第117夜 クリスマスもバレンタインもダブルヘッダー
不貞腐れて 明奈の膝で寝ている大円
池田が訪ねて来て
「呑みに行こう」まだ1400 昼呑み屋しか開いていない かなり強引だ
「呑むならここでどうだ 山ほど酒はある」
「いや ここには嫁とは違う女が居る 二人で呑みたい」これも強引だ
妹が来て 四駆を受取り 明奈を送ってくれるという 任せて送り出す
「それなら ここで吐いたらすまん」どうにも池田らしくない
「なんだ どうした？」強い酒はヤバイと学んだ大円 ビールが勧める
「中本が7月に結婚する 潜伏して進めてやがった 毛はないのに嫁は来る」池田
「それは ヤバイ金融の社長の言った ハゲる前に結婚してしまえ を実行しただけ
池田は髪の毛がある まだ大丈夫だ
俺なんて嫁が浮かれポンチ 運良く彼女が来てくれたダケだし」
「それでも 嫁の他に彼女が居るし」ビールを一気する池田
思い返す大円 激怒が始まる
「お前 人の事がよく言えるな 俺が日本に帰ってきて居た2年間だけでも
ええだけモテててて クリスマスもバレンタインもダブルヘッダーしておいて
どれだけ俺が傷ついたか 俺は嫁が浮かれポンチ そこに来てくれた女神な娘だ
池田にだけは どうこう言われる筋合いはない」
先日の内村さんの雷並みにド叱る大円 イケメンへの鬱憤も溜まっているので過激だ
池田 思い返す ダブルヘッダー 確かにやった 3回はやった
「だいたい 矢田と池田のイケメンコンビ 中学の時だってチョコ山盛り
矢田は俺と同じ男子校なのに貰ってた 池田は共学だ 貰っていないはずはない
今モテないのは あの頃の女の娘の祟りだな 池田への愛が哀に変わっただけだ」
もう イケメンには 僻みが思いっきり入ってる大円
「その点 矢田は柔道一直線だったし 俺と一緒に山に籠もったりで
必死で店の準備をして頑張った 店を開いた後は涼子さん達とツルンでしまって
俺と一緒に岐阜に通った 偶に釣りに行くと言って 琵琶湖も行ってたらしい」
「一つだけ 矢田の名誉の為に 琵琶湖はホントに釣りだ あいつバスやってたし
俺も何度か 一緒に琵琶湖にバス釣りに行ったし」池田
「いや 琵琶湖は琵琶湖だ 行けば近所だ 行かない理由は女連れ以外は考えれない
魚釣りに女の子は来ない」
「そうでもないぞ バス・フィッシングと洋風の名前で 女の子もやってる
俺も彼女連れて 琵琶湖でバス・フィッシングに行ったし」
「ほらまた 俺を抉る イケメンは魚釣りも女連れか もう帰れ」ブチ切れる大円
愚痴を溢しに来たら 地雷を踏みまくって そうそうに撤退する池田 自業自得だ
不貞腐れるにも 膝も帰ってしまったし と どうしような状態でいると携帯に着信
ジョージさんからだ
「大円 明日ジムカーナのデモランで ニホンカワウソを充てにしてたら
嫁に怒られて 来れないって話で 日本に居るなら大円だしと 頼めないか」
「車が公認はあるけどレベルな 13B のNAですよロールバーすら入ってない
四駆は妹が持っていったし そうだ妹に走らせたら 見には行きます」
「そうか 三穂ちゃんの腕が鈍ってないかのチェックもしないと
三穂ちゃんを呼び出すわ 大円もすぐ城南に集合な」
『ふふふ ジョージさんを使って 説教を喰らわせたお返しだ 見に行こう』
もう イケメンへの僻みも 忘れて 城南にすぐ向かう大円
椎木の城南に付くと四駆も置いてある 店に入っていくと左奥のコーヒーコーナー
明奈もいる 勝手にコーヒーを注いで
「ジョージさんのお願いだ 嫌はないと思うが 三穂は頑張れ」大円
「兄貴が四駆で走ればいいんじゃないの」妹
「名変も済んで お前の車だし 車検証見たろ 所有者使用者共 大円三穂だし」
「く 汚い 今日受け取って はい明日コースはキツイ」
「そんな事はないだろ 高校から四年間 ええだけの車を用意したろ
熊山さんが、必死こいて作っても シャシから潰れていくって嘆いてたぞ
ジョージさんとニホンカワウソ先輩が教え鍛えた 隠し玉の魔女だしな
練習したいならマンションの向の空き地 俺の所有地だ
一般アスファルト舗装で300m四方はある 今から行こうぜ」
