回と38の24周回の予定ピットで熟していく
ロスマンスHRC ガータナーが走ると追いあげては来るがタイムは落ちていく
ガータナーにもっと走らせたいが 疲れもあり 規定時間を超える
6時間過ぎ 5位の森脇Kawasaki スプーンで転倒リタイヤ
テクノロジーYAMAHA 三河バイクWith軍団&信濃流 が同一周回
ロスマンスHRC1周回遅れ 吉村Suzuki3周回遅れ 以降4周回以上の遅れ
テクノロジーも8回のピットインに変更してきてタイヤを持たしてる
4位 吉村Suzuki16″5でついて来るが 2″/周の遅れが発生していく
ラスト38分 ライトオンになってからの 最後のライダーチェンジ
38が入ってきてボードで止められ 燃料補給とラストのソフトタイヤへ交換
速い 73を押し出していく
コース復帰時点で トップのテクノロジーとは28″差
3位のロスマンスHRCとは2周回差がついている というか
コースインの時点で 後ろに居るらしい 17″でいいと説教されて出てきた
「17′′でいいって 炎天下を走り続けて 暗くてライト頼りで17″ キツイよ」
真っ当な愚痴を溢しながらも頑張る73 なんとか17′′で周回していく
英雄さんが 19″5と落ちてきて テクノジーのピットボートには UPのサイン
英雄さんがUP出来なければ 73のペースが保てれば逆転もあり得る
そんな余分なことは三河バイクWith軍団&信濃流のピットボードには出ない
後ろの ロスマンスHRCとの差だけを 走行中の73にピットボードで伝えていく
ペースはKeep 後ろも落ちてきてる 差は詰まらない
残り12分 シケインを抜けて 最終コーナー出口 前のマシンが加速していかない
これが怖いと 今日3回目だ ブローしてるんだ 減速して 躱して前へ
加速できなく下り坂に頼ってホームスレートをピット側の隅を下っていくマシン
が
そんな事に構っていられない73 前を見て
「今みたいなバイクにツッコまないように 自分もやらかさないように 集中集中」
ブローされているとブローでエキゾーストから吹いたオイルが浮くはずだ
後ろとは離れてる タイムダウンしてもコケないこと優先に切り替える73
三河バイクWith軍団&信濃流のピットボード DWON 25” OIL の文字が出る
オイルフラッグは出ていない オイルに気をつけてタイムは落ちてしまっている
落ちたタイムをピットの指示も追認してくれている
「68みたいに調子コクと正座だ ピットボード通りで2位 表彰台だ」 73
ラスト3周 確実に25″で周回を重ねる73
1930 チェッカー
19時30分14秒にラインを通過した ゼッケン00 三河バイクWith軍団&信濃流
「ロスマンスは抑えきった 2位だよ 8耐で表彰台だ 一生自慢できる」73
左手を突き上げて ウイニングラン ゆっくりと周回して
優勝のテクノロジーが来るのを待って
後ろに生き残った45台が揃うのを待って
ウイニングランのパレードの先頭を熟していく
暗くて危ないので コースでのオールフラッグはない
130R の手前に 減速・徐行の指示ボード
ピットロード手前の指示ボードには一旦停止の指示 みなはピットロードへ
三台のみがグランドスタンドの前に誘導されていく
レース中は明暗順応の問題で消されていたグランドスタンド前の照明が
全力で点灯され 明るいのでオールフラッグ
「はい?? なんで ピットウオールにテクノジーのマシンが立て掛けてある?
