表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
幻想残酷記(休載中)  作者: 夜桜デビル
異変解決宴会へ
56/56

女性は喫煙を控えましょう

どうも皆様こんばんは夜桜デビルでございます!三月中は定期的に投稿できるとか言った糞野郎は誰でしたっけね(遠い目)

ま、そんなことは置いておきまして今回はまたまた宴会編に戻ります笑


では、本編どうぞ!

「(階段近くについたけどどの辺りにいるのかな)」


少し歩き視界に階段が入る。階段付近にはちらほらと人の姿が見えるがフランの姿は見えない。辺りを少し見渡してみたが特徴的に煌めく羽や黄金色の髪は見当たらない


「はれ〜きょうひゃ?」


「ん?」


後ろから声が聞こえ振り返るとフラフラとした足取りで少女が近付いてくる。月明かりに照らされ髪や羽がキラキラと輝いている。間違いなく彼女がフランちゃんなのだが


「(完全に酔ってる…よね?)」


フラフラとした足取りで近づいてくる彼女の手には酒瓶が握られふらつく度にポタポタと中身が垂れ出している。月明かりに照らされている頬は火照っているように赤い。


「へへ、きょうひゃだ~」


「おっとと」


そんな思考をしているとトンと軽い重みが腹に掛かる。不思議に思い視線を動かすとまるで甘える猫のようにスリスリとフランが顔を擦り付けている。普段こんなことをしてこないことを考えると相当飲んでいると見える


「よしよし。取り敢えずどこか座ろうか」


ポンポンとフランの頭を軽く撫で、フランが歩いてきたであろう階段付近に歩き出す。その間もフランは離れたくないと言ったようにピタリとくっついて来ているので歩数を合わせてだ



「フランちゃんはどれくらい飲んでるの?」


「ん〜覚えてな〜い」


「そっか」


階段に腰掛け拝借した一升瓶を煽りながら未だ離れる様子のないフランに問いかけたがニコニコと酒を煽りながら楽しそうに答える。飲んだ量を覚えていないことや異様に甘えてくる様子から見るに確実に数本は飲み干しているだろう


「あんまり飲んだら体に悪いよ?」


「むぅ〜フランが飲みたいんだからいいの~」


俺の心配を他所にフランはプクッと小さく頬を膨らませながらゴクゴクと酒を体に取り入れていく。


「(流石吸血鬼だよね。大分飲んでるようだけどまだ拒絶反応も出てないし)」


酒瓶を口から離したフランはまた体をすり寄せてきているが様子は変わらない。基本極度にアルコールを体に取り込むとアルコールに対し体が拒否反応を起こし無意識に吐瀉物を噴出させてしまうのだが未だにフランからはその様な予兆は見られない。


「ふへへ〜ひょうや暖か~ひ」


「…ふぅ」


腕に抱きついていたフランは物足りなくなったのか持っていた一升瓶を手から離し今度は潜り込むようにして俺の腹に顔をすり寄せ始めた。少し腕が動かしづらいが無理やり引き剥がせば機嫌を損ねるのは間違いないのでそのままフランの自由にさせ煙草に火を着ける


「フランちゃん擽ったいよ…」


「にへへ~」


酒を煽りながら煙草を燻らしているとフランがもぞもぞと動くもので擽ったい。そんな俺の言葉を無視し上機嫌で動くフランに苦笑いが漏れる


フランは何度かモゾモゾと動くと収まりのいい場所を見つけたのか頭を少し動かした後そのまま動きを止める。服越しに伝わる体温は冷たいそよ風の中で心地いい暖かさを体に伝えてくる。


「こんなところで寝たら風邪ひいちゃうよ?」


「うぅ~寝てないもん〜」


如何にも眠そうなフランに問いかけるが一向に離れる気配はない。比較的暖かいと言ってもまだ肌寒い。そんな中で暖もないまま寝てしまっては風邪をひいてしまう


「(仕方ない)」


「…」


手際良く着ているパーカーを脱ぎフランに掛けてやる。毛布より薄いが無いよりはマシだろう。フランの体も掛けたパーカーを暖として認識したのか体に巻き付けるように包まる。

パーカーが無い分俺の体温は下がるがこのまま酒を飲むことを考えればパーカーは必要無くなるだろう


「(…いつ見ても綺麗な髪だよね)」


一升瓶を階段に置き何度か触れたことのある髪に触れる。髪質はフワフワとしているのに触り心地はサラサラとしており指が絡まらず、光にかざせば光を取り込んだかのように黄金に輝く不思議な髪だ


「仲が良さそうね」


「ん?あ、霊夢さん」


フランの髪を弄んでいると不意に後ろから声が掛けられる。振り返ると頭を手で抑えながらおぼつかない足取りで霊夢が階段を下りてきていた


「酔い覚ましですか?」


「そんなとこ」


視線をフランに戻し髪を弄りながら問いかける。霊夢は神社の広間で飲んでたと狂助から聞いた。周りが煩くて出てきたのか?


「煩かったのもあるけど少し貴方とも話がしたいと思ってね」


「(ん?)」


そういいながら俺の少し後ろに霊夢が腰を下ろすとなにか擦る音の後火がつくような音が聞こえる。この音はマッチを着ける音?


