目を覚ました俺赤ちゃんになるそして、数年立つ
異世界転生の本は沢山読んできたけどまさか自分が転生するとは…
おかげで脳は高校二年生なのに、ぼ、母乳を飲まされたり、オムツ換えされたりとかなり恥ずかしい思いもした。
屈辱なのか嬉し…いや違う違う。
両親は俺の事を大事に育ててくれた。
しかし赤ん坊ってやつは不自由だな。
そんなこんなしているうちに言葉が発せられる歳になった。
それからはペラペラとしゃべってみせて(脳は高校二年生だから当たり前だ」この世界の両親を驚かせてみせた。
しかし俺は日本語でしゃべってるのになぜかこの世界の言葉に翻訳されているらしい。
便利な世の中だな。
いやご都合主義って言うのか?
そういえば、俺の名前はここでは、ケニーと名付けられたらしい。
俺は、タルと呼んでほしいと両親に懇願した。
二人は困惑したが、名前はケニーで、あだ名がワタルになった。
なんじゃそりゃ。
この両親はすごく寛容だがあるしゅ呑気なだけなのかもしれない。
でもややこしいのは嫌いなのでワタルのままでよかった。今さら名前が変わるとか違和感でしかない。
ケニーなんて呼ばれても反応できる自信なんかないし。
そんな、俺は気づいたら5歳になっていた。だいぶはしょったが俺の赤ん坊時代なんて誰も興味がないだろ?
言葉が達者で本も沢山読める俺は村では天才少年と囃し立てられた。なんて気持ちがいいんだ。異世界転生最高。
だがこの村は人口も少なく、何しろ地味な村だったので、特に何も起きなかった。
俺の特徴はちびのわりにはよくしゃべり、沢山本を読める。それだけだった。
ある程度言葉や動くことができるようになってからは転生後の能力や力について自分で調べた。
俺が読んだ転生本はだいたいはチート能力とか特別な存在になることが多い。だから俺にもなにかあるはず。
俺は選ばれた人間なんだ。
いやただ事故に巻き込まれただけとかそういうツッコミはいらない。
じゃないと俺がここに来た意味がない。
まずは魔法が出せるかイメージをしてみる。
何も出ない。次に何か召還できるか試してみる。やはり何も出ない。
あれ?おかしいな?
それから小一時間程試してはみたが何も起きなかった。
とどのつまり俺にはなんの力もなかった。
そう、天才少年と一時的に有名になっただけだった。
どこの子役だよ。まったく。
それにしても俺、何で転生したんだ?
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