霊封術式の条件
どうも皆様今晩は夜桜デビルです。最近忙しく小説を書く時間が取れなくて… あ、いい訳ではありませんよ?(割と本気で)
そして謝罪することが一つ。今回、リメイクした第一話も同時に投稿する予定でしたが予想以上に作成に時間がかかってしまっているのでまた近々に再投稿いたします。
今回は狂夜さん視点でどうぞ!!
※いきなりですが最近私が気に入った小説のURLを貼っておくのでお暇な方は見てあげてください~
http://ncode.syosetu.com/n5602ce/
「(うん、しっかり反応してくれてるみたいだね)」
ブラウスを捲りフランの背中を見ると先程書いた術式が赤く点滅している。これはさっき刀を通して送った霊力に術式が反応した証拠だ。この術式‐霊封術式は特殊な力を術者の霊力で抑え込み封印する術式。しかしこの術式には発動条件が二つある。一つ目は対象の身体に術式の文字を書き込む事なのだが如何せん術の文字が長い。術式は一文字でも消されてしまえば発動できないと言うことが最大の弱点であり、この霊封術式はまさにその弱点を射てしまっているのだ。そして二つ目は術式に膨大な霊力を送らなければならないこと。今回の戦いではフランの狂力と僕の霊力を無理矢理混ぜたことによりその条件を満たすことができたが、相手側に狂力がなかった場合、攻撃を避けつつ少しずつ相手の体内に霊力を送り込まなければならない。先程発動した消力術式(相手の力を一時的に全て体外に拡散させるスペル)は文字が短く、効力も強力な分戦闘中でも隙があれば発動するのに対しこちらは殆ど発動することはない…いや、することができない。理由としてはまず、戦いの中で長い術式を消されないように書く、それも相手の体となれば一気に難易度が上がる。そして相手の体内に流す霊力は一定の間隔で送り続けなければ相手側の霊力に馴染んでしまい逆に霊力を回復させてしまうことになってしまう。この二つの理由からこの霊封術式は今回のような事がない限りおいそれと簡単に使えないのである。
「それにしても疲れた…」
捲ったブラウスを元に戻し倒れるように床に崩れ落ちる。霊封術式に少し霊力を使いすぎたみたいだ…。だが、これでフランは理性に自分の意思で入ることができるようになった筈だ。ただ僕より強く狂気を縛ってあるので狂力を力として使うことはできないが狂気自身である狂子の狂力は霊封術式の対象外である為狂力は消えない。この原理は僕の狂気である狂助にもある為狂助は膨大な狂力を扱えるのだ。
「さて、用事も済んだし静夜に身体の所有権を変えてもらわないとね」
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「そういう訳で僕の用事は終わったから体の所有権を変えられるようにしておいてね」
『…分かった。そっちから直接来れるのか?』
「うん。気配が分かれば距離は関係ないから行けると思う。それじゃあまたあとでね」
『…おう』
こちらの用事が終わったので白玉楼に居る静夜の理性に連絡を入れる。流石に他人の理性に長居するのはあんまりいい気はしないからね。
「…終わったのかしら?」
「…はい、狂子さんは身体に違和感とかありませんか?」
意識を戻すとフランを抱き抱えた状態で立っている狂子が話しかけてきた。
「えぇ、フランと体を共有しているときは何かに阻害されてる感じはあるけどそこまで影響はないわね」
「なら、よかったです。それとフランちゃんの事で守ってもらわないといけないことが二つあります。まず、極度に冷静さを失わせないことです。この封印は心に余裕がないといけませんから。それとこれが一番重要なんですが少なからず月に一回程度でストレスの発散を行うことですね。」
「ストレスの発散は貴方と弾幕ごっこで解決できそうね。冷静さを失わせないとなると難しいわね…。フランは結構気持ちが揺れやすいから。でも、なんでこんな決まり事があるのかしら?」
