赤髪のリザレッタ
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なんとか、落ち着いたので、俺は、助けてくれた二人に感謝の念をこめて頭を垂れた。
「本当にありがとうございます。マジで助かりました。貴女達は命の恩人です。えっと、お名前は…」
「マロニアでっす。こっちは姉のリザレッタでっす。」
栗毛の少女マロニアは、鮮やかな赤い髪の美しい少女を紹介した。
両者とも、容姿のレベルが高い。だが、タイプとしては対照的だ。
まずマロニアだが、彼女は小動物的な可愛さというのだろうか。
さっきからずっとニコニコしており、窮地を脱したばかりの俺だが、話しているだけで元気が涌いてくる気がする。
そして、この笑顔がまた、とてもいい。
身長は150cmよりはちょっとあるかなといった感じだ。
声もまたいい。メゾソプラノくらいで、耳に味覚があったら甘いと感じるような声だ。ややおどけた調子で話すのもまたなんとも言えない。
服装は茶色い薄手のフードつきのマント(日焼けと防塵対策バッチリ)淡い黄色のホットパンツに、ブーツで、砂漠の対策はバッチリの冒険者という格好をしている。体つきはスマートで、ほっそりとした足をしているがとても健康的な魅力を放っている。
そして、とどめには美しい栗毛束ねたポニテールときた。
俺の個人的なツボで大変申し訳ない。が敢えて言おう。
反則だ!犯罪的だ!反社会的だ!これほどのポニテが似合う美少女など、果たして存在していいのだろうか。
もう天使といってもいいんじゃないかこの子。
こんな美少女に助けてくれもらえるなんて、俺はこの瞬間は、異世界に召喚されてよかったと心から思った。さっきまで死にかけてたんだけどね。
そして、マロニアが姉と紹介した赤い綺麗な髪をしたリザレッタと呼ばれた少女。こちらもその辺ではお目にかかれないレベルの美人さんだった。
一見しても、まだ二十歳かそこそこといった印象なのだか、それでも思わず息を飲むような大人っぽい感じだ。
身長はマロニアと比較してかなり高い170cmはないだろうがそれに近いところだろう。
目鼻立ちがとても整っている。だが、一点注目すべき点を挙げるとすればその瞳だ。
マロニアがニコニコしている一方彼女は、腕を組み、俺のこと値踏みするようにキツイ視線に向けていた。そして、
その瞳の色は彼女の髪と同じく燃えるように赤く美しかった。
服装はマロニアと同じような格好をしているのだが、まるでモデルのように見えてくる。
なんだろう俺そういう属性はないんだけど思わず、「女王様」と膝まずいてしまいたくなるようなカリスマというか圧倒感を持ち合わせている。ゲーム的な表現をすると姫騎士というところだろう。俺の個人的なタイプから外れているが、ツボる人にとってたまらないのだろう。
おそらくリザレッタが俺を(強制的に)目覚めさせてくれた人だろう。そう思うと下半身の一部が警戒信号を出したような気をしたが、俺は首をぶるぶるとふって、気を取り直して改めて恩人姉妹に礼を述べえた。
「俺はマユキと言います。本当ありがとうございました。マロニアさん。リザレッタさん。」
「へへ、どういたしまいて。揺さぶっても、水をかけても、目を覚まさないので、凄く心配になりましたが、助かってよかったでっす。マユキさん。」
「是非お礼を…っと言いところなんですが、俺はいま、お返できるようなものもなくて…」
言葉こそ通じるものの、流石に財布の中の日本円は役に立たないだろうし、クレジットカードカードなんかも言わずもながだろう。うん?俺この先どうやって生活していくんだ。
「ただの人助けですからお礼なんていいですよ。それよりも、マユキさんはどうしてこんなところに一人でいたんですか。ここは砂漠の横断に使われるルートからも外れてますし砂漠用の装備もないようですが。」
うわ、どう説明したらいいのだろうか。「ちょっと異世界の方から来ました。」なんて信じないよな。
まだ目が覚めてないと思われるのがオチだ。
かといって、上手いいいわけも思い浮かばない。
さて、どう答えたものかと思案していると俺が無難な回答を思い付く前にリザレッタが口を開いた。
「マロニー、もう時間がない。おい、マユキといったな。正直なところ私は助けを求めるのを装った罠かもしれないと疑ったが、周りに誰かが潜伏している様子もないし、お前も凶器は所持していないようだ。」
なろほど、俺のことを睨み付けていたのは、そういうことか、確かにこんな砂漠で助けを求めるふりして盗賊が罠を張るというのは、十分あり得る話だ。警戒してしかるべきだろう。
「実際死にかけていたようだしな。マロニーがお前に尋ねたように、こんなところで倒れているのは、妙ではあるが、私はべつに興味がない。それよりも、急ぎの用がある。もういかねばならない。5k先に街がある。私達の行く方向に進めばつく。いくぞマロニー。」
「あっ。うん。でも…」
リザレッタは、マロニアを急かした。マロニアはなにか言いたそうだったが、リザレッタの口調から抵抗を赤みがらめたようだった。姉妹はそれぞれの馬に乗り移動の準備を始めた。
「ちょっと、待ってくれ。出来れば街まで一緒に。俺も馬があるから…」
俺はクロに乗ろうと身体を起こした。
すると、栗毛の美しい馬に乗ったマロニアは馬上から申し訳なさそうに首を振った。
「残念ですが、それは無理です。私たちは競馬騎手ギルド「紅のきまぐれ」所属で、この子達もレース用に調教されているためスピードが違います。消耗しているその黒い子とマユキさんでは……」
「悪いな。マユキ、街までそれほど遠くはない。すまんが本当に急ぐのだ。」
リザレッタはそういい終えると鮮やかな赤色の毛色をした筋骨隆々の馬を駆り出した。すかさず、マロニアが後に続く。可愛いらしいポニーテールが、ゆらゆら揺れながら遠ざかっていった。
人物描写ムズすぎワロた。