1-20 ゴブリン退治は冒険者の嗜みらしい
よく冒険者と言えば、ゴブリン退治の話になる。
雑魚敵の代名詞とも名高いが、奴等の統率力は中々のものだと思う。
そもそも集団で現れる事が多く、そのくせ倒しても素材としての価値が低い時点である意味それは驚異じゃないのか?
地域によっては亜種が現れたり、ホブゴブリンとかの上位種がいたりする。
またゴブリンの大量発生時にはゴブリンキングなどのボスがいたりするようだ。
まあ基本的には百害あって一利無しのモンスターで間違いない。
▽ ゴブリンが5体現れたっ!!
また……よりにもよって5体の出現、群れすぎだろうコイツら。
5体もいれば、いつものように細い通路に誘い込んでも回り込まれるかもしれない。
コイツらは微妙に知恵が働き、また集団での統率力というのが微妙にあるのだ。
ここは背水の陣にするしかない……
■■■■ ゴ
■私 ゴ ゴ
■■■ ゴ ゴ
逃げても逃げ切れるわけではないが、短時間の全力疾走で特定の場所に誘い込む事ぐらいは出来る。
背を壁にして、逃げ場の無い行き止まりの通路上で迎え討つ。
この場所だともう逃げる事が出来なくなるが、その代わりに確実に1対1で戦えて回り込まれる心配もない場所だ。
ゴブリンたちは私を追い込んだと思ったのか、下卑た笑い声を上げている。
こいつらは微妙に知恵があっても微妙に知恵が足りない。
ついでに言えば厳密には微妙にホーンラビットよりも1匹あたりは弱い。
ホーンラビットよりもどちらかといえば図体が大きくて的が当てやすい。
ホーンラビットは無駄にぴょんぴょん跳び跳ねているが、ゴブリンは別にぴょんぴょんなどはしていない。
そして私は毎日の森の中で、投げナイフの腕を少しだけ上げていた。
▽ 私はナイフを投擲! ゴブリンにダメージを与えたっ!
距離がある内に投げナイフを1体目のゴブリンに当てておく。
上手く当てられて良かった、これが当たるかどうかで状況は変わっただろう。
私は2本目のナイフを取り出し、それと同時に盾も装備する。
▽ 私はナイフで攻撃! ダメージを与えたっ!
▽ ゴブリンの攻撃! 私は盾でダメージを軽減したっ!
ナイフならば私でも片手で扱えて、辛うじて盾と同時にでも扱える。
これでナイフでの攻撃をなんとか2回通すことができた。
あとは剣でトドメの1撃を入れるだけだ。
▽ 私はショートソードを装備して攻撃! ダメージを与えたっ!
▽ 1体目のゴブリンをやっつけた!!
ゴブリンはホーンラビットよりも微妙に体力が低い。
細かく厳密に言えば剣の攻撃2回ではなく、剣の攻撃1回+ナイフの攻撃2回でも倒せるのだ。
これで1体目を軽減したダメージだけで切り抜ける事が出来た。
続けて2体目のゴブリンが目の前に立ちはだかる。
一息付く暇もなく、そのまま次の戦闘に移行する。
▽ ショートソードで攻撃! ダメージを与えたっ!
▽ ゴブリンの攻撃! 私は中ダメージを受けたっ!
ゴブリンやホーンラビットからのダメージは2回まで耐えることができる。
だけどゴブリンは、厳密には2回ダメージ+盾で軽減したダメージ1回だけならギリギリで許容範囲だ。
ホーンラビットよりも微妙に攻撃力が低いのが幸いしているというか。
▽ 2体目のゴブリンをやっつけた!!
続けて3体目のゴブリンが間もなく現れる。
今の所、敵からは軽減ダメージ+1回分のダメージを受けた状態。
あと残り1回だけなら攻撃に耐えられるから、そのまま3体目も倒しに掛かる。
▽ 3体目のゴブリンをやっつけた!!
これで完全に瀕死、なんとかギリギリで生きている状態だ。
この痛みに苦しむのは後でいい、そんなのはもう慣れている。
だって次の4体目が既に目の前にいるのだから。
▽ 私は盾を装備してポーションを飲んだ! 体力が回復したっ!
▽ ゴブリンからの攻撃! 私は盾でダメージを軽減したっ!
回復するターンでは剣は不要、ポーションを飲みながら盾で受けるダメージを削いでおく。
これで軽減ダメージ1回のみ、残り2回分の攻撃に耐えることができる。
そして、敵の残りはようやくあと2体だけだ。
▽ 4体目、5体目のゴブリンをやっつけた!!
▽ 私は、ゴブリンの群れをやっつけたっ!!
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これだけ切り詰めた戦闘をやってのけたのに、結果は銅貨5枚の赤字である。
使ったポーションが2つの銀貨2枚、ゴブリンの素材が銅貨3枚×5匹の銅貨15枚……差し引きで銅貨5の赤字戦闘。
ホーンラビットより微妙に弱い分までも最大限に切り詰めて、私自身を瀕死のギリギリまで切り詰めて、それでもこの結果である。
ほんとにゴブリンってのは最悪だ……
最初の投げナイフが決まらなければ、もっと赤字が膨らんでいただろう。
出来ればエンカウントするのは3体ぐらいまでに抑えておいてほしいものである。




