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立ち向かう赤髪少女  作者: 雪氷華
商業都市と毒霧の森
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3-27 フレイムマンは何故火の息を吐く事が出来るのか?


ゴブリンメイジが火の魔法を使い始めた理由には、色々な諸説がある。

生物としての進化だとか、環境への対応だとか。

だけどそれらには、まず何らかの最初の切っ掛けがあったはずだ。


最初は、ただのゴブリンに過ぎなかった。

それは冒険者に狩られる宿命にあり、1匹あたりは雑魚の代名詞とも言われる程に弱かった。

ある時からそれは集団で纏まるようになり、ちゃんと準備した者でないと危険が付き添う相手となっていた。

しかしそれは、ソロの見習い剣士などが練習相手としてゴブリンと気軽に戦えなくなったというだけの話である。


その時代、魔法に才能がある子供たちが「ファイアーボール」を習得していく。

ファイアーボールを覚えた子供たちは、徒党を組んで森の中に入り、ゴブリン相手にファイアーボールを撃ち放っていった。

そしてMPが尽きるとさっさと森から出て帰っていく事を繰り返していた。


距離がある時点で徒党を組んで魔法攻撃を撃ってくる子供たち相手に、接近してから近接攻撃をするしかなかったゴブリン達は成す術が無かった。

そんな子供たちの練習実験台の如くファイアーボールを浴びせられているゴブリン達の時代があった。


そんな時代が続いた中、ある時とうとうゴブリン達は反撃を開始した。

ずっと撃たれ続けてきたファイアーボールの見様見真似、なんとそれで火の魔法を撃ち放ってきたのだ。

それまで接近してくる前に安全に倒してた当時の子供たちは、その時大いに慌てた。

距離を詰めて近接攻撃するしか能の無かったゴブリンたちが、いきなり遠距離から魔法を撃ってきたのだから。


当時の混乱はさぞ大きいものだったであろう。

それからゴブリン達は独自に進化を繰り返していき、今の形に行き着いたと言われている。


これがゴブリンメイジが生まれた理由と言われる逸話……


**


私は街の大通りにある本屋さんに出向き、興味深い本を読んでいた。

何処までが創作で、何処までが事実かは分からないが、おそらく大筋は間違っていないのだろう。

だって実際に、火の魔法を放つゴブリンはあの森の中にいるのだから。


他にもフレイムマンと呼ばれる魔物の話が中々面白い。

フレイムマンとは火の息を吐き出す魔物で、中々手強いモンスターとして知られている。


**


フレイムマンは、元々は何の変哲も無い通常モンスターだったそうだ。

しかしそこから、「水の攻撃に対して弱点を持つ」という特性を持つ代わりに、火の息を吐き出すようになった。

その火の息は冒険者たちを苦しめ、フレイムマンを脅威のあるモンスターだと認識させるに至ったそうだ。


ここで面白いのが、フレイムマンの全体的な種族数値。

彼らはその辺りの通常モンスターとトータル的な種族数値は変わらないのだ。

それでもそこから一歩抜きん出て、脅威と認識されるに至っている。


フレイムマンは水というマイナスの弱点と引き換えに、火の息という能力を得た。

現に水系統の攻撃手段を持つ冒険者相手には、簡単に駆逐されてしまっている。

それでも火の息という攻撃手段を生み出すために、彼らは水という弱点を受け入れている。


トータル的な種族数値が変わらなくても、何かを犠牲にする事によって強力な手段を持つ事は出来る。

フレイムマンはその覚悟を持って、今も火の息を吐き続けているのだ。


モンスターのくせに中々立派な奴だと思う。

私はそういうの、嫌いじゃない。


**


本を読み終えた私は、魔導書のコーナーに向かう。

お金を貯めて、ようやく買う事が出来るようになる本。

ずっと前から欲しいと思っていたが、他に買う物の優先順位があったために、今までずっと後回しになっていた物。


「すみません、これを買います!」


それは火の魔導書、金貨3枚の商品。

ファイアーボールを習得するための魔法の本。


私には私で、火の魔法を習得する理由があるのだから。

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