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普通という概念に縛られた窮屈な世界  作者: ( ^ω^)だお
5/10

総裁

まだ周辺に駅員たちがいて、俺を捜索している可能性があるので、息を殺して周囲を警戒しつつ休憩する。

腕時計を見てみると、高校の始業までにはまだ時間に余裕があった。呼吸を整え、体力を回復させてから学校へ向かうことに決めた俺は、ひとまずカバンから水筒を取り出してお茶を飲み、渇いた喉を潤した。


それにしても...それにしてもだ。駅員たちのしつこさにも、異端者を取り締まるための一般市民の団結の強さにも正直驚かされた、というか引いた。刑事事件レベルの異端を除いて軽微な異端については、矯清会のとりしまり取締官により取り締まりが行われる。そのこと自体は、あの法律が施行された当初から知っている。だが直接取り締まりが行われるのを見たのも経験したのもこれが初めてだった。だが、異端というのはここまで厳格に取り締まられるものなのだろうか?というかそもそも─────


「君」

「うぇっ!?」

「しっ!静かに。気づかれるでしょ」


急に肩を叩かれたので、とうとう駅員か取締官に見つかったのかと思ったが、振り返ると高校生ぐらいの背格好の女が立っていた。考え事をしていたせいか、肩を叩かれるまで彼女の存在に全く気づかなかったのだ。ちなみにその女は、黒縁の四角い眼鏡を掛けていて、髪型は耳のあたりで結んだ三つ編みじゃないおさげで、服装は...服の名前をよく知らないので伝えづらいが、上は白地の服にピンクのカーディガンを羽織り、下は青いヒラヒラしたスカートという、いわばどこにでも居そうな普通の女だった。ただ顔はやや幼なめで、顔面レベルは中の上ぐらいだったが...正直俺はドキっとしてしまった。


「あの...誰っすか?」

「ええっ!?もう忘れちゃったの!?さっき電車で会ったばっかりなのに...」

「電車...?」

「ええ。電車。こうすればわかるかな?」


そう言うと女は、金髪のカツラを身に着け、眼鏡を外しサングラスを身に着けて─────


「ああ!あんたさっきの!」

「気が付いた?そう。私がNHK─────日本変人協会総裁のペルゾンヌよ。」

「でもなんでここに...?」

「それはこれからいろいろ話すから。それよりあなた今日学校でしょ?時間大丈夫なの?」

「え...あ!確かに」

「歩きながらお話しましょ。」


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