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幻想残酷記(休載中)  作者: 夜桜デビル
第二章 怨念が巣食う冥界‐白玉楼
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死者の住む場所へ

皆さんこんにちは…テスト週間により投稿が遅れてしまい申し訳ありません(今週の金曜日までテストありますけど)そして、悪い知らせが一つ…何と今頃になってスランプが到来しました…。何とか今回は纏められたような気がしますが可笑しな点が多々あると思いますので御了承のうえお読みください。


今回は狂夜さん視点でどうぞ!

「ん…んぅ…もう朝か…」


眠い目を擦りながら体を起こす。辺りを見渡す何故か僕を囲むようにして雪の壁が出来上がっていた。え?寒くなかったのか?だって?前に言ったような気がするけど自動で能力が発動する時があるんだよ。今回は寒いと感じるを感じないに自動逆転したみたい。逆転してなかったら今頃凍死してるよ。あ、僕死なないんだった。


「(能力使ってなかったら生き埋め状態で身動き取れなかったかもなぁ~)」


たははっと乾いた笑が溢れる。昨日の夜お酒を飲み終わった後部屋に戻るのが面倒くさくなり屋根の上で寝ることにした。その時も少し雪が降っていたから僕に周りに雪が積もらないよう能力【雪が僕の周りに雪が降るを降らないに逆転】を発動して寝た。その結果、僕から約1メートル程離れた場所には雪が普通の二倍程多く降ることになり、起きた時に雪の壁が僕を囲むようにして出来ていたという訳だ。


「狂夜いる?って、何これ!?狂夜生きてる!?」


「あ、霊夢さん何かですか?ちょっと雪が降り過ぎたみたいで囲まれてますけど一応生きてます」


「降り過ぎたってレベルじゃないと思うけど…まぁ、いいわ。御飯出来たから伝えに来たのよ」


「あ、すみません。泊めてもらった挙句朝食まで」


「いいのよ別に。私は先に食べてるから煙草吸い終わってからでいいから居間に来なさい」


「分かりました」


何故煙草を吸っているとバレたのか?と思ったが上が筒抜けになっているのに気がつき、そこから煙が見えたのだろうと結論づけ再び煙草を吸い始めた。




「あら、早かったわね」


「早かったですか?」


居間の襖を開けると炬燵に入り段々と朝食食べていた霊夢が声を掛けてくる。朝食は白米に味噌汁、お浸しに焼き魚と言った和風中心みたいだ。何故か日本酒の瓶が置いてあるが


「ほら、来たんだったら早く食べなさい。冷めちゃうわよ?」


「そうですね。それじゃ、頂きます」


炬燵に入り、まだホカホカと湯気の立つ焼き魚を箸でほぐし一切れ口に運ぶ。味は申し分ない、しかし、僕の中でこの味はどこかで食べたことのあるような懐かしい感じがした。


「どうしたの?もしかして口に合わなかった?」


「いえ、とても美味しいです。少し懐かしい味だなって思って」


「懐かしいって言われても今日初めて私の料理食べさせたはずよ?もしかして母の味みたいなものかもね」


ふっと頬を緩めた霊夢の笑顔は現世では絶対に見ることのできない様な優しくそれで言って可愛い不思議な笑顔で不覚にも一瞬ドキッとしてしまったが顔には出さない。僕のポーカーフェイスをナメてもらっては困る。


「ふふ、そうかもしれませんね」


そう言っていつもの※作り笑い※を浮かべる。しかし、少し違和感があったが気にはしなかった。それが自分の中の何かが変わり始めているサインとも知らずに…





--------------------





「(え?今回は狂助戦わないの?)」


『あぁ、「狂夜おまえがいない!」ってフランが暴れだしてな。俺がここにいる限りは絶対に狂夜はここに来るって言って何とか収まったが…』


「(隔離されてるってこと?)」


『まぁ、そんな様なもんだ。ご丁寧に魔法や霊力で強化した鎖やら何やらを付けられてな』


朝食を終え借りた部屋で霊力を蓄えていると狂助から理性こころに連絡が入った。嘘を言っているのか?と思い、紅魔館にいる狂助の狂力を探ったがギリギリ僕の理性に話し掛けることができる量まで押さえ込まれていた。