「行くか 店任せていい？」ジョージさん
「三穂ちゃんか しゃァ無い 行ってこい」二代目
「明奈は俺の隣で パイロンは100本あるから 行きますよ 433.78で道案内」
「了解 案内頼む」
三台つるんでマンションへ行き リヤカーでパイロンを持って 空き地へ
ジョージさんとあすのコース図の要点をみて パイロンを並べていく
妹も一緒に歩いて インスペ をしていく
「ジョージさんを頼ったら こんな落とし穴が でも久しぶりの全開」
「タイムは取らないから 好きに走って 見てる」ジョージさん
3本軽く流して 車の挙動を見てる妹 4本目から上げてくる
「いいわぁ 流石 熊山さんの仕上げ モロのD車にナンバーが付いてる」
振り回し始めて 体感のタイムが上がっていく
「この振り回せる感 さすが2575 ミッションも歯が違う 叩き込める
藤原さんのボディもしなやかで硬い 足もいい エンジンも後藤さんだね
タイムだとこの辺 デモラン用に振り回してみますか」
「あれ 遊びはじめた 振り回してるな 2575でいい感じじゃない」ジョージさん
「ZFのレーシングの歯に変えといて良かった ノーマルだと今ので飛んでる」大円
「デモランなら アレくらい振り回してが丁度いい 初心者向けの競技会だし」
15本熟して戻ってくる 妹
明奈と二人でパイロンを隅に片付けて 皆でマンションの倉庫にしまう
「忘れてなかったね 合格 明日頼むね 0700 うちの店に集合で」
ジョージさんは合格をだして撤収
「流石の車 いくら掛かったかは訊かないけど 熊山さんとこの車だよね
乗ってて安心して踏める ガス入れて帰るわ 明奈は置いてくね」帰っていく妹
「ニホンカワウソ候」明奈
「そりゃ ニホンカワウソ先輩直伝だよ 高校1年から4年間 無免でターマック
ターマックでジムカーナなら 俺より速い 車への順応性も高いしな」大円
「はい？？ ニホンカワウソ 鏡智のことをええだけ 世界線が違うとか能書き」
「俺らはバイクレース チーム戦だ あいつはジムカーナ メカとはチームだけど
ラインに付けたら 約2分間を孤独で戦う 感覚が違うわ
そんなことより 膝枕 もうイケメンが 我儘垂れたから 追い返した」
ペントハウスに戻っていく二人
「池田がきて・・」と膝枕で愚痴を垂れる大円
爆笑の明奈 「池田さん そんなにモテて」
「クリスマスもバレンタインも ダブルヘッダーだよ ダブルヘッダー
最後魚釣りにも女連れ もう蹴り出した」
「でも バス・フィッシングとかフライ・フィッシングとか エサを使わない系
女の子でも流行り始めてますよ 矢田さんトコにもウエアがありましたし
うちのお嬢様女子大でも その2つの同好会は ありますし」
「そうなんだ 矢田が魚釣りで琵琶湖はホントに魚釣りだったんだ
でさ なんで二つなの 魚釣り同好会じゃないの」
「それがその2つ また仲が悪くてお互いを貶しあい お嬢様とも思えないレベルで
メシマズ発祥とメタボ発祥で 両方ともご飯はマズイのに」
「そうだね ご飯がマズイ連盟にすればいいのにね」
あれ 明奈 ここで横向いた もしかして料理下手 地雷だどうしよう
悩むまもなく 電話が掛かってくる
「強平だけど理解る？」
「強平さん 理解ります 大円です どうしました」
「ロケでさ 名古屋なんだ 旨い寿司屋があるらしいんだけど一見さんお断り
芸能人の威光も効かず どこか美味しい店知らない 一緒に行こう」強平さん
「どこです？ そこ？ 何人です？ 向かいの喫茶アルプスで待ってて下さい」
強平さん達
「なんか 喫茶アルプスで待てと言われたけど どこだ」
「真後ろだよ おとなしく待ってよう」ひげのおじさん
「いくか」屋形さん
マンションをタクシーで出る大円
「俺が聞いたのは 強平さんがロケで名古屋に居る 晩飯が困った 人数は7人
明奈 この条件だと ひげのおじさんもひろしさんも入っていないよな」
「また 狙って でもその通りです」
「鈴鹿に来るとも言われてない 名古屋に呼び出しだ 赤坂と錦の違いだけだ」
喫茶アルプスで合流して 68の寿司屋へ入っていく9人
「あ、こないだの68が花板 旨さ倍増」ひろしさんと真っ青さん
