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幻想残酷記(休載中)  作者: 夜桜デビル
第二.五章 暴れだす狂気
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治療と休息1

皆さんこんばんはそしてお久しぶりです!!夜桜デビルです!

精神科に通ったおかげか今では前と同じような生活を送ることができております。さて、そんなことは置いておいて今回と次回は宴会への繋ぎ回になっていますのでいつもの倍近くの文章になっておりますのでご注意ください

それでは今回は静夜さん視点でどうぞ!!

「…こいつはいつまで寝てる気なんだ…」


サラサラとした髪を梳きながら幽々子の頭を撫で続けているが一向に起きる気配がない。顔色もよく、呼吸も安定している為身体に負担が掛かっているという訳ではないはずだが…


「ふぅ…弾幕を受け過ぎただけだからそのまま寝かせておいてあげていいよ。霊夢さん達もまだ寝てるから無理に起こす必要もないからね」


「…ならもう少しこのまま寝かせておくか」


タバコを吸いながら答えた狂夜により体に負担が掛かっていないことが確信できた為頭を撫でながら髪を梳く作業を繰り返す。亡霊と言っても女だけあって髪のツヤも肌触りも男の俺とは全く違い、さらさらと砂のよう指の隙間を流れる髪は油を塗ったようにツヤツヤと光り指からこぼれ落ちる。


「…俺も髪の手入れをした方がいいか?」


「そうだね~流石に三百年もほったらかしだと傷んでるだろうし後で僕が梳いておくよ。せっかくこんなに綺麗な髪なんだからね」


「…その口調からしてお前はしっかり手入れをしてるみたいだな」


「傷まない程度にはってところかな?髪もあんまり長くないから手入れする必要はないから」


すっと自身の髪を撫でるよう触るととサラサラとした感触が掌に伝わる。幽々子程ではないが指に絡まることもなくスルスルと指の隙間を通り元の位置に戻る。本当に傷まない程度なんだな…


「だから言ったでしょ痛まない程度だって。静夜は髪が長いから霊夢さん達みたいにサラサラにしないとね」


「…俺も痛まない程度でいい」


「ダメだよ~さっきも言ったけどこんなに綺麗な髪なんだから勿体無いよ。それにそんな事霊夢さん達に言ったら無理矢理にでも手入れされると思うよ?」


「…それはそれで面倒くさいが…。分かった。時間がかからなければ好きにやれ」


「流石は静夜話が速いね。それじゃ早速お風呂に入ってくるから幽々子さん達の事よろしくね」


これ以上話が長くなるのは面倒くさいので時間をかけないことを条件に話をさっさと話を切り上げる。こんなに面倒くさくなるなら俺も髪短くするかな…





------------------





「んぅ…静…夜?」


「…起きたか」


狂夜が風呂に入りに行ってから数分後、俺の膝で寝ていた幽々子が目を覚ました。


「今何時?」


「…夜中の二時」


異変解決後かなりの時間が経ち既に解決から一日が経過しているがまだ冬場のせいか空は暗い。


「妖夢と博麗の巫女達は?」


「…奥の居間で寝てる。十六夜と魂魄はお前が居た場所。怪我の治療もしてある」


「…そう、助かったわ。ありがとう」


「…気にするな」


少し不安そうに聞いてくる幽々子に適当に返し煙管を咥える。霊夢と魔理沙については腕や足を痛めていた為手当てをした後適当な部屋に寝かせておいた。


「…ねぇ、貴方いつもそれ咥えてるの?」


「…煙管の事か?暇つぶしの時が多い。基本的にはいつもだ」


未だ俺の膝に頭をのせながら寝そべっている幽々子が俺の咥えている煙管を不思議そうに見詰めながら指さす。


「確か煙管って身体に悪いはずでしょう?何でそれを態々?」


「ふぅ…俺にもよくわからない」


「そうなの?」


一度煙を吸い吹き出す。指摘されて気づいたがなぜ俺は煙管を吸っているのかは自分自身でもわからない。今まで癖と思っていたのだが言われてみれば昔煙管を吸っていた記憶はない。

もう一度煙を吸い込みむせない様にゆっくりと吹き出す。ん?使っている葉はいくらだったのか?…葉にはこれといってこだわりはないが…確か40グラムで三千円位だった筈だ。


