第102夜 あれ? 兄貴が帰って居ないのに
金曜日になっても と言うか明日会えるで 更に登っていく栄子ちゃん
ご飯は 飲食店街で食べさせているので とりあえずは問題なしだが
どうにも家に居ても 英雄さんのビデオを繰り返し見たり
前に見た 極嫁にも真っ青さんが出てるから 見直して
真っ青さんが尻ポケットにセロリを突っ込んで塩を掛けて歩きながら食べる
ヒゲのおじさんとの共演のTVのドラマのVHSを全巻買ってきて 見続けている
どうにもなので矢田に相談するのがいいとNAをオープンにしてデカイスーパーへ
妹のデジポットも無くなる頃だとレンガを持っていく
矢田の店につくと
「あら お兄さん ご無沙汰してます」
にこやかな純金7人 と 物凄く嫌な顔押した 妹
「お前な お前のバウアーのデジポットを入れに来たんだぞ」
「もうケンタさんの案内のアメックスで与信が通るから 大丈夫」妹
「それで矢田の店で与信が通るならいいや
15日の茶会な 栄子ちゃんがヤバイから 由美子さんに頼んだから
14時に由美子さんの家に集合な」
「はい?? 由美子さん?? 信濃流の家元の??」純金8人が揃う
「俺 由美子さんに一般の人へのお点前は止めておけ と封印されてるから
栄子ちゃんが真っ青さんと英雄さんに会って 浮かれポンチだと困ると
由美子さんに相談したら 由美子さん家で 由美子さんのお手前で となった」
「あ やっぱり 左腕の曼荼羅の入れ墨の関係だ 信濃流の現家元は化け物との噂
兄貴も化け物 化け物は化け物を呼ぶ世界だ」
妹は思ったつもりだが 思いっきりでかい声で声に出ていた
矢田 爆笑
「そりゃそうだ あのエア 神様しか出来ないエアをバンバンカマす化け物だ
茶も見たが 由美子さん曰く 化け物 妹はよく知ってる」
「ニホンカワウソさん そうならそうと早目に言って貰わないと 合宿延長」典子
「そうか ここの純金なら おフランスのプロトコールとマナーは対応できる?」
明奈と典子が「なんとか」と答えると
「リカール家のクリスチャンが彼女が居ないと嘆いてる
お貴族様の対応出来る娘じゃないと 先が見通せないから紹介が難しい
サーキットに一緒に行ける バイクの話が通じると有り難い
典子ちゃんと明奈ちゃん 俺の愛人より クリスチャンの嫁がいいと思うが?」
「はい??リカール家の嫡男の クリスチャン様?ちょっと家格が違いすぎて」典子
「そうよね 家格もだけど 付き合ったその先で どハマリしそうで」明奈
「そうでもないだろ 正月にリカール家とスフォルツァ家に泊まってきたけど
リカールの爺さんは優しいし 父叔父はノリノリで母叔母はマルセイユの民候だし
スフォルツァ家も栄子ちゃんのお茶で嬉しそうだったし
バカでかくて門から玄関が 山の上の大学の正門から受付より遠いけど
執事とか使用人が山ほどいるだけで 普通の家だぞ」
そのバカでかくて執事が居て使用人が山ほどいるのが問題なのよ
「兄貴 そのお貴族様と どういった関係」妹
「スキーで飛んで技の縁でマッシモとジョルジェットのワールドカッパー組から
リカール家もスフォルツァ家もメディチ家も 普通にお互いの家の泊まる関係だ
マッシモとジョルジェットなんか 俺達と戸隠で一緒に結婚式を上げたしたし
クリスチャンとキアラに至っては 俺のマンションに部屋がある
明奈ちゃん典子ちゃんがクリスチャンの嫁でも 問題はない
三穂 仏語覚えろよ クリスチャンは日本語が俺より上手いが
家族とかその他は仏語だ クリスチャンの面倒を見ろよ」
純金のお嬢様 世界が違うと目眩
妹 また兄貴の無茶振りが始まった そんなお貴族様とは無理
「栄子ちゃんなんか 伊仏のお貴族様より 明日来る真っ青さんと英雄さん
に心奪われてるし もう心は鈴鹿 今週ずっと鈴鹿 真っ青さんばっか」
「それは 大円の嫁で テーブルが違うし」矢田
鈴木教頭と奥さんと娘さんが来る
大円 鈴木教頭ではなく 奥さんのマリーさんに60度のお辞儀
「仏語 助かりました」
「教えた甲斐がありましたか」マリーさん
「J'ai été d'une aide précieuse.」大円
「C'est une bonne chose.
