表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
127/196

第126夜 矢田に『家元』と言われると

矢田

『大円の地雷を踏み抜いた そもそも池田のダブルヘッダーの愚痴を聞く予定だ

 どうリカバリするか まだ時間もあるし移動中に考えよう』


妹が 軍団の人を順番に載せて NA でええだけの速さでコースを廻る

S字もクランクもなめらかにリアを振って廻っていく


「はい?? 滅茶速い」


タイムを腕のG-SHOCKで計測する矢田


「1′13″3 10年前の大円のRZ125の記録より速い 瀑速」


「車庫入れも ちゃんとやれ〜」大声で叫ぶ大円


「それは無理でしょう」軍団の人


次の強兵さんの番で 妹 車庫入れまで入れてコースを廻る

車庫入れ でかい16inchロータのブレンボにモノを言わせて1G近い減速の完全停止

そこから いきなりの横G付きのバック また急停止

ゼロ発進で車を横に向けて コースに復帰

流石に 降りてゲロを吐く 強平さん ねねダッシュで介抱に向かう

「三穂ナイス」と妹に目線で会話して 強平さんを介抱をする ねね


「車庫入れはなしで」車庫入れは拒否して乗込む 真っ青さん


車庫入れさえ無ければ 誰もゲロを吐かない

軍団とかの人達が順に載っていく 満足な顔で降りて交代していく


「ゲロを吐かせない バカっ速なドライブ まぁ大円の妹だし」と流す矢田 


軍団のお局様の かずえさんが

「時間です 移動開始します」と伝えるが

乗ってきたNAには 妹がドライブに座りナビにひげのおじさんを乗せて満面の笑み


NAは売り切れ 「矢田はひろしさんと同じ車で」大円が叫び SELのナビに行く 


ひろしさんとリアシートに収まるが、あのひろしさんの隣 

由美子さんが恋い焦がれたひろしさんだ なかなかの緊張感

ひろしさんと挨拶を交わしてると


「大円くんの催しは面白くて 金予備も抑え込んでくれてるから助かる」ひろしさん


「大円 変な処にネットワーク持ってますから それも強力なの」矢田


「前嫁には逃げられたけど 今の彼女の明奈ちゃんと上手く行くといいなぁ」

雑談のなか、何気なく言ったひろしさん


「はい?? 今の彼女? あいつ さっきは さも今現在は寂しい独り身のように」

 思い返す一字一句

「大円トラップ あいつ 今現在 彼女が居ないとは一言も言っていない

 能書きが自分の首を〆てるとは言ったが 彼女が居る居ないとは関係がない

 明奈ちゃんが 仏語を話せて嫁より若ければ条件クリア 同情して損した」矢田


「なになに」ひろしさん 話を聞いて 笑い転げる 


「Akina dit en français que je suis plus jeune que ta femme

  et que tu devrais faire de moi ta maîtresse.」運転席の典子


「日本語で」ひろしさん


「明奈は仏語で 嫁より若いし、愛人にしてと言ったのよね」典子


「条件クリアしてるし モテてる 仏語だからか 仏語なら滑らないか

 俺は柔道ばかりやってたけど 大円は毎日2コマも仏語やってたしな」


「やっぱり柔道やってた矢田くん?9年前のインハイ 体重別70kg級に出てたよね

 突然の決勝DNC何があったの おれ柔道インハイマニアなんだ 毎年会場に行く

 瞬殺の一本勝ち街道 すっげぇ怪物 優勝すると見てたんだけど」ひろしさん


矢田の古傷を抉る 準決後 暑くてかき氷を食べすぎて お腹が痛いというやらかし

なので インハイでいいとこに行ったとしか言わない 決勝DNCの理由は言えない

しかも、こんなスターが会場で見てて覚えてるとか 嫌がらせに近い


「矢田さん pas de commentaire と答えておけばいいです」典子


「ぱす で こめたいあ」矢田


「かっこいい女の娘だなぁ 俺が独身なら口説きに行くわ でも妻帯者だし残念」


「Merci à vous, Hiroshi.」典子


「水谷も 日英独と話すけど 大円も仏ヘブライアラビアが行けるんだよな

 やっぱ清流高校 特進に籍をおいた 変わり者だけはある」


「矢田さん そこに伊語と日本語が入ってませんが」典子


「伊語も行けるんか 独は裏切る 英語はメシマズって話さないしな」矢田


「やっぱり 日本語が」典子


「あんなど滑りとトラップの塊 日本語が話せるとは言わない

 憧れのお局様で日本語の方を捻じ曲げた あいつはいいが廻りは大混乱だ」矢田


典子とひろしさんは矢田に詳細を聞いて 爆笑


「今でこそ爆笑ですけど 当時の現場は大混乱 署長なんか倒れた」矢田


そんなこんなで信濃流 家元邸に到着

駐車場にSELが5台並んで壮観 軍団達と記念撮影してる 純金8人に敏江28さん


「準備始めるぞ〜 そこの茶室に立て籠もってるの 出てこい」大円のバカでかい声


「俺はこっちの スペースで炭火で肉焼きますんで」73


「ほら 出てきて 邪魔 38 No3  屋台組むぞ」68 続くひろ子ちゃん達4人


由美子さんもお構いなしで 結界を蹴散らし 天岩戸をこじ開けて 屋台を組む


「栄子ちゃ〜ん 真っ青さん来てるから 出てこなくてもいいぞ」またバカでかい声


「すっごいな 信濃流っていったら 戦国より前からの流派 その家元を」社長


「元気がないんで元気づけ 酒屋到着 そこの縁側に 生のサーバと氷 セット」


ガンガン準備が進んでいく Barのマスターが来て「ほい 凍ったジョッキ100個」


「内弟子も今日お稽古に来てる弟子も 強制参加 ジョッキ持って注いで鯉」


由美子さんと栄子ちゃんを置いてきぼりにして 涼子さんは烏龍茶で


「持ったかぁ 社長 乾杯の音頭を」大円


「任せろ」と溜めたら 「カンパーイ」と真っ青さん 皆そっちに乗って乾杯


「にぎり 行けるよ」68 「刺し身もいける」38 「肉も 赤身もあるよ」73


始まっていく 軍団+α+純金の宴会 由美子さんまだ事態が飲み込めない

自分の家の裏庭で軍団が ひろしさんが ひげのおじさんが 寿司食ってビール

「よっしゃ 捌き切った」38 「こっちも握りきった」68 「呑むぞ」38&68

「きったねぇ 俺、焼きッパ 控えのライダーだし 呑むのは待機」73


「こんな若い子たちが理解って実践できてる 大円くん ジョッキを」由美子さん


「涼子さん 大円が引き摺り出した なんとかなるよ 軍団も来てくれた」矢田


涼子さん 物凄く言いにくそうに「私 軍団より原さんのビックバンドなの」


社長が横で聞いてて「それは 勝てない ペット?」


「サックスの唐木洋介さん クラチェンジでのソロがしびれるポイントで」涼子さん


「そんな事を 言われて まんまじゃ 軍団としてメンツがな」社長


涼子さん やらかしたぁ と思ったら


「秋の宴会 原さんに頼んで 吹いて貰おう かずみさん お願い」社長


「社長 そこで軍団として俺が って言わなのが 賢い」大円


「当たり前だ かずみさんに頼むのが一番だ それで会社は廻ってる」開き直る社長


「やっぱ 優しい綺麗な憧れのお局様のかずみさん ここに頼るのが一番」大円


言った端に 涼子さんに耳を掴まれる大円

「なに 優しい綺麗な とは 私の時は 憧れのお局様 だけだったのに」


「そんなの 学習したんだよ ここまで素直に心を出せば通じるって」大円


「卒業した方にガタガタ言われる筋合いはない 大円くんは素直な子」かずみさん


涼子さん28おめでた かずみさん28お局様 迫力が違い押し負ける涼子さん


栄子ちゃんも出てきたが 真っ青さんが裏庭に居る 見ただけで 意識を飛ばす


矢田が起して「ほら 真っ青さんが居るから 話をしてきな」


「でも でも 真っ青さん またバカ鏡智と談笑してる あ 真っ青さんが肩を」

栄子ちゃん また意識を飛ばす

 

「大円 真っ青さんがお前の肩を 揺すったら 栄子ちゃんが倒れた

 真っ青さんが近寄って話しかけたら きっとまた倒れる ど滑りだ

 VHS位の距離感じゃないと」矢田が来て 大円と真っ青さんに告げる


「それはなぁ 真っ青さんだって仕事調整して 休みとって来てくれてるんだ

 それを どうこう言われると 俺のお腹が痛くなる」大円


「今日の朝 ひろしのお腹が痛くなったらしい」真っ青さん


「はい??」矢田と大円


「あいつさぁ 柔道のインハイマニア 大円くん清流高校 9年前の柔道部とか

 同期位だろ 友達だったりしてと期待したらお腹が痛くなって気がついたら

 瞬殺一本の嵐でたどり着いた決勝DNCの謎を追って名古屋に来てたらしい」


「矢田さん pas de commentaire」明奈が来ていた


「矢田 Non commento でもいいぞ」大円


「普通に 回答を拒否します でも」妹


「ノーコメントで」矢田


「今日は俺が滑りまくってる どうしようもない」 矢田

仕方がないので、大円の持ってたビデオカメラで

真っ青さんや軍団から栄子ちゃんへの ビテオレターの撮影をする


「ジムカーナ濃尾地区シリーズに出すD車 矢田の店のデカイスッテカーを貼る 

 無様な走りは矢田の店のスッテカーに泥を塗る ドライバーには頑張らせる」大円


「そのステッカーの隙間は」ひげのおじさん


「ありますよ たっぷり」大円


「新作の湾岸街のステッカーも貼っていい?」ひげのおじさん


この一言で おじさんたちの抗争が勃発する

純金達も 贔屓の俳優のステッカーがいいと 抗争が勃発


「由美子さん 抗争に参加しないと ひろしさんの映画の分が無くなる」大円


「そういう役目なのか」由美子さん


「今現在 そう言う役目 熟さないと ひろしさんの映画もあるし 頑張れ」大円


「だまれ小娘 お前はひげのおじさんの魅力が理解らんのか

 湾岸街に決まっている」ど迫力で黙らせる 由美子さん


「あの あの 由美子さん ひろしさんに会わせろ の連発はどこへ」困惑の大円


「細かいことは気にするな ひげのおじさんはかっこいい」開き直る由美子さん


「Akina, rentrons à la maison. Je ne peux pas faire ça.