「ねぇ、そう言えばその体の本当の持ち主はどこにいるの?」


「…今は風呂」


「本当の体は貴方が使ってるのに?」


「…今は俺の体に入ってもらってる。お前を起こさない様に配慮してくれたんだ」


興味津々で俺の手元にある煙管を見ていた幽々子はこの体の持ち主について聞いてきたが、隠す必要もないのでそのままのことを話す。


「あ、起きたみたいですね」


「…話してたら来た」


「貴方がこの体の持ち主かしら?」


声が聞こえた為襖の方を見るとバスタオルで濡れた髪を拭きながら狂夜が入って来た。もちろん顔には狐の御面を付けている。服装はいつも俺が着ていた白のVネックの上に黒のパーカー、濃い蒼のジーンズ、空いた胸元にはコウモリをモチーフにした銀のペンダントが垂れ下がっているが一番目を引くのは、両耳に二ヶ所ずつ付けているピアス、そのピアスは両親がつけていた形見の品。一方は水色のラリマー、もう一方は黄金色のシトリンという宝石が周りに散りばめられたプラチナ製のピアス。宝石が散りばめられている為か未だ高い位置にある月の明かりによりキラキラと輝いている。


「はい、そうです。僕は小路狂夜といいます。宜しくお願いしますね幽々子さん」


「あら、名前はもう知られてるみたいね。でも、話すとき位は御面を外した方がいいわよ?」


「寝ながら話しをしている奴が言えることじゃない」


俺が素顔を晒すをあまり好まないのを知っている為か御面を外さずに話すと幽々子から指摘される。しかし未だに膝の上で寝そべっている奴も座った方が良いに決まっている


「ふふ、素顔を晒すのはあまり好きではありませんのでご了承を。それよりも幽々子さんに貸してもらいたい物があるのですが」


「あら、何かしら」


「生憎、髪を梳く櫛を持ち合わせていないもので貸していただきたいと思いまして」


「あら、そうなの?それなら一つ奥の部屋にあるわ。鏡もあるから使ってちょうだい」


「ありがとうございます。それでは梳いてきますので少々お待ちを」


寝そべりながら襖を指さし櫛のある部屋を教える幽々子。狂夜から情報では亡霊になる前は白玉楼ここの姫みたいなものだったとあるが


「今、私の事悪く思ったわよね?」


「…そんなことはない。ただ、少し「お姫様みたいじゃない、かしら?」…」


何で俺が思ったことを先読みしている?狂夜ほどではないがポーカーフェイスは完璧な筈だが…


「何で私が貴方の思っていることを先読みしてる?って思ってるみたいね。簡単なことよ?私が姫だったことを知っている人がさっきの姫らしからぬ行動をみたらそう思うのは当然。その後は何故読まれた?と考えるのは普通じゃないかしら?」


「…成程。俺の心を読んだ訳じゃなく当てずっぽうの類…見事に引っ掛けられた」


「ふふ、その割には落ち着いてるみたいね」


「…そんなことで一々驚かない」


ふんわりと顔を綻ばせる幽々子。正直内心驚いている。先程惨敗した相手にこの行動、普通の者なら落ち着いて話すらできないだろう。それと先程の戦いこいつは能力を一度も使っていない…全く誰かさんみたいに掴めない奴だ。





---------------------





「ふぅ…やっと治ったよ」


「あら、お帰りなさい」


「…随分遅かったな」


髪を撫でる度にコロコロと顔を綻ばせている幽々子を無視しつつ煙管を吸っていると疲れたように息を吐きながら狂夜が部屋に入ってきた。


「ただいまです。あんなに長い間放っておいたのをこの時間で治せただけでもいいでしょ?」


「…あぁ、助かった」


狂夜は若干怒ったような声と共に自らの髪をかき上げる。先程のように指に絡まることはなく月明かりに照らされながらサラサラと狂夜の指の間をするすると通り抜けていく。あんな短時間であそこまで治せるものなのか?