あれって 俺の前に居て 最終コーナーを加速しなかったマシンだろ」73
マーシャルの誘導でグリッドのど真ん中にマシンを止めると
奥山達がピットウオールを飛び越えてバイクスタンドを持って走ってくる
マシンを渡すと 緊張が抜けヘロヘロになる73
一番前に 中央に マシンを停めて バイクスタンドに上げる 出川と奥山と三国
ロスマンスHRC と 吉村Suzuki が 少し後方に 左右に並べられる
大円さんと38が来て やっとメットを脱ぐと
「8耐の優勝のチェッカー どんな気分だった?」大円さん
「よくタイヤと集中力の持ちを読みきった 勝因だな」38
「はい??」まだ理解できない73
FMと場内放送で
「暫定結果でました 8耐優勝チームはゼッケン00 三河バイクWith軍団&信濃流
周回数 202周回 地元日本人ライダーペア それも4耐優勝での招待枠
21才コンビが優勝をもぎ取りました」アナウンサー また絶叫している
「崩れ落ちるわ こんなの」と崩れ落ちる73 落ちると貴子さんの膝がある
膝枕で寝かせてくれて ポカリをくれるので ポカリ 夏はポカリ
FMと場内放送
「三河バイクWith軍団&信濃流 キスの次は膝枕 16万人の前で膝枕」煽る煽る
オーロラビジョンも ドアップで映してる
オータバイ誌とメーターサイクリスト誌の8耐特集は 膝枕がスタートとなる
内村さんも 調子こいてないし きっちり指示通りで走ってきて 夜間走行だし
疲れ切っている 倒れた先に先回りした膝があっただけだし 怒るに怒れない
3位入賞までのマシンとライダーは 内外のプレスの撮影後 車検委員が引取
違反のチェックを行われて 公式通知の発表を待っている 全ピット
レース委員長のサイン入りリザルトが配られる
チームテクノジーも規定周回は走っているので6位完走扱い でもトップから転落
ゼッケン00 三河バイクWith軍団&信濃流 リザルトの一番上 優勝 喜び爆発
同じピットで明暗が別れた
誰もがシケインでリヤを滑らせて吹け上がってレブらせてエンジンをブローさせた
英雄さんに声を掛けれない
サロンは切り替えて 73と38を捕まえて
「La saison prochaine, nous ferons partie de la même équipe et nous
courrons dans le monde entier.」サロン
(来シーズンは同じチームに所属し、世界を転戦だよ)
「Oui, je ferai de mon mieux.(はい 頑張ります)」73と38
優勝の興奮と疲労と英雄さんを慮って 頑張るくらいしか言えない二人
上村さんがサクッと、書類を出してなにかにサインさせている
大円が気がついた時には 二人共サインした後
「上村さん その紙は、なに?」大円
「チームゴロワーズの契約ライダー 年俸50万の家付の3年契約の契約書
サロンと三人で組んでEWCの転戦 と 欧州TT-F1シリーズ参戦だ
オプションで翌年は250から EWCの戦績でライセンスも上げれるし
250もいい成績なら年俸上乗せ 3年目でEWCと500と欧州シリーズ転戦
どれを優先するかは ゴロワーズとの話し合い 延長のオプションあり
裏はそこに居るリカール家の推しまくりだ 他にもお貴族様
この二人 やらかすと俺 減俸どころか左遷なんだよ」上村さん
「通貨単位はCHFだよね」大円
「欧州だ 普通に CHFだよ」と返ってくる まぁいいか
表彰式前に 来年の契約も済んで 表彰式
表彰とRQの祝福のキスは普通に済んで インタビューが始まる
3位 2位は普通にレースの事を聞かれていたが
優勝の 38と73には レースの事よりスタンドからの「キスは〜」の大合唱
アナウンサーも乗っかる 38がマイクを持ち
「うちの相棒の73が グリッドのど真ん中で膝枕との大技
あの後で キスとの小枝をくり出してもショボい なのでナシ」
73がマイクを渡され
「優勝の重みと疲れでへたり込んだら 膝があっただけで」ホントの事を白状する
しかし スタンドも2位3位組も「惚気てるな」と呆れ返り
2位の川野さんが「インタビューは打ち切りだ 終わるぞ やっとれん」と打ち切る
シャンパンファイトが始まり 73 が狙われるが瓶が小さい
サロンが68を連れて勝手に入っていき 皆にリカール家のマグナムを配り
73と38と68に集中放シャンパン
2位3位組 マグナムのシャンパンをラッパ呑みで
「キスはピット前でまだシャンパンシャワーで許せるが グリッドで膝枕はなぁ」
と口々言い合い 73に蹴りを入れてから ピットに戻っていく
「ホントにヘロって倒れただけなのに」と愚痴りながらピットへ戻る73
38と68と73 三人の中で一番常識が残ってる73が一番非常識となった7月30日
今宵も深けたようで
異世界の昭和に居た作者 その時 1/16万人 としてね
鈴鹿の最終コーナーとグラントスタンドの間に居たんですよ
現場で見てた
ヘロヘロと紫のマシンが下ってきてピットウォールに立て掛けられ
ライダーが降りて 手を離す RET確定
鈴鹿中が絶叫に包まれ なんでピットに 困惑しか無かった
あそこから苦難の8耐が始まったんですよね