Cela vaut la peine de l'enseigner.」マリーさん
典子の通訳で
「仏語 助かりました で それは良かった」
「Je suis venu acheter du matériel pour l'école forestière de ma fille Alice.
Il s'agit de faire du trekking et du camping dans les montagnes
de Yatsugatake en mai.
Puis-je vous le confier ?」マリーさん
「Le camp est-il une tente ?
Fournissez-vous votre propre literie ?」
「L'hébergement est assuré dans les locaux de l'université et
dans des refuges de montagne.」アリスさん
「アリスさん 五月の八ヶ岳でトレッキングだそうだ 宿は山小屋の一泊二日だ
歩く装備一式だけでいい 払いは俺で」
矢田 払いは絶対揉める しょぼいと更に揉める サイズを測って値段よりも
最高の性能の品を 多少デザインや色がしょぼくても最高の性能で選定して出す
やっぱり 色が デザインが とマリーさんから出る 大円は黙ってOKサイン
「5月の八ヶ岳でトレッキング メイストームの一発で獄寒の地獄へ
それに耐える装備です 色やデザインより まず耐えることを最優先
服じゃないです 装備です」
「矢田 アルミのパックも追加で 最悪 動けなくなった時に包まれる
友達の分も入れておこう 5個入れても150gだ」
「小さいし 軽いし 保険で入れとくのは正解だな」矢田
「矢田くんと大円の推しだ 従おう アリスも納得しておけ」鈴木教頭
「Des sièges en aluminium ont également été utilisés aux Malouines.
Elles sont pratiques et ont prouvé leurs propriétés de rétention de la chaleur.」
「フォークランドでも使ったって それ戦争に行ってるの?」明奈
「救助な メシマズがやらかして レスキュー隊員のバイトで行った
小さく畳めて 軽いから数が持てる とりあえず包ましてからだった」大円
「そういう実績付きの男のアドバイスだ アリスさん 余分かもしれないが
アウトドアには 夏でも冬装備 という格言がある 山の五月は冬だ」矢田
「矢田 払いは俺のデジポットで済まして」大円
を、今日は横からがない サクッと会計を済まして 袋に入れて渡す
大円がショーケースを開けろとか言ってる 開けると
「このガバーのが軽くて丈夫でいい ニジマスを捌くとかの料理にも使える
この波刃の部分で 魚の骨も切れるし 絡まったロープとか蔓とかも切れる」
ガバーのスペシャルメイドのワンハンドナイフを片手で開けて〆て見せて
ケースに仕舞って紙袋に放り込む
どうせ大円が 創って貰って俺にくれたナイフで1Lot24本あるヤツだし
鈴木教頭の娘さんの装備 OKだ
「五月の八ヶ岳でトレッキング? うちの大学の新入生もそうだよ
アリスさん 大学何処」優香
「山の上のお嬢様女子大に入学します 先輩ですよね ニホンカワウソ先輩一派の」
「はい?? まだ入学してないよね」妹
「内部進学なので ニホンカワウソ先輩の噂は聞いてます」アリス
「それって 高校でもニホンカワウソさん で通るの」美久
「お姉さんが大学に行ってる同級生が居ますし 車列で通学は流石に噂になります
父のヤクザ候のSELで送ろうも断っていましたが それでも1台ですから
