感情が壊れた少年
どうも皆様初めましてはーめるんで書かせて頂いていた夜桜デビルです。なぜ過去形なのか?それは強制退会をされてしまったからです。まぁ、半分以上運営さんの勘違いなんですけどね~
そんなことはさておいて今回はそちらと全く違う内容でやっていくのでよろしくお願いします!
それではどうぞ!!
懐かし夢を見た。それは僕の記憶。まだ僕の大切な者があった時の記憶。
顔はあまりハッキリとは見えないが皆笑顔で楽しそうな声で話している映像。しかし、その場面は一瞬にして赤一色の場面へと切り替わる。見渡す限り赤で塗りつぶされている。そしてそこには何かが背を壁に預け座っている。全身を真っかな血で染めた状態で…
「っ!…あの夢は…なんで今頃になってみるのかなぁ…」
どうも皆さんこんにちは僕は小道狂夜専門学校に通っている普通の学生。一応今年で※十九歳※になります。ん?何で寝ていたのかだって?夜山に出かけるから時間つぶししてただけ…あんな夢を見た後じゃ二度寝もできやしないけどね。
「(…取り敢えず、出かける準備をしないと…)」
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「(こんなものでいいかな?)」
準備をし始めてから一時間。必要なものを揃え終わる。揃えたといってもそこまで多くのものではなく、煙草二箱と一升瓶一本、色褪せた首飾り、装飾のないシンプルな銀のピアス一式、黒い宝石が埋め込まれた少し高めの指輪位だ。余談だが一時間もかかった理由は未成年でお酒と煙草を買える場所を探していた為だったりする。ん?山に何しに行くのかだって?山の奥にある※古びた神社※にいくんだよ。僕が住んでいる場所も昔はたくさん木々が生い茂る自然豊かな場所だったんだけどいろんな機械や電気なんて言ったものが発達してきて今や車や高層ビルなんかが当たり前にある都会になってきたんだよ。別に都会が嫌いだってことはないけど夜なのに明るかったり、車なんかの騒音なんかが耳障り何だけど不思議なことにその神社の中に入るとそんな音が全く聞こえなくなるんだよ。だから僕は夜になると毎日といっていい程そこに通ってるんだ。
「(さて、時間もいいくらいだしそろそろ目的地に向かおうかな)」
沈みかけている太陽を見ながら荷物を詰めた
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「(着いたのはいいけどこんなに綺麗だったけ?)」
山到着して草が鬱蒼と生えている道なき道を進んでいく。しかしここである疑問が浮かぶ。綺麗すぎるのだ。前に来た時は誰にも手入れされていない為足元が全くと言って見えない程に草が伸びていたのだが今日はそんなことはなく綺麗に刈り取られ足元の土さえもはっきり見えているのだ。誰かが手入れしたのだろうか?
疑問を抱きつつ山の奥へと進んでいく
「(あれ?確か前に来た時は鳥居の柱が片方折れてた筈なんだけど直ってるんだろ?)」
数分歩くと神社によくある赤い鳥居が見えてくる。しかしそこでも疑問が生まれる
。先程いったように折れていた鳥居が直っているのだ。
「(まぁ、こんな夜に森の中の古びた神社なんてホラーゲームにありそうな展開なんだしこれくらいのことが起きても不思議じゃないよね)」
苦笑いを漏らