第109夜 不動さんたちには面会を断られて
浮かれポンチの相手はしてらない と不貞腐れていると
岩月夫妻と堂本夫妻と千佳ちゃんが来る
そういや部屋の改修が終わった頃だ 管理会社の江崎さんと皆で見に行く
「ええだけの作り付けの家具だな クローゼットもたっぷりある
其の上で 部屋の内寸での間取り 大円 これ元引けるのか」堂本
「元は引かなくていい 大家さんなのか管理人なのか どっちかの称号が欲しいだけ
要塞レベルなのは理解ってると思うし 訓練もある
完全に趣味のマンション 楽しんでね」大円
「でしょうね 普通で行くと1.5倍の面積 しかも隔壁抜きで」美香さん
「これ家具買わなくていい とりあえず引っ越してきて
要るなら買うパターンだよね」美里
「それはいいけど 堂本さんと美里さん 結婚式の予約したから 間に合わせてね
来年の1月の最終土曜日の午後 熱田神宮 池田達にそれがいいって言われたから
きっと正解 頑張ってね もう式場のお金も払ってある」他人事な大円
「はい??」堂本夫妻
「池田がさ 目標がないとマイルストーン立てれないって 予約しちゃえって
池田達三人が言うんだ 間違いない」予約完了の封筒を渡す大円
「それで この厳しいスケジュールが」と池田達の紙を出す美里
「そうか それなら美里 頑張れ」他人事にした堂本良平 爆笑の岩月夫妻
「酷くない」とクレームを入れてる美里
でも三人は、かるく「仕方がない 池田くんが正しい」と大円の予約を全肯定
そこへ 講義がキャンセルになった 明奈が来る 迎えに行って腕を絡めて戻る
「それは いいのか」と皆に訊かれ
「浮かれポンチ 放置するしか無い」
「Parce qu'il est gentil.
Parce que je l'aime bien.」明奈
「そんな 素敵だからとか 言わせて 栄子ちゃんは?」美香さん
「此の娘だって そのうち俺に飽きて離れるって」
「離れなかったら どうすんだ?」堂本
「そんときは四人以上で住む 部屋は広い」
「なんだその四人以上 って?」堂本
「俺に栄子ちゃんに赤子に此の娘で四人 赤子が増えれば以上になる」
「いいのかそれで」堂本
「いいんだよ ブサメンのモテ期が今来たんだ 仕方ないと認めてくれ」
「栄子はどうしてるの」千佳ちゃん
「8日9日で 鈴鹿に真っ青さんとひろしさんが来てくれて もう浮かれポンチ
由美子さんまで浮かれポンチ セロリを食べながら探偵ドラマのVHSを見てる
今の俺には明奈が居ないと泣いちゃう」
「これは日本語でも滑ってませんね 私の膝で泣いて下さい」明奈
「由美子さんまで浮かれポンチって ちょっとOGに働きかけて叱りに行きます」
「由美子さんも酷いんだよ
ひろしさんが来てるのに私を呼ばない理由は って詰めてくるし
ひげのおじさんがカッコいい 呼べないかって 追い込みかけてくるし
もう明奈の膝に行くしかないよね」
「いいですよ 私の膝で」明奈
「浮かれポンチはどうしようもない 大円くんがかわいそうだ
泣きつく膝も大事だ 美香さんはそう言うことがないように願う」高雄さん
「浮かれポンチになる俳優なんて ひげおじさ位しか居ないので」美香さん
「そのおじさんを呼べと 真っ青さんと共演してるから 伝はあるだろと
由美子さんの追い込み もうやってられない」
明奈を連れてペントハウスに戻ってしまう大円
「美香さん 抉った」堂本夫妻と高雄さんの三人と千佳ちゃん
「失敗した 所詮俳優で演技だ 高雄さんの渋さには勝てないのに」美香さん
「それは 戦場での極限を見てるから 良平もそうだし」美里
「はい? 戦場??」
