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幻想残酷記(休載中)  作者: 夜桜デビル
第二章 怨念が巣食う冥界‐白玉楼
30/56

白玉楼の主‐西行寺幽々子

どうも皆さんこんばんは夜桜デビルです。今回は少し表記がおかしなところがあると思いますがスルーでお願いします!


今回は静夜君視点でどうぞ!!


※15000PV4000ユニーク超えました!見てくださっている方本当にありがとうございます!!

「…もう始まってるな…」


白玉楼内に入ると既に中では激しい戦いが繰り広げられていた。博麗と霧雨を先に行かせたのだから当たり前なんだが。蝶形の弾幕にお札、ナイフ、魔力の弾幕等が次々と放たれては相殺、放たれては相殺と弾幕ごっこと言うよりも打ち消し合いに近いモノになっているんだが…


そして放たれているモノの中にナイフがあったのだがこれは何時からか来ていた十六夜のものだ。またレミリアが命令などと言ってこの寒い中異変へと行かせたのだろう。そう言えばフランちゃん大丈夫かな?


「(…狂夜途中から可笑しいぞ。俺は人を下の名前で呼ばないしな)」


『…あはは、間違えちゃった』


さっきまでの回想は全部狂夜が俺の代わりに話していたもので俺は一切話してはいない。それに矛盾点もいくつかある。まず先に行かせたと言っていた博麗?と霧雨?、俺は名前すら今の今まで知らなかった。ということはレミリア?や十六夜?という人物も知らない。その理由としてはまず狂夜がこの人物らにあった後に俺が起きたことが主な原因になるのだがメンドクセェから割愛で。


『それでこんな激しい弾幕の嵐の中に入るつもりなの?』


「(…あぁ。確か博麗の巫女と普通の魔法使いを守れば後は何してもよかったな?)」


『うん別に殺してもいいと思うよ?狂助には※巫女と魔法使い※としか言われてないから…静夜また怖い顔になってるよ』


「(…お前の好きな笑顔だろ?)」


狂夜の返答につい口元が緩んでしまう。


『静夜の笑顔は怖い笑顔だよ。僕みたいにしっかり笑わないと』


「(お前の笑顔は気味が悪い)」


ニッコリと※作り笑い※を浮かべる狂夜に悪態をつく。


『これくらいできないと人は騙せないってことだよ。幻想郷ここには心を読むって言うさとり妖怪もいるみたいだからね』


「(いくら表面を偽っても心は偽れないだろ…お前の能力なら不可能じゃないが)」


狂夜の能力はありとあらゆるものを逆にする。それは限度を知らず自分の運命は愚か他人の運命や天地さえも引っ繰り返す。もちろんそれ相応の霊力を消費する為大きすぎるモノを逆にした瞬間霊力はゼロになり死亡する。死亡する理由としては前に狂助が話したらしいから割愛だ。


「(…話はこれくらいにしてそろそろ行く。狂助との約束がある)」


『それじゃあ、行こうか。久し振りの狂助からの頼みだしね』


一度話をやめ、激戦が繰り広げられている中庭付近へと向かった。




------静夜クールボーイ移動中------




「(……)」


中庭辺りの上空に移動すると先程よりもよく弾幕ごっこの様子を伺えた。まず、この異変の首謀者である西行寺幽々子は三対一と圧倒的に不利な状況下の中余裕綽々といった表情で笑顔を浮かべている。それに対して博麗の巫女達は博麗の巫女を除く二人、白黒の女とメイド服の女は荒く呼吸をしている。


『白黒の方が魔理沙で、メイド服の方が咲夜だよ。…魔理沙の方は構えてる八卦路から煙が出てるところから結構な数マスタースパークを撃って魔力を使い過ぎたみたいだね。咲夜の方は…無理矢理体を動かしてるって感じだね…首を時々手で摩ってるってことはまだ相当体に痺れが残ってる筈なのに…今度レミリアに文句言いにいかなきゃ!』


「(最後の方の文句はいいとしてアイツらはただのガス欠と絶不調ってことだな?)」


『あ、うんそうだよ。魔理沙の方は自然に回復するのを待つだけでいいんだけど、咲夜の方はそうは行かないんだよねぇ…』


「(神経を麻痺させたやつだな?…取り敢えず今回は首謀者だけを殺すでいいな?)」


先程と同じ長刀を腰に縛っている鞘から抜く。刃の部分以外は全て真っ黒な刀。その刃先からポタポタと刃先から赤い血が地面へと滴り落ちる。化物の血がまだ付着していたみたいだ。鬱陶しいので二回程刀を振り血を吹き飛ばす。


「(…行く)」


『はいはーい』





---------------------------




激しい弾幕を躱しながら巫女服を着た女のところへ近づく。


「遅かったわね…来て早々で悪いけどさっそく戦ってもらうわよ」


「…お前が博麗か?」


「はぁ?アンタ何言ってるのよ。そうに決まってるでしょ!」


「霊夢彼は狂夜じゃないわ。口調が違うでしょ?」


何故かイラついている様に答える博麗にメイド服を着た女が宥める様にして答える。こいつが十六夜咲夜か?息も絶え絶えしいので多分そうだろう。


「お、やっと来たか」


よろよろとふらつきながら近づいてきたのは魔女そのものといった服を着ている女。手には未だ煙の出ている八卦路。こいつが霧雨か?


「お前は…霧雨か?」


「そうだぜ。口調が違うってことはお前は狂夜じゃないな?」


「…あぁ」


「狂夜じゃないって…ならあんたは誰なのよ!」


「…話す必要はない。俺の目的は異変の首謀者を殺すこと…それが終わればすぐ消える」


今回の俺の目的は異変の首謀者‐西行寺幽々子を殺すこと。それが終われば狂夜の中へ戻り眠りにつく。


「ん…なら何て呼べばいいんだ?名前が分からなきゃ呼べないぜ?」


「それもそうねぇ」


「…静夜だ」


「静夜?アンタの名前?」


「…そうだ」


意外そうな声で聞き直してくる博麗に少しイラッとしたが気にせず煙管に火を着ける。


「静かな夜で静夜…雰囲気的にはピッタリね…」


「同感だぜ」


「いつまで話し合っているの~?待ってあげてる私の身にもなってほしいわ~」


魔理沙が同意したと同時にユッタリとした声が聞こえる。声が聞こえた方を目だけで見ると扇子で口元を隠した女が立っていた。口調がユッタリとしている為か着ている服もユッタリとした桜花おうかの模様をあしらった着物。しかし女の周りには淡い紫に輝く蝶型の弾幕が浮遊している。話し合いが始まってしまった為撃つタイミングを逃したのだろう。


「ふぅ…お前が異変の首謀者‐西行寺幽々子か?」


「えぇ、そうよ」


「…意外だ。お前みたいなのが態々異変を起こすなんて」


「ふふふ、偶には思い切った事をしようと思っただけよ?」


クスクスと笑う西行寺。扇子で口元を隠している為表情は分からないが隠れていない双方の目は何か悲しみの感情が込められているように見える。


「…霧雨」


「お?なんだ」


後ろを振り返り霧雨へ向かって腰に縛ってあった長刀を投げる。


「…少しの間持っててくれ」


「そりゃいいけど…ってうわぁぁ!!!」


霧雨が長刀を掴んだ瞬間地面へ向かって落ちていきズドォン!!と言う音が白玉楼内に響き渡った。


「ちょ、ちょっとアンタ今何したのよ!」


「…刀を投げ渡しただけだが?」


「まぁ、本当にそれしかしてないものね…それよりも魔理沙大丈夫かしら」


「…霧雨なら大丈夫、魔法使いだろ?」


「それもそうね。あんなんでも一応は魔法使いだものね」


話し合いの結果魔法使いだから大丈夫という結論へと辿り着いた。


「…待たせた西行寺。文句は後で落ちた霧雨に言え」


「ふふ、面白いものが見れたから許してあげる~」


今度は本当に笑っているみたいで肩が若干だが震えている。そこまで面白かっただろうか?


「さぁ、お喋りはここまでにしてそろそろ始めましょ?本当の弾幕ごっこを」


「あぁ」


その言葉を皮切りに白玉楼内に膨大な霊力が吹き荒れた。

さてさてなぜ刀を持った瞬間魔理沙は地面に落ちてしまったのか?それは何話かに書きますのでご安心を!とはいっても何か特別なことで落ちたわけではありません!


それでは次回もよろしくお願いします!!

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