「あれ?霊夢さんって煙管なんて吸ってましたっけ?」


不思議に思い後ろを振り向くと煙を燻らせる霊夢の姿が視界に映る。まだ幻想郷ここにきてからそう日は経っていないが霊夢が喫煙していた記憶はない


「今日から吸い始めたのよ。さっき狂助から吸い方を教えて貰って、予備の煙管と葉をもらったの」


俺の視線に気がついたのか苦笑い気味に小さな布袋を見せてくる。よく見れば煙管も布袋も狂助が予備用に持っていたものだ。しかし女性に喫煙を進めるのは気乗りしないな


「私が望んで頼んだから狂助は悪くないわよ。それに私の能力は知ってるわよね?」


「ありとあらゆるものから浮く程度の能力でしたよね?」


「そう、この能力を使えば喫煙での悪影響から浮いて害を無くせるでしょ?」


確かに霊夢の能力を使えば体に悪影響なものだけから浮くことで体への害を完全に無効にできる。


「成程、それなら狂助が許すのも納得できますね。まぁ、狂助から葉をもらったのなら悪影響は全くないと思いますけどね」


「あら、そうなの?」


「えぇ、その中身は殆ど特殊なハーブなので悪影響ではなく好影響が現れますよ」


静夜の複合した葉には体に悪影響なものは殆ど入っていない。その代わり体に好影響を与えるハーブ類が組み合わせられている


「へぇ…ねぇ、この葉にはどんな効果があるの?」


「見た目は殆ど同じですから匂いだけでの推測ですが、疲労回復や精神安定の効果を持つ組み合わせだと思います」


漂う煙を少し鼻で吸うとキツめの匂いが鼻腔を刺激してくる。この匂いは心身の回復を目的とした複合薬の匂い。静夜曰くこの匂いは脳に心身に異常があると誤解させる効果があり、その匂いを嗅ぐことで心身を癒すホルモンを強制的に分泌、心身の回復を促すとのことだ


「疲労回復ね〜確かに少しだけ体が楽になった気もするわね」


「体に害のないハーブの組み合わせですから効果が微量なのは仕方ありません」


「…なら害がある組合せならもっと効果が出るってこと?」


「えぇ、天と地程の差が出ます。ですが、効果が高ければ高い程効果がきれた際にかかる体への負担は多くなります」


害の出るハーブは飛躍的に一部の効果を大きくできるが同時に体には多大な負担がかかる。例えば疲労回復の組み合わせを体に悪影響のあるハーブだけで作り使用したとすると一時的に疲労を回復できるが効果がきれた際、使用する前と使用した後の疲労が一気に押し寄せてくる。


「ふーん、効果が高いのには大きなメリットとデメリットがあるのね」


「はい、簡単に纏めると効果が低い複合薬のメリットは一部の効果を体に蓄積出来ることデメリットは効果が微量なところですね。効果の高い複合薬のメリットは一回の使用で絶大な効果を得られることデメリットは使用後の反動と体に蓄積できないところですかね」


「デメリット覚悟で短時間に絶大な効果を得るか、長時間かけて徐々に効果を得るか…二つに一つってことね」


何故狂助が霊夢に効果の高い複合薬を渡さなかったのかにはデメリット以外に理由は一つ…霊夢の能力でデメリットを打ち消せないからだ。複合薬の効果はメリットデメリットが※同時に※現れる為デメリットから浮くにはメリットの効果がある状態で浮くしかない。しかしそんな事をしては使用した意味がなくなってしまう訳だ。


「塵も積もれば山となると言います。何事もコツコツと積み重ねることが大切ですよ」


「確かにそうかもしれないわね。デメリットも怖いし」


「それがいいですよ。僕は何度か使用しましたけど二日くらい寝込みましたから」


「…それを聴いてますます使いたくなくなったわ」


霊夢の方を振り向き微笑を浮かべれば苦笑い気味に霊夢が笑う


「…ちょうど吸いきれたみたいだし私は戻るわね」


「あ、霊夢さん最後に一ついいですか?」


「?えぇ構わないけど」


煙管の灰を落とし広間に戻ろうと歩き出した霊夢を呼び止めると不思議そうな顔でこちらに振り向く


「強大な力というのは例えどんな代償を払うことになっても必ず必要になります。これもその力を得る手段ということは覚えておいてください」


「…えぇ」


小さくだがしっかりと耳に届く声で返事を返した霊夢はそのまま神社の方へ歩いていった。少し雰囲気の違う事に気づいたが霊夢の声音はまるでもっと前にその力が欲しかったと言う静かで透き通る低い声だった

煙管を咥えてる霊夢さんってカッコよくないですか?まだ子供っぽさも残りながらも大人っぽさの残る雰囲気で優雅に煙管の煙を燻らせている姿を想像するだけで何か目覚めそうです笑

さて、私の性癖は置いておくとして次回は無理矢理宴会編を抜け出させるかもう少し引っ張るかのどちらかになりますかね…投稿日はいつになるかわかりませんが笑


では、次回もよろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