「気にしないでね」美香&美里
「とりあえず 引っ越してから足りない家具を買えばいい までは理解った
鍋とか食器を買いに行こう」切り替えて買い物に行く4人
「美里さん 大円さんよりの伝言です
『鍋よりフライパンより 電子レンジを最優先で』
だそうです」千佳チャン 爆弾を投げて速攻逃走していく
「そうよね 美里さんは 電子レンジ」美香さん
男二人は 退避して 離れて聞いている
「はい いいやつを 買います」下を向いての回答
「いえ 普通にチンするだけのヤツで
大円くんのキッチンにある多機能電子レンジでやらかしてます」美香さん
男二人 どうすることも出来ずに
「買いに来ますよ」との美香さんの号令で四人で家電店に向かう
千佳ちゃんは 爆弾投下後 矢田に現状報告に向かう
「大円さんトコやばい 栄子ちゃんが浮かれポンチで 大円さんを放置して
その隙きに20の女子大生が滑り込もうとしてる」
「優香ちゃんか美久ちゃん?」矢田
「違う 明奈って言ってた」千佳ちゃん
「放置で 妹に事情聴取だけはしとく」
矢田 千佳ちゃんに言った事とは違い 現状分析を開始
由美子さん今年で39 子なし HPV16 で子宮がない
信濃流の跡継ぎには 涼子さんか栄子ちゃんを考えていた
二人共 良縁を結んだはず
栄子ちゃんが一番のお気に入り
あっちゃぁ〜 栄子ちゃんを引き取って信濃流の後継者の目がある
しかも大円との子も宿してる 栄子ちゃんと大円の子 跡目として申し分にない
大円が明奈とかいう子に行けば 栄子ちゃんを引き取る大義名分も立つ
栄子ちゃんが浮かれポンチなのは真っ青さんだが 由美子さんは其の裏があるか
其の夜 信濃流本家に忍び込む 矢田
一人 晩酌をする由美子さんの正面 襖の前に座る 矢田
「由美子さん 欲しいなら キッチリと大円に話を 此の搦手はズルい」
「やっぱり 矢田にはバレるか うちの警報装置 全部躱すか」
「そりゃぁ 大円がいますから 綺麗に潰してくれましたよ
信濃流を栄子ちゃんに継がすのは いいです 其の子もいいです
でも 大円の嫁として 大円の子として 継がして下さい
引き剥がすのは大円の左腕の徽章が浮き出ます」
「理解った 引く ただ浮かれポンチ これだけはどうしようもない」
「浮かれポンチ どうしようもない 半年 1年は待ちます」大円
「うちで子を生み 赤子までは面倒を見るが それでも浮かれポンチでは」
「その時は その時で 明奈との付き合いを考えます」消えていく大円
「行ったか 矢田 付き合え 肴も三人前ある」
「俺が来るのを 読んでいたと まぁ読みますよね」
「ここ1週間は 肴は三人前だ 何時来るか ビビっていたわ
矢田 こっちへ そして 呑め いきなりの仏様でなくて良かった」
「まったく 由美子さんも無茶な搦手を 相手は世界最強の傭兵
挙句に阿鼻地獄を潜る抜けてる この現し世に者ではない大円ですよ」
「でもなぁ 栄子に浮かれポンチでうちに身を寄せて来られては ちょっとはな
私に子があれば考えないが 子もいなくてな 欲が出た」
「それですか 仕方ないところも だから大円の左腕も大人しかった」
「それほどか」由美子さん
「左腕の入れ墨 浮き出ると あいつ何でもありの世界線に行きます
大炎熱地獄の炎も自由自在に操りますしね
風下から風上飛んでいく青い炎 着火すればカスも残らない」
「そう言われても 栄子の浮かれポンチ どうしようもないのだが」
「そんなに?」矢田
「もう 真っ青さんとお話が出来なかった と愚痴ばかり
よく訊くと 大円くんが紹介したら のぼせて倒れて寝てたとか
そんなの栄子が悪い と諌めるしかないよな
