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幻想残酷記(休載中)  作者: 夜桜デビル
第一章 吸血鬼が住む館‐紅魔館
20/56

完璧なメイドの癖

どうもこんにちは最近学校が忙しい夜桜デビルです。今週は学校での出来事が多過ぎた…学校で盗難があったり、球技大会があったりと時間がドンドン減らされやっと投稿できます…(|||´Д`)

今回は忠実で完璧なメイドこと十六夜咲夜さんの弱点(癖)を私的に考え書いてみました。これ可笑しいだろ!と思われる方がいましたら指摘してくださって構いません。


それではどうぞ!!

「狂夜様、狂助様朝食の準備ができました」


煙草を吹かしながら狂助と先程の妖精メイドについて話していたところ凛とした声が扉越しに聞こえる。この声は咲夜かな?腰掛けていた安楽椅子から立ち上がりドアへ向かって歩みを進める。


「さっき来た妖精メイドさんに追加の朝食を頼んでから五分と掛かっていないと思うんだけど…もうできたの?」


「※私の能力※を使えば容易な事です」


「そっか、今扉開けるから待ってね」


チラリと後ろを見ると未だに煙草を吸っている狂助の姿が見える…ニタリと笑っている姿が。扉へ向かって歩いていた歩みを扉の前で止めてゆっくりと鍵を開け、ドアノブを回しドアを開いた。


「ふふ、残念でした…咲夜さん。それとナイスだよ狂助」


「それとは余計だ」


「くっ!」


扉を開けた瞬間ナイフを持った咲夜が襲いかかって来た。まぁ、先程から可笑しな点は幾つか見受けられ予想はできていたから容易にナイフを弾き飛ばすことに成功。もちろん弾き飛ばしたのは狂助だ。投げたのは狂力を纏わせた煙草の吸殻みたいだ。


「さて、咲夜さん…言い訳を聞きましょうか」


「能力使って逃げようとしても無駄だぜ?俺と狂夜にはお前の能力は効かねぇからな」


「…」


そう、僕と狂助には咲夜の時を止める程度の能力は通用しない。しかしこれは脅しだ。先ほど狂助が言ったことを覚えているだろうか?今の僕は体内に残る狂気を抑える為にスペル、能力が使えない。使えば昨日の状態に逆戻り、下手をすれば暴走というおまけ付きだ。このことに気付いているのは僕と狂助、狂子の三人くらいだ。もしかしたらスカーレット姉妹の二人も気づいているかもしれないが今は二人とも就寝中だ。


「話さないならこっちにも手はあるぞ?」


右手に狂力で作り出した刃物を握り先程移動する際預けた眠っているフランの首筋に宛がう狂助。


「妹様!!」


「動いちゃだめだよ?」


部屋の中に入ろうとする咲夜にナイフを突きつける。


「くっ…」


「さぁ、言い訳を話せ。可愛いフランの命が惜しいならな」


脅しではなく本気で殺そうと更に刃物をフランに近づける狂助。狂助は人質を取る脅しをするときは容赦をしない。要求を呑まない場合は躊躇(ちゅうちょ)なくその人質を殺し、要求を呑まなかった輩もお構いなしに皆殺しにする。今まで何百人もこの方法で狂夜は人を殺している。僕はもう慣れた。


「……分かったわ。話すから早く妹様からその物騒な物を退()けなさい」


数秒の沈黙の後咲夜が声を漏らす。咲夜に突きつけていたナイフを下ろしホルダーにしまう。狂助の方も刃物を消したみたいだ。


「賢明な判断感謝するぞ。いくら俺でも無駄な殺生は嫌なんでな」


「よく言うよ。あんなに殺意のこもった目をしてたのに。それよりも…話聞いてもいいかな?咲夜さん。代替レミリアに頼まれたとかだとは思うけど」


「お嬢様は無関係よ。これは私個人で考え実行したもの。殺すなら遠慮はいらないわ」


「僕が聞いているのは何故僕を殺そうとしたかです。貴女がレミリアさんを庇う口実を聞いている訳ではないですよ?」


「…貴方を試したかったじゃダメかしら?」


「二回程戦って負けているというのにまだ僕は貴女に認められてないのですか…」


「真正面から戦ってなら負けたわ。でも、不意打ちなら行けると思ったのよ」


「ふふ、ならもう認められましたよね?不意打ちの攻撃も僕は避けたのですから」


パッと見僕は何もしないで狂助が不意打ちを邪魔したように見えるが咲夜が振るったナイフに吸殻を当てるには正面にいた僕が邪魔だ。そこで軽く首を傾げる様にして吸殻を避け咲夜が振るったナイフに当たるよう道を確保したって訳。あれ?何だか僕何もやってないような気がする。


