忠告と約束
どうも皆さん今晩は、最近勉強に見が入らない夜桜デビルです。今回は狂夜さんの手当てをしたあとの狂助さんのお話です。若干狂夜さんの方と噛み合っていないところがあるかもしれませんがご了承下さい。
それでは今回は狂助さんsideからどうぞ!!
「おい、来てやったんだからさっさと姿を表せ八雲 紫」
風呂場で狂夜の手当てを終えた後、向かったのは魔法の森と言う魔力が辺りに満ちている可笑しな森。来た理由は幻想郷の管理人兼現世での神隠し現象を起こしている八雲 紫に呼ばれた為だ。何故俺なのかは大体は予想できる。それは俺が幻想郷に悪影響を与え兼ねない存在だからだ。何度も言ったが狂気は生きとし生けるもの全てに少なからずあるもの。勘のいい奴は気付いたかもしれないが弱い狂気が強い狂気に当てられると不思議な事に狂気が膨大に膨れ上がる。と言うことはいや、後は言わなくてもわかるか。しかしこれは仮定に過ぎない。本当の目的は呼び出した八雲以外にはわからないのだ。
「あら、狂夜君はいないのね」
「あぁ、大分無理して今は辛うじて動ける位まで体がボロボロになっててな」
「そんなになるまで何をしたのかしら?」
「フランと戦ったんだ。それも狂気に溺れた」
懐から煙管を取り出しマッチで火を着ける。刻みタバコを入れてないのは狂力で代用できるからだ。
「よくあの娘に勝てたわね。貴方も手伝ったのかしら?」
「ふぅ…残念ながら手伝ってねぇ。一人で戦いたかったみたいだからな」
「それは本当かしら?吸血鬼に人間が勝てるとは思えないわ。狂気に溺れた状態なら尚更ね」
「はは、そりゃそうだ。だが、ホントの事だからな。それにアイツ…狂夜は俺よりも強い、幻想郷で勝てる奴なんていねぇんじゃねぇか?」
ケラケラと笑いながら煙を吹き出す。しかし笑う俺とは対照的に八雲は思い悩むような顔をしている。
「そんな考える事ねぇよ。実質俺も狂夜も誰にも危害を加えてねぇ訳だし、ただ…一つだけ忠告しておくぞ?絶対に※狂夜を怒らせる※な…お前が殺されるだけでは済まなくなるぞ?」
「…忠告ありがとう。今はまだ警戒程度にしておくことにするわ。それで貴方をここに呼んだ理由は※小路狂夜は何者※かを聞くためよ」
「狂夜が何者か?そうだなぁ…俺にもわからん」
「え!?貴方何千年も一緒に居たんでしょ?何でわからないのよ」
「…それだけ一緒に居た俺でも狂夜の本当の正体がわからないんだよ。強いて言えば普通の人間ってことだけはわかってる」
再び煙を吹き出す。小路狂夜、俺と一心同体の人間。心を狂気に侵されても発狂も狂うことすらせず普通の人間として生活をしていた人間。いや、今はもう人間じゃない…人外に分類されるだろう。膨大な量の霊力を持ち、狂気である俺を体に宿している。これはもう人間とは言えないだろう。
「あれが人間?嘘言わないで人間が吸血鬼に「なら、何だっていうんだ?」それは…」
「現世には妖怪も妖精もまだいるが狂夜には妖怪が持つ妖力は微塵もないし、妖精であったとしてもあそこまで強い妖精は存在しない筈だ」
「……」
「更に神力もねぇから神ですらない、なら、答えは普通の人間だけになる。博麗の巫女も一応は人間、その線は無いとは言い切れねぇんだよ」
そう、博麗の巫女も元はただの人間。しかし持ち前の才能により今では大妖怪にも引けを取らない程の霊力と身体能力を身に付け幻想郷でも上位に立つ人間。狂夜も博麗の巫女と同じような才能を持っているとすると、あの短期間で狂気を制御し狂気に耐える体を手に入れるという異様な現象の説明にもなる。
「そう…話はこれで終わりよ。来てくれて助かったわ。帰りは送るわ」
「別に暇だったから来ただけだ。んじゃ、俺は行くわ。…あの忠告絶対忘れるなよ?」
最後に釘を刺し俺のすぐ横に現れたスキマの中を歩いていった。
side changeー八雲紫
「はぁ…」
あの狂気…確か狂助だったかしら?をスキマで送り返した後深い溜息と共に手頃な岩に腰を下ろす。話している時の狂助の威圧が異常なもので気が滅入ってしまった。忠告をしてきた時が特にだ。妖怪の信者である私がここまで気が滅入ってしまうのだ普通の妖怪なら発狂しながら逃げ去るだろう。
「あら、アンタがこんな所にいるなんて珍しいわね」
「霊夢?貴女こそ何でこんな所に」
考え事をしていると誰かが私に声を掛けてきた。顔を上げると目に写ったのは少し大胆な巫女服を着た博麗神社の巫女ー博麗霊夢だ。しかし何故彼女がここに?
