表裏
皆さんおはようございます夜桜デビルです。前回後書きで言ったことはなしにして頂きたい。話的にもう少し後になりそうなので…期待していた方本当にごめんなさい
それではどうぞ!!
「イテテ…」
浴槽にお湯を溜めつつシャワーを浴びる。レーヴァテインで斬られた傷跡は血は出ていないが酷い火傷の様になってしまっている為お湯が当たる度痛みが生じる。
『傷直した方がいいんじゃないか?見た目程体に支障はないが多少の痛みは出てるはずだろ?』
「(今はあんまり能力を使いたくないんだよ。それくらいわかってるでしょ?)」
『まぁ、分かってはいるが見てるこっちが気分が良くないんだよ』
僕が能力を使いたくない理由は二つ。まずは体に負担がかかるからだ。狂力を使い過ぎたこともあって霊力も少なからず使ってしまいあまり残っていないのもあるけどね。二つ目は先程言った行わなければならないことがある為だ。
『湯溜まったみたいだしさっさと入るぞ』
「(りょうかーい)」
------欝少年入浴中------
「(ふぅ、いいお湯だった)」
大体二十分入浴し上がる。既にバスタオルと着替えがお風呂場の台の上に置いてあった。多分咲夜が置いていったのだろう。これって不法侵入じゃない?いや、主人の家の部屋だし不法侵入ではないか…
髪を拭きながらベットへと戻るとフランはこちらに背を向けた状態で座っていた。
「おはようフランちゃん。体の調子はどうかな?」
「……」
言葉を発さず頷くフラン。
「悪くはないんだね?なら、よかった。」
先程着た(薄いワイシャツ?と綿パンの生地が薄くなったようなもの)薄いワイシャツのボタンを全て外しフランへと近づく。
「……」
「どうしたの?フランちゃん?さっきみたいに歪んだ笑顔がないみたいだけど」
「……」
ゆっくりとフランの正面へと回り顔をこっちに向かせる。フランは案の定涙を流していた。
「フランちゃんは何が悲しくて今泣いているの?狂気に呑まれて暴走したこと?僕を傷つけたこと?」
「……ごめんなさい」
か細い声が聞こえる。しかし今はその言葉はいらない。
「僕は謝って欲しい訳じゃない。僕はフランはどうして泣いているのかを聞きたいだけ」
「……」
「話したくないならそれでもいいよ。誰しも話したくないことはあるし知られたくないこともあるからね」
ニッコリと※作り笑い※を浮かべて先程フランが寝ていたベットへと寝転がる。女性特有の優しく甘いいい香りが備考を擽る。
「(狂助、フランの様子どう思う?)」
『多分だがレミリアに関することじゃないか?今回のことを反省しているってのもありえるしな』
「(こんな状態のフランを抱いても面白くないと思うんだけどどうかな?)」
『これもこれでいいんじゃないか?こんな状態の女なんて会う機会ないと思うしな』
「(チャンスでもあるのか…なら、抱いてみるのもいいかもね)フランちゃん」
「っ!?」
体を起こし名前を呼ぶとびくっと体をビクつかせこちらを向くフラン。未だに瞳には涙が溜まり頬を濡らしている。そんなフランを僕はベットへと無理矢理押し倒す。
「……」
「……」
僕もフランも無言で互いの顔を見つめ続ける。ユラユラと揺れる赤い瞳、耳は少し尖っている。恐らく吸血鬼だからだろう。ただじっと赤い瞳を僕は見つめ続ける。いや、見蕩れていたと言った方がいいかもしれない。
「今から何をするかわかる?フランちゃん」
「……」
無言のままコクりと頷く。まだ幼そうだからこっちの知識はないと思っていたけど分かってはいるらしい。ユラユラと揺れ続ける赤い瞳は不安げに僕を見上げている。
「はは、なんて、冗談だよ。今はフランちゃんの狂気をどうにかしないとね。お楽しみはその後」
ニコニコと笑いながらフランの上から移動しベットへと腰を下ろす。まぁ、あのまま襲ってしまってもいいのだがそれじゃあ面白くない。
「冗…談?」
ベットに寝転がりながら呟くフラン。思考が追いついていないのかボーっと天井を見上げている。
「そ、冗談。でも、後でちゃんとするよ。それじゃ、そろそろ本題に取り掛かろうか」