「あらあら、櫛だけで随分と綺麗になったわね。貴方の能力かしら?」


「いえ、僕の能力でもできますが髪には使っていませんよ。使ったと言えば少量の霊力くらいです」


「…成程。それなら納得できる」


分からない奴に簡単に説明すると髪に霊力を流し込み弱った細胞を回復させた。ただそれだけだ。後は全体に霊力が行き渡るように櫛で梳きながら細胞が回復するまで霊力を流し込むだけだ。説明だけ聞くと簡単そうに見えるがそれは間違いだ。髪の細胞は細く、繊細なもので霊力の量が少しでも多いと簡単に焼き切れてしまい、逆に弱過ぎると細胞は回復せず更に弱ってしまう。狂夜には遅いといったがここまで早く回復させるには並ならぬ霊力コントロール技術が要求される為、早過ぎるレベルである。


「…なんだか私だけ置いてけぼりだけど要するに霊力と櫛だけで治したってことでいいのかしら?」


「はい、その解釈であっています。誰にでもできますが霊力のコントロールが少し難しいので気を付けないと凄い短髪になってしまいます」


「…少しと言うレベルではないがな」


悩むような顔をしている幽々子の髪を再度撫でながら呟くとふふっと作った狂夜の笑い声が聞こえた。





---------------------




side change-霊夢


「痛っ…」


身体に鋭い痛みを感じ意識が覚醒する。ぼやけた思考の中身体をおこし、痛みを感じた個所を見ると白い包帯が綺麗に巻かれているのが見える。多分あの静夜とかいう奴が手当てしてくれたのだろう。


「(確か幽々子を倒して異変解決した後、屋敷のような所に…駄目ねそこまでしか記憶にない)」


痛みの原因を確認した後少し記憶を辿る。しかし異変解決と何処かの屋敷の様な所に向かったと言う所までしか思い出せない。


「(そう言えば魔理沙たちは…)」


薄暗いながらも何とか見える辺りを見渡すと少し離れた所に横になっている人陰のようなものが視界に入る。よく目を凝らすと明るい金の髪が見え、白い服のようなものが掛けられている。


「(そう言えば私にも掛けられてたのよね)」


体を起こした際ずり落ちた黒の服。内側に毛が使われて居るためかフワフワしてとても暖かい。しかしいったい誰が?


「うっ…」


「起きたみたいね」


考え事をしていると呻き声のような声が小さく聞こえる。


「…霊夢か?私としたことが気絶しちまったみたいだぜ」


「私もさっきまで気絶していたわ。それよりも魔理沙、アンタどの辺りまで記憶ある?」


「行き成りなんだぜ?まぁ、いいが、私が覚えてるのは静夜が幽々子を回収してきて白玉楼の屋敷の部屋に入った辺りまでだ」


「そう、やっぱりここは屋敷の一角だったみたいね」


記憶にあった屋敷の疑問については粗方予想通りだった。


「…あれ?霊夢さんに魔理沙さん、もう起きてたんですか?」


「…あんた誰よ(だぜ)?」


話の内容をまとめていると目の前の襖が開き、狐の御面を付けた怪しい奴が入ってきた。


「あ、そう言えば外見が違いましたね。僕は狂夜ですよ。外見は静夜のモノですけどね」


「…嘘は言ってないみたいね」


「こんなことで嘘をついても僕には何にも得がありませんからね」


「それで狂夜は何しに来たんだぜ?」


「大した用ではないですよ。咲夜さんと妖夢さんの包帯を取り換えに行ったついでに霊夢さん達の様子を見に来たんです。多少弾幕での傷が目立ってたので」


すっと狂夜は私の足を指さす。そこは先程痛みを感じた箇所で今は包帯で固定されている場所。狂夜が治療してくれたのだろうか


「あ、治療したのは僕ではなくて静夜なのでお礼は彼にいってください。結構クールに見えて律儀な性格ですから」


「分かったわ。それで私たちの様子を見に来ただけって訳じゃないんでしょ?」


「察しがよくて助かりますよ霊夢さん。実は異変解決時の宴会についてのお話をしたいと思いまして」


「宴会についてか?いつも通りじゃないのか?」


「宴会自体ではなく、参加させたい人達が居るんです」


「ふぅん。別に誰が良いとか悪いとか規制はないわ。って言っても噂をかぎつけた妖怪どもが来るから規制もクソもないけどね」


そう、私が住んでいる博麗神社が妖怪神社と呼ばれる由縁は異変解決後に行われる宴会が大きな割合を占めている。初めは少量の妖怪が入ってきてお酒を飲むといったものだったが神社でお酒が飲めるという様な噂でも流れたのか今では大部屋を襖で仕切ると息苦しい程の量妖怪が来るようになってしまった。


