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冒険者生活8

お陰さまで10000PVを達成できました。

これからもよろしくお願いします。

 やっぱりか。フリーダの説明に俺は直ぐに納得した。そもそもマイラの状況を見れば、それ以外の可能性の方が考えにくい。


「この症状を治すにはどうすればいい?」

「簡単よ。治療(キュア)の魔法を使えばいいのよ。使えるんでしょ」

「……使えないが?」

「えっ!?使えないの?」

「普通、治癒(ヒール)が使えたら治療(キュア)も使えるものなのか?」

「いや、治癒(ヒール)よりは治療(キュア)は難しいから使える人間は限られているよ。だけど君はドラゴンだからてっきり使えるものだとばかり思っていたんだ」

「俺が使えたら自分で治しているに決まっているだろう」

「パニックになって忘れているのだとばかり……」

「アークさんから離れて!この泥棒猫!アークさんは私のものです!」


 フリーダの思い違いにため息をついていると、突如マイラが叫びだした。泥棒猫?

 突然の事にフリーダと顔を見合わせていると、マイラは更にヒートアップしていく。押さえておかないと今にも暴れだしそうだ。


「アークさんは私と結婚の約束もしてくれているんです。他の女は近付かないでください」


 そんな約束記憶に無いんですが……。マイラのビヤクダケによる俺への惚れっぷりに唖然としていると、フリーダが顔に笑みを浮かべているのが視界に入ってきた。ニヤリ、と擬音の入りそうなその笑みを見て、俺は戦慄する。これは止めないといけないヤツだ。


「マイラ、あなたはアーク君と結婚したいのね。心配しないで、私はあなたを応援しているわ。証拠に今度いいものを持ってきてあげるから」

「そうなんですか?だったらいいです。あなたいい人ですね」


 止めないといけないと思っていたのに、止める間も無く話が進んでしまっている。

 フリーダの言葉に機嫌を良くしたマイラは落ち着いた様子で、再度俺の尻尾に抱きついている。それにしても、今のマイラはフリーダを認識できていないのか?


「ビヤクダケの効果で記憶まで怪しくなっているようだね。急いで治療(キュア)の使える人を連れてくるよ。君も使えるようになっておいた方がいいだろうから、ついでに教えてくれるようにも頼んでおく」


 そう言って出ていくフリーダを見送る。返事をするとまたマイラが暴れだすかもしれないので、目線でお願いした。

 ところでいいものって何かな?騒動を更に大きくするものではないと信じたい。



「アークさん、私の事好きですか?」

「ああ、好きだよ」


 好きか嫌いかで言えば好きだ。今のマイラの望んでいる恋愛感情を伴う好きではないが、日頃お世話になっているので好意は持っている。だからこそ、早くいつもの彼女に戻ってほしいと思う。

 フリーダが外に出てからもマイラの症状は変わらなかった。先程のやりとりも、同じような事を何度も繰り返している。返事をしなかったりすると、私の事嫌いになったんですか、とか、他の女の事を考えているんですね、とか言い出して不機嫌になるのでなだめるのに苦労した。



 フリーダが出ていってから30分が経った頃、ようやく彼女が戻ってきた。すぐそばに老婆が1人いるが、この人が治療(キュア)が使えるのだろうか。格好を見る限り、教会の関係者のようにも見える。足が悪そうにしているので、ここまで来るのに時間がかかったのだろう。


「アーク君、大分時間がかかってしまったが、治療(キュア)が使える人を連れてきたよ。こちらはクリスティーナさんと言って」

「嘘つき!女の人を連れてくるなんて!アークさん、私との事は遊びだったんですか」


 フリーダに連れてきた人の紹介をしてもらっていると、再びマイラが叫びだした。先程いいものを持ってくると言っていたのを覚えていたようだ。

 ……あと、遊びも何もそんな事は一切していないので、そんな誤解を招くような事は言わないでほしい。ついでにクリスティーナさんは女性は女性でもかなりのご高齢なのだがな。


「アチャー、もうダメか。クリスティーナさん、こちらは押さえておくので、後はお願いします。

 マイラ、待ってくれ、それは誤解だ。私はちゃんと君のためになるものを持ってきている。彼女だってそうだ、君のためを思って連れてきたんだよ」


 激昂するマイラを押さえるために彼女の元に向かうフリーダ。そんなフリーダに後を任されたクリスティーナは、俺の方に近付いていた。

 クリスティーナの様子を観察する。比較的魔物などにも慣れているであろう門番でさえもびくびくしていたというのに、彼女の足どりからは恐怖の感情は見受けられない。これも年の功、というやつだろうか。


「初めまして、アークさん。私はクリスティーナ、治療(キュア)が使える人が必要だという事でこちらに来ました」

「初めまして、俺はアークだ。来てもらったばかりで悪いが、早くマイラを治してやってくれないか?」


 挨拶もそこそこに、俺はマイラを治してもらうようにお願いする。そもそもマイラを治すために来てもらったはずなのに、なぜ俺と話をしているのだろうか。


「アークさんは治癒(ヒール)が使えると聞いているわ。せっかくなので治療(キュア)も使えるようになりましょう」

「教えてもらえるのは助かるが、先にマイラを治してからでもいいのでないか?」

「魔法を覚えるには理論だけじゃなくて実際に使ってみた方が覚えやすいわ。命に関わるような事態ではないそうだから、あなたに治療(キュア)を覚えてもらってあなたに治してもらいます。この先同じような事態になっても直ぐに治せるようにね」


 今後の事を考えると、治療(キュア)が使えるようになるのは助かる。マイラの様子を見るとフリーダと話し込んでいて、落ち着いているように見える。

 せっかくの機会なので、治療(キュア)を教えてもらおう。


誤字脱字等ありましたら連絡をお願いします。

お読みいただきありがとうございます。

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