「僕でいいならお手伝いしますよ。決まり事というよりは封印を持続させる為のモノなんですよ。理性が不安定だと狂気が漏れ出しやすいので落ち着きが必要なんです。ストレスの発散は溜まっている狂気と理性への負担を軽減させるのが目的ですね。狂気を抑えていると理性には普通よりも負担が掛かりますし、溜まった狂気もストレスと一緒に減らすことができますから」
少し前に言いそびれた狂気を抑える霊封術式の欠点二つ目はストレス発散の類である。溜まった狂気は人間でいうストレスの類になるのだが狂気が溜まり過ぎていると理性に負担として現れる。その状態だと冷静さを持続しずらくなる為狂気が漏れ出してしまう事があるのだ。その為ストレスの発散はしなくてはいけないのだ。現世でしまくっていた理由はこれが主である。
「狂気をその封印で抑えるためには必要な事なのね…。わかったわフランにもそういう伝えておくわ」
「はい、よろしくお願いしますね。それではそろそろ僕は自身の体に戻ります。また、宴会で会いましょう」
「えぇ、また宴会でね」
無表情で答えた狂子にいつもの※作り笑い※を浮かべその場から姿を消した。
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『ふぅ…やっと自分の身体に戻れたよ』
「(…何で理性に来てんだよ」
『いや、膝枕していい雰囲気だったし幽々子さんって静夜の好みだと思ったから邪魔しちゃ悪いと思って』
「(…そんな気遣いはいらん)」
静夜の霊力を探し出し自身の理性に移動すると幽々子に膝枕をしながら煙管を吹かしている静夜がいた。別に幽々子に膝枕をするのは良いのだが僕の身体でしないでほしい。変な噂が立ったらどうしてくれる。
『ふふ、そうだね。それよりもそろそろ僕も外に出たいから身体借りてもいい?』
「(…好きにしろ。寝てる奴を起こすのは忍びないからな。分かって ると思うが『狐のお面だったよね?』あぁ。)」
『うーんっと…あったあった。まだ使ってたんだねこの※お面※』
「(…俺にとっての戒めだからな。捨てることなんてできねぇ)」
『戒めか…』
溜息交じりに呟きながら静夜が僕と入れ替わる際外していった狐のお面を拾い上げ顔に付ける。付け心地は悪くないのだが視界が狭まっている為辺りを見渡しずらい。昔の忍者が付けていたようなモノと似てはいるが霊力が纏われていたり、顔に付ける際に霊力でくっつけるなければならないと言った若干違う所があるみたいだ。僕は詳しく知らないけどね。
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「ふぅ…大分身体が鈍ってるみたいだね。身体が動かしづらいよ」
「…流石に三百年はデカいか」
「取り敢えず、体を鍛え直さないとダメだよ?今の状態だと十分の一の僕にすら勝てないからね」
「…お前が異常なだけだ」
「異常何て酷いね。鍛えただけだよ」
静夜の身体を借りて理性から出ると身体に力が入らないことに気が付く。取り敢えず立っているのが辛いので適当な場所に座る事にした。まぁ、何百年も寝ているって事で大体は予想はついてたけどね
「…まぁ、いい。それよりも明日宴会があるらしいな」
「うん、確かその筈だけど何で…あ、そういえば静夜騒がしい所苦手だったっけ」
「…苦手ではねぇが居心地が良いとは思わねぇな」
静夜は物静かな性格な為宴会などのワイワイとした場所は苦手な部類に入る。因みに僕と狂助は騒がしくても、静かでもどちらでも平気だ。まぁ、僕の場合は少し静かな方が好きかな?
「それは困ったね。幻想郷だと異変が解決する度に宴会が行われるみたいだけど参加するの?」
「…気分次第だ」
「無理に参加することもないしね。気が向いたら入って来なよ。どうせ宴会が始まったら白玉楼の屋根の上に居る気でしょ?」
「…それも気分次第だ」
「わかったよ。取り敢えず幽々子さんが起きるのを待とうか」
未だにスヤスヤと眠っている幽々子を見ながら※作り笑い※を浮かべた
性行為で思い出しましたがフランとの初夜小説がまだ出来上がっていないことを思い出しましたので次回はそちらを投稿できればと思います。
それでは次回もよろしくお願いします!!




