力の代償と妖精メイド
どうもこんばんは深夜に動き出す変態と言うあだ名を付けられた夜桜デビルです。話は変わりますが紅魔館での話が長いような気がするのですが気のせいですよね?
そんなことは置いといてこの小説の今後の方針について後書きに少し書いておきましたのでお読みくださると助かります。
それではどうぞ!!
「うぐぅ…あんな少し霊力を使っただけでここまで体に響くなんて…それにナイフ返すの忘れてたしっ!!」
フランと約束した後僕は急いで部屋へと戻り、浴室へと駆け込みシャワーのハンドルを勢い良く捻る。冷たい水が体に打ち付けるように降り注ぐが狂助が傷を治してくれていたおかげで染みる痛みは殆どない。だが、先程の咲夜の攻撃を防ぐために使用したナイフに霊力を流し込んだ為か抑えていた狂気がまた体の中に流れ出してしまい体が耐えきれず所々皮膚が裂け血が噴き出す。着ている服は裂けた傷口付近から赤黒く染まり、服から滴る水は赤くなり排水口へと流れていく。
『おいおい、そこまで酷いなんて聞いてないぞ』
「…だって、話してないからね…」
話しかけてくる狂助に内心で※作り笑い※を返す。未だに裂けたヵ所からは止めどなく血が流れ出し止まる気配がない。僕も人間だ。あまり血が減るといくら不死身っぽい僕でも死ぬ。狂助ならまだ何とかなるかもだけど…それにしても普通の怪我より痛いって可笑しくないかな?
『無理はするなって言っただろうが…たくっ、早いとこ傷口を塞がねぇと』
「待った狂助。レミリアさん達にはこのことは言わないでよ?。レミリアさんは兎も角として咲夜さんは絶対自分が悪いって攻めちゃう人だから」
「んなこったわかってるっての。止血に必要なもんを取りに行くだけだ。シャワー止めて壁にでも体預けとけ」
「そうしとくよ…」
僕の理性の中から出てきた狂助はすぐさま浴室から出ていった。僕も狂助に言われた通りシャワーを止め体を壁に預け待つことにした。
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「お、ちゃんと大人しくしてたみたいだな。んじゃ、早速止血するから動くんじゃねぇぞ?」
「流石にまだ死にたくはないからね。それよりも狂助って止血の仕方とか知ってるの?」
「俺をなんだと思ってやがる。これでもお前よりも長く生きてるんだから知ってて当たり前だろうが。そら、そんな事は置いといてさっさと服脱げ」
「それじゃあ、よろしくね狂助」
「おう、任せろ」
所々赤黒く染まってしまったワイシャツ?を脱ぎ狂助に背中を見せるように座り直す。唯一の救いは下半身の皮膚が裂けていない事とまだ体が動かせることだ。
「ちょいと染みるが我慢してくれよ…」
「っう!…」
ひんやりとした感触を背中に感じた瞬間激しい痛みが体中を駆け巡る。正直凄く痛い。
「どこがちょっとなの!?すごい痛いんだけど!」
「だから染みるって言っただろうが。おら、両腕上に上げろ」
狂助に言われた通り両腕を上げると何かを胴体辺りに巻き付けている感覚が体に伝わる。チラっと胴体辺りを見てみると包帯を巻いていることがわかる。治療ができると言うだけあってキツくもなく緩くもない丁度いい締め具合だ。
「よし、これで一応は大丈夫だろ。あんまり激しい運動するんじゃねぇぞ?また傷が開いちまうからな」
「うん、ありがとう狂助。それと※アレ※はちゃんと隠れてる?」
「抜かりわねぇよ。それよりフランとの約束があるんだろ?着替えはベットの上に置いておいてやったからさっさと着替えていってやれ。俺はちょっと用事があるから先に行く」
狂助は残った治療道具を持ってさっさと浴室から出ていった。まったく何から何まで狂助には迷惑掛けっぱなしだ。
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「さて、何とか痛みも引いたけどここどこだろ?」
