狂気VS狂気
どうもこんにちは夜桜デビルです。投稿遅れてホントスミマセン。高校行事の野外学習で二日程書けず遅れてしまいました。
そして、3000PV越え、1000ユニーク(人)越えしました。見てくださっている方々本当にありがとうございます。これからも夜桜デビルをよろしくお願いします。
それではどうぞ!!
「はぁ!」
「ふっ!」
キンっと金属同士がぶつかり合う甲高い音が地下の部屋に鳴り響く。
「アハハ、守ってばかりじゃ意味ないよ!」
「それならその炎を纏った馬鹿デカイ剣をしまってくれないかな?」
僕は今レミリア・スカーレットの妹であるフランドール・スカーレットと絶賛戦闘中である。え?そんなこと知ってるって?そこはお約束だから口を挟まないでよ。そして今の状況は僕がフランのレーヴァテインでの薙ぎ払いを左手に逆手で構えたナイフで防いでる所だ。この状況とフランの言葉から分かる通り先程から僕は一切フランを攻撃せずレーヴァテインでの攻撃を防いでいる。ん?何で攻撃しないかだって?だってあんな巨大な大剣に斬られてみてよ…いくら不死身っぽくても真っ二つに斬られれば死なないにせよ激痛はするし治すのにも時間がかかる。その間動けずじまいでボコボコにされた挙句細胞一つ残らない様に消されれば不死身っぽくても死んでしまう。以下のことから無闇に攻撃出来ない訳で。
「狂夜が当たってくれたらしまってあげる」
「当たったら僕死んじゃうから」
ギリギリとナイフと剣が擦り合う。流石は吸血鬼だけあって剣に込められている力が尋常じゃない。更には狂気に犯されて要るため更に力が強くなっている。
「よいしょ!」
このままではいくら霊力で強化しているナイフでも折られ兼ねないので下から掬い上げるようにして剣の軌道をズラし一旦後ろへと下がる。
「あぁ~また逃げられちゃった」
「流石にあのままはキツいからね」
残念そうに口を尖らせるフランだがその顔には嬉しさも混じっているみたいだ。再度構え直しどう攻めるかを考える。
「(無闇に突っ込むのは無しとしても無茶苦茶に振り回してるみたいだから隙を突こうにも反撃が怖いし…)」
仕方なく更に後ろに下がり針の様に細い弾幕を数百個作り出し放つ。反撃が怖いし無難に遠距離でいこうか。
「そんなの効かないよ!」
レーヴァテインを大きく薙ぎ払い弾幕を消していくフラン。うーん一振りで半分くらいゴツそり持ってかれちゃったよ…
「なら、これならどう?【狂気】狂い始める世界」
スペルカードを取り出し宣言。直後辺りに色とりどりの針型弾幕が出現しフランに襲いかかる。
「いくら増やしても無駄だよ」
先程と同じようにレーヴァテインで弾幕を薙ぎ払うフラン。残念だけどさっきと全然違うんだよね。
薙ぎ払われ砕け散る弾幕だがその砕け散った欠片が針型の弾幕へと変わり再びフランへと襲いかかった。
「何で消えないの!?」
驚きながらも弾幕を薙ぎ払い続けるフランだが弾幕は消えるどころかどんどん数を増やしていく。
「後ろがガラ空きだよ?」
「え?ぐぅ!!」
弾幕に気を取られていたフランの背後に回り込み蹴り飛ばす。そしてすぐさま上空へと飛ぶ。
「きゃああぁぁぁ!!!!!」
上空へと飛んだすぐ後、下からフランの悲鳴と爆発音が聞こえる。
「うん、計画通りだね」
皆僕がフランを蹴り飛ばした方向を思い出して欲しい。その方向には何があったか、そう僕がスペルで出しフランが砕いて数の増えた弾幕があった。ということは今の悲鳴は弾幕をもろに受けたという証拠だろう。
未だに爆発で発生した煙でフランの姿は見えないがまだ、戦う元気はあるだろう。
「うぐぐっ…」
「わぁ、ボロボロだね」
煙が晴れフランの姿が見えてきた。少し遠目でだが服がボロボロになり顔や腕などには傷ができ血が流れているのが見える。そして持っていたはずのレーヴァテインが消えている。スペルブレイクを起こし消えてしまったのだろう。
「ちょっと油断しちゃった…次は私の番だね。【禁忌】フォーオブアカインド!」
ニタリと歪んだ笑みを浮かべスペル宣言するフラン。さて、どんなスペルなのだろうか?
