1st bullet:出逢い頭の12ゲージ
,,そこは、まるで深海のような空間だった。上か下かも、今自分がどこを向いているのかも解からない。記憶も少しなくなっている気がする。
”どうせ真っ暗だし、少し寝るか、、”
そう思いつつ静かに瞼を閉じようとしたとき、
「・・・ょ・・、・・て・・?・・・さ・・!」
どこからか聞き覚えのある声とともに、一筋の光が差し込んだ。
”?、、出口か?”
根拠のない期待を持ち、光のほうへ泳いでいく。
「なん・いっ・・わか・・!?お・・-ろ・・~!」
声もはっきり聞こえてきた!当たりだ!そんな希望が泳ぎを速くさせる。
「もう・・じゃった・かな?ちょっと・・・起こしてみよっと。」
”起こす?俺は今寝てないよな。じゃあここは思考の中なのか?”
そうして光が辺りを包んで、目を覚ました瞬間。
シパコーーーーーーーーーーーン!!
快感を催すような乾いた音と、顔の左半分への激痛が俺を襲った。
「、、、っぁあ!いってぇ!!」
あまりの痛さに左の頬を抑えながらジタバタと暴れまわる。ヤバイ!なんかスゲェひりひりする!
数秒後ようやく痛みが治まったところで、改めて瞼を開く。すると目の前約十数センチ先に安堵した表情をした少女がいた。
「はぁ、やっと起きた。てっきり死んだかと思った。よかった~」
「・・っ!!?ちょっと待て、今の様子がさっぱり解からん!俺はさっきまでどうなっていたんだ?」
そもそも、さっきビンタしたのも恐らくこいつだろ!?なに笑顔になっちゃってんの?これが最近流行りのツン、、なんとかってやつなのか?
「んぁ~そうくるかぁー。めんどくせ、」
「おいおい、、、」
「んじゃあさ、どこまで覚えているかおしえてくれない?」
「ああ、わかった。」
俺はひとまず、キマイラもどきのこと、霧島の死について、その他もろもろ洗いざらい彼女に話した。さて、次は俺の番だ。
「ところで、アレはどうなったんだ!?」
「あぁ、あれなら腕落として追い払ったよ。でも直に再生してここに戻ってくるわ。ちなみにアンタの呼吸器は治癒魔法で治しといたから。」
「俺に今日のこと忘れてすぐに逃げろってことか?意味わかんねぇよ!大体、霧島はどうなっちまうんだよ!?」
「彼女は翌日くらいには、いなかったことにされるわ。ヤツに殺されたらそういう風になるの。」
「そんなの、、、ないだろ、」
ありえない、霧島が記録からも記憶からも「消える」だって?あんな無残な死に方しておいてか?馬鹿げている。
「とにかく、ヤツが来る前に一般人のアンタだけでm、、」
グムッ、、ヴン! ガラガラガラガラ!! ダン!!
言い終わる前に彼女は何者かに投げ飛ばされる。そしてそのまま机の群れをモーセの如くかき分け(というか蹴散らし)、教卓に叩き付けられる。
「は、早い、、まさか、鬼人種、、?」
鬼人種?なんだそれ?と思いソイツを見上げる。
狼の頭、熊の胴体、そして爬虫類系の尻尾。間違いない!さっきのキマイラもどきじゃないか! こいつが鬼人種ってやつだということは、彼女の計算外だったみたいだ。ってかもう腕治ってやがる!
どうやら今のヤツには俺には眼中にないらしく、彼女へと歩み寄ってくる。
”一般人のアンタだけでも”
そうか!先に脅威になるであろう彼女を仕留め、後でゆっくり「一般人」であるおれを殺すということか!!
「アタシはいいから!さっさと逃げなさい!!」
やれやれ、、今更察したようにほざきやがって。自分が危険にさらされるのを恐れて、瀕死のか弱い娘を置いて自分だけそそくさと逃げれるか?
”言うまでもなく ノーだな”
俺は立ち上がり彼女が置いていた斧を拾い上げる。斧は常識外れなまでに軽かった。
実はこの斧、軽いんじゃないのか?それとも、、いや。それは考えないでおこう。
”さて、借金には利子を付けて返さねぇとな”
斧を構えて敵に全力で近づく。頭がクラクラしだしたうえに、肩が悲鳴を上げ始める。だが、俺は退く気はさらさらない。あるはずがない。ここで逃げたら必ず後悔する。そんな気がするからだ!
よし!少しづつだが近づいてる。盛大に殺ってやろうじゃねぇか。
「どっせーーーーーーーぇぇぇぇぇぇぇぇい!!」
スパッ
頭から股まできれいに真っ二つに切り裂いた。
破裂した水風船のように鮮血がまき散らされ、三度目の鮮血シャワー(混浴)になったが、悪い気はしてこない。とにかく「お嬢様」は無事なようだ。斧を置いて、彼女の手を引っ張る。
「ほれ、立てるか?」
「うん、、大丈夫。」
「そっか」
それを聞いて、「あっそう」とばかりに手を放す。
「そんなこと新婚旅行でやったら即離婚ね。」
「新婚旅行であんな化けモンはでないだろ。」
「ふふっ、確かに。」
そのときの彼女は、咲いた花のような笑顔をしていた。
数分後、、
「・・あのさ。さっきはありがとね。あんなことしてまでアタシを救ってくれて」
「っはは、何いってんだよ。俺はただ後悔したくなかったからアイツと闘った。それだけだ。」
「アンタってホントお人好しなのね。」
「よく言われる。そういやまだ、名前訊いてなかったな。俺は榊秋一だ。アンタは?」
「アタシはセルカ・ビジョップ。セルカでいいわ。」
ふぅん。外国の人か~。にしては日本語上手いな。
「ところで秋一ってさ、あの斧を軽々と持ってたよね。」
「ああ、スゲェ軽くて、そのくせよく切れるもんだったな。あれってどうなってんd、、」
「アンタさ、魔法少女とか、やってみない?」
、、、、はっ?この娘は一体ナニいってるんだ?
To continue shooting,,,
どうもどうも35時間ぶりでございます。熱湯水割りであります。
今回から本格的に女子キャラを混ぜてみました。いやぁ、女の子の話し方とかも必死に思い出そうと悶々としておりました。作家仲間からもアドバイスをいただき、我ながら描写が読みやすくなったと思います。 次は、、まぁ大体察しつくでしょうなあwwでわまた次回 バイバイ(@^^)/~~~
キャラ設定
セルカ・ビジョップ (女・15)
身長148cm 体重31kg 胸:68 腹:56 腰:65
所属:不明 好物:あんまん
趣味:映画鑑賞 嫌物:たくあん
誕生日:11月6日
筆者メモ:銀のロングヘアと堅牢な絶壁(お察しください)が特徴の女の子。少し強気な性格で、いまだに未設定箇所もとい謎が多い。