【なにごともないまま俺10歳になりました】
そして俺は気づいたら10歳になった。
流石に色々とはしょりすぎじゃねぇか?
時が経つのは早いな。
「ワタルー」
遠くから女の子の声が聞こえた。
はぁはぁとその子は俺に近づいてきた。
この子は俺の隣人のアニー。
特に能力もない村人だ。
見た目はかわいい。10歳にしては発育もいいんじゃないのか…
「どうかしたのか、そんなに慌てて」
「遊ぼうと思って」
ああ、やっぱり特に何もおこらないのね。
いや、それより相手は10歳。俺は16歳だぜ。
さっき考えてたことは忘れてくれ。
あれこの世界で10年経ったってことは俺って26歳?
考えちゃダメだ。考えちゃダメだ。
「どうしたの?ワタル」
「いや、何でもないさ。ちょっと年齢がね」
「年齢?」
「いや、こっちの話さ」
俺はアニーと遊んだ。
遊んだと言っても対したことをしたわけではないが
そんな生活を送り続けていた。
「そういえばさ、この世界にはドラゴンやモンスターがいるんだろ?」
僕は村の大人から聞いた話を確認する。
「うん、この村にもモンスターはくるよ」
あっけらかんとアニーは答える。
「え、誰が倒してるの?」
「ここの村人の大人だよ。この村は小さいから弱いモンスターしかこないから戦えるんだって」
そうなのか、父さん達も戦えるのかな。
でもそれなら俺も活躍できるかもしれない。
何だかワクワクしてきたな。
あっ!でも何の能力もないから修行とかしないとだめか。
修行はめんどくさいなぁ。
元々現代でも地味に暮らしてたし、この世界でも地味に暮らしてけばいいか…
魔物やドラゴンは誰かが倒してくれるだろう。
気づいたら暗くなってきた。
「ワタル、家に帰ろう」
「うん、そうだね」
俺はアニーと家に帰った。
やっぱり地味な1日だったな。
俺は家に帰って母さんのご飯を食べて寝た。
地味すぎだろ!!
こんな生活で良いのだろうか。
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