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幻想残酷記(休載中)  作者: 夜桜デビル
第一章 吸血鬼が住む館‐紅魔館
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隠し事

どうも皆さんこんにちは最近漫画ばかり読んでいる夜桜デビルです。今回は狂夜さんの過去を少し書いていきます。何だか今回フランが泣きまくってるような…

そして安定の意味わからん文章になっていますがご了承ください。


それではどうぞ!!

カンッカンッと聞き慣れた金属音を響きさせながら金属製の階段を一段一段降りていく。そして降りていきながら頭に浮かんだ疑問を考え始める。疑問とはフランは何故態々自分の部屋に招いたのか?という疑問だ。何か僕が借りた部屋では離せない事なのだろうか?フランの部屋に訪れる人は少ない為内緒話をするには打って付けの場所だろう。


「さて、着いたのはいいけど…嫌な予感しかしないなぁ…」


最後の一段を降り目の前を向くと部屋は真っ暗で鉄のような臭いが充満していた。この臭いは最近嗅いだ臭い…血の匂いだ。


「っ!?」


禍々しい気配を感じ反射的に左横へとダイブする。直後赤く燃え上がる炎を纏った大剣が先程僕が立っていた場所を通過していった。


「(あの大剣は…フランのっ!?)」


うつ伏せのまま顔を上げると無数の弾幕が僕目掛けて襲い掛かって来ている所だった。立ち上がっている時間はないと判断し左側に転がるように移動するが、


「(しまったぁ…爆風の事考えてなかった!)」


弾幕の直撃は免れたが弾幕の着弾により発生した爆風に吹き飛ばされる。霊力が使えない為勢いを緩めることができず何度か床に体を打ち付け壁に叩き付けられる。


「(うぐっ…あ、ダメだこれ…体に力が…)」


頭がズキズキと痛むのに目の前がほやけていき、意識が遠のいていくのがわかる。意識が途切れる前、ぼやけた視界に服を真っ赤に染めた少女の姿が映ったがすぐに目の前が真っ暗になった。




--------------------------




「ん…ここは…」


目を覚ますとうつ伏せの状態でベットに寝かされていた。しかもワイシャツ?を着ていない包帯を巻いただけの状態で…。壁に掛けられたカンテラの火が薄く辺りを照らしている。体を起こし辺りを見渡すと鉄格子のようなモノに囲まれているのがわかる、部屋と言うよりも牢獄だ。辺りの床は所々乾いた血で赤黒く染まり座るのは少し抵抗がある。


「狂夜!」


「おっと、フランちゃんどうしたの?」


突然声が聞こえたかと思うと体に強い衝撃が走りベットに倒れそうになるが何とか持ちこたえ抱き付いてきたフランの頭をポンポンと軽く撫でると僕の胸の中から嗚咽が聞こえ始めた。




「落ち着いた?」


「…」


微かに頷くフラン。フランが抱き付いてきてから数分後嗚咽は徐々に聞こえなくなり今は大分落ち着いたみたいだがフランは未だ僕の胸に顔を埋めたまま抱き付いているので満足するまで頭を撫でてやる。主に僕がだけど。


「フランちゃん、そんなに気にしなくても大丈夫だよ。体はちゃんと動くから」


もちろん嘘だ。体はダルく、鉛のように重いし頭には鈍器で殴られているような頭痛が襲っており正直喋るのもキツいが※作り笑い※でそれを誤魔化す。


「嘘はダメだよ狂夜…本当は喋るのも辛いんでしょ?私には分かるよ」


僕の胸に埋めていた顔を少し上げスルリと包帯の巻かれていない鎖骨辺りを指でなぞり始めるフラン。少しくすぐったかったがある部分を通り過ぎた時ジクリと鈍い痛みが体に走る。


「はぁ…吸血したんだね。それじゃあ最初から嘘だって分かってたんだ」


「うん…狂夜は大丈夫じゃないのに大丈夫だって言うと思ったから」


ただ心配そうに僕を見上げるフラン。その姿は僕の欲求を駆り立てたがそれよりも不満が優った。


「吸血はまだ、許してあげる。でもねフランちゃん…僕の事を理解したようなことはもう言わないで…今度は止められる自信がないから」


「……」


フランの首筋には僕の左手に握られたナイフが寸での所で止められ腕の揺れと共にカタカタと音を立てる。しかしフランは僕の言葉や行動に怖じけることなく無言のまま僕を見上げている。まるでルビーの様に赤い瞳は涙で潤んでいるが何かを決意したような何かを含んでいる様な気がする。