浴室から出たが案の定狂助は既に居なかった。ベットの上には狂助の言った通り着替えが置いてあったのですぐ着替えフランの部屋へと向かった所までは良かったのだが完璧に迷ってしまった。だって紅魔館広いし目印になる物がないんだもん。手当たり次第に歩いていると掃除をしている二人の妖精メイドを見つけたのでフランの部屋…いや、図書館までの道を聞くことにした。
「ちょっといいかな?」
「あ、貴方は…どちら様でしたっけ?」
「お嬢様のお客様の狂夜様でしょ!家の部下が失礼しました。それでどういったご要件でしょうか?」
近づき話しかけると二人の妖精メイドはこちらを振り向く。僕の事を忘れている妖精メイド、名前は知らない。顔立ちは見た目通り子供っぽく活発そうな印象で体付きも年頃の女性と変わらず胸も標準位あるように見える。もう一人の妖精メイドは先程朝食が出来た事を告げに来た妖精メイドだ。顔立ちは見た目とは裏腹に少し大人っぽく大人しい印象で体付きも大人っぽく胸も標準より大きく見える。こんな所で高い観察力が活躍するとは思わなかったよ…
「気にしてないから大丈夫。まだ来たばかりだから迷ちゃって図書館までの行き方を教えて欲しいんだけど」
「図書館ですか…宜しければ御案内しますが説明するのも難しいので」
「それは助かるよ。それじゃあ、早速案内おねがいね」
「分かりました。私は狂夜様を図書館まで案内してくるからサボらずしっかり掃除してなさいよ?サボってたら咲夜さんに言いつけるからね?」
「はいはい、わかってます」
「はいは一回!まったく…それでは案内いたしますね」
「うんよろしくね」
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「そういえば君、今朝僕の部屋に来たメイドさんだよね?」
「あ、はい。覚えてくださっていたのですか?」
「少し普通の妖精達より知能も力もあるみたいだから気になってね。もしかして君、妖怪と妖精のハーフ…半妖半精だったりする?」
「…はい…狂夜様の仰る通り私は妖怪の父とと妖精の母の間にできた半妖半精です」
「やっぱりそうだったんだ。いや~半妖半精なんて久しぶりに目にしたから吃驚したよ」
「軽蔑されないのですか?」
「軽蔑?そんな事しないよ。半妖半精は確かに珍しいけど何度かあったことはあるし、少し親しい友人の一人にも半妖半精の人は居たからそれも現世に。だから別段嫌うとか軽蔑はしない。君が僕に何かしない限りはね?」
現世には昔田舎だった頃に半妖半精の少し親しい友人がいた。僕が住んでいた所が都会化し始めた頃その友人はどこかに行ってしまった。またどこかで会えるとだけ言い残して。
「外の世界にはまだ妖怪や妖精がいるのですか!?」
「大分まだいるとは思うよ?大体は人間に化けて生活してるみたい。それで、僕に軽蔑をしないのか聞いたって事はもう何度か軽蔑されたってことだよね?良かったら話してもらえるかな?もちろん無理にとは言わないけど」
「いえ、図書館に着くまでまだ少しありますのでお話しさせて頂きます」
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「っとこんな感じで大丈夫でしょうか?」
「うん、大丈夫だよ。ゴメンね辛いこと思い出させちゃって」
「いえ、聞いて頂いて逆に吹っ切れました。ありがとうございました狂夜様」
この妖精メイドの話を簡単に纏めて話すと勘違いや思い込みが多大にある。話に出てきた咲夜が軽蔑したような目で見てきたと聞いたのだがそれは多分僕にボコボコにやられた挙句体が上手く動かないことにイラつき目を細めながら妖精メイド達を見張っていた所、偶々彼女を見ていただけだと僕は思う。第一紅魔館の住人はあまり種族を気にしていないと思う。何故なら人を狂わせる程の力ー狂気を館内に客として泊めている時点で少し珍しい組み合わせのハーフ妖精メイドが働いていようがあまり気にはしないだろう。