 (明奈 帰るぞ やってらんない)

 ジョッキイッパイ呑む前にこれだ 請求書があれば俺まで」

 ブチ切れて帰ってしまう大円 38と68と73 三人で折り詰めを明奈に渡す 


「まぁ あれほど ひろしさんひろしさんひろしさん と言っていた家元が

 掌返てのひらかえし 家元の手首にも三穂と同じNSKのベアリングが入ってるわね」純金5人


「ミネベアのベアリングも良いわよ 強平さんの介抱とか もう三穂ナイスよ

 屋形さんにも 褒めてもらえたし」ねね


「NSK 耐トルクなら最強よ ひげのおじさんをナビに乗せれる」妹


色々を爆笑で流し 美味しく食べて飲んで散開していくメンバー


皆が帰った後 『俺の役目かぁ まぁステッカー貼って貰う代金だ』矢田


「由美子さん そのダンボール箱 持ってみて」


由美子さん 普通の重さに感じて持ち上げる

つづいて大円の椀で 茶を点て 矢田に勧める

「自由に 作法に拘らなくていい」由美子さん


「なんか 抹茶なのに苦くない」


由美子さん 「間違っっていなかった」 心底ほっとした顔


「大円は30年先のお茶の道界を見てます 弟子を育てる 跡継ぎを育てる

 そんなの当たり前で その先を見てます 衰退して高齢者の娯楽

 女性一辺倒ではダメで 若い男子を引きずり込まないとダメ」


「どうすれば CMを撃ってもダメだ コンサルも匙を投げた」


「そこで今日来てた 軍団がスポンサードする三河バイク ここに信濃流も乗っかる

 軍団だって信濃流 信濃流だって軍団 相乗効果で名は売れる

 いままでのターゲットとはまるで違うブルーオーシャンに船出する


 今まで通り 年間総額をきちんと表示した明朗会計で若者が安心できる環境を維持

 中元歳暮を寄越せとか、水屋代や炭代を表示せず事後の別請求とかの不親切会計

 お茶会の手伝いの労務を発注しておいて特別授業料徴収とかの契約違反のクズは

 即 査察を入れて事実なら 回状廻して公式声明で破門」


「ずいぶんと 厳しい話だな」


「厳しいですか うちの店では全部の商品に正札付けて その値段で販売する

 人を雇えばキチンと契約をして労務代を支払う 個別レクチャーで出張なら事前の

 明細付きの総額表示 赤でも見積もりミスと呑み込む チップは有り難く頂く

 世間では出来て当たり前の商習慣 国税も労基もそう言ってる


 即の査察は一瞬の油断で命を落とす そう言う世界線を潜ってきた大円の進言です

 ウチ店でも同じ 正札にミス 高い値をつけていれば 即客さんを探して返金する

 信用第一で商売をしてます


 先生と呼ばれる馬鹿ほど 慢心と欲に塗れ 借り物の看板の信用で商売してるのに

 自分の信用や威徳と勘違いして 自分の今さえ 代さえ持てばいいと金を毟るクズ


 大円の家に巣食った金を毟るだけのクソ坊主 本山で修行したが自慢のクズ

 あいつは 本山のクソ坊主も全部集めて蹴り倒して ガソリンをぶち撒けた

 本堂の真ん中に立って大炎熱地獄の青い炎で火を付けて燃やした

 本堂が燃え尽きてシミしか残らない その青い炎の真ん中で立っていましたよ

 その世界線で話をしてます」


「耳が痛いな 信濃流はそれほど血は流れないと思うが やるしか無いな

 直ぐ回状を廻す 良かったよ 矢田の友達の大円くんで


 しかし矢田 本山なら借り物の看板ではなく自分の看板と信用ではないのか」


「そんなの大元は仏様の看板の信用 その看板の信用を借りて初めて成り立つ本山

 大円は その大元の如来様のお許しを頂いて というか下知で 蹴散らした

 今回の『家元』の浮かれポンチ事件だって 表は大円と俺だけど

 後ろに如来様が潜んでるからなぁ あの道具なんて モロだし」


「矢田 千佳にはこっちで泊めるって連絡しといた 由美子さんと呑み明かして」


「涼子さんに言われたら 仕方がない 呑みますよ 『家元』」


「今時点で 矢田に『家元』と言われると クソ重いわ 由美子さんにしてくれ」


「今日は『家元』で 俺も重い役目を 大円に背負わされたんで」


今宵も深けたようで

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