「ねぇ、狂夜は何を隠してるの…どうしてそんな悲しそうな顔をしてるの」


「…何も隠して何ていないし悲しそうな顔もしてないよ。もし隠していてもフランちゃんには関係のない事…何も話す事なんてないよ」


※作り笑い※を作り表情を繕う。フランには話せない…いや、話すつもりはない。話したところで少しの同情をされるだけですぐに忘れられるし失った者が返ってくる訳でもない。なら、話す必要なんてない。


「…フランには狂夜の事はまだ良く分からないけど…話くらい…」


「それが要らないことなんだよフランちゃん。どうして分かってくれないのかな…やっぱりここで殺してあげようか?」


「狂夜がフランを殺したいのなら…殺してもいいよ。でも…ちゃんと隠していることを話してくれてから」


じっとこちらを見上げている赤い目が紅に変わる。この目は確か狂気に呑まれたときに見た覚えがある。怒りで狂気が漏れ出したのだろう。そしてフランの右手が不意に僕の顔へと伸ばされる。反射的にナイフを振るおうとしたが何時の間にかフランの左手に掴まれており動かすことができない。これは死んだかな?抵抗を諦め来るであろう痛みに耐える為ゆっくりと目を閉じる。目を閉じたすぐ後、ヒンヤリとした感覚が左頬に感じる。しかし、僕を襲う筈の痛みが来ない。冷たい手は僕の頬から離れていないしナイフを抑えている左手も一向に動かない。状況を把握する為閉じた目をもう一度ゆっくりと開ける。


「何でフランちゃんが泣いてるんだよ」


「……だって」


「だってどうしたんだよ。フランちゃんが泣く所なんて一つもなかったでしょ…」


目を開けるとなぜか泣いているフランが映った。右手はこちらに伸ばされ僕の頬に触れている。この冷たい感覚はフランの手が頬に触れたものだとようやく気が付く。左腕はまだ掴まれているが一般人波に力が落ちている僕でも容易に振り解ける程に力が弱められている。


「だって、フラン狂夜に聞かずに吸血したり、悲しそうな感じがしただけで悲しそうな顔してるって決めつけたり、隠し事も無理矢理聞こうとしたり、それからそれから」


「気にしなくていいよ。吸血の事も隠し事を聞こうとしたことも。それより隠し事を吸血での情報で知ろうとしたみたいだけどどうだった?」


「…ぐすっ、どうだったって?」


「どういった情報が流れてきたかってことだよ。僕の隠し事をどこまで知っちゃったかと思ってね」


段々と自分が犯した罪?を述べるフラン。別にそこまで気にしてはいないが隠し事がどこまで知られてしまったかだ。


「誰かに何か背中に書かれているところと誰もいない血だらけの部屋が見えたよ。声は聞こえなかったけど…あれ?狂夜どうした…の」


「はぁ…どうしてそんな的確なモノだけ見るかなぁ…」


聞いた瞬間僕は頭を抱えた。その二つの事は分かる通り僕の大切なモノが失われた時の一部と今は包帯で隠している背中の※アレ※の事である。僕が心を閉ざした原因であり僕が最も嫌う過去の事だ。


「まぁ、いいや。そう言えばフランちゃんどうして僕にレーヴァテインとか弾幕を放ってきたの?」


「ははは…ちょっと緊張しちゃっててそこら辺にいる玩具で遊んでたんだけどすぐ壊れちゃって」


「ちょうど降りてきた僕に攻撃したってことだね…僕ってわからない程緊張してたの?」


「うん…前戦った狂夜はもっと霊力持ってたから妖精メイドかと思って」


「それは分からなくないけど朝霊力減ってたの気かなかったの?」


「戦ってない時は力を抑えてるのかなって思って…ごめんなさい」


「ううん、気にしてないから大丈夫だから。それよりもフランちゃんの話したいことってこの事だったの?」


「うん、隠し事はフラン苦手だから。先に言っておこうと思って」


フランの場合はすぐに顔に出そうだ。僕に気付かれる前に先に言っておくことでバレた時よりかは怒られないと思ったのだろう。まぁ、僕はどっちにしても怒らなかったけど…


「そっか、なら二つ条件があるんだけどいいかな?」


「条件?」


「うん一つ目はそのことは僕と狂助以外に話さない事、もう一つは…」







さてさて、狂夜さんが出した二つ目の条件とはいったい何なんでしょうねぇ~(ニヤニヤ)次回はそろそろ妖々夢に進もうかと…紅魔館での話が長すぎたかな?


それでは次回もよろしくお願いします

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