「えぇ、流石にあそこまで完璧に読まれていては認めざる終えません。多々の御迷惑をおかけしました」


すっと頭を下げる咲夜。そんなに畏まらなくてもいいのに


「頭を上げてください。そこまで迷惑だとは思ってませんし得体の知れない者を警戒するのは当たり前のことです」


「ですが…」


「話の途中で悪いんだが朝食はできたのか?」


まだ申し訳なさそうな顔をし謝ろうとする咲夜。そこに狂助が無理矢理話に割り込む。ナイスだよ狂助。


「もうすぐ出来上がる頃ですので御案内いたしましょうか?」


「おう頼むわ。それとその堅っ苦しい喋り方はどうにかならねぇのか?気持ち悪くて仕方ねぇんだが」


「申し訳ありません。まだ仕事中ですので。それでは御案内いたしますね」


パチンっと咲夜が指を鳴らした瞬間幻想郷の時が止まった。







-----------------------







「っと、やっぱり能力は発動しなかったみたいだね」


「みたいだな」


気が付くと椅子に座っていた。目の前には出来立てなのだろう湯気が出ている朝食が並べられたテーブルが目に入る。


「嘘をおっしゃったのですね」


「嘘の方便です。あの状況なら嘘をつくのも一つの手ですから」


「私は貴方様に一杯食わされた訳ですね」


「えぇ、上手い具合にハマって下さって助かりました」


いつの間にかフランを抱えた咲夜が隣りにいたので※作り笑い※を返す。先程言っていた仕事中の為言葉遣いは丁寧なものに変わっている。


「あら、狂夜に狂助。もう動いても大丈夫なの?」


「おはようございます。レミリアさん。体の方は心配ありません、弾幕ごっこはまだできませんが」


「俺も心配ない」


「そう、ならいいわ」


テーブルの端にある少し大きめの椅子に座るレミリア。やはり館の主だからだろうか?


「そう言えば美鈴達はまだ来てないのか?」


「美鈴は少し時間をずらして、パチュリー様はお昼近くにこちらに来ますので朝食はあまりお取りになりませんので。妹様は…」


「あ!狂夜、狂助おはよう!!」


「わぁ!?いきなり飛びつくのは危ないよ」


「今起きられた所です」


「もう少し早くいってよね」


狂助はフランが飛びついてくるのを見切り避けた為僕たちに抱き付こうとしたフランの手を掴み僕の腕の中に引き寄せる。


「フランあまり狂夜達に迷惑をかけてはダメよ?まだ回復しきって無いみたいだから」


「分かった~」


レミリアに注意されたフランは渋る事無く僕の腕の中から出ようとするが


「狂夜離してくれないと離れられないよ?」


「あ、ゴメンねフランちゃん。ちょっと寒かったから」


謝りながらフランを抱き締めていた腕を外す。無意識のうちにフランを抱き締めたままだったみたいだ。平然を繕いながら※作り笑い※を浮かべ嘘をつく。本当はただ離れたくないだけなのに。


