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手紙

 シスターとして生活するようになると、星水晶は特に目立つわけではない、ごく普通の少女だった。 

 元々、ミッション系の学校に通っていて、礼拝やお祈りは生活の一部だったこともあり、星水晶はすっかり馴染んでいた。

 今はシスターや神官によって、主にお祈りの言葉や教典、聖歌や歴史などを教わっている。

 星水晶が目覚めてからは夜の警護はなくなり、以前のように騎士と話すことはなくなったため、ざわついていた騎士達の心もさざ波のように引いていった。

唯一、カインを除いて。


「カインも、シスター・セイラと一緒に大聖堂に手紙を出したらどうだい?確か弟は、教皇の近衛だったよな。」


「ああ…いや、やめておくよ…」


「そうか?気が変わって、出したくなったら言ってくれよ。

以前の同僚とか、知り合った女性に宛てて書いてもいいんじゃないかな。」


 ここのところ、カインは元気がない。

アルバスには、その理由は大体想像がついていた。


「シスター・セイラに手紙を書いたらどうだ?

 彼女の読み書きの練習にもなるし…

今度出す手紙を受け取りに行くから渡してこよう」


 しばらく、カインは修道女寮に立ち寄っていなかった。急ぎでない業務を理由にして、あえて避けたことも多々あった。

 いきなりキスしそうになったことを謝りたいと言って会いに行くのもまずいので、まずは手紙を出すのはいいかもしれない。

 カインは、誰かに見られてもいいように、この間失礼なことをした謝罪がしたいので、今度の休みに会ってもらえないでしょうか?という内容の手紙を書いて、アルバスに渡した。

 返事がなかったら、しつこく関わらないようにしようと心に決めていた。


 そして几帳面な字で書かれた手紙を、アルバスは預って戻ってきた。


 そこには、今度の休みの日、お昼に教会の聖像前で待ち合わせましょうと書かれていた。

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