第135夜 それはどうも 窓口は清須レーシングなので そちらへ
へぼでも実兄 血の繋がった兄だ 由美香の悲痛な叫びが響く
静かに 問いかける三穂
「本音を言っていい? 怒らないと約束できる?」
「約束する どうぞ」由美香
ゆっくりと 区切り区切り 話をしていく 三穂
「上辺の勉強だけ 本物に合わずに今まで来た 運が悪いとしか言いようがない
大概は20までに本物に出会う 私なんか生まれた時から あの化け物の妹
矢田さんも水谷さんも化け物 化け物までは行かなくても組長は本物
今回のみなも頑張った お茶 信濃流の家元 本物だ
中高遊び倒した? 親の保護の圏外 裕太くん単体の自力で遊んだはずだ
高校生から清須レーシングで本物のレーサーに扱かれ 横着をすればド叱られ
イジメには 自らの力で跳ね返して相手を潰しに行き 木刀を投げてくれ
折れたら止めてくれる友人 それを認めて貰える環境
見て感じて苦労を経験して限界を感じて その世界線で話をしてくる裕太くん
そう言う世界線が要る
名市大に行けるまでの頭も良く 親の保護の圏内で囲われて育てられ
車の真っ当なクラブでも親の保護の圏内 競技会も親と行った
中高大で公立のヌルい部活もせずに帰宅部で勉強していたと聞いた
ド叱られも 私の三十路案件位だろう 苦労をしていない
ホテルで言ってみえたけど 清流高校の柔道部に放り込んで扱かれる
矢田さんは主将になって団体でもいいとこまで連れて行った 正解だ
勉強は家庭教師で家でいい 部活は縦横の繋がりと仲間を作る
大事にしすぎたのが敗因 縁も運も捨てたようなもんだよ
ただ清流高校はサバンナ 弱い 肚の座らない者は容赦なく弾き飛ばす
そこに放り込み 生き延びさせるだけの親の肚も居る 以上」
「ありがとう 日本語で言語化 しかも実例付 ここからのリカバリ
理解った お母さん 大事にしすぎ 放浪の旅でも行かせな」由美香
「母としては認めたくないものだ でも認めるしかない 裕太くんという実例がある
どうすればいい 原因と現状は聞いた この先の道を 三穂さん」由美香母
リカバリまでは考えていなかった三穂 言って失敗したと悩んで
「親とは無関係の処で教え鍛え 昔なら寺に放り込むだったけどクソ坊主ばかり
返ってダメになる 車も速くすると事故るでは城南も無理
軍の教練かな 英語のおさらいも出来るし 沖縄にも行ける
あとは信濃流で叩き込ん貰うだけど 由美子さんの復活具合次第かな
もう一個 裕太くん達サバンナOBの群れに放り込む ライオンも友達だし
皆 競技種目は違けどコンペティションの世界に居る 混じればいい」三穂
「自衛隊ではなく軍? 意味が解らなのですが」拓也母
「自衛隊 陸自で1期2年は長い 兄貴様なら市ヶ谷と話が出来るけど
私には無理 今の車列はDoDのナビゲーターとモサドのセンチュリー
ヘキサグラムは言葉の壁があるから 米軍 DoDのマックさん達が居るから
その伝で半年位の海兵隊の訓練に混ぜて貰おう」三穂
見て聞いていた純金一同 思うことは同じ
『そういやニホンカワウソ DoDマーク入りのナビゲーターの車列に乗ってた
こいつも信濃流の家元に説教をカマしたし 化け物だよ
さっきまでの 他人事のように人の事を化け物とか 鏡を見て言え』
全員声に出ていて 三穂にまるっと聞こえる
「いやいや私は小学生から 矢田さんのお仲間にご飯を頂いていただけの一般人
吉田先輩のとこのご飯とか美味しい」三穂
「隠し特技がありすぎる 天気にドライブ DoDとの交渉 きっとまだある
大円さんの妹を21年もやっている 人外は確定だ」
ほぼほぼ同じことが6人の声になる
「その人外と同じゼミで234回生を過ごす 釣書にも載る 諦めな」開き直る三穂
「そうねニホンカワウソと同じゼミで3年間を過ごす 釣書に書かない訳には」リサ
「リサも」典子
「書いたわよ それで笹原さんはOKの内諾 見合いは形式だけ
課題は婚約ベアリングが出てくるかだけ 楽しみよ」リサ
「そっか 笹原さんなら城南でニホンカワウソを知った上での見合い NPだ」美久
「あのさあ ニホンカワウソに戻ってるんだけど 三穂呼びは?」
「いやならニホンオオカミだ 絶滅して居てはいけない人だ」ブチ切れた由美香母
「ニホンカワウソでいいです まだ可愛い」諦める三穂
「それで拓也は半年間の教え鍛え まぁ三穂さんにはお礼を ですけど
見合いの紹介は無理 ダンスケ銀行に口座があるほどお金も持ってみえる
どういったお礼を 難しい」落ち着いた由美香母
「その 見合いの紹介はミリも無い からがスタートなんですか」三穂
「当たり前だ 化け物が見合いを紹介して貰えるとか 寝言は寝て言え」純金6人
こんなのと後1年半同じゼミと思うと 完全に言葉が荒くなる
しかも釣書には 同じゼミのメンバーとして載る 純金の言葉使いを忘れる程の衝撃
「そうなんですよ 三穂さんの釣書書いたらね とても釣り合う殿方が居なくて」
「大失敗だ 褒められ 頑張って 拓也さんのリカバリ案まで提案したら
余計にハマった」三穂
「拓也で良ければ いくらでも」吹っ切れた由美香母
「裕太くんなら」三穂
「なんか俺 人気だけど 高1からの2個下の娘と付き合ってるから間に合ってる
典子姉ちゃん関係は要らないから 普通の家の娘だし嫁に来て貰える」裕太
