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幻想残酷記(休載中)  作者: 夜桜デビル
第一章 吸血鬼が住む館‐紅魔館
13/56

読めない運命

タイトル通り運命を読むと言えばあの人ですよね?少しsideが変わる程度ですがそこは許してください。

これから少し投稿速度が落ちる可能性がありますがご了承下さい。


それではどうぞ!!

「ふぅ~ そろそろフランちゃん起きたかな?」


何本目かになる煙草を咥えながら呟く。フランを吹き飛ばしてから数時間がたつが一向にフランがこちらに向かってくる気配がない。


『フランの※再生能力ならこの数時間で完全に回復※しているはずだ。それなのに来ないということは諦めたか、それとも隙を狙っているのかのどっちかだな』


「(今考えられるのはその二つが妥当かな?付け加えるとしたら思いの外ダメージが入って今も意識を失っている。ってところかな?)」


吸い切れそうな煙草に能力【吸った状態から吸っていない状態に逆転】を使い火を着けてすらいない状態に戻した後懐にしまいながら立ち上がる。


「(それじゃ、どの推測が合ってるか確かめに行こうか?もちろん警戒はするよ)」


『考えてても仕方ねぇ。狂力は完全に回復してるから第2ラウンドになっても余裕だ』


「(僕的にはあんまり戦いたくないんだけどね)」


苦笑いを漏らしながらフランを吹き飛ばした方向に歩いていく。さて、フランちゃんはどんな状態なんだろう。




------欝少年移動中------




少し歩くと壊れた壁を見つけた。しかし、そこにはフランとフランに突き刺したナイフはなかった。と言うことは…


「(狂助、今って狂気出してないよね?)」


『あぁ、出してないがどうかしたのか?』


「(ううん、ちょっと確認をね。それじゃあ、狂気で作ったナイフってもう消してある?)」


『狂気を出してないんだから消してあるに決まってるだろ?どうしたんだこんなこと聞いて』


「(フランがこっちに来なかった…いや、来れなかったのは吸血鬼特有の再生能力が使えなかったからじゃないかって思ったんだよ)」


『再生能力がね…その根拠は?』


「まず、狂気で作ったナイフには狂助の能力【細胞を破壊する程度の能力】の効果があるよね?そして、ナイフを刺した後、僕のスペルでナイフごとフランを吹き飛ばした。でも、狂気で作ったナイフに混ぜて投げた僕のナイフが辺りに落ちていないんだよね」


『成程、狂夜の言いたいことはわかった。要するに狂気で作られたナイフを消しても体内に入った狂気がフランの細胞を破壊し続けているってことだろ?』


「(話が早くて助かるよ。という訳で急がないとフランちゃんが危ないんだけどどの辺にいるかわかる?)」


『ホント微量にだが壊れた壁の近くに狂気を感じる…多分瓦礫に埋まってるぞ』


「(わかった。探してみるよ)」


辺りは先程のフランとの戦闘で崩れた瓦礫の山々で埋め尽くされている。更に狂気が満ちているためナイフの狂気を特定することは困難になってしまったので仕方なく瓦礫の山を一つずつ探していく。









----------------------









「よいしょっと…あ、いた!」


何十個目かの瓦礫の中フランを見つけた。案の定二本のナイフはフランと同じ瓦礫の下に埋まってた。はぁ、はぁ、と荒い息をしており、体の傷は先程よりも酷くなっており体中を血で赤く染めている。


『お!見つけたか。取り敢えずは狂気を体から取り出してやらないとな』


「(その事なんだけどどうやって取り出すのか僕わからないよ?)」


『取り出すのは簡単だから大丈夫だ。取り敢えず、狂気を体に纏う様に意識してくれ。そうすればフランの体内から取り出せるはずだ(まぁ、そのあとが面倒なんだけどな)』


「(了解。その後の面倒なことについても後で教えてもらうからね?)」


『はは、流石に一心同体じゃ隠し事はできねぇか。わかったあとで教えてやるよ』


フランに向けて両腕を出し狂気を纏う様に念じ始める。すると、手の平に禍々しい黒い煙の様なものが集まってくる。


「(これが狂気を集める感覚か~ いつもはスペルで狂気を纏っているから気づかないけどこんなに禍々しいモノなんだね)」


『そりゃ、生きている者達を狂わせる程の力だからな』


数秒間出続けていた黒い禍々しい煙は次第に出なくなりそして止まった。出なくなったのを確認しフランを見ると傷を既に治癒し始めていた。


「それじゃ、レミリアさんの所に行こうか。今日泊まってもいいかも聞かないといけないからね」


『お、その口ぶりから面倒な事はもう察しがついてるみたいだな』


「ふふ、一心同体なんだからわからない筈ないよ。それに満更でもないしね」


少しニタリと口を歪め笑顔を作ると僕はフランをお姫様だっこし地上への階段に向かった。





-----------------------






カンッカンッと降りてくる時と同じように金属製の階段を登っていく。フランをお姫様だっこしてるが、然程さほどというか全く重くない。


「(寝ている姿はタダの可愛い女の子なのにこの子が吸血鬼で狂気に犯されているなんて思えないよ)」


そっとなにかの感情に駆られ頭を撫でようとしたが両腕が塞がっているのを思い出し断念しようと思ったが狂夜が狂気で作られた腕で支えてくれたので撫でてやることができた。キラキラと闇に光るフワフワとした柔らかな金髪。サイドポニーテールにしているみたいで左側の髪はサイドにシュシュ?で纏められている。四百九十五(495)年生きてるだけあり顔が少し大人びている。胸も見た目よりも大きく見えるし体も幼いと言いながらも子供とは少し違う丸みを帯びているようにも見える。ん?何で見ただけでそんなことまで分かるのかだって?これくらい分からなくちゃ物の価値とかもわからないからね。