「(確か、僕の種族を確かめる為だったっけ?)」


『おいおい、何でお前がそのことを知ってんだよ』


「(一心同体何だから当たり前でしょ?何て建前は置いておくとして狂助※通信※入れっぱなしだったよ?)」


『っあ~やっちまった〜』


「(大丈夫だよ。僕も本当に自分が人間なのか知りたかったし丁度いい機会だと思ってね)」


通信とは僕と狂助が分離した際、僕らのどちらかが話している内容を聞かせる為のものでいつもは機能していない。お姉さんに呼び出されたということで僕にもその内容を聞かせようと通信を入れていたのだろう。しかし、この一見便利そうな通信だが実は凄く燃費が悪く、使う霊力(狂力)が理性こころに話し掛けるよりも倍近く必要とする。まぁ、殆ど使わないから関係ないけど


『お前自身さえ人間か分からないとなると今回の異変でわかるか不安になるんだが』


「(そんなこと言われても普通の人間が狂気を体に住ませるなんて荒業出来る訳ないでしょ?)」


『まぁ、そうなんだが…なら、俺がワザと狂力を抑えているのにも気づいてたのか?』


「(ううん。魔力と霊力も感じたから本当に抑えられてると思ってた)」


『はぁ…まさか自爆するとは思わなかった…まぁ、そう言う事で俺は今回参戦しねぇから※アイツ※にでも頼ってくれ』


「(素直に出てきてくれるとは思わないけどね…それじゃ、『おっと、待ったまった』まだ何かあるの?)」


意識を戻そうとした瞬間狂助に呼び止められる。何故かニヤニヤしながら。


『お前…フランを抱いたらしいな』


「(…誰から聞いたの?)」


『そんな睨むなって、教えてきたのは八雲…いや、お前にとっては姉だったか?にだ。博麗神社に送る際に行為後のお前とフランの姿を見ちまったらしく、意外と積極的なのか?と聞かれたんだ』


「(あぁ~それならバレても仕方ないよ。あの時僕の近くにいたことにも全く気付かなかったしね。それより狂助はどうなの?)」


『俺はまだ見定め中だが今は博麗、咲夜辺りが好み的にはあってんな』


「(あの巫女さんとメイドさんか…どっちも狂助と釣り合わないような気がするんだけど?)」


『ははは、俺に釣り合う奴なんて月に住んでる月人くらいしかいねぇだろうな。だがな、俺は別に釣り合うとか釣り合わないとかそんなこと正直どうでもいいと思うんだ。それにお前とフランだって釣り合わねぇだろ?』


「(それを言われると反論しようがないよ。まぁ、詳し事は異変を解決してから話し合おう)」


『おう。それと…できるだけでいい博麗を守ってやってくれ。ついでに霧雨もな』


「(はぁ…流石に無傷は無理だし、僕に危害が加わりそうだったら即切り捨てるからね?)」


『あぁ、それで構わない。そんじゃ、また異変解決後にな』


「(うん。また後でね)」




---------------------




「(ん…今何時かな?)」


意識を戻し辺りを見渡す。場所は変わらず借りている部屋

みたいだが真っ暗で何も見えない。結構な時間理性こころの中で話していたみたいだ。


「あら、寝てたの?」


体がちゃんと動くか確かめる為両手をグーパーグーパーと動かしていると正面の襖が開かれ誰かが入ってくる。一瞬お姉さんかと思ったが声が違う。この声は霊夢の声?


