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立ち向かう赤髪少女  作者: 雪氷華
海辺の町
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1-2 薬草採取の傍らで


朝起きて身支度をし、軽い食事が済めば日々の目的地へと向かう。

軽装に身を包んで森の中へと入り、薬草の採取地へと足を進めていく。そこには既に手慣れた感もある。

当初は薬草の種類、採取の仕方等で苦労も多かったが、今となってはただの繰り返しとなっている。


彼女の装備は普段着で、防具などの類いは一切無い。

当然のように、武器といった類いも一切何も持っていない。

身を守る物が何も無い状態で、それでも平然と森の中へと入っていく。


その姿はまだ子供で貧弱な身体、華奢な体躯で見るからに弱々しい。

実際、森でモンスターと対峙した時には倒す術を一切持ってはいない。

短めの髪は森での移動も快適で動きやすくはあるが、これはそのうち伸ばすつもりでいるようだ。


何も持ってはいないが、それでも装備の有無で変わらぬステータスもある。

むしろ武器防具の無い、今の状態の方が多少上がりもするステータス。

それはつまり──『素早さ』。


どういう事かと言うと…… 敵にエンカウントすれば逃げる、ただそれだけである。実に簡単な話だ。

今日も彼女は敵にエンカウントし、それを全力で逃げ回っている。


今回は相手が三匹、こっちは一人だが問題はない。

戦うわけでもなく、追い付かれさえしないのならば、たとえ状況が多数対1であっても全く問題は無いのだ。


**


この森は冒険者ギルドでEランクの危険地帯とされ、主に初心者用のエリアとされている。

村や町などの集落は基本的に比較的モンスターの脅威が無い場所に作るので、近場の森なら当然とも言える。

まあ理由が有って、特産品やら交通の都合上で危険地帯の側に作られた村などもあるにはあるが。


この森で出現するモンスターは角ウサギ、ホーンラビットと呼ばれるもの。

一般人が遭遇しても大慌てで逃げればなんとかなるものの、立ち向かうとなればその角がそれなりに危険となる。

しかし、ちゃんとした装備に身を固めていれば一般人でも割と狩れるため、やはり初心者用のモンスターだといえる。


ホーンラビットの肉や角は売れるため、素材として持ち込めば1匹あたり銀貨半分の値段になる。

1日5匹以上狩れるならば薬草採取よりも稼ぎになるので、徐々に討伐をメインへと大抵の冒険者はシフトをしていく。

薬草採取は本当に初心者がやっている仕事であり、中堅者以上がやることはない。


しかしながら、冒険者にとって薬草採取は基本となる知識でもある。

他にも、子供などが稼ぐ場合には最適の仕事となっているようだ。


**


今日の採取目標である10束を取り終えて、彼女は帰還へと向かう。

既に群生地などは把握しているため、採取場所の使い回しで回収を繰り返している。

この10束が銀貨2枚になり、今日の生活費として消えてゆく。


銀貨2枚は生きていく上で最低限の額、そして薬草採取はその値段。

誰でも成れる冒険者で、真面目に薬草採取さえすれば誰でも最低限には生きられる。

この世界では、そういう風に仕組みが一応出来ているようだ。


しかし、それでは銀貨2枚のループから抜け出せない。

何かあった時、例えば大雨でも現時点では薬草採取に向かわなければならない。

多少の怪我でも休んでなんかはいられない。


野宿で済まして宿代をケチるという手もあったが…… 彼女には策があった。

森での採取する日々に慣れてきた今、そろそろ仕掛けてみたアレ。

それはロープに輪を通して、木に繋げているだけという簡易的なモノ。


数ヶ所に仕掛けてみた、その内の一つを見てニヤリと彼女が笑う。

そこには、その罠に掛かったホーンラビットがいた。

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