「くううううううううう 旨いぞ いいぞ」ひげのおじさん
「キチンとロケ明け お腹の調子はいい 噂の68」強平さんと屋形さん
「そうなんだ 俺も鈴鹿に行けばよかった」レイバンさんと四浦さん
「68 すっごいナ これだけのスターを一見さんで追い返す」大円
「当たり前 そう言う店です 一度折れたらダーダー 大円さんの紹介でOK
次回からは いきなりでも ただ込具合があるので電話して貰えると」68
「だそうですので 事前連絡を ちなみに俺にも 前日連絡が嬉しい」大円
「そんなん無理 今日だってレイバン社長が やらかしかけて徹夜コース」四浦さん
「俺のせいかよ」一番年上で レイバン愛用中
「レイバン社長さんは レイバン仲間 何時でもOKです」大円
ワイワイ68の寿司を食い 楽しい時間を過ごして店を出る前にサーチを入れる大円
あれ また騒々しい 「68 裏口はある？ 逃亡したい」
ビルの地下を通って 隣のビルの裏口から脱出する9人
そのまま地下鉄で移動してヒルトンへ ヒルトンの隠れBarへ行って一息ついて
「どうしたの？」強平さん
「店の前 20人以上で張ってた 誰かお腹が痛いをカマしてませんよね」大円
下を向く 年上のレイバンと四浦さん 共に軍団の社長と幹部
「あのですね 一番の年上で 社長が脱走では しかも二人で」かずえさん登場
「俺達はロケ上がりと聞いている」サクッと裏切る強平さんと屋形さん
「私達もそう聞いています」他所のプロダクション組のひろしさん達三人
「しかも 金予備 に捕物がバレて 2人の脱走 美味しいお寿司 でいいかと」
「二人の脱走まではいい 68の寿司屋には迷惑を掛けれない 絶対ダメ」大円
「しかし」
「いいよ こっちから 圧力を掛ける 金予備だけだね」
即 内情の加藤へ電話をする大円
「内情の加藤さん？ 俺 大円 覚えてる？ 覚えてるなら
週刊金予備 レイバン社長と四浦さんの記事ダメだって 説教入れといて
ついでに今局長だっけ 19の嫁と浮かれポンチの沢井さんにも言って
内情と警視庁 両方で押さえつけといて はい？理由
俺も嫁以外の彼女と一緒にいたの 今バレるのマズイ 理解った？ OK」
「じゃぁ 俺は動かなくていいのか」ケンタ
「遅い 3時間遅い うまい鮨が食えたのに でも復帰おめでとう」大円
「なんとかな 相変わらず 大円担当だ 美味いものでびっくりさせるよ
フォローは入れとく 美味いモノ勝負をしよう」ケンタ
「呑みたいけど 明日が朝が速い お先です」と明奈と帰っていく大円
「内情の加藤 今度は大円に扱き使われて 気の毒とも思えないが 頑張れ
ここのBarでは 誰も電話をしていないし 訊いても居ない いいね」ケンタ
「そんな簡単には引っ込まないのが 金予備 どうなるか
軍団からも圧力は掛けますが」かずえさん
「まぁいい 大円くんが 押さえに行った 明日はオフだけど」他人事の真っ青さん
「そうそう 美味しいお寿司が優先 そういや誰か払った？」ひろしさん
誰も払っていないとの回答で
「あちゃ こないだのフレンチに続いて なんとかしないと」真っ青さん
「俺達は一応赤坂の中華を奢った」三人
「社長 やらかすわ ドサクサで支払いを任せちゃうわ ツケに」四浦さん
「というお前も 捕物の片割れ 擦り付けるなよ」レイバン
「明日朝早いって オフだし 見に行きたいな」真っ青さん 自分勝手
「俺もオフだし 今からさ 行ってみないか 彼のマンション」ひろしさん
「行こう」とオフのひげのおじさん
「案内はするよ」ケンタ
ケンタと三人がタクシーでマンションに向かう
軍団関係の四人は かずえさんの目を見て
「部屋で謹慎してます」
「よろしい お局様の下知 従うように」と宣言する かずえさん
すごすごと部屋に向かう スターたち
今宵も深けたようで
リヤカーでパイロンを持って
近距離のパイロン移動ですと リヤカーが大活躍
軽トラでもいいのですが 歩行者（作業者）と車 事故の心配がある
その点 リヤカーは人力で移動速度は歩行速度 余程のヘマをしない限り安全
ターマックのジムカーナだと 今でも使うチームがあるかと
折りたたみのリヤカーもあったような