まず、この部屋には二つ狂気がある。一つは僕自身の狂気、もう一つは今は出てきていないフランの狂気。そしてこれから行うのはフラン自身では抑えられない狂気どうにかするものだ。まず狂気を抑えるためには三つ方法がある。まず一つ目は、【理性で押さえつける】この方法は殆ど無意識に行われるもので主な例は人間だ。人(生きているもの)は少なからず狂気を持って世を生きている。人間が狂うもしくは豹変してしまうのは理性が何等かの影響で不安定になったり理性が壊れてしまった為だ。そして二つ目、【狂気を受け入れる】これは僕が行っているものだ。狂気を受け入れる言葉にすると簡単に見えるが実際にやるととても難しく危険なものだ。まず、自らを狂わせようとする狂気と体を共有する話をしなければならない。一つ目で話したように生きているものは理性で狂気を抑えている。その為忘れがちなのが狂気も自分の体の一部であり意識を持ったもう一つの人格であることだ。フランの中の狂気との話し合いが上手くいけば狂気を扱え気が狂うことも無くなる訳だ。そして最後三つ目はレミリアが行った【幽閉及び監禁】霊力等々の力で強化した手錠や鎖で徹底的に動きを封じ込め死ぬまで放置する方法。フランは吸血鬼の為人間よりも長生きをするが食事等生き物が生きていく中で必要な物を与えなければ一ヶ月と持たずに死ぬだろう。これは狂気を抑えるものではなく狂気を抑えられない本人を殺し狂気を消し去る方法…言わば最終手段だ。
「(取り敢えずは理性がどうなっているか確かめようか)」
ゆっくりと未だボーっとしているフランの肩へ両手を置き能力【理性の中には入れないを入れるに逆転】を発動する。
「(これは酷いね。これじゃあ理性が機能しない訳だよ)」
一瞬意識が飛び意識が残る頃には白い空間に僕はいた。目の前にあるフランの理性を見てみると真っ黒に黒く染まり所々欠けている。今のフランの理性の状態は一番最悪な色に染まり、更にはボロボロと今も灰のようなものが零れ落ち続けている。このまま放って置けばフランは何も感じない無表情な人形の様になってしまうだろう。
『理性がこんな状態じゃ狂気を抑えるどころか残りの理性ごと飲み込まれる可能性もある。この方法は諦めた方がいいと思うぞ?』
「(流石にここまで酷いと理性の方が負けちゃうしね…それじゃ二つ目の狂気を受け入れるに変更しようか。)」
一つ目の方法は無理だと判断し二つ目の狂気を受け入れる方法へと切り替える。狂気を受け入れる為には狂気が宿ってしまった体の主この場合はフランが必要なのだが精神が行かれてしまっているので狂気が巣食う理性の中に今は自身の意思で入ることはできないだろう。なら、理性の状態逆にしてしまえばいい。
「【逆転】理性の状態!」
『無謀すぎるだろ!っ!【異変】強まる狂気!!』
僕の体を黒い煙のような狂気が纏っていく。
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「うぐぁ!!」
何か見えない力に弾き飛ばされる。起き上がりフランの理性を見ると少し濃い灰色にまで回復していた。
「(よかった。これならフランを呼びだせるね)」
『何が良かっただ。俺がスペルを発動してなかったら今頃はお前もあの狂気の仲間入りだったんだぞ?』
「(うん。これからは気をつけるよ。それじゃ、そろそろフランを呼び出そうか)」
能力【フランを理性の中に呼び出せないを呼び出せるに逆転】を発動しフランを呼び出す。
「え?ここ何処?狂夜?」
「うん、狂夜だよ。ここはフランちゃんの理性の中。さて、フランちゃんを苦しめてた犯人さんのお出ましだよ?」
僕はこの犯人の力を感じそちらに視線を動かす。それを見てフランもそちらに視線を動かす
「え…わた…し?」
フランの言った通り姿は完全にフランだ。しかし目は既に狂っているように紅く見開き口を歪めながら笑っている。
「裏のフランちゃんだよ」
「裏の私?」
「そ、裏のフランちゃん。本当は今のフランちゃんの力の方が強い筈なんだけど何かの手違いで裏のフランちゃんの方が強くなっちゃってるんだよ」
「強さが逆になっちゃってるの?」
「うん、その解釈であってるよ。それじゃ、さっさと倒しちゃうよ」
ナイフホルダーから一本のナイフを取り出し裏のフランへと斬りかかった。
さて、最近スランプ気味のデビルさん。どうしても話を繋げなくなってきました…おかしな部分などありましたら感想等で教えていただければ幸いです。
それでは次回も宜しくお願いします