「それなら安心です。紅魔館の人たちにも話をしてしまった後なので断れたらどうしようかと思いました」


「レミリア達なら別にいいぜ」


「それは私も同感よ。異変を起こしたのは迷惑だったけどね…」


紅霧異変、幻想郷を紅い霧で覆い隠すといったよくわからないことをやったみたいだが親玉のレミリアを倒した後が非常に面倒くさかった。膨大な霊力のぶつかり合いによりレミリアの妹であるフランが地下から脱走、紅魔館組と手を組み何とか再度地下に幽閉させることができた。あれはほんとに大変だったわ…


「紅霧異変でしたよね?お姉さんからの情報にあります」


「その情報って便利だよな。紫の情報だから細かな所もしっかり押さえてそうだしな」


「そうね。流石は境界を操る能力といったところね」


八雲 紫。幻想郷ここの管理者であり、妖怪の賢者と呼ばれている幻想郷有数の実力者の妖怪。先程言った境界を操る程度の能力、詳しくは知らないが一部のモノ以外の内容を自在に変えられ、境界を操ることにより他の世界に移動できるようだ。


「確かに入れてもらった情報には何度か助けられましたからね。…少し失礼しますね」


「…ひうっ!?」


狂夜が私の足に巻いてある包帯を外し、痛めた足に直接触れると氷を直接当てられたような感覚が全身に伝わる。


「すみません。痛かったですか?」


「…大丈夫よ。少し冷たくて吃驚しただけ」


「あぁ、僕掌の体温が低いのでそれのせいですね。少し我慢してくださいね」


少しの間痛めている部分に掌を置かれる。身体が慣れ始めたのかヒンヤリとした冷たさが心地よく感じる。


「…そろそろいいですかね。一応包帯も巻いておきますね」


数秒後そんな声と共にヒンヤリとした冷たさが消え、代わりに柔らかな包帯が巻かれていく。


「アンタ巻くの上手いわね」


「そうですか?僕的には結構適当なんですけどね。よし、できましたよ。次は魔理沙さんですね」


「頼んだぜ」


ぎゅっと最後に縛りあげると狂夜は立ち上がり魔理沙の所に歩いて行った。足を気遣ってくれているのか少し緩めだが歩く程度では外れることはないだろう。しかしここでおかしな点が一つでてきた。


「(…足が痛くない?)」


そう、足が痛くないのだ。先程まで軽く動かしただけでズキズキとした痛みを発していた筈なのだが今はその痛みを全く感じない。狂夜の治療に何かあるのかと思ったが冷えた手で触れ、包帯を巻いただけなのだ。これは


「(狂夜の程度の能力…かしらね)」


目の端に映る魔理沙の治療をしている狂夜を見ながら私は思った。



side change-狂夜


「掠り傷が多いですが腕を少し傷めてるみたいですね。何か腕に負担がかかることをしましたか?」


「あ~多分連発したスペルのせいだと思うぜ」


「確かマスタースパークでしたか?」


「お、知ってるのか。威力が高いのはいいんだが魔力の消費も多いし腕にも負担がかかるしでデメリットも多いんだぜ」


「魔法具を使っているので普通よりも消費も負担も多いのでしょうね。先に言っておきますが※あまり魔力を空にする※のはやめた方がいいですよ?理由は魔理沙さんがよく知ってると思いますけど」


「…あぁ、わかってるぜ。それより何でそのことを知ってるんだぜ?もしかして狂夜も魔法使いなのか?」


「齧った程度ですけど一応初級魔法と中級魔法、簡易的な治癒魔法は使えますよ」


魔法使いとは簡単に説明すると魔力を有する人間。まず魔力とは何かを説明するね。魔力は魔法使いや魔女、魔剣士と言った者が持つ力の事だ。僕が持つ霊力と違うところは複数の各属性に性質を変換しやすかったり、放出する際圧縮や拡散と言ったコントロールがやりやすいと言った利点のある力である。しかしそんな利点がある力にはやはり失点がある。まぁ、この話また今度にするよ。


