3-10 ギリギリのHP戦略
準備を終えた私は再び森の中へと入っていく。
今回は耐性10%の盾を持っている。
前回のような無様な赤字地獄は晒さないつもりだ。
**
▽ マーダー・トレントからの不意討ち! 1ダメージと毒に侵されたっ!
少し奥に踏み込んで行くと、早速である。
どうやらこのトレントっていうのは森のあちこちにいるようだ。
倒しても銅貨3枚っていうのが少し安っぽい。
▽ マーダー・トレントへの攻撃! マーダー・トレントをやっつけた!
1ダメージと毒状態に陥ってしまったが、私はそのまま歩き始める。
まだHP回復ポーションも毒消しポーションも使わない。
そんなのいちいち使っていたら財布の中身が持たない。
▽ 毒状態ダメージ! 私は1ダメージを受けたっ!
戦闘でもないのに、歩いているだけでHPが削られる。
だけどまだ慌てる程度ではない、まだHPは充分残っている。
徐々に毒状態が私の身体を蝕んでいくが、私は気にせず歩き進める。
▽ マーダー・トレントからの不意討ち、1ダメージ! 既に毒状態に侵されていたっ!
どうだっ、既に毒状態だから毒攻撃なんて意味がない!
今だけならトレントも1ダメージと引き換えに銅貨3枚が入る敵でしかない。
私は更にそのまま歩き出す。
▽ 毒状態ダメージ! 私は1ダメージを受けたっ!
歩く度にHPが毒状態で削られていくが、気にしない。
もはやHPは半数を切っている。
それでもまだ私は回復ポーションを使ったりはしない。
▽ マーダー・トレントからの不意討ち、1ダメージ! 既に毒状態に侵されていたっ!
これで連続で3匹のトレントから不意討ちを受けた。
もし毒消しポーションを1回毎に使っていたら既に2本も無駄に使っていた事になる。
トレントの密度がちょっと高いんじゃないのか? この森。
▽ ゴブリンメイジ2体とオーク2体が現れたっ!
ここに来て、最も厄介な敵の編成と出くわした。
私のHPは3割を切っており、更に毒状態のままだ。
ゴブリンメイジは詠唱を開始し、オークは前に詰め寄ってくる。
▽ 私はポーションを飲んだ! HPが回復したっ!
▽ 毒状態ダメージ! 私は1ダメージを受けたっ!
まずは減ってしまっていたHPを回復させる。
毒状態も回復したい所だが、そんな事をしている暇なんてない。
戦闘中も毎ターンで毒ダメージが入ってくるが、回復している行動余裕なんて無いのだ。
▽ 私は盾を装備して身構え、防御の体勢を取った!
▽ 火の魔法ダメージ! 防御してダメージを半減、4割弱のダメージを受けた!
▽ 火の魔法ダメージ! 防御してダメージを半減、4割弱のダメージを受けた!
▽ オークからの攻撃! 1ダメージを受けた!
▽ オークからの攻撃! 1ダメージを受けた!
▽ 毒状態ダメージ! 1ダメージを受けた!
敵4体+毒状態のダメージを一斉に受ける。
今回は火耐性10%の盾を装備してるので魔法攻撃は少しだけ軽減出来ている。
これで4割のダメージも、3.6割にまで減らせているのだ。
▽ 私はポーションを飲んだ! HPが回復したっ!
▽ オークからの攻撃! 1ダメージを受けた!
▽ オークからの攻撃! 1ダメージを受けた!
▽ 毒状態ダメージ! 1ダメージを受けた!
私のHPは23。
火の魔法4割ダメージ×2回とオークからの1ダメージ×4回が限界値。
だから前までは毒状態ダメージを許容することが出来なかった。
だけど今回は火の魔法ダメージを3.6割ダメージにまで減らしている。
つまり3.6割×2回、1ダメージ×4回、そして毒状態ダメージ×2回。
16+4+2=22ダメージが今回の最大許容範囲になる。
だから次のターンも私は凌ぐ事が出来るのだ。
▽ 私は盾を装備して身構え、防御の体勢を取った!
▽ 火の魔法ダメージ! 防御してダメージを半減、4割弱のダメージを受けた!
▽ 火の魔法ダメージ! 防御してダメージを半減、4割弱のダメージを受けた!
▽ オークからの攻撃! 1ダメージを受けた!
▽ オークからの攻撃! 1ダメージを受けた!
▽ 毒状態ダメージ! 1ダメージを受けた!
これが限界ギリギリだ。だけど私は耐え凌いだ!
耐性10%を侮っていたけど、今の私には必要な装備だった。
おかげで毒状態も許容して戦闘することが出来ている。
あとはいつも通り、相手のMPが尽きるまで防御と回復を繰り返すだけだ。
戦闘が赤字になってしまうのはもう諦めるしかないだろう。
この森のトレントの密度を考えると、まだこうして毒状態で戦闘をスタートしている方がマシだ。




