魔法学校に通う年になったようです。オレ13歳
「ワタル、これが入学書類だ、よく目を通しておくのだぞ」
父さんから13歳になったある日にいきなり資料を渡された。
「えっ、学校なんて聞いてないよ」
俺は資料を見ながら言う。
「あれ?言ってなかったっけ? 大丈夫だ、隣のアニーも一緒だし」
父親はのんきに言う。
「でも、この学校って魔法学校じゃん。僕もアニーも魔法なんて使えないよ」
「そうだ、だからそこで魔法の授業をうけるのだよ。もう既に魔法を使えるものもいるみたいだな。実を言うと父さんと母さんもここの学校を卒業してるんだよ」
「え、そうなの?じゃあ父さんも母さんも魔法が使えるの?」
「ああ、もちろんだよ」
「あらあら、言ってなかったかしら」
うちの両親はなんてのんきなんだろう。
この2人はいつもこれだ。
のんき過ぎて情報が入ってこない。
しかしせっかくつまらない学校生活からおさらばしたのにまた、学校かよ。でも魔法を覚えられるならいいかもな。
「わかったよ、いつから学校にいけばいいの?」
「明日からだよ」
「えええ!!」
もっと早くいってくれー
「大丈夫よ、制服もカバンも用意してあるわ、ワタルちゃんは天才だからすぐにエリートになれるわ」
母さんはニコニコと制服とカバンを持ってくる。
天才と言われたのは僕が転生者だから、言葉が早くしゃべれただけだ。魔法なんて未知すぎる。
不安しかねぇよ。
食事を終えて俺はベッドに横になる。
しかし、魔法学校か、もしかしたらここから力が開花してみんなからちやほやされるかも知れない。
得意の妄想が始まった。
学校に魔物が沢山攻めてくる。そして俺は華麗に魔法を使って魔物を蹴散らしていく。
「ワタル君、すごいわ」
「かっこいい。ワタル君」
悪くないな。
僕はにやにやと1人笑い始める。
よし、明日から俺はヒーローだ!!
「なに、ニヤニヤしてるのワタルー」
「うわぁ!!」
「部屋の窓からアニーが顔を出す」
「ど、どうしたの?」
「明日の準備はできたかなって」
「ああ、気づいたら母さんがしてくれてた」
「そうなんだ、よかったね。私も準備万端だよ」
「ああ、明日に向けて早く寝なきゃね」
「そうだね、じゃあおやすみー」
13歳になったアニーはより可愛らしくなっていた。
「はぁ、へんなところを見られてしまった」
僕は気づいたら眠りについていた。
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