第120夜 20の看板を降ろす日
「ねぇ 兄貴 あのBFMRのエンジンって あの位置だっけ」妹
「聞いてるのは お前のD車のBFMR10代目と同じ位置だって
ノーマルから8代目で150mm 10代目で180mm 後ろにズレてる
ここ2〜3年でカーボンプレプリグの入手性や値段も良くなって
ボディはフルカーボン シャシも切った張ったはカーボン
50φのクロモリのバードゲージがパイプフレームになってる
詳しくは 藤原さんに訊いて」大円
「原型留めてない よくナンバー付いてたわね」妹
「熊山さんの力技だ 次のは BFMRだけど ミッド四駆を計画中だって
205T16 のパクリをするって藤原さんが言ってた
エンジンを何にするか 後藤さん悩み中」大円
「それで地区戦は 非難を浴びるわ」妹
「205T16 のシャシをカーボンで切った貼ったで覆って 再生するのも検討中
エンジンをB6ターボの1.9Lに載せ替えて こっちの方が簡単だって
それか思い切ってバスタブからフルカーボン起こし とか
無茶苦茶になってる 200万CHFで収めては 暴走を止める為なんだが
追加でいくらでもって 口走ったから 三穂 お前止めてこいな」大円
「それ地区戦だと賞典外どころか エントリー拒否で 濃尾地区から
追放される車 熊山さん達にお金渡して自由には危険すぎる
免許とってスグにBライ取って 240RSで さくらんぼさん主催の競技会に
申し込んだら『いやがらせは 良くない 他のエントラントが気の毒』と言われて
『美穂ちゃん いい うちの競技会は JAF戦に参戦して3回目までの人向け』
私初めてのJAF戦なので と言ってもの『千万町の魔女はお断り』と言われた
そうなんだ あの頃から ご辞退の山を自ら作ってたんだ」凹む妹
「お前 こないだ俺に 鏡を見ろとか言ったけど」
1800✕2000の鏡の前に妹を連れていき
「この女がな 千万町の魔女で 憧れのおじさんの放置して
コースに行った女だ」大円
「その隣りにいるパンチが 愛人を放置してコースに来たパンチ」妹
デカイ鏡なので 余裕で二人の全身が映っているのだ
相互確証破壊になりかけた時に明奈達が戻ってきて 話は夕食に変わる
「悪いんだけど 脂身の多い肉だと脂肪がな すき焼きだけど赤身で
いい歳コクと 寿司も白身中心で あっさり系だ コレステロールがな
68お寿司屋さんで 鯛の背身とか最高だった」ひげおじさん
「そう言えば 腹身をパスして明奈に」大円
「それで 美味しいところを ごちそうさまでした」明奈
ねね SEガード&ファイト のチャレンジャーでぶっ飛んできて到着
明奈が迎えに行く
「いい兄貴様 言ったことは責任を持ってね 私は突っぱねるから」
「はい?」
「兄貴様が ねねと指定で呼べと 他の5人の苦情は兄貴様へ と却下するから」
「ねね 以外は真っ青さんとか強平さんとかだろ そん時はそん時 カードはある」
上がってきたのが四人 ニホンカワウソ先輩とナビの山崎さん
昨年の 全日本ラリー選手権 年間優勝コンビ デカイケーキの箱を持ってる
「いやぁ 寿司で誤魔化せたと思ったら 三穂ちゃん誕生日 誰もケーキも買わずで
教え子の復帰戦 お祝いして来なさいと また叱られて 登場」とコンビ
「俺は忘れてたが 三穂 お前は 覚えていたか?」大円
「昨日までは明日誕生日と覚えてて だけど20の看板を降ろす日だしで黙ってて
今朝 ひげのおじさんの顔を見たら 浮かれポンチで忘れて コースに入ったら
トライアラーモードに突入して 忘却の彼方へ行った」妹
リビングが静かになっていく
「そうか そうだよな 20の看板を降ろす日 今日から20代だもんな
