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立ち向かう赤髪少女  作者: 雪氷華
海辺の町
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1-25 その山の頂上に住まう生物

感想貰えました、めっちゃ嬉しい!!

頑張って書いていきます。


私とクルミちゃんとの間には、ステータスの差がほとんど無い。

剣を振るう時の腕力も、逃げる際に走る時のスピードも、2人の間にほとんど違いなんて無い。


私がクルミちゃんの状況なら、自力で薬草は採取していただろう。

帰れる家があるのだから宿代を切羽詰まって稼ぐ必要もない。

私たちのお互いの状況は、まあクルミちゃんの方が優勢だったといえる。


そんなクルミちゃんを私が助けようとしているのは滑稽だろうか?

余裕がない私と違って、大怪我のトラウマだからと寝込んで引き籠れる余裕がある相手を。


クルミちゃんは知らないだろう。

私がクルミちゃん以上にギリギリの生活をしている事を。

あの時は漠然と私を頼りにしてきたけど、実は私の方が苦しい状況である事を。


でも、結局。それらはクルミちゃん側の知らない、私側の勝手な事情に過ぎないのだ。

だからわざわざそれを言う必要は無いし、知らせる必要も無いだろう。

治療薬にしたって私が勝手に探してるだけで、クルミちゃんはそんな事一切知らない。


まあ、そんなのは実際に見付かってから告げればいいことだ。

見付かる保証も無くて、別にそれを頼まれたわけでもないのだから。

だから私は今日も今日とて、準備を整えて樹海に向けて足を運んでゆく。


**


樹海の一角から見える、岩肌の晒された小高い山。

そこを飛んでゆく、両翼を広げた大きな灰色の生物。

私はそれを魔法で身を隠しながら、遠くから静かに観察していた。


あれは間違いなく、ドラゴンと呼ばれている種族だろう。

何故こんな所にいるのか、一体何処から移り住んできたのか。

とりあえず人里に被害を出しているわけではなさそうだから、放っておいても問題は無さそうだが。


観察してて分かったのは、あの小高い山の頂上がドラゴンの住処っぽいという事。

定期的に飛び立って何処かへ行き、しばらくするとやがて戻ってくる事。

岩山での道中はまたモンスターの種類が変わる事。


一般的にドラゴンを倒すという事には、大きなメリットがあると言われている。

その素材は非常に強力な武器や防具となり、また売るにしても相当な高額になる。

もしも倒して素材を丸ごと持ち帰ることができれば…… そんな一攫千金という冒険者の夢が丸ごと詰まっているのだ。


また、その竜肉は食べた者に活力を与え、エネルギーを溢れさせる。

要は凄く美味しくて、凄く栄養が詰まっていて、ドラゴンパワー的な何かが入っているという事だ。

ドラゴンの肉を、もしいっぱい食べれたら…… 私の肉体も少しはマシになるのかもしれない。


そして他にも、単純に倒すこと自体に栄誉と名声が生まれる。

“ドラゴンを倒した事のある冒険者”というだけで、誇りと自尊心が生まれ、周りの人々も羨望の眼差しを向けてくるのだ。


それから…… もしもたった一人、単独のソロでドラゴンを倒せたのなら。

その者はSランクの資格を得る。



しかし実際には夢物語のような話ばかりだけでなく、過酷な現実が待ち受けている。

Aランクのパーティーが、ドラゴンのブレスで呆気なく壊滅したなんてのはよくある話だ。

仮にドラゴンを本当に討伐しようとするなら、あらゆる事前の入念な準備から必要になってくるだろう。


その時、討伐に向かうのはAランク、Bランクからなる複数の混成部隊、大多数パーティーとなるのが主流。

戦いは…… いわゆるレイド戦となるのだ。

それでも甚大な被害を被り、なんとか辛くも勝てるか、それとも…… あるいは、命掛けの撤退に切り替わるか。


ドラゴンの中でも強い種、また古来より存在している種などはネームドドラゴンと呼ばれ、固有名が付けられている。

それらは厄災と同義であると言われており、人類が敵わない存在として知られている。

間違っても敵対してはいけない、古代龍に出会ったら運命を呪う以外に成す術は無いのだ。


あの岩山の頂上に見えるドラゴンも、もしかしたらそんな古代龍などから住処を逃れてきたのかもしれない。

所詮はドラゴンと言えども縦社会、より強い相手からは逃げるしかないのだから。

こんな辺境に来たからといって、人里を襲わず暮らしているだけなら人類的には別に構わないのだけど。


あれを倒すのは論外だ…… まあ無理がある。

近付くにしても、私の見掛けだけの隠蔽魔法がドラゴン相手に効果があるとは思えない。

自らの領域を犯してくる敵対者に、どんな反応をするのか分からない、それはあまりにもリスクが高すぎる。


さて、どうするべきか……

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