「はい、今起きた所です。時間大丈夫ですか?」


「えぇ。まだ、魔理沙が来てないから大丈夫よ。それより…よくその体勢で寝れたわね」


苦笑いにも似た笑をこちらに向けながら明かりを付ける霊夢。不思議に思い自分の体勢を見てみると座禅をした様な体勢だった。これは誰が見ても寝ている体勢とは思えないだろう。


「寝ていたと言うよりも瞑想に近いものをしていたので」


「瞑想ねぇ〜。霊力も回復しているみたいだし嘘ではないみたいだけど」


少し疑うような目を向けてきたが霊力が回復しているので嘘にはならなかったみたいだ。本当は狂助と話してたんだけどね。


「ふふ、流石に足を引っ張るのは御免ですからね。さて、僕は少し準備をしますので先に居間に居てください」


「分かったわ。もう少しで魔理沙も来ると思うから早めに来て頂戴」


それだけ言い残し霊夢は部屋を出ていった。準備と言ってもナイフの手入れをするだけなんだけどね。





------------------





「お、来たか」


居間に入ると炬燵に入り湯気の出ているお茶を飲んでいた魔理沙が声をかけてきた。少し待たせてしまったみたいだ。


「すみません待たせてしまったみたいで」


「魔理沙も今来たところだしそこまで畏まらなくていいわよ」


「そうだぜ。それよりも全員揃ったことだしそろそろ冥界に向かわないか?」


「そうですね。時間もいい頃ですし」


居間の壁に掛けてある時計を見ると夜の八時を少し過ぎた辺りだ。異変解決に行く時間を考えるとそろそろ向かわなければ深夜に帰ってくることになってしまうだろう。


「なら、さっさと行きましょ」


「おう!」 「はい」






------少年少女移動中------






「これは…春の欠片?あそこに集まってるみたいですね」


博麗神社を出て数分飛ぶと薄ピンクに輝く光の玉が辺りに現れだし、触れてみるとほんのりと暖かい。これが春を具現化した欠片のようなものみたいだ。その欠片は無数にある場所へと吸い寄せられる様に飛んでいき、目で追っていくと大きな木がある屋敷のようなモノが見えた。


「あそこが冥界よ。…そしてあれが今回異変を起こした首謀者が咲かせたいと言っていた木みたいね」


「大分デカくないか?あの木」


「春の欠片を栄養として巨大化しているみたいです。それに何か怨念の様なものが込められているみたいですし、早めに対処した方がいいと思いますが」


一般の木と比べて三倍近く大きい。遠目だがまだ大きくなっており、呪いの様な禍々しい気配すら感じる。


「言われなくてもそのつもりよ。ほらボヤボヤしないで行くわよ」


「そうしたいのは山々なんですが…来客みたいですよ?」


言葉を発すると同時に霊夢の前に移動、ナイフホルダーからナイフを取り出し振るう。刹那、キィィンっという金属同士がぶつかり合う音が鳴り響く。


「私の接近に気づくとは貴方中々やりますね」


「お褒めいただきありがとうございますねっと!」


ナイフを滑らせるように動かし相手の刃先をずらす。第二打が来る前に後ろへ下がりナイフを構え直す。


「霊夢さん、魔理沙さん先に行ってください。彼女は僕が相手します」


「え、えぇ、分かったわ」


「お、おう、こいつの相手は任せたぜ」


少しの間思考が止まっていたみたいで吃りながら返事をして霊夢と魔理沙は冥界への入口ー白玉楼へ飛んでいった。


「さて、貴方の相手は僕がさせて頂きますね?魂魄妖夢さん」


「貴方…なぜ私の名前を…いえ、今はそんなことはどうでもいいですね」


にっこりと※作り笑い※を浮かべ情報にあった名前を出すと少し驚いた妖夢だがすぐに思考を切り替え刀を構え直す。


「(はは、切り替えが早いこと…)」


内心で苦笑いをしながらナイフホルダーへ手を伸ばした。


はぁ…何故今頃になってスランプが…。次回までに何とか克服しておきますので…


それでは次回も宜しくお願いします!

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