1-31 樹海で治療薬を探す日々
ドラゴンの鱗は本来、優れた魔法防御力と高い物理防御力を兼ね備えた最上位の素材である。
物理防御力だけでいえば金属製のオリハルコンなどに軍配が上がるが、高い魔法防御力を兼ね備えたバランスで考えればドラゴン素材も負けてはいない。
またオリハルコンは希少で入手が非常に困難であり、加工できる職人も少なく、そして加工に掛かる手間も桁違いらしい。
ドラゴン素材の加工代で金貨1枚というのは、オリハルコン加工に比べればずっと安価なのだろう。
そしてドラゴン素材で出来た鎧は、てつのよろいよりも若干軽い程度に収まってくれる。
オリハルコンのフルプレートとか、考えただけでも重量感に押し潰されてしまいそうだ。
私が持ち込んだ素材は、どうやら魔力が抜け落ちていて魔法防御力が失われた状態だったようだ。
自然と抜け落ちた残骸のような鱗を拾ってきただけだから、それも当然なのかもしれないが。
それでも竜の鱗としての硬さだけは顕在で、物理防御力には期待できるようだ。
その物理防御力も、本来の完全な生きてる竜の鱗で作った鎧に比べれば一段階下がってしまうとの事。
でも雑魚敵相手には充分な防御力だといえるだろう。
それよりも、耐久力に問題があって、どうやらこの鎧はそう長くは持たないようだ。
あまりに強い衝撃を受け続けると鎧の寿命を縮める、そうでなくともその内壊れてしまうものらしい。
所詮は欠陥素材で作った物だから、多くを期待してても仕方ないかもしれない。
目的を果たすには充分であるし、その後も暫く使えるなら御の字である。
私の冒険者ランクで考えれば過ぎた装備だともいえる。
それよりも、問題は……
てつのよろいより若干軽いとはいえ、それでも私には結構重く感じるという事だろうか。
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オークを背負いながら樹海から森へと歩いて帰ってきてた時を思い出す。
あの時の重労働に比べれたら、この鎧を来て森の中を歩く事などまだ全然マシなものだ。
あれは重くて苦しい経験だったけど、あの経験があったからこそ私は今こうやって歩けている。
まあ戦闘になった時はオークなんて適当に放ったらかしてたし。
すぐ身軽になって戦ってたんだけどね……
▽ リザードマンが4体現れたっ!!
沼地に足が沈まない事を確認しながら、慎重に踏み込んでみたら早速である。
鎧の重量+足下の沼地でもはや移動する事は難しい。
諦めて覚悟を決め、その場で複数敵に向かって剣を構える。
▽ 私はショートソードで攻撃! リザードマンにダメージを与えたっ!
複数対1の戦いってのは本当に嫌なものだ。
この囲まれてるかんじ、集団でリンチを受けているかのような戦い。
鎧の防御力が優秀とはいえ、直撃は遮ってても衝撃は鎧越しにも伝わってくるのだ。
▽ リザードマンの攻撃! 私は1ダメージを受けたっ!
▽ リザードマンの攻撃! 私は1ダメージを受けたっ!
▽ リザードマンの攻撃! 私は1ダメージを受けたっ!
▽ リザードマンの攻撃! 私は1ダメージを受けたっ!
私のHPは20しか無いんですけど……
途中ポーション無しでの楽勝の無双とはいかないみたいだ。
最初の敵を削るまでが遠い、この4回攻撃の嵐はキツイ……
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