第140夜 こんなナンパ小僧まで仏語
7月4日 独立記念日
もう一人の裕太 典子の弟の裕太は代返をお願いしたメンバーを集め
大学の北口下の喫茶店でコーヒーを呑みながら 内容説明をしていた
「いいがさ お前バイト禁止で 小遣い5000JPY/月 この大盤振る舞いは」桑原
「そもそも 4万をケチって 1年を棒に振ったヌケサクがなぁ 110円/日だろ
エントリーだけしとけば 予選落ちでもなんでも 参加は出来た」大田
「もう言ってやるな 凹んでるから タイミングも悪かったし」野牧
「反省している
今回の金ヌシは 姉ちゃんの同じゼミの人のお母さんからの 資金提供だ
うちの息子26と焼肉でも食べて仲良くして下さい とのメモと共に紙封の100
そのボンボンの為に今日の夜に駅前の三角公園の前の焼肉仙珠で焼肉なんだ
気に入らなければ蹴り出せばいいそれも経験だ 清流高校のサバンナへご招待だ」
「100の単位は?」牧田
「残念ながらJPY CHFが良かった」裕太
「流石 ボンボン CHFかぁ 予約は?」野牧
「この6人とボンボンで7人」裕太
「増やせないか サバンナへ妖狐そへだと 同期の都筑と戸上も呼びたい」野牧
「それだと 江本とか才賀とかも」桑原
電話してる裕太
「Max50確保100も今日で使い切る肚決めた 清流高校同期呼びたい奴を呼べ」裕太
「じゃ俺が幹事でやるわ」桑原
「そうなると あの事件の時に木刀でリミットを掛けてくれたライオン三人も」裕太
ライオン3人が来てくれれば、誰かがやらかした時に ド突いてでも止めてくれる
仏語の日の食事会で三穂さんとも、会ってるはずだから任せれる
一斉に電話しだす皆 15分後に計14人は集まる と決まる
桑原が焼肉屋へ20 予備5人数の修正の電話を勝手に掛けてる
そこへ裕太 話を聞いて
「やっぱり来たで追い返すのはしょぼい 予備は多めに 予約35で行こう
35名で満腹に食って呑んでも50だ」 勢い良く言い切る
「もう後戻りはボンボンを返すしかないからな サバンナへ妖狐そだからな」桑原
「裕太 大きな事を言って 結局この6人だけだったら 凹むのはお前だぞ」野牧
「しかたがない保険を掛ける サバンナへのご招待の裏に居るのは誰だと思う」裕太
「サバンナだと 鈴木先生関係だな」大田
「それは半分正解だけど 半分ハズレだな 姉ちゃんの知り合いに
千万町の魔女がいた 千万町の魔女様が裏で糸を引いてる」
「はい?? 千万町の魔女だと アラサー美女と訊いてる
アラサー美女に来られてもヘタれて話が出来ないが」大田
「速さの秘訣を教えて貰え
椎木の城南のジョージさんとニホンカワウソ先輩との方々に教え鍛えられられ
どの道一般公道は走れないからと最初からガレージ熊山のD車で練習して
フレームもエンジンも速度の負荷で耐えきれず30台くらい潰したって」裕太
「アラサー美女も気になるが 椎木の城南といえばさ
岡崎の競技会のデモドライバーの大円三穂さん 若くて美人だな
俺達も出てて ええだけ離された ニホンカワウソ先輩のデモがキャンセルで
がっかりしてたら 流石 城南の推薦 大円三穂さんとNAの瀑速パンチ
見惚れてた 三穂さん来てくれないかな あのパンチは謎のママ?」
自動車同好会組の大田と桑原
「Je ne peux pas répondre à cette question sans une bière.」
(ビールを呑まないと答えられない)」裕太
「エサだけ撒いて 仏語で逃げる が
その話はしていいと 余裕の予備宣言 納得だわ」大田
「理解った 裕太 50寄越せ 幹事としてこれで収める 今から焼肉屋へ」桑原
「ほい」と紙封のママの100を渡す裕太
「ええ度胸だな」大田
「まずな 数えるのが面倒 100は紙封が裏書き 幹事は桑原だ 任せればいい
信用出来る 出来ない 見定めれないとサバンナは生き抜けない
桑原は信用できるし皆の眼の前で渡した 皆の目という担保もある」裕太
「そりゃそうだ 面倒だ」と爆笑の5人
「戻るぞ 大田と桑原の車に分乗で 北口を登るぞ」野牧
店主は水仕事中 「ごちそうさま」とお礼を言って 伝票を放置したまま出ていく
2つ離れた席で倒れかけている由美香母と見てる爺
6人共 常連だし11枚が10枚の値段なので 濃尾人らしくチケットを入れている
カウンターの中で水仕事中で忙しいと見て 目を合せてOKを得たので放置なのだが
由美香爺は違う見方 間違った見方をしてきた