「っとこれでよし、少しは楽になったと思いますけどどうですか?」


「…あぁ、まだ少し痺れてるが痛みはなくなったぜ」


霊夢と同じように霊力をで治癒力を上げてからきつくないくらいに巻き、最後に縛りあげる。


「さて、手当は終わりましたが簡易的な治癒魔法をかけただけなのでまだ安静にして寝ておいてくださいね」


「わかったぜ。ありがとな」


「それではまた朝に起こしに来m「あ、狂夜ちょっと待ちなさい」どうかしましたか?霊夢さん」


「これ誰のかわかるかしら?寝てる時にかけたみたいなんだけど今気づいたのよ」


部屋を出ようとしたところで霊夢が声をかけてきた。振り返ると黒を基調にしたパーカーを両手で広げていた。


「ん~…あぁ、これは狂助…僕と同じように幻想郷ここに来た友人?のパーカーですよ。かけたのは静夜ですけどね。異変解決の前に渡されたらしいですよ「レミリアの運命で博麗は気絶するらしいから持ってけ」とかなんとか。魔理沙さんにかけられてたのは僕のワイシャツですけどね」


異変解決の前とはいっているが本来は異変解決後、静夜が治療を施している時に理性こころに狂助が来たらしい。軽く話をした後先程僕が言ったような内容を静夜に言うと自身の体に戻ったらしい。う〜ん狂助はホントに霊夢が気に入ってるみたいだね


「そう、宴会の時にでもお礼を言っておくわ」


「私も静夜にお礼を言っておくぜ」


「はい、お願いしますね。それでは僕は幽々子さんと静夜の所に戻りますのでまた朝起こしに来ます」


いつもの※作り笑い※を浮かべ足早に部屋を出る。全く霊夢さんも警戒しすぎだよ…




-------------------




「戻りましたって…何やってるんですか?」


「…それは俺が聞きたい」


静夜たちがいる居間に戻ると幽々子に押し倒されている静夜の姿が視界に映る。幽々子が抱き着いているところから静夜からではないのは確かだが…


「ふふ、膝枕してもらってるとき暖かかったからもしかしてと思って抱き着いたら予想以上に暖かくて離れたくなくなったのよ~」


「いつもの態度とは反対に静夜は体温が高いんですよ。ね?静夜」


「…高いといっても吸血鬼では普通の体温だ。フランドールもそうだっただろうが」


「うん、すごく暖かかったけど確か吸血鬼は体温が下がりやすい筈だよね?」


吸血鬼‐レミリア・スカーレット、フランドール・スカーレットが主な例になる。まず吸血鬼とは何かを理解しよう。吸血鬼とは簡単に言うと不死身の死人、生命の根源である血を主な栄養源としている。因みに吸血鬼になる者は生前に何らかの犯罪や罪を犯した者だったらしい。先程吸血鬼は不死身の人間だと言ったが決して弱点や死ぬことがないわけではない。まず代表的なのは日光。吸血鬼は日光を浴びると灰になって死ぬと思っている人が多いが死ぬのではなく弱体化するのである。次に代表的なのは流水である。流水は罪を洗い流すという言い伝えがあり、罪を犯し蘇った吸血鬼は流れる水の中を渡ることも泳ぐこともできない。最後に代表的なものは鏡に姿が映らない。これは知っている人も多いだろう。鏡は昔から魂を映すとされており吸血鬼は不死身の死体、鏡に映す魂がないため鏡に姿が映らないのだ。因みにみんなが知っている十字架やニンニクなどは吸血鬼を怯ませる程度の効力しかもっていない為弱点とはいえないから省かせてもらったよ。とまぁ長いこと説明したけど要するに死体だと体温が下がりやすいだろ?っということだ。


「…いや、そこまで体温は下がらないみたいだ。現に亡霊であるこいつに体温がある時点で可笑しいしな」


「貴方も吸血鬼なんだから殆ど私と同じじゃない」


「あ~それなら何で体温が下がらないか納得かも。それにここは常識に囚われない楽園‐幻想郷だもんね」


「…それに体温が下がりにくいなんてのは別に気にすることでもないだろ?」


「そうそう、幻想郷(ここ)じゃよくある話よ」


「それはそれで怖いですけどね。それでは僕はもう一度妖夢さんたちの所に行ってきますね。妙な気配も感じますから」


それじゃっと※作り笑い※を浮かべ居間を出る。来るとは思ってたけど早すぎだよね…内心で苦笑いを浮かべながら妖夢たちが眠る部屋へと歩みを進めた



さて、今回も無事投稿完了できてほっとしています。待ってくださっていた皆様本当に感謝しております。あ、それと…三万アクセス越え、約七千ユニーク行きました!!皆様ありがとうございます! また投稿が遅れてしまうかもしれませんが気長に待って頂けると幸いです。それでは次回もよろしくお願いします!!

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