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立ち向かう赤髪少女  作者: 雪氷華
海辺の町
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1-12 逃走経路に選ぶのは安全を確認した道


あの女の子は、このまま私の後を尾行すれば薬草の採取地に辿り着けると思っているかもしれない。

だけど、それは甘い。

私はそんな簡単に森の採取地へと辿り着いてはいないのだから。


▽ ホーンラビットが3体現れた!!


グループ敵との遭遇では逃げの1択である。

私はすぐに逆方向、来た道へと逃走を開始する。

そう、後ろの小さな女の子のいる場所へと向かって。


「……っ?!」


女の子は戸惑いながらも、状況を見て一緒に逃走を開始する。

……なんだ、ちゃんと逃げるだけの脚力はあるじゃないか。

ステータスは私とあまり変わりないのかもしれない。


「はぁ、はぁ…… ど、どうしてっ!?」


どうしても何も、私はいつも通りの行動を取っているだけだ。

逃走する際は一度安全を確認した道、つまり通って来た道を選ぶ。

そうでないと、闇雲に選んだ道で逃走していくとその先には敵がいるかもしれない。

そうなれば挟み撃ちで終わりだ、そんな道は選ばない。


「私に複数敵と戦う力は無いし、直前まで安全だった道を逃走経路に選ぶのは逃げる時の基本だよ」


走りながら女の子に説明をする。

別に嫌がらせでこっちに逃げて来たわけじゃない。

単にこっち側が一度通って来てさっきまで安全を確認していた、それ以上でもそれ以下でもない。

それを勝手に付いてきた相手に配慮して変える必要なんか私には無いだろう。


まあ、この子がもし逃げるだけの素早さを持ち合わせていなかったら足止めぐらいはするつもりだったけど。

私の防御力では3撃耐えることは出来ない、つまり3匹の攻撃には耐えられない。

ただし、それは私が攻撃に転じていた場合の話だ。


攻撃ではなく防御のみに行動を専念した場合、相手からのダメージは半減する。

私一人が戦闘中にそんな事してても敵側には何の影響もない、ただ私一人がダメージを負う結果が残るだけ。

でもこの場合、私が立ち止まって時間稼ぎが出来れば女の子が逃げ出せる。


手助けする理由も必要も無かったけど、やはり見殺しは出来ないから。

私に可能な助けられる範疇内でなら、それくらいはべつに良いだろう。

まあその必要性は無かったみたいだけど。


**


「……それで、どうして私の後を付いて来てたの?」


無事に戦闘から抜け出し、一息付けた所で女の子に尋ねる。

私より少し低い背丈、それに薄い桃色のショートヘア。

まだ年相応の幼い顔立ちに可愛らしい愛嬌がある。


「お姉ちゃんの後を追えば、薬草が採れると思ったから……」


想定通りの答えに、溜め息が出る。そんなの自力で取りに行けばいいのに。

なんでも、母親が病気だから薬草が欲しかったのだとか。

いやいや、そんなの私の知ったことではないのだが。


ただ放っておくと、この子は今度は一人で森に行きそうだ。

いや、それでいいのだ…… 薬草なんか基本一人で取りに行くものだ。

いやいや、でもこの子一人だけだと森の中で力尽きる予感しかしないんだけど……


「あー、もう~っ!!」


私は結局、後日一緒に薬草採取する約束をしてしまった。

何をやっているんだろうか、私は……

人を助けてる暇も余裕も、私なんかには無いのに。

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