「さて、全員揃ったみたいみたいだしさっさと飯食おうぜ…腹減って死にそうだ」


「そうね。頂きましょうか」


「「「「「頂きます」」」」」


時間が経たち少し朝食は冷たくなってしまっていたがが凄くおいしい。流石は何でも完璧にこなすメイドと呼ばれるだけあって料理もお手のものみたいだ。


「咲夜さんは料理もお上手なんですね」


「ありがとうございます。ですが、私なんてまだまだです。何でも完璧だと言われていますが戦闘では手加減されいた狂夜様に傷一つ付けられませんでしたから」


「そんなことないですよ。もう治ってしまいましたけど数回程掠り傷を負いましたし」


「何百、何千本のナイフをかわしたのに掠り傷程度で済むのは普通に可笑しいと思うぞ?」


「狂助なら掠りもしないよね?」


「無理だっての。まぁ、咲夜の弱点は見つけたがな」


「弱点ですって?※完璧※な私の従者に弱点がある訳無いわ」


忠実で完璧な従者に主人すらも知らない弱点があるはずがないと狂助を赤い瞳を細めて睨み付けている。


「そう、完璧だからこその弱点…いや、癖か?咲夜お前は敵にナイフを投げる時どう投げる?」


「どうと言われましても普通に敵に投げているとしか…」


「自覚はなしっか…なら、咲夜、狂夜に向かって投げてみろ。狂夜」


「もう準備は終わってるよ。レミリアさんナイフお借りしますね」


テーブルにあったまだ使われていないナイフを一本取り咲夜から少し離れる。


「そんな行き成り、狂夜様もお身体がまだ」


「大丈夫ですよ、あれくらいのナイフの量なら。それに咲夜さんもまだ本調子ではないみたいですしお互い条件にあまり差はありませんよ」


「ですが…」


「咲夜!これは命令よ。狂夜にナイフを投げなさい」


「お嬢様…分かりました。レミリアお嬢様の命令では致し方ありません。行きます!!」


一瞬にして両手にナイフを構え僕に向かって放つ咲夜。やっぱりか…


「そんなんじゃ当たりませんよ咲夜さん?」


ナイフが折れない様に微量の霊力を纏わせ咲夜の放ったナイフを叩き落としていく。


「くっ【幻符】殺人ドール」


前と同じスペルを宣言する咲夜。スペルでもか…


「狂助もう一本ナイフ取って!」


「一本でも行けるんじゃないか?」


「僕は双剣使いだよっ!片手も苦手じゃないけどあんまり好きじゃないんだって前言ったじゃないか」


スペルにより倍近くに増えたナイフをひたすら叩き落とす。因みにこの戦い僕の方が不利だ。まず、片手武器である事。もう一つは武器が食事用のナイフだと言う事だ。刃渡りは十センチくらいで咲夜が投げているナイフは刃渡りだけで僕が使っているナイフよりも長い。まぁ、ハンデで使ってるんだけど。


「いつも双剣が使えるとは限らないから偶には短刀で戦うのもいいんじゃないか?」


「はぁ、分かったよ」


溜息を吐きながらもナイフは全て叩き落としている。これも咲夜の弱点、癖のおかげだ。





----------------------






「よし、ストップだ!」


ナイフを叩き落とし始めてから約三十分、狂助から終了の声が掛かった。咲夜が放っていたナイフが消えたのが見えたのでスペルブレイクしたのだろう。


「狂夜お疲れ様!」


「ありがとうフランちゃん。でも抱き付かない方がいいよ?少しは汗掻いてると思うから」


狂助がストップを掛けたすぐ後フランが抱き付いてきた。その瞬間僕の心が少し揺らぐ。どうしたんだ僕は…いや、一番僕が分かってる。僕はフランを犯したいと。それを考えるとさらに心が揺らぐ。まだ駄目だ。こんな心を閉ざしたままの僕に犯されたらフランが可哀想だ。だからまだ、我慢だ…僕の心が完全に開けるようになるまでは…


「どうしたの?狂夜。体調悪いの?」


「大丈夫だよ。ちょっと考え事してただけだから」


背中に抱き付いているフランに一旦降りてもらい両脇に手を入れ持ち上げ左肩に乗せる。


「重くないかな私…」


「逆に軽すぎるよ。ちゃんと人間の血飲んでる?」


「ううん、一年くらい飲んでなかったよ。一昨日の夜に狂夜から…あ…」


「僕から飲んだのは知ってるし気にしてないよ。それより一年近く人間の血を飲んでいないって本当なの?」


「うん、幽閉されてたから…」


成程、ならレミリアも飲んでいないみたいだね。吸血鬼にとって血は身体能力を大幅に増幅させるもの。

もちろん血を飲まなくても死ぬ訳ではないが力と身体能力が大幅に減少する。例えるなら、中級妖怪か上級妖怪位の違いだ。その為幽閉していたフランにレミリアは血を与えなかったのはだ。狂気で上がった力がさらに上がってしまい自分たちで抑えられなくなるのを防ぐ為に。