「魔理沙にちょっと用事があるのよ。今回の異変についてね」
「異変…そうだわ!」
「ちょっといきなりどうしたのよ大声出して。可笑しなキノコでも食べたの?」
「違うわよ!そうよ…この異変に彼を連れていけば何かわかるかも…」
今回の異変の首謀者は私の友人ー西行寺幽々子。彼女の能力は【死を操る程度の能力】普通の人間ならば雑作もなく死へと追いやるチートも良いところの能力だ。狂助の言う霊夢と同じような才能を狂夜が持っているのなら何らかのチート級の能力を持っている筈だ。そうと決まれば…
「霊夢、先に神社に戻っていなさい。魔理沙もすぐに送るわ。あと、狂夜もね」
「え?ちょ、どういうこ、きゃあ〜」
考えが纏まりすぐさま霊夢の足元にスキマを出現させ博麗神社へと送る。さて、次は魔理沙ね。
「魔理沙~」
「お、紫じゃないかどうしたんだ?」
「話は霊夢に聞いて頂戴。それじゃ!」
「ちょ、まてっ、うわあぁ〜」
魔理沙の家にスキマを開き挨拶もせずスキマへと落とす。魔理沙だから大丈夫な筈よ。後でマスパ撃ってきそうだけど…さ、後は狂夜ね。
「(あらあら、お楽しみの後だったみたいね。案外積極的じゃない)」
部屋の隅へスキマを開き辺りを見渡すとベットの上でスヤスヤ眠るレミリアの妹ーフランドール・スカーレットとずり落ちた掛け布団を掛け直している狂夜の姿が見えた。それよりも部屋の匂いをなんとかしてもらいたい。雄雌の匂いが充満していて私まで火照ってきてしまう。
「(おっと、今回の目的を忘れるところだったわ…それじゃ、早速)」
すぅ~とスキマに姿を消し狂夜の後ろへと移動する。今回は力を大幅に消耗している為か気づかれることはなかったが少し寂しく思える。だってお決まりだったじゃない?っと、また話が逸れたわね。それじゃ、今度こそ…
「狂夜ちょっと来て頂戴〜」
「え?うわぁ~」
狂夜が腰掛けていたヶ所だけにスキマを開き落とす。隣に寝ているフランドール・スカーレットはそのままで。さて、ちょっと話をしてきましょうか。
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side changeー狂助
「って事があったのよ」
「いきなり過ぎやしねぇか?」
俺は今紅魔館で借りている部屋にいる。しかし目の前には何故か先程別れた八雲がスキマから顔を出した状態でこちらに話し掛けてきていた。八雲が現れたのは俺がここに着いてから数分後の事で色々と話を聞かされた。まず、今回の異変についてだ。今回の異変には博麗神社の巫女ー博麗霊夢、普通の魔法使いー霧雨魔理沙、そして今回の異変で霊夢達を援護及び守る役を任されたらしい狂夜の三人が向かうらしい。え?俺は行かないのかだって?行ったとしても出る幕ねぇよ。それに今回は狂夜の持つ霊力だけを使って戦ってもらわないといけない、もちろん正体を結論付ける為にだ。次に狂夜には仲間を思う気持ちが無いのか?と質問された。あるにはある、だけどアイツは深い繋がりを持とうとしない、傷付くのが怖いのだろう。そして最後の質問に俺は笑が溢れた。
「ねぇ、狂夜って意外とオトナの行為に積極的だったりする?」
「まぁ、現世では大分やってたみたいだぞ?それも行為が終わればサヨナラって感じのを。それがどうかしたのか?」
「ここに来たときその…フランとベットで寝てたし部屋の中も雄雌の匂いが充満してたから…えっと…」
「そうか…そりゃ良かった。最近欲求とか性欲が無いんじゃないか?ってくらい女を求めなかったから心配してたんだ。いや〜良かった良かった」
「え!?そこ喜ぶとこなの?だって見た目幼女と行為を行ったのよ?ロリコンじゃない!」
「別に見た目が幼女体型なだけで歳は約五百歳だろ?それでロリコンはねぇ。それに好きなもんを好きになって何が悪いってんだ?好きなもんを好きであり続けるのは悪いことじゃねぇだろ?」
「それはまぁ…その通りだけど…」
前にも話したような気がするが狂夜は見た目が幼い、純粋そうな女の子が好みだ。ん?俺はだって?ん~強いて言えば博麗辺りの年頃が好きだな。
「だろ?それに八雲がもし、人間の男に恋をした場合だって年齢的には八雲がショタコンになるんだぜ?」
「う…ま、まぁ、人間の男には恋なんてしないと思うけど…話は分かったわ。それで、異変のことだけれど」
「分かってる手は出さねぇよ。そろそろ俺も欲求不満になってきたし相手探さねぇと行けねぇからな。もちろんお前は断るぞ?八雲」
「誰も抱いて欲しいなんていってないでしょうが!全く…それじゃあ、異変解決に霊夢達が動き出したら知らせに来るわ」
「おう、任せたぞ」
はぁ、と溜息を漏らしながらスキマへと入っていく八雲に笑いかけてやると八雲も微笑を返してくれた。
「さて、誰を狙おうかねぇ…」
懐に入れてある煙管を取り出し咥え、マッチで火を着ける。自分以外いない部屋の中吹き出した煙と共に呟いた言葉は消えていった。
一応は狂夜さんの方に合わせて書いてみたのですがどうですかね?何とか収まったかな?くらいに私は思っているのですがどうでしょうかね?ま、次回で何とか挽回出来ればと…
それでは次回もよろしくおねがいします!




