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幻想残酷記(休載中)  作者: 夜桜デビル
第一章 吸血鬼が住む館‐紅魔館
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身体逆転再び!?

どうもこんにちは最近タイトルが思いつかなくなってきた夜桜デビルです。今回は狂助さんの過去がチラッとだけ書いてあります。その後は見てからのお楽しみです。


それではどうぞ!!

懐かしい夢を見た。俺が狂夜の中に入る前の俺が人として生きていた頃の夢。俺が殺される前の酷い夢。生きていた頃俺は小さな人里で家族と仲良く暮らしていた。しかしそんな生活はある日突然壊された。盗賊の襲撃というその時代では珍しくも何ともない事で。

俺以外にも人里にいた人間は全員捕えられ無残にも殺された。もちろん俺もだ。その後俺はその盗賊を恨み、妬み、憎んだ。そして、今の狂気という存在に成り果て何千年という時間を過ごし、狂夜と出会った。狂夜も俺と同じような過去があった為か体に入ることも容易にできた。しかし、理性こころは既に死ぬ寸前、真っ黒に染まっているのは言うまでもないが既に半分近くが灰になり消えていっているのだ。俺はその光景に唖然としたが一つ疑問を持った。狂気に成り果てた俺ですらまだ一部が灰になり消え去った位だというのに半分近く理性こころが消え去ったコイツは何故まだ人間として生きており気が狂っていないのかと。






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「っ!?…チッ、何であん時の事を今頃夢で見るんだよ…」


ガバッと勢い良く起き上がり、はぁ…と一つ溜息を漏らす。目覚めが悪い…正直あの時の夢は大嫌いだ。誰が好き好んで自分の死ぬ夢を見たいと思うだろうか?そんなことを思いながらコキコキッと首を鳴らし目を開ける。寝ている場所は寝る前と同じ安楽椅子。しかし何故か体が温かく少し膝の上に重みを感じる。不思議に思い視線を下に向けるとフランが俺の胸に背中を預けすうすうと寝息を立てながら眠っていた。薄い毛布も掛けられている、狂子が掛けてくれたのだろうか?夢の事もあり頭がちゃんと回っていない様な気がする。


「おはよう、狂助」


少し離れた所から俺の名前を呼ぶ声が聞こえる。しかも男の声だ。


「おう、おはよう。それと俺の体で出てくるな…狂夜」


声の主は狂夜だった。ニコニコと※作り笑い※を浮かべる狂夜だが体と服装は俺だ。まぁ、狂夜の体は俺が使っているし今の狂夜の種族は人間ではなく狂気いや、霊気だ。俺が狂夜の体から抜けない限りは体は入れ替わったままと言う事だ。


「だって狂助が僕の体から出ないまま寝ちゃったからじゃないか」


「悪いな。流石に三割以下の狂力でレミリアの相手をするのはちょっとキツかったんだ」


俺に掛けられている薄い毛布をフランに掛直してやりながら苦笑いを浮かべる。正直勝てるか心配だったがレミリアも俺のスペルを喰らっていたから何とか勝てたといえるだろう。


