表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
15/72

モンスター

 近くの繁みがガサガサと音を立て、人の膝くらいの高さのモンスターが現れた。


『出ましたわ!』


『あのネズミみたいなの…図鑑で見たことがあるわ。

 こちらから攻撃しない限り襲ってこないはずや。』


 一智佳様の言う通り、周りをうろうろしているだけで攻撃してこない。

 それが無害そうにキュルッと鳴いた途端、美凪様がいきなり、そのネズミのようなモンスターを上から叩いてしまった。

 バシィッ!!とけっこう痛そうな音がした。

モンスターは突然叩かれて固まってしまっている。


「美凪様!?」


『えっ、何をしてますの!?』


『だって、あたしのこと笑ってたわ!』


 美凪様には、正座させられている周りをぐるぐるされるのが、嘲笑に見えたようだ。

 前から思っていたけど、美凪様は…無鉄砲なところがある。


『それに、あたしネズミは大っ嫌い!』

 

 先程、危険に晒すなと怒られた美凪様だが、素手がわりと強い。

 相手がさほど強くないと見ると、立ち上がって腹いせにボッコボコにしてしまった。


『美凪さんもうやめて!』


 文子様は止めに入るため、無理矢理美凪様と代わってしまった。

 

 倒したと思ったモンスターは、見かけによらず素早い動きで木に駆け上がった。

 ネズミのように見えたが、飛膜を広げて、滑空してくる。

 あれは…大型犬サイズのムササビだ!

 あの速さで衝突されたら怪我では済まないだろう。


「セイラ、危ない!」


 カインが戻ってきて、抱えて逃げてくれたので一度は躱したが、さすがに怒って、再度、木の上から狙ってきた。

 その時、文子様は星水晶の体を庇おうとした。


『……チェストォォォ!』


文子様がそう叫んで拳を突き出すと、光る槍が空中に出現した。

 ムササビモンスターは光の槍に当たらなかったものの、怯えた様子で逃げていった。


『た、助かったわ…』


『今の、見ましたか?

文子…魔法が使えましたわ!』


「……!?」


カインは信じられないものを見たという顔をして、へたり込んでしまった。


『文子さんのチェストー!は最高やったわ、パンチ、全然届いてないし、あぁおかしい』


一智佳様はけたけた笑っている。


『何も笑わなくたって!

京女はいけずって言いますけど、間違いではありませんのね!』


 文子様は魔法が使えて気分が高揚していたのに、掛け声を笑われて拗ねていた。

 

『かんにんかんにん、びっくりしすぎて逆に笑けてきた。

 この世界の人にしか魔法は使えないと思ってたし。』


 魔法が使えるかどうかは生まれたときから決まっている。

それがこの世界のことわりとされていた。


『でも、文子は確かに魔法を使えましたわ。

 あぁどうしましょう、まずは空を飛んだり、火を出してみたり…カイン様、魔法を習う学校はあるのかしら?』

 

 はしゃぐ文子様だが、少し具合が悪いように感じた。

 とりあえず落ち着かせて、馬を待たせている水場へ戻ることにした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