再び暴れだす狂気
どうも皆さん今晩は未だ調子が悪い夜桜デビルです。今回はバトルと言いましたが若干バトル?になりましたw 本当は昨日投稿しようと思っていたんですが間に合いませんでした…申し訳ない…
今回は狂夜さん視点です!それではどうぞ!!
「(中に入ったはいいけど…前来た時ってこんなに散らかってたっけ?)」
紅魔館の中に入るとまず目に入ってきたのは瓦礫や家具などの残骸。しかし僕が驚いたのは※外壁のみを残し全て無くなっていることだ。恐らくこの残骸全てが元は部屋の壁や家具だったのだろう。
「(一階がこの有り様ということは地下にいる可能性は低いかな?外の外壁に傷はなかったから外に出たとも思えないし…あとあるとすれば)」
少しだけ視線を上に向ける。それと同時に上の階から微かにだが破壊音が聞こえる。下に被害が来ていないのを考えるとパチュリー辺りが上の階全域に結界でも張ったのだろう。取り敢えずここにいても何も分からないので上の階に行くことにしよう。
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「衝撃!!」
床を突き破り二階へと到着。もちろん床を突き破って二階に来たのにも理由がある。それは結界に必要以上のダメージを与えない為である。普通に二階に上がり結界を壊すと壊した部分からの余波が伝わってしまい傷つけなくてもいい箇所まで傷が入ってしまうことがある。もちろん結界に傷が入ればその部分に力を再度流し込み結界を張り直さなければいけなくなり術者にも負担がかかってしまうが、今回は結界の底面である床だ。一般的に地に結界を張る際は底面には結界を張ることはしない。理由は簡単、地面によって結界に使っている力が吸収されてしまうからだ。霊力は生きるものにとって必要不可欠なモノというのは前に話したがそれは人間だけではなく自然という大規模なモノも霊力を必要とするのだ。それ故地面に接する面が大きい結界を張ると接している部分から少しずつだが確実に力が吸収されてしまう。それの為基本的には地面に接する面を極力減らしたり、今回の結界のように結界の端だけ地面に接触させたりと様々な方法で力を取られないようにしないと無駄な力まで使い、損してしまうという訳だ。
「…あなたは普通に出てこれないのかしら?」
「ふふ、ちゃんと分かったうえでの行動なので。それとも結界を半壊させて入ってきてほしかったですか?」
「…いいえ私にとってはありがたいわ。それに結界には詳しいみたいだしね」
「いえいえ、詳しいだなんて大袈裟ですよ。その辺りの分野を少し齧った程度ですから」
はぁっと溜息を一つ漏らすパチュリー。この法則?は結界を張れるものなら誰でも知っている初歩的なものだが一番忘れてはいけないものだ。例えば今パチュリーが結界を張っている範囲|(中学校にある武道場くらいの大きさ)に地面に接した結界を張るとすると今の僕の霊力だと十秒近くで生きる為に必要な霊力もろともすべて失ってしまう。…初歩的なものだからといって怠ると良くて過労で倒れる程度だが悪ければ自身の体ごと自然のエネルギーとして消え去るからだ。
「さて、そろそろフランちゃんを止めないといけませんね。狂気が漏れ出してますし」
「…やっぱり完全ではなかったのね」
「不安定とは言いましたよ。ですが…ここまで漏れ出すとはいやはや吸血鬼は恐ろしいですね」
いくら不安定だとしても此処まで酷くはならないと思っていたが少し吸血鬼を嘗めていたみたいだ…
「…だけど何か不自然なのよ。前に見たことがあるフランの顔はもっとこう怖かったはずなのに今はただ寂しさを紛らわしているような」
「あぁ…一つだけ心当たりがありました。それと今回のは無意識ではなく意図的なものですよ」