「おっと」
後ろに気配を感じ右手に持ったナイフを振るう。刹那腕にズッシリとした重みが加えられた。
「アハハ、凄いね狂夜」
「まさか分身のスペルだなんて思わなかったよ」
ギリギリとナイフと剣がまた擦り合う。その間に辺りを素早く見渡すとレーヴァテインを持ったフランが左右に二人いるのが見える。先程戦っていたフランを合わせると四人。分身を三人も作り出すスペルみたいだ。
「ふふ、流石に四対一は狂夜でも辛いんじゃない?」
「辛いってものじゃないよ。でも…」
後ろにいるフランが僕に話し掛けながらも再度レーヴァテインを作り出す。ん?何でわかるかって?あんな禍々しい狂気の力で作られてるんだから見なくてもわかるよ。
「ハンデにはちょうどいいよ」
能力【小型ナイフを大型ナイフに逆転】を使いナイフの刃を長くする。長さ的には小型の三倍位の大きさくらいかな?これでも少し短い気もするけど。苦笑いを漏らしながらナイフを構える。
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「…流石にキツいね…」
少し息を荒らげながらため息をつく。何とか四人のフランを相手しているが状況はこっちが断然不利だ。四人を相手し始めてから大体15分、至る所からのレーヴァテインでの攻撃は全て無傷で受けられる訳がなく横腹と左肩を斬られている。斬られるだけならまだなんとかなるのだがレーヴァテインは炎を纏っている為斬られた所はシュウシュウと音を立てながら僕の肉を溶かしている。
「そろそろ狂夜も限界かな?」
「もう少し遊べると思ったのに残念だな~」
「遊べない玩具は必要ないから」
「壊れちゃえ!」
全くと言っていいほどフランたちは傷を負っていない。いや、与えたとしてもすぐに癒えてしまう。吸血鬼の再生能力の高さの賜物だろう。でも、僕はまだ死にたくないからね。
「そろそろ分身のフランたち退場してもらうよ?【異変】強まる狂気」
スペルを取り出し宣言。僕の体から先程より濃いドス黒い煙の様な狂気が放出され体を纏っていく。これがスペルで出せる狂気の限界、あとは自身の意思で狂気を出す。この量で五割程だ。これ以上は流石にスペルにしても使う機会がない。もちろん前に言った通り体が動かなくなってしまうからだが。
「さて、行くよ」
瞬間僕は姿を消した。いや、実際には姿はあるが見えないほどの速さで移動しているだけだ。
「まず一人目!」
「え?」
分身の心臓目掛けナイフを突き刺す。分身のフランは自分が何をされたかさえ分からず消えてしまう。いつの間にか近づいていた俺にレーヴァテインを構える三人のフラン。でも、遅いよ。
「二人目!」
僕から少し遠くにいたフランの後ろへと回り込み首筋を切り裂く。切り裂かれて飛び散った血は僕の顔を汚すと同時に消える。残り一人…
「く、気をつけて油断したら訳もわからず殺されてしま「三人目!」」
三人目のフランの目の前に現れ腹にナイフを突き刺す。目を見開いたまま僕を見つめていた分身のフランに※作り笑い※を返しナイフを抜く。倒れそうになる分身のフランは地面につく前に跡形もなく消えた。まるでそこに初めから何もなかったかのように…
「さて、後は本物のフランちゃんだけだね?」
右手に持ったナイフを純手に持ち替えフランに向ける。
「私の分身をあんな数秒で倒すなんて狂夜は凄いね…でも、私は負けない!【禁忌】カゴメカゴメ!」
一瞬だが狂気に犯された歪んだ笑みではなく純粋なそれでいって可愛らしい笑みを浮かべたフラン。その笑顔に女性に興味をなくしたはずの僕が一瞬だがドキッとしてしまった。僕らしくないな…
しかしそんな考えは頭から消しフランの使ったスペルの対処へと思考を切り替える。
「(弾幕の密度は高く、僕を囲むようにして迫って来てるみたいだね)」
『あれは流石に全部受けきれないぞ?迫ってきてる弾幕の一部を消しながら範囲外に出るのが得策だな』
「(その意見には賛成だけど狂力持ちそう?)」
『まだ三割も減ってねぇよ。そんなこと心配してる暇があったらさっさとそこから脱出しろ』
「(流石僕の狂気なだけあるね。それじゃ、ささっと出ちゃおうか)」
狂力を狂気に変え体に纏うと僕は全速力で弾幕の壁へと突っ込む。一番内側の弾幕へとナイフを振るい小さな隙間を作りそこへ飛び込む。
「嘘!?」
「一部の弾幕を壊して出ようなんてお見通しだよ」
飛び込んだ瞬間目の前には弾幕の壁、二重構造だったみたいだ。これは…回避不可能だね…
「ぐっ!」
飛び込んだ勢いのまま弾幕へと直撃。当たった弾幕は僕の体を切り裂きそのまま消えるが次の弾幕の壁が押し寄せる。