まだ20が使えなくなった日 涼子さんと同じ20代になった日だもんな」
空気を全く読む気のない大円の言葉で 更に静かになってしまう
ニホンカワウソ先輩
この手に持ってるケーキは爆弾 手に持ったまま爆発した
目眩で倒れそうになってる
ひげのおじさんもお祝いする? どうする?と行った顔になる
「涼子さんは30まで一向聴 でもお目出度で卒業
三穂は東一局の配牌 これから南四局まで長い道のり 余裕よ」ねね
「そう言う ねねは」明奈
「東一局 8順目へ 三面チャンの一向聴 いいわよ」ねね 4月3日が誕生日
「よし 手牌開けて ケーキを食べよう」盛り上げてくれる明奈
「そうそう すき焼きもある 大円くん 酒は」ひげのおじさん
バックバーを開けて 鍵の掛かったワインセラーにひげのおじさんを連れて行く
「三穂 喜べ 20の看板を降ろすお祝いのワインはひげのおじさんのセレクトだ」
「うっわぁ 高いワインがしこたまあるな だがな 高いワインがいいとも限らない
こっちのオープンセラーで 冷えてるシャンパンと 冷えてる赤で行こう」
皆ですき焼きをつついて ケーキを食べてるとBarのマスターが ツマミの
チーズなどを宅配してくれる
おじさんも ねねがなんで居るか を気にする間もなく必死で盛り上げてくれて
皆でシャンパンやワインを呑んで ゲストルームの六畳間で就寝していく
ニホンカワウソ先輩達は すき焼きも食わず酒も呑まず
ケーキを置いて速攻で撤収していった
家に帰り奥さんに「ケーキが爆弾だった」と報告するニホンカワウソ先輩
「なんでよ 誕生日よ お祝いのケーキよ」奥さんは怒るが
「21の誕生日な 今日から20代 昨日まで20 20の看板を降ろした日だと」
「あ!」大きな声の奥さん
一般的には良いことが 爆弾になることがある事例と 本部長に報告しないと
県警本部には6人位20の娘が居る
「おれ 先に休むな 目眩がして倒れそうになったし」先に寝るニホンカワウソ先輩
「先に休んで」奥さん 爆弾を持たして持ったまま爆発した事を理解して反省中
6月5日 月曜日
「兄貴様 あの駐車場 8台は停められるけど 全部使っていいの」
「いいぞ 細かくして ブツケたとか嫌だし 全部借りてある」
「よし ねね 明奈 車列で行くぞ SEL三台は正門前に余裕で停めれる」
抵抗感のある ねね 昨日の揺り返しだ 仕方なしで黙る 明奈
「お それなら 車列の前で 写真撮っておこう」ひげのおじさん
さくっと掌が返る ねね
写真係になる大円 写真を撮り終わると タクシーで新幹線に向かうおじさん
SEL三台の車列で大学へ向かう 純金三人組
もう、5台の車列で通学して日の丸まで振られている SELの3台の車列 平気だ
駐車場に停めて、待つが5人は来ない アリスの車列に 日の丸の小旗を振って
アリスと4人で山を登っていく
「ニホンカワウソ20代突入おめでとう」の横断幕
でも昨日の直撃よりはマシ
「いいよ ひげのおじさまと朝から夜まで 一緒だったし 多少の事では凹まない」
「うそ コースを引き出したら ひげのおじさん放置だったくせに
実質 ねね と同じくらいしか喋っていないし」明奈
「え、ひげのおじさま が誕生日を祝ってくれた そこに ねね も居た?」優香
「朝イチ 二人で車に乗って現れるとか カマしてくれて カクカクシカジカ」明奈
「それじゃぁ ホントに私と同じ位しか 話をしていないと」ねね
「おじさんの方は 話掛けたかった様だけど そんな雰囲気じゃなかったし
まぁいいじゃない 先週は 真っ青さんにひろしさんにおじさんと揃ってたし
今週も おじさんはセット出し 真剣に見てたし 見られる側で」明奈
「く 天気図に続いての 隠し特技 しかも 三人が見入るほどの」優香