SELを5台並べた7台の車列で 降りてきたのがパンチにレイバンの銀龍の長着
父もパンチが出来なくなってオールバック 比べれば許せるとなりました」アリス
爆笑の純金7人 「あれは 凄かった ヤクザ映画候 それでこの長着」
ふと思うと 大円 今日も銀龍の長着 羽織は羽織っていないから
下前から背中を通って肩を抜けて左胸に繋がる銀龍が見えて上前は漆黒
色々と和服の常識とやらを吹き飛ばしている長着
妹 矢田に
前に3台のSEL 真ん中にナビゲーターにセンチュリー 後は2台のSELの車列
此の長着で 迎えに来られた と愚痴る
矢田も爆笑 「ヤクザ映画より酷いわ でもまぁ大円だし」 と流す
「その でもまぁ大円だし との流しが ご友人らしく」笑うしか無い純金7人
「そうとしか言えないし スキーでも斜め上に飛んでいく 止めようがないしな
でも 食い物の事とアウトドア これだけは信用出来る 大円のOKの装備
ナイフまで突っ込んだ うちの店で揃えれる最高の装備だ」矢田
「私達も7月に八ヶ岳でキャンプ訓練があります 装備の選定をお願いします」ねね
「うちのスポーツ用品部門で揃える気だったけど ここでおソロががいいかも」典子
「1年の時も 矢田さんに揃えて貰ったけど お揃いで揃えるなら私も」妹
「そうなの 雨が降ってきて 皆が辛そうな中 一人だけ余裕カマしてた
そこでも ニホンカワウソさんかと思っていたけど 装備の違いなのね」リサ
「アリスさんにも言ったけど 一発の雨風で獄寒の地獄へ叩き込まれる
装備で 生死が分かれることもあるから ちゃんとしたのを」矢田
「八ヶ岳だろ 高原ホテルだって1500mオーバー 避難先はあるだろうが
一発の雨風で獄寒だ あのお嬢様女子大 意外と厳しい
お嬢様だからこそ 拉致られらた時に耐え抜く があるからな
どの道 軽いし空気抜けば小さくなる装備ばかりだしな
クロロファイバーかPPの最新のアンダーとポーラテックの200
ワコールの速干の筋力補助の上下も入れてな
靴下もクロロファイバーの最新 蒸れないしな
アウターはゴアのレインウエア モンベルが女性用もあっていい
普通のはチノパンとロングのポロシャツ バウアーでお揃いに
靴はレインガードのシェルタイプのトレイルシューズだな
と並べると アリスさんのと同じになる」笑う大円
「だろ 同じになるだろ 揃えるわ 採寸だけしよう」矢田
パートさんに採寸をお願いして 順に純金のサイズが測られながら
どんなキャンプなのか を改めて訊いてみると
「1年生の時は山小屋でも 雨風で結構ひどい目にあったのよね
ニホンカワウソさんだけは ニホンカワウソらしく余裕かましたけど
私達3年はテントも寝具も食料も自前で担ぐ 二泊三日
一応キャンプ場でヒラ板は敷いてあるとの」と しおりを見せてくる 優香
「ヤクザ候の父 そのヤクザ候に惚れた母 どうにもならないと思っていましたが
もっともっと候な方が兄で もっともっとな車の車列で通学されて
でも 五月の八ヶ岳の風雨でも余裕をカマせる装備をする ニホンカワウソ先輩
その装備は父の教え子の二人が選ぶ 父を少し尊敬しました」
「鈴木先生 俺 少しは役に立ったみたいだ」喜ぶ大円
「反面教師でな」矢田 爆笑 純金7人とマリーさんも爆笑
しおりに目を移す二人 相談し始める
・今時点でしおりを配られてる 完全な準備と訓練をして鯉だよな
・テントの平板は二人用か バディを組んで装備を分担しろって事だな
・食料は各自準備してくれと書いてあるけど
・チョコは必須で おいおいだよな
笑ってる矢田と矢田の友達の大円 しおりの裏を読んでいる
矢田 店を開く為に インハイ終了後 即行動 卒業までの必要出席日数を