「え、ちょっとどういうことよ」
にっこりと※作り笑い※を浮かべフランたちが戦っている上空へと飛ぶ。今回は戦わなくて済むといいんだけど…
「お、やっと帰ってきたか狂夜」
「ごめんね~ちょっと遊び過ぎちゃってさ」
上空に上がると弾幕を適当に放ちながら煙草を吸っている狂助が声をかけてくる。適当とはいったが放たれる弾幕は全てフランに向かって飛んで行っている。あ、レミリアに当たった
「ちょっと狂助私に当ててどうするのよ!!」
「悪い悪いフランが動き回るもんで狙いがずれちまうんだ。それよりよそ見してると来るぞ」
狂助が声をかけたと同時にフランがレミリアに向かって※黒い炎を纏ったレーヴァテイン※を振り下ろすが咄嗟に前に構えたグングニルでレミリアはレーヴァテインを受け止める。
「…これは僕も行ったほうがいいかな?」
「行った方がいいじゃなくて行け。お前も分かってんだろ今のフランは「そこまででいいよ。分かってるから」それなら早く行ってこい」
面倒くさそうに狂助は言い放つと先程よりも密度の濃い弾幕をフランに向けて放ち始める。僕の霊力の量を感じ取ったのだろう遊びとはいえこの体だとフランの弾幕が一度でも当たれば消えってしまう為僕に意識を向けさせないようにする為のものだろう。まぁ大半は腕を切ったときに使った能力が原因みたいだけどね。内心で狂助に感謝しつつレミリアと競り合っているフランの元に飛ぶ。
「ちょっと来るのが遅いんじゃないの?」
「これでも早く来たほうですよ…結構距離あるんですよ白玉楼からここまで」
「それでもよ。今までずっとフランの相手をしていた私に感謝してほしいわね」
「あ、そうですね。ありがとうございますレミリアさん。それと今の僕は戦えないのでもう少し抑えてもらっていいですか?」
「はあ!?なんでよ」
さらりと答えると若干声を荒げるレミリア。疑問に疑問で返すのはどうかと思うが取り敢えず簡単に説明しよう。
「今の僕は分身なので霊力がもう殆どないんです。それに分身なのでフランちゃんの弾幕を受けたら消えてしまうんですよ」
「ぶ、分身?どういうことよ」
ちょっと省き過ぎたのかレミリアは驚くだけだった。ちなみに狂助と静夜はこれだけで僕の伝えたいことを把握してくれる。あの二人はやっぱり凄いと思う。
「すみません省き過ぎました。今から狂助に狂力を分けてもらうんですが僕は今分身の身体なのでフランちゃんの弾幕の威力であると一発で消えてしまうのでそれまでフランちゃんの相手をしてほしいということです。分かりましたか?」
「…要するフランを足止めしておけばいいのね?」
「凄く簡易的に言えばそうです。そうですね…五秒でいいです」
「ご、五秒でいいの?」
「はい五秒でいいです。ですがその五秒の間は僕と狂助は弾幕を避けることも弾幕で援護もできません。開始は嫌な気を感じた瞬間からでお願いします。それでは頼みました」
少し早口で要件を伝え狂助の元へと向かう。さて、ちゃんと五秒間保ってくれればいいんだけど。
「早いお帰りだな狂夜」
「ふふ、なんで戻ってきたか分かってるんでしょ?」
「当たり前だ。それで何秒だ?」
「五秒でお願い。レミリアさんにもそう伝えてきた」
「…お前が動けるのは長くて十秒それを過ぎた瞬間分身は弾け飛ぶ…分身から抜け出るタイミングを間違えるなよ?」
「うん。まだ僕は死ぬつもりはないから。それじゃあ早速お願いね?」
「おう、任せとけ」
にやりと悪い笑みを浮かべながら狂助が僕の体に触れる。すると身体から黒い煙のようなものが噴き出し始めた。
さてさて、狂夜さんたちは五秒で何をしようとしているのでしょうか。そして違和感のある狂夜さんのパチュリーへの返答…
それでは次回もよろしくお願いします!!