また倒れる 由美香母
「裕太 責任とって 布団へ運べ」典子
「意味不明 だけど倒れたおばさんは 加藤先生直伝の活を入れて起こす」
活を入れ起こす裕太
「裕太くん ヤマハへ移籍したら 兄貴様の特訓が期待できる」三穂
「それは おことわり HONDA一本 NSRで地区戦制覇だよ」裕太
「肚が決まっている 頑張れ 兄貴様もヤマハで立ち塞がる ぶち抜け無いと厳しい
裕太くんは HY戦争の最前線で戦う覚悟が要るよ」三穂
「そんなん 知った上だ 必ずカマして 俺達が勝つ」裕太
「俺達?」美久
「レースはライダーだけじゃない メカからボードからチーム戦だ
俺も雑用から始めて仕来りを覚え 仲間を作りライダーになった
俺が勝つではなく 俺達のチーム 清須レーシングで勝つ」裕太
「はぁ 19の小僧がここまで理解っているのに信濃流の家元がしょぼい事をやって
来年は新チームで新ライダーだ 掛かって鯉 負けねえぞ
その前に今年の4耐に出てこい 諦めるな 出てこい」大円が座っていた
横にイケメン仏人 二人も居る
「資金は ゼミのメンバーで出す 行ってきな 裕太」典子
「しかたがない 200万JPYで良ければ出す」4人
「清須レーシングへ スポンサー権限でライダーを推せる 推しといて」裕太
「私は(鏡智|兄貴様)を推すから 裕太くんを推せない」明奈と三穂
「いいねぇ 旗色鮮明になった 戦わせて貰います」裕太
「この二人 任すわ 飯とか風呂とか 日本通らしいから きっと代丈夫だ
29 juillet. Je vous attendrai dans les pit pour la finale.」消える大円
「クソかっこいい なんで大円さんが滑るとか 優香さんも美久さんも節穴
決勝のピットで待ってるなんて言えない 普通は滑るから言えない 言い切った
姉ちゃんのゼミの同期は 明奈さん以外節穴ばかり かっこよすぎだよ」裕太
「滑って 予選落ちしたらどうするの」優香
「そのために最大の努力をチームでやって戦っていく ハードラックもある
レースの理 全部承知の上で 決勝に上がってこいと 待っていると
チビリそうになった 女が好きだが一瞬抱かれてもいいと それほどかっこいい」
「どうもねぇ 兄貴様 特定の年齢層の特定の幅に 抜群の説得力があるみたい
68も38も73も その彼女達もね 裕太くんと同じ年齢層のレーサーなんだ」三穂
「年齢層じゃない レースでの関わりだよ 命を預けるマシンを託す
あの速さに教え鍛え ノービスには4耐は憧れ 決勝のピットで待ってる
最悪自分が出れなくてもピットに行ける そのダブルミーニングをカマしてくれた
最大の努力をして自分のチームは決勝に行く 自信と確信」裕太
「はぁ 裕太くん ウチの息子にならない」由美子母
「行く意味がない 大学の学費も清須レーシングの費用も 親にお世話になっている
これ以上は 自分でスポンサードを探す だすから息子にではベネフィットに
対するリスクが大きすぎる 中愛大の先輩の教え鍛え もろの世界線だ」裕太
「やっぱり 中愛大の一派の教え鍛え 凄いわね そうは言っても裕太くんの4耐
うちがメインスポンサーでNSRは走らせるわよ
この思い切りがなくて拓也が沈んだ 失敗は繰り返さない」由美香母
「それはどうも 窓口は清須レーシングなので そちらへ」裕太
「お母さん 向こうが3枚は上手だ 拓也兄さんとは違う ここは引こう」由美香
帰っていく 由美香母と由美香 残るメンバーと典子父母と裕太
ダッシュで部屋に行き なにか書類を持ってきて必死で読んでいる裕太
「ええだけ荒れたね 三穂のニホンカワウソが吹き飛ぶレベルで」美久
「まぁねぇ 兄貴様の乱入はあったにせっよ 由美香母の提案を尽く蹴った
裕太くんの実力 あれは凄いわ 流石 サバンナの清流高校卒だ
それでヌルヌルの拓也さんと比べたら倒れる」三穂
「裕太 なに首筋にメモ紙さして レポートでやけになったの」典子
取り上げて 見る 典子達
6 & 7 juillet.
Nous avons signé un contrat de location du circuit de Suzuka.
Il s'agit du dernier camp d'entraînement pour Mikawa Bikes.
Kiyosu Racing prévoit d'y participer.
7月の6日と7日
鈴鹿に専有を入れた
三河バイクの最終合宿だ
清須レーシングも参加してこい
「行こう行こうと」ポール 首を縦に振るルイ
「確かに かっこいい でも ヤバイ時は必ず 仏語
よっぽど 優香と美久の日本語をしゃべるな 滑落する が堪えてる」明奈
「そう思う 兄貴様 前は話せるのを隠してたし」三穂
「裕太 滑りそうになったら仏語 覚えておいたほうがいい」典子
「今日が6月30日 6日7日の合宿に行けるかどうかから全力で努力しないと
ただなぁ 4耐の申込み 今日の16時までだった いま18時 締め切りすぎてる
時間は巻き戻らない 大円さんの4耐に鯉も 俺の四耐に行きますも ダダ滑り
今からしばらく 仏語にした方がいいかも もう滑ってる可能性が高いから
無駄かも知れないけど」
今宵も深けたようで