加藤先生に計算してもらい 山に入り続ける 大円から借りたナイフ二本と
最低限の食料で、現地調達を心がけて台風の中も経験してる
大円より矢田の格はかなり落ちるが立派な経験者 日本でなら達人クラス
大円は世界最強の傭兵 碌な補給もなく戦い勝ち続けたゲームチェンジャー
「よし ずる仕様で 陸自のレーションを買ってくる 世界一うまい軍用食」大円
「それ ズルもいいとこだろ」爆笑の矢田
「それでも 冷たいとキツイ 温めないとな あいつら影で冷たいの食ってる
神戸でも 炊き出しで温かいのを配って 自分らは冷たい缶詰を食ってた
社部党の嫌がらせだった 頭は潰れたが残党はいるしな」大円
「妹 ちょっと検討したいから 2週間待ってな」矢田
「7月なので 余裕はあります」明奈
「5月の連休中に一回 フル装備して 五竜か乗鞍でテント泊でトレッキングの練習
やっとかないと 本番でやらかす 経験値がなさすぎる アリスさんもね」大円
「その地区の意味は」ねね
「スキー場だ 初心者コースなら距離も取れるし 角度のある斜面もある
最悪 疲れたらリフトで下るが出来る 下りが3倍疲れる
リフトで登って下りだけの練習も出来るし パトロールの応援も頼める」大円
「パトロールの応援って?」リサ
「雪があるうちはスキーでパトロール なくなれば山岳警備
知り合いも沢山居るし 頼みやすい そう言う面だと 五竜が一番だな」
「従うしか無いか 兄貴は小学生から山に入ってたし経験値は抜群」妹
「え 下りが楽なのでは」美久
「登りは 体重と荷物の重みが掛かるだけ 足さえ滑らせなければ行ける
下り 体重荷物などの重みが重力加速度で加速されて 全部片足に乗っかる」矢田
「そう下り 滑らすと加速がついて滑落していく」大円
「今日は ネタもなく滑ってないし」美久
「ティーニュでも この辺の話題にして頂けば 滑落しなくて」優香
大円
先日の大日様の教え ここでウケたからと他でもやってスベるが頭をよぎる
栗田さんをガススタでトイレ三回の人とのネタで紹介しなくて良かった
あれは 五竜限定の本人専用のネタにしよう 他だと滑る
少しだけ賢くなった
純金5人が爆笑
「大円 お前 まだ滑って滑落してるのか 俺の生活指導の限界だな」鈴木教頭
「私が教えた仏語は スベりませんよ」マリーさん
「そう 仏語なら滑らない」明奈
「矢田 ギアは任す 俺 栄子ちゃん が心配だし クリスチャンが帰ってくるから
マンションに戻るわ」 と当初の目的を忘れて帰っていく大円
「プロに道具と訓練のお任せが出来た 日程調整をして全員参加ね
鈴木先生とお会いできたので 此のあと コーヒーでもご一緒に」ねね
「それがいい 鈴木先生の生活安全指導のおかげで助かったし」リサ
「優香と美久は やらかしたけどね」典子
「それがいい 鈴木先生 ご一緒に」純金7人 妹は嫌な予感で嫌な顔
あれ? 兄貴が帰って居ないのに この嫌な予感が続くのはなに?
トントン 肩をトントンされる妹 振り向くと池田さん
「妹さぁ 手抜き過ぎ ちゃんと化粧水くらい使え」池田
その場で 池田のコンコンとした説教を受けて 資生堂のブースに連れて行かれる
矢田 爆笑して「池田 コメダに行け チケットがある」 池田左手でOKサイン
「あの方は?」と女性陣の皆
「俺の友達の池田ってやつだ スキンケア池田の代表だよ」
マリーさんが知っていて
「芸能人御用達の店 S字から1コーナーに押し戻すスキンケアの達人」
ボソッと呟く
「ここの1階に コメダがある 俺のチケットが置いてあるから どうぞ」
「矢田にコーヒーをどうぞと言われるかぁ こないだは大円のどうぞ
俺も年食うわけだ」とボヤきながら
「コメダをご馳走になりに行くよ」と皆を引き連れてコメダに向かう鈴木先生
今宵も深けたようでも