「肚の座りが段違いだ 見定めれないと サバンナを生き抜いけないとか
由美香母さん 拓也とは桁が違う 三流私立には三流私立のいいところがある
しかし なんなんだ清流高校と中愛大工学部 すこし見方を変えないと
儂らが居るのを見抜いての 伝票放置 店もそれで通す」由美香爺
爺 6人の伝票と自分達の伝票の会計を店主に不思議な顔をされなが済ませ
クラウンのリヤシートに由美香母を 押し込み座らせて自分も乗って
デカイスーパーへ向かい 矢田さん との方に会いたかったが
由美香母が倒れてしまった 仕方なく由美香邸へ帰っていく
帰ってきた爺と由美香父の密談開始
「今日は 拓也を行かすべきではない 蹴り出され余計に凹むだけだ
競技会の参加者も居た 大田と桑田という名で 公式リザルトだと
2′33″4で10位と 2′35″3で15位 まぁ古いボロい車で参加してる」爺
「そうなると100をドブに捨てることに」父
「そこも彼らだと 競技へのエントリーフィー ドブに捨てると思わず
エントリーだけでもして競技に参加する権利を獲得する となる思考回路
そして どこぞの『魔女』とやらが裏に居る事で集まるメンバーが増えると
サバンナへようこそ と人を集めている」爺
「エントリーフィーは 母さんが払った そして参加申込みは受理された
予選落ちどころか予備予選で落ちても 参加する事に意味がある
今までは危険と避けて通した領域のサバンナ 少なくともいきなりの怪我はない
三穂さんは サバンナに放り込む 親の肚が大事と言われた 肚を決める
帰りの迎えだけは 積車を業者に頼む 呑みすぎての迷惑だけは掛けない」父
「運転は下手すぎて危ないとの判断をされている 運転は諦めよう
呑んでれば全損で怪我すらないけど シラフで事故ると怪我や死亡まである
その為のショーファードリブンのシステムがある」三穂
由美香父の決断で 三穂と由美香と拓也兄さんを 焼肉屋に送っていく
焼肉仙珠の前の 三角公園に三人を 降ろし 任せると肚を決め帰る由美香父
そんな由美香父の決意などお構いなしに 焼肉を楽しみにして
拓也兄さんはタバコを買いに行き 三角公園でベンチに座る二人
「三穂も私も この処 この黒のタイトミニにピンヒールが多くない」由美香
「なんかね 一人の時はエディバでいいんだけど 揃うと思うと これなのよ
松田さんも 着れるうちに着ておけって ヤバくなったら止めるからだって」三穂
「また その筋のバックアップが 三穂ズルすぎだよ」由美香
「私がヤメたら 優美香もヤメレばいい 同じ年だ 誤差範囲」三穂
フッと立ち上がり 二人で背中あわせてになり
「Ne bougez pas.」「freeze.」(動くな)と声が揃う
イン・ザ・ブルーと言う小説のタイトミニの破壊の美女の真似して
「ハマってる」と爆笑の二人なのだが 通りかかった男子大学生三人は動きを停めた
「Femme en costume noir moulant Puis-je bouger ?」
(黒いタイトスーツのお姉さん 動いていい?)
イケメンだけど服は工学部が声を掛ける
片足を上げてポーズしてる三人
「はい??? 仏語???」反応できない由美香
「やらかしたぁ Allez-y.」思いっきり下を向く三穂
「Deux beautés, rejoignez-nous pour le dîner.」
(二人の美女さん ディナーをご一緒にいかがですか)
爽やかだけど 服はやっぱり工学部な男子
「Désolé, nous aurons un yakiniku à Senju.」三穂
(ごめんなさい そこの仙珠さんで焼肉の予定なの)
Nous sommes aussi des senju. Alors asseyez-vous à côté d'elle.
Le Yakiniku à côté d'une belle femme comme celle-ci.
(俺達も仙珠です。それなら隣の席で こんな美女の隣で焼肉 最高ですよ)
丸坊主の子が答える
「ねえ なぜ仏語で?」由美香
「日本語だと お姉さんみたいな美人とか 恥ずかしくて話せない
最初に仏語が聞こえたから 仏人になりきってナンパ
フランスでフランス人ならフランス語でナンパでしょ」笑う三人
belle femme beautés 美人で 背中に羽が生えて浮遊していく三穂
「く こんなナンパ小僧まで仏語 仏語が話せないと弾かれる」
兄の拓也の事よりも 自分の事が心配になってきた 由美香
今宵も深けたようで