諌めても 真っ青さんとお話が出来なかった ループだ
大円くんだって 隣りに座らせるとか 相当の配慮はしている
みなで栄子と話を出来るようにとしたし 真っ青さん達も話しかけたと
証拠写真と動画のVHSは山盛りにあるんだ 其れを見てまた浮かれポンチ
これで 話が出来なかったと 大円くんが責められたら気の毒を通り越す
剥がしてウチで見るしかない 見てると流派をとの欲も出る」
「それは どうしようもない」
「だろ だから大円くんの左腕も大人しかった ループだ」
「一杯 ちょうだい」大円
「どうした」矢田
「ちょっと地獄に行って 浮かれポンチの件を相談してきたんだ
64さんとかの地獄の獄卒さん達の友達には 荒事のみと言われてるから
阿修羅さんに相談したら親身になって聞いてくれたけど 力になれないと謝られて
不動さんたちには面会すら断られて 宮毘羅さん達は話を聞いてはくれたけど
我ら武の者 どこかに攻め入るとかなら、この様な案件の対応は無理と回答されて
うちの親分のパンチと相談したほうが良い と案内してくれたけど難しいと
しかたなく曼荼羅の五人のトコに行ったら 話をする前に無理と言われて
由美子さにお任せするしか無いと諭されて 帰ってきた」
「どうでも良いけど 不動さんたちには面会すら断られて のトコを詳しく」矢田
「そこは抉るなよ 俺がウケないネタで滑って不動さん達のメンタルを削ったからだ
どうしても以外は、関わりは持ちなたくないと言われてきた」
「不動さんの立ち位置が不明だが 関わりたくない の気持ちは理解る
諦めて 流せれれば 大円は意外と良いやつなんだが 悟りが開けてないな
パンチが一人増えてないか」矢田
「ツッコミの薬師さんが増えた ツッコミの薬師さんも配下の宮毘羅さん達も
親身になって聞いてくれた でも、浮かれポンチは人の心
仏でもどうしようも出来ないと」
「どうしようもないな 今夜はこればっかだな しゃぁない呑め」矢田
「そこの肚は 流石 矢田だ 私ではそこまでの肚はない」由美子さん
「そりゃぁまぁ 高校時代の大円の暴行の限りを見てれば肚も座りますよ
大円 由美子さんの裏は俺の思ったとおりだが 予想以上の浮かれポンチ
由美子さんが剥がしてるのも 大円への流れ弾防止だ」
「はぁ 浮かれポンチ まぁいいや またフラレる覚悟で明奈に行ってみる
由美子さん 浮かれポンチに 明奈に行くから と言っておいてね
あと ひげのおじさんは向こうから来ない限りは こっちからは呼ばないよ」
消えていく大円
「ひげのおじさん とは この壁チョロが の人?」
「そう カッコいい人だろ どうせ無茶を言うんだ 希望で言ってみた」
「酷いわ 俺もヨッパになる前に帰りますわ」
帰り道 不動明王さん達10人に囲まれる矢田
「矢田さん その悟りの境地 教えを頂きたく」と仏様に教えを請われる矢田
「簡単
滑ってもツッコまない 流す ツッコんでも更に滑るだけ 疲れるだけ
放っておけば滑落して行くから 距離は取れる
下手にツッコむ どうこうしようとすると巻き込まれて酷い目に合う
生暖かい目で見守る これ一択
後はあいつが滑落した後に 被害を受けた廻りのフォローと言うか後始末をする
今現在みたいにね 無理は言わなくなる 以上」囲みを抜けて帰っていく矢田
呆然とする帝釈天
「まるで如来様の境地 矢田さんは 現し世の人ではないのか」
「人として 小学生からの友人 悟りを開かなと続かない」金剛夜叉王
「まだまだ 鍛えが足りないと 不動明王の名を返上したくなる」
考え込み「戻りますよ」と帝釈天 消えていく10人
今宵も深けたようで