「まぁ、僕も人のこと言えない程フランちゃんに滅茶苦茶にされちゃったしね」


「お前のは別格だといっただろう。滅茶苦茶何て言いながら数発位しか攻撃受けてないだろうが」


「それは狂助も同じだよ。少し…と言うより掠ってすらいないんじゃない?」


「まぁ、言い合いはこの辺にしておいて、どうだ?調子は?」


「うーん…体の方は狂助のだから問題ないけど霊力はスペル二枚と能力二回分位しか回復してないかな?霊力開放を使えばフランと数分なら戦えるけど?」


「まぁ、許容範囲だな。霊力開放はやるな…また立てなくなられても面倒だ」


霊力開放、言葉通り体にある霊力を全て体に纏い倍増させるスペル。もちろんそんなチートもいいところのスペルにはデメリットがある。まず、霊力とは人間の生命力の一部であり人間なら誰でも少量は持っている。もう少し詳しく言うと体力、知力、筋力、精神力、精力等と言った力は少なからず霊力を必要とする。例えば仕事。力仕事には体力、筋力を主に使うし、頭を使う仕事なら体力、知力、精神力を主に使う。因みに夜のたしなみには体力、精力を特に使うが必要に応じては知力と精神力を使うこともある。まぁ、精神力は初夜で相手を気遣う時が大半、知力は…まぁ、想像に任せる。そして仕事をする事によって元々少ない霊力が更に減り体に疲れとして現れる。もちろん減れば減る程疲れは増加する。過労する人間は大抵は体を動かす為に必要な霊力を他の生命活動(呼吸を浅くし肺の機能を低下、脳に送る血液や酸素を体全体に回し脳の機能を低下)の機能を低下させ無理霊力を作り出し無理矢理体を動かし仕事をする。しかし、そんな事をしていればいずれ体は限界に達し死亡する。それが過労死だ。このことから導き出される霊力開放のデメリットは体の状態を一気に過労の状態へと持っていくことだ。裏フラン戦でも霊力解放を使っていたのだが止まない斬撃の嵐のスペルブレイク時に狂夜が床に座り込んでしまったのを覚えているだろうか?実はその時スペルブレイクしたのは止まない斬撃の嵐だけではなく霊力解放と無双心気の二つのスキルもスペルブレイクしている。止まない斬撃の嵐で倍増した霊力、狂夜の扱える狂力共に全て使い果たした状態での霊力解放のデメリット+三枚同時スペルブレイク、普通なら死んでるレベルだが狂夜曰く霊力解放で解放する霊力をほんの少し抑え残すことができるらしく、裏フラン戦でもほんの少し霊力を残していた為一日だけでスペル、能力を二三回使えるまで体の状態を回復できたみたいだ。しかしまだ体の中に狂気が残っており、その狂気を今残っている霊力で完全に制御しているからスペルも能力を使うのも不可能。無理して使えば良くて気絶、悪ければ狂気暴走だそうだ


「あはは、ほんとにゴメンてば」


「反省したような口調じゃないんだが?まぁいい。それより俺の狂力で体戻せるか?」


「うん、力なら何でもいいし僕の体だから能力もいつもより使い勝手いいと思うから」


確かにレミリアとの戦いの前に体の状態を狂夜の能力で逆転したがいつもよりスムーズに狂力が失われて傷が治ったように思える。流石に一心同体でも能力までは本人と同じように使える訳ではないようだ。そんな事したら狂子とフランで無双できてしまう。


「なら、さっさと戻そうぜ。流石に自分と喋ってるのは多少気分が悪い」


「それは僕も同感だよ」


いつも崩した喋り方をする俺がニコニコと作り笑いを浮かべながら堅っ苦しい話し方をしているのを見ていると気味が悪いことこの上ない。逆に考えれば狂夜もこんな崩した喋り方はしないし※作り笑い※をしていない素の顔を浮かべる事なんて殆ど無い為、互いに苦笑いしかできない。


「んじゃ、いくぞ!【逆転】身体逆転!」


俺が能力を発動すると一瞬意識が途切れる感覚があったがすぐにその感覚はなくなり目の前に眠っているフランを抱えながら※作り笑い※を浮かべる狂夜の姿が目に映る。


「上手くいったみたいだね。狂助」


「あぁ。ま、結構ごっそりと狂力を持っていかれたがな」


「そんな風には見えないけど?」


「そりゃあ、まだまだ狂力は残ってるからな」


ニタリと笑顔を向けてやる。昨日ぐっすりと寝たからだろう狂力は思った以上に回復している。


「狂夜様朝食の用意ができました…え?ふ、二人!?更には妹様まで!?」


不意にドアが開いた為咲夜達かと思い警戒程度の狂気を纏ったが入ってきたのは小柄な妖精メイド一人。何故か俺たちを見て驚いているが早口過ぎてあまり聞こえない。取り敢えず朝食関係の事だというのはわかった。


「焦ってるとこ悪いんだが俺の分の朝食も追加で頼むわ。あ、後こいつも連れて行っていってくれ」


未だオロオロしている妖精メイドを無視して、未だに眠っているレミリアをベットから抱き上げ妖精メイドに預ける。


「ちょっと遊んでる間に疲れて俺の部屋で寝ちまってな。一応咲夜達には内緒で頼む」


「あ、はい。わかりました。それでは追加の連絡をしてきますのでもう少しお待ちください」


レミリアを抱き上げたままお辞儀をし妖精メイドは部屋を出ていった。


「妖精は馬鹿で悪戯好きって情報にはあるけど普通に礼儀正しかったし、取り乱してもすぐに対応してたし、普通の妖精とは違うみたいだね」


「あぁ、少しだが狂力を纏っていたんだが全く動揺してねぇみたいだったからな。普通の妖精とは違うんだろう」


「ふふ、それは探ってみないとね。色々と」


「おい、危ない目になってるぞ」


「おっと、ちょっと狂気が漏れちゃったかな?」


はぁ、このロリコン癖早くどうにかして欲しいものだ。溜め息を付きつつ煙草にマッチで火を付ける。


「ふぅ…」


溜息混じりに煙を吐き、まぁ、いいかと思いながらまた煙を吐き出した。



さて、そろそろフラグが立ち始めてますね~ 設定上狂夜さんは少し幼さの残る女性、狂助さんは大人びた女性が好みにしてあります。あくまで設定上ですので過信しないようお願いします。あ、ハーレムだからあまり関係ないかw


それでは次回も宜しくお願いします!!

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