講義を終えて 午後のゼミ 一段諾したら
「明奈はいい なんで ねね だけ呼んだの」美久から当然の質問が出る
「その質問の回答の全責任は いい兄貴様 と握れているので そちらへ」妹
「なにそれ」典子
「総ての回答は いい兄貴様 が行います」妹
「その いい兄貴様 って 爆笑なんだけど 掌返しすぎ」リサ
「そんなの 椎木の城南代表のジムカーナのデモランのドライバー押し付けられて
SELの車列で激怒仕掛けたら 降りてきたらあの三人 朝のこちらからの握手から
お昼休みは向こうからの握手 そのお膳立てを 全部いい兄貴様がやってくれた
もう いい兄貴様の評価 鯉が100匹は滝を登って 昨日でまた100匹は登った」
「その先週の 激怒からの掌返し 凄かったわよ 笑うの堪えるの必死
挙句に 私に『いい男を捕まえた 逃がすな』 ここまでの掌返し
あっけにとられて 何も言えねぇ よ」明奈
「私だけじゃない ねね だってSELで三台の車列で登校
もの凄く渋い顔してたのに おじさんの 車列で一緒に写真を撮ろう の一言で
手首にミネベアのベアリングが入ってるの? レベルで掌が返った」妹
「それは仕方がない 強平さん屋形さんコンビだと更に高速で掌が返わよ」ねね
「ねねも 開き直った」美久
「ねね レイバン嵌めた社長と四浦さんだと?」明奈
「そこまでは 駆動力が足りない」ねね
「そっかぁ それは仕方ない」明奈
「レイバンの社長って ヘリからの人 本物とは会いたい」リサ
「本物って? 偽物が居るの?」7人異口同音の質問になる
「お兄さんだって あのレイバンかけて 角刈りっぽい
パンチだけど紫のロッドで頭の形が丸いから 少し外れてる
うちの叔父も角刈りにレイバン メシマズだとかっこいいらしい」リサ
「リサ 訊くけど メシマズ『だと』なの」美久
「YesSir Tak はい 好きなの選んで ちなみにメシマズは英米ね」リサ
「そっかぁ 他には社長と会ってみたい人は」明奈
これ 裏がある 気がついて反応する純金 「会いたいに決まってる」5人
「よく気が付きました パチパチ 21日 夕方空けといてね」明奈
「あれ トラップ」ねね
「いい兄貴様 なんだけど ナチュラルにトラップ仕掛けるから
初対面で 涼子さんに向かって 憧れのお局様 ってトラップ以外何者でもないし
栄子さんが自動車学校長かったのも 四駆やNAの運転見てたからだろうし」妹
「なにそれ」
「前にも言ったけど 2台ともリアステア 荷重移動と踏んでいって曲げる車
岡崎の山の中のでの競技会のデモランをやってコースで踏み切ってみて
荷重移動させれて踏んでいって曲げれるなら 出来のいい車だわ 納得した
三人がNAに乗ってコース完走できず 四駆だと私の48′落ち
三人とも エライ凹んでたけど 踏まないと曲がりません なんだよね
優勝タイムが私の四駆の1′47″からの43秒落ちなので
素人があの四駆に初めて乗ってなら 悪いタイムじゃないけど
というか素人だとタイムが出ない車
そんな車を街乗りで普通に曲げていく 栄子さんにはトラップ」妹
「それで ニホンカワウソは 2台とも乗りこなしたの」優香
「シムカーナのコース限定でなら 兄貴様に勝てたわよ」妹
「ねえ その 岡崎の山の中の競技会って?」由美香
「岡崎の 岡崎さくらんぼさん主催の初心者向けジムカーナ
前にエントリーを断られた 因縁の競技会
ニホンカワウソ先輩のデモの予定が赤子放置で遊びに行ってたらしくて謹慎
それで代打の私と兄貴様」
「おそらく うちの拓也兄さんもその場に居たと思う ど凹みでうっとおしいのよね
俺は速いって シルビアのターボだ B車にしてドリフトだ とか自慢しまくりで