『ホント観察眼でも持ってるんじゃないかってくらい凄い観察力だよ』


「(そうかな?でも、お礼入っておくよ。ありがとう)」


『嫌味で言ったんだよバーカ』


狂助と談笑しながら階段を上がっていった。








-----------------------









side change-レミリア


「どうレミィなにか見える?」


「…いえ、なにか黒い霧みたいなものに邪魔されて見えないわ…」


先程の男狂夜とか言ったかしら?その男がここから出ていって数分私は能力で彼の運命を覗こうとしたのだが先程言ったように黒い霧の様なものが邪魔をして覗くことができなかった。


「狂夜さんの能力でしょうか?それとも妹様の狂気に呑まれてしまったのかも…」


「どちらの可能性も無いとは言えないわね。(それに、彼自身からも何か禍々しいものを感じたしね)」


はぁ、っと深い溜息をつくと彼について考え始める。まず、ここに来てからの戦闘能力が並ではないことだ。接近戦だけでなら幻想郷ここで一二を争う美鈴が右腕をへし折られた状態で館内へと戻ってきた。体を見てみると殆ど治りかけてはいるが痣の様なものがいくつも体にできていた。パチュリー曰く体内への攻撃を受けた可能性があるということだ。しかしそれが治りかけていると言う事は彼が何等かの方法で傷を治したということが考えられる。次に咲夜だ。時を止めることのできる彼女がああも簡単に負ける筈がないのだ。彼女曰く彼は止めた時の中を移動することができるらしい。傷を治し止めた時の中を移動できる能力…一体彼の能力は何なんだ…考えていると不意に扉が開いた。



side change-狂夜


「どうも、レミリアさん。なにか考え事をしていたみたいですが大丈夫でしょうか?」


「えぇ、気にしなくていいわ。それよりも何故フランを貴方が抱いているのかしら?」


「はは、そんな怖い顔しないでくださいよ。弾幕ごっこ(ころしあい)で勝ったのはいいんですがちょっと面倒なことになりましたので連れてきました」


「へぇ、フランに勝ったのね。それでその面倒ごとというのは?」


「少し耳を貸してください」


ゆっくりと扉からレミリアの方へと歩いていく。その際すれ違った小悪魔にフランを預けた。


「………………と言う訳何ですが大丈夫ですかね?」


「それは流石に耳打ちでの方がいいわね。いいわ。部屋を用意してあげるからそこに行って頂戴。咲夜」


「お呼びでしょうかお嬢様」


一瞬にして(僕には歩いてきたのがわかるが)レミリアの元に現れる咲夜。能力だから仕方ないけど一瞬にして現れるところが見れないと思うと少し残念に思うよ。


「これから少しの間狂夜が紅魔館ここに泊まる客人になるわ。理由は後で教えてあげるから今は命令に従って頂戴」


「承知しましたお嬢様。それでは狂夜様お部屋に案内致します」


パチンと指を鳴らすと僕と咲夜以外の時間が止まる。移動するときもやっぱり時間停止の能力を使うんだね。


「正直そのしゃべり方止めて欲しいんですが。なんだか異様にむず痒くてしかたないんですが」


「メイドとしての振る舞いですからそこは我慢してください。それにまだ体が麻痺しているので最低限の事だけをやらせていただきます」


「うん、それでいいですよ。麻痺させたのは僕ですし」


小悪魔に預けていたフランを預けお姫様だっこし咲夜に※作り笑い※を向ける。


「畏まりました。それでは」


そういい歩き出す咲夜に僕も合わせて歩き出す。止まったままの時間の中では少し苦しそうに眠るフランの顔はその表情のままなので少し見るのには苦笑いしか出てこないので前だけを向き貸し出される部屋へと歩く。





------時を操る従者、欝少年移動中------





「狂夜様到着いたしました」


不意に昨夜が止まった。その咲夜の前にはレミリアの部屋にあった扉よりも一回り小さな扉があった。咲夜は既に扉を開け中へと入っていったので僕も後を追い中へと入る。


「思ってた以上に大きいですねこの部屋」


「私の能力でこの館自体の空間を弄っていますから大体の部屋の大きさはこのくらいになります」


「妖精メイド達もこんな大きな部屋だなんて羨ましい限りです」


「流石に妖精メイド一人一人に部屋を与えていたらどれだけあっても足りませんから五人以上で一つ部屋を使ってもらっています」


「それもそうですね。それじゃ、案内ありがとうございました」


「はい、それではいい夜を」


ニッコリと※作り笑い※を浮かべると咲夜も笑顔を返してくれた。さて、ここからか正念場だね。ゆっくりと眠っているフランをベットへと寝かせシャワーを浴びに僕はお風呂場へと向かった


さて、シャワーを浴びに行った狂夜くん。このあと何があるのかはみなさんもうお察しの筈です。ですが流石にまずいと思いますのでギリギリで何とかしたいと思います。危ないと思った方は感想で指摘していただければ幸いです。(次回以降ですけどねw)


それでは次回も宜しくお願いします

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