「(考えろ僕。まだ脱出する方法はあるはず…)」
『狂夜!弾幕の壁同士の隙間を走れ。これだけデカけりゃ弾幕の薄いところがあるはずだ!』
「(わかった。探してみる)」
狂助の言葉通り弾幕同士の隙間を走りだす。何処だ、何処にある!懸命に走るがその間にも弾幕の壁はまた僕を巻き込もうと迫ってくる。
「無駄だよ狂夜。この牢獄からは逃げられない…私の居た牢獄のように…」
「はは、無駄なことなんてないよ。牢獄なんかじゃ僕は捕まえられないよ」
フランの言葉を否定しひたすら走る。狂助の言葉を信じて。
「見つけた!【狂気】ダークバースト!」
先程の弾幕の壁より少し密度の薄い場所を見つけスペル宣言。両手を前に突き出し狂力を圧縮し放つ。魔理沙のマスタースパークの倍以上の極太レーザーを放ち弾幕を消しさりその隙間から脱出する。
「ほら、脱出できたでしょ?」
「マスタースパーク!?でも、色が黒いし…」
「魔理沙のマスタースパークに似てるけど全然違うよ。特に威力と範囲だけどね!」
「え!?ぐがぁ!」
隙の出来たフランの懐へと移動し長さを戻したナイフを突き刺しフランを刺したまま壁へとナイフを投げる。
「ぐはぁ!」
メシャメシャッとフランの体が壁へとめり込み骨が折れたような音が地下の部屋に木霊する。
「これもオマケであげるよ」
狂力で作り出したナイフを数十本作り出しフランに向けて投げる。
「ぎゃあぁぁぁ!!」
次々とナイフはフランに引き寄せられるようにして深々とフランに突き刺さる。一つまた一つ突き刺さる度にフランが悲鳴を上げる。狂力で作られたナイフの為再生能力は適応されない。逆に再生する度に体が焼けるような痛みが全身に走る。
「酷い有様だね。でも、これで終わりにしてあげる」
「はぁ…はぁ…」
フランの近くに移動すると両腕、胸、腹、両足、至る所にナイフが突き刺さり血が滝のように垂れ流しになっている。そんなフランの姿を見ながら僕は体に狂力を纏い両手に集めていく。
「【狂砲】ダークストーム」
「………」
両手から先程のダークバーストの倍近く圧縮された狂力を放つ。それを何とか避けようと体を動かそうとするフランだがナイフ体を貫通し壁へと突き刺さっているため体を動かせないみたいだ。
「バイバイフランちゃん」
僕の声をかき消すように轟音が響きわたる。さて、ちょっと一息つこうかな…スペルを解除した瞬間床へと尻餅をついた。
『狂力の使いすぎだバカ。』
「(え?まだまだ狂力には余裕があったんじゃないの?)」
『狂力じゃない、お前の体に負担が掛かり過ぎたんだろ。全く無茶し過ぎだ』
「(結構余裕ぶってたけど実際は結構キツかったんだよね。流石は吸血鬼、※種族が人間だけ※じゃギリギリだねやっぱり)」
『それをわかっててやるお前もお前だけどな。』
「(褒め言葉として受け取っておくよ)」
ゆっくりと立ち上がり壁を背にしゃがみこむ。斬られた横腹と左肩を能力で直しつつ懐から煙草を取り出し咥える。
「あ、さっきの戦いでジッポ壊れちゃってるよ…」
ジッポを取り出そうとポケットに手を入れると何か違和感があったのでジッポを取り出してみると上の部分ケースが吹き飛んでおり、フリント・ホイール(火をつける際回す円筒状部品)が粉々に粉砕されていた。ほかの部品は多少傷ついたり凹んではいるものの使えない程酷い状態じゃない。まぁ、僕には関係ないけど
「【逆転】ジッポの状態」
能力を使いジッポを新品同様に逆転させる。え?能力の無駄遣い?煙草を吸えないのは喫煙者にとって地獄と同じなんだ。だからそこは見逃してください。早速直したジッポで火を着け吸い始める。
「うん、戦闘後の煙草は最高だね」
誰に言うでもなく一人呟きながら煙草を吹かし始めた。
主人公はやはりチート過ぎると思いますよね?所がどっこいそうでもないんですよ。狂夜くんの能力【ありとあらゆるものを逆にする程度の能力】には二つ弱点があります。まず一つ目は逆にするのによって霊力を消費すること。もちろん霊力があれば死んだ人も生き返らせることができます。そして二つ目はモノ限定ということです。架空のものを作り出したり、ものと呼べないようなものは逆にできないというものです。え?殆ど弱点じゃないって?えぇ、弱点とは言えませんね(^^; まず、霊力は狂夜くんが強くなれば自然に増えていきますし、存在しているものは全てものと言えますし、存在していない架空のものでも刀や剣などと言った物体ならいいわけですからね。
それでも霊力が切れれば使えなくなりますからチートとは言わないはず…
それでは次回もよろしくおねがいします