一旦停止違反で捕まって 親が怒って競技会で勝てたら認めてやる って
拓也兄さん 父と一緒に 先週の岡崎に行ったのよね」由美香
「それで」美久
「結果は拓也兄さんはもちろん 父も言葉を濁して語らず
よし 今日帰ったら 拓也兄さんの速いって 20代になったばかりの
先週は20の女の娘に負ける速さ いじりまくろう」由美香
「そのいじりは やめて せめて20代に慣れる1週間は待って」妹
「流れ弾と言うより 由美香 ニホンカワウソを狙ったでしょ」爆笑の6人
6月6日 火曜日 愛知県警本部 会議室
「本部長 新たな爆弾を発見しました」ニホンカワウソ先輩 月曜日は休んだ
「どうした」
「21の娘の誕生日 ケーキを持ってお祝いに 爆弾でした 手に持ったまま爆発」
「なんでまた 爆発する要素がないだろ」
「それが 昨日までは20 今日からは20代 20の看板を降ろした日と」
本部長 ダッシュで和歌子28さんを連れてきて「カクカクシカジカ」
「来月3人21になる 去年は和歌子28さんに全部まかしていた 後継は」
「それがみな寿で 来月は私が居ますので対応しますが その先は」和歌子28さん
「ニホンカワウソ よく見つけた 4日間の特別休暇だ」本部長
「それと 20の誕生日も結構地雷ですよ 10代の看板を降ろす日ですから」
「綺麗なお局様の寿 祝うが こんな落とし穴が 署と長野にも展開して相談だ」
「俺は帰っていいですか もう手に持ったケーキに爆発されては」
「うむ よく報告してくれた 昨日・今日・明日と明後日まで特別休暇
和歌子28さん お願いします」本部長
「この辺の 裏技も仕込まないと 忙しいです」出ていく和歌子28さん
「ニホンカワウソ 帰って赤子の相手をして心を休めろ こっちはなんとかする
しかし 寿 仲人 祝うが 三人一遍はキツイな まず長野に相談だ」
帰っていくニホンカワウソ先輩
大円の『憧れのお局様』案件で、共に苦労した 長野県警本部に電話すると
25の娘が3人いて全部やってくれる お局様まで最低2年あるし次の24も23も居る
計画採用での人員数のバッファ お局様を自由にさせて若い子の教育が実を結んだ
余裕をぶちかまされて 電話を叩き切る 愛知県警本部長
署に電話するも 富美さんがしっかり 23 24 25 の娘を教育済
富美さんを自由にさせておいたおかげだ お局様に逆らうの愚策
余裕の回答をされ この電話も叩き切る 愛知県警本部長
うちの人事 今現在で 25 26 を採用してない
24の娘は少しだけ居る 前本部長の方針だ
女性は寿・お目出度で抜けていく 極少数戻ってくる娘もいるが1年間は育休だ
男だって年を食えば定年で引退だし 嫁子供が熱を出せば休んで看病だ
男女とも永遠に毎日出勤してくれる訳ではない 人員数のバッファは必要だ
自分の定年までで人件費削減とか、その場の評価だけで逃げ切った
クソヌケサクの尻拭い 大迷惑だ
三人が寿で お局様は居なくなる それはそれで祝う 祝う話でいい
でも ニホンカワウソの発見した爆弾 俺では処理できない
すぐ24の娘を集めると本部系では 遠藤理子24 里見優樹菜24 他2名 の計4名
里見優樹菜さん以外は 今年 寿退職 予定
優樹菜さんは 庶務2課 裏刑事課で女性担当だ
庶務の正面で動く娘は 23以下となる 頼れるベテランが居ない
くらくらする本部長
今宵も深けたようで
ハタチの看板を降ろす日
20の娘の21の誕生日にケーキを贈って
「バカ」「女の気持かわからない」さんざん言われた異世界での20代
ハタチと20代は 明確な違いがあると スナックのお姉さんに聞いてそうなんだぁ
じゃぁ〇〇さんはと訊いて「お局様だね」と言ってしまい 説教を喰らいました