「そっか、でも一昨日飲んだから大丈夫だね」


「うん、何だか前より狂子との会話が簡単にできるようにもなったから」


「前は難しかったの?」


「何だかザァァァって音で狂子の声が聞こえにくかったの。でも、今はちゃんと聞こえる様になったよ」


ニコニコ笑うフランに※作り笑い※を返しながら話し合っているレミリアたちの所へ歩いていく。




「それで咲夜の弱点は確定したのかしら?」


「あぁ、間違いない。詳しくは体験者に聞いてくれ」


「僕に振らないでよね…まぁ、いいや。まず、レミリアさんと咲夜さん、フランちゃんは目の前で見て何か気づきましたか?」


「特にないわ。あるとすれば貴方が予想以上に強いと言う事だけよ」


「私も特にありません」


「フランもないかな」


三人が三人とも何もないと答える。まぁ、咲夜とフランは分かるけどレミリアも気づかなかった、やはりレミリアも人間の血を飲んでいないみたいだ。それは後で考えるとして今は咲夜の癖を教えないとね。


「分かりました。なら、その癖を教えます。咲夜さんの癖は全て敵目掛けてナイフを投げることです」


「敵目掛けてナイフを放つのは当たり前じゃないかしら?」


「えぇ、敵目掛けて投げるのは当たり前ですが囮のナイフがないつまり自分を狙う弾幕しかないという訳です。ということは周りを気に必要がなく、自分に向かってくるナイフを防げば当たる事が無いと言うことです」


「つまり、完璧すぎるから無意識にナイフを敵目掛けて投げちまってるってことだ。そんな攻撃は中級妖怪辺りにしか通用しない。大妖怪レベルになれば二、三回ナイフを投げただけでこの癖を見切られちまうぞ?」


「そんな癖が私にあったなんて」


「それじゃあ、狂夜と狂助はどうやって気づいたの?」


「さっき言った説明の通り攻撃を避けながら癖を見切っただけだよ」


「俺も狂夜と同じだ」


「なら、貴方達は大妖怪クラスという事ね?」


「観察力と状況判断能力なら大妖怪クラスと思っていますが他は良くて上級妖怪クラスですよ」


「俺は破壊力なら大妖怪クラスでも上位だと思ってるが他は狂夜と同じ位だな」


僕は知力と洞察力、狂助は破壊力が高い。しかしスピードは一部の鴉天狗、力は鬼の四天王や鬼の長には勝てないだろう。


「そんなに自分を過小評価しなくてもいいんじゃないかしら?貴方達は強いわ」


「そうだよ。私にも勝っちゃうくらい強いんだから」


「フランは良いとして…俺に負けた奴に言われても説得力がないっての。俺は一眠りするわ。また昼にでてくっから」


「うん、おやすみ」


返事の代わりに軽く手を挙げ姿を消す狂助。僕の理性こころの中に帰ったみたいだ。


「あ〜!悔しい!!」


「お嬢様大丈夫です。次は勝てますよ」


狂助の一言に悔しがるレミリアを必死に励ましている咲夜に苦笑いが漏れる。


「ねぇ、狂夜、後で私の部屋に来て欲しいんだけどいい?」


「シャワーを浴びてからならいいけどどうしたの?」


肩の上にいるフランから声が掛かりそちらに顔を向ける。フランは僕の顔を覗き込むようにして声を掛けた為顔が凄く近い。それに少しだけ頬が赤いような気がする。


「少しお話したいなって思ったから」


「わかったよ。それじゃあまた後で行くから」


肩に乗っていたフランを下ろし借りている部屋へと歩き出した。




さてさて、フラグが立ちましたかな?狂夜さんはフランを好意的ではなく欲求の為に襲いたいと思っている設定です。最低ですか?いやいや、流石に何年も欲求を失った人が欲求に飢えない訳がないと思いませんか?あれ?自分でも何を言っているのかよくわからなくなってきたよ?


取り敢えず今回はここまで。次回も宜しくお願いします!!

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