「狂夜様到着いたしました。またご用の際は近くにいる妖精メイドにお尋ねください。それでは失礼します」
ぺこりと頭を下げ足早に元来た道を駆けていった。あ、名前聞くの忘れてた。名前を聞けなかったことを残念に思いつつ目の前の大扉を押し開ける。
[…いきなり物騒だねこぁちゃん]
「私はまだあなたを信用してませんから…それで何の用ですか?」
扉を開けると人差し指をこちらに向け睨んでいる小悪魔が立っていた。そんなことよりもこちらに向けている人差し指が重要で少なからず弾幕ごっこでは絶対有り得ない程の魔力が込められてる。下手な言い訳は出来ないみたいだね…
「レミリアさんの妹—フランドール・スカーレットさんに部屋に来てほしいと言われたので来たんですが…聞いてないかな?」
「フラン様からは何も聞いていません。嘘を言っても無駄です」
人差し指に込められている魔力の量が一回り程大きくなる。これは本気で殺そうとしてるみたいだけど…フランとの約束があるからまだ死ねないんだよ。
「ちょっとパチュリーさん…僕が気づいてるの分かってるんだから止めてください」
「あら、やっぱりばれてたのね。こぁ、狂夜の言っていることは本当よ」
「パチュリー様!?ですがフラン様からは何も」
「私に言ってきたわ。狂夜が来たら通してあげてって。それと…※狂夜に怪我させたらパチュリーでも許さないからって、今まで見たこともないくらい凄い怖い顔で言ってきた※わ。すぐにじゃあよろしくねって笑顔で部屋に向かって行ったけど」
「撃たなくてよかったねこぁちゃん。撃ってたら今頃は…映姫様の元だったかもね?」
「う、撃たなくてよかった…」
へなへなと床にへたり込む小悪魔。人差し指に込められていた魔力は消えているみたいで一安心した。流石にあれを正面から食らっていたら僕が映姫様の元だった。
「さ、分かったら仕事に戻りなさい。読み終わった本が机に置いてあるからそれもしまっておいて頂戴」
「分かりました。狂夜さんさっきは私の早とちりでご迷惑をお掛けしました。それでは私は仕事に戻ります」
ぺこりと頭を下げ本棚の奥へと駆けて行った。まだ信用してないって言うのは訂正してくれないみたいだね。さてと、
「あそこまで脅さなくても良かったんじゃないですか?」
「あら?何のことかしら?」
「まぁ、嘘というのは分かってますからいいですけど。それで本当は何て言ったのですか?」
「もう少ししたら狂夜が来るから通してあげてね?もちろん怪我させちゃダメだからねって笑顔で言って部屋に戻って行ったわ。ただ…」
「ただどうしたんですか?」
「フランは普通に笑っていた筈なのに狂気に呑まれていた頃の怖い顔をしたフランの顔が重なって見えたのよ…」
怖い笑顔か…多分まだ狂気を上手く扱えない為少なからず狂気を体外へ放出してしまっているのだろう。その為、今のフランと昔のフランの笑顔が重なって見えてしまったのだろう。
「まだ上手くコントロールできないみたいで少し狂気が漏れ出ているみたいですが許容範囲ですので心配はいりませんが、力のない者はあまり近づけないでおいてください。下手をしますと灰になって消えてしまいますので」
「分かったわ。レミィたちにも伝えておくわ。さぁ、そろそろ行かないとフランが待ってるわよ」
「約束が終わりましたらまた来ますのでその時にもう少し詳しくお話します。それでは」
パチュリーに軽く頭を下げ地下室へ通じる階段へと僕は歩きだした。
前書きで言った通り今後の方針について少し書かせていただきます。
まず、更新日は早くて次の日、遅くても三日後までに投稿します。次に小説内容です。今の時点では原作通りに沿って行く予定ですがオリ異変や原作に沿わないものも書いていく予定です。次に一応R-17までと書いておきましたがノクターン(小説家になろうのR-18サイト)に本編に沿いながらヒロインキャラとの『自己自重』を書いていく予定です。殆ど予定となってしまっていますがご了承ください。
それでは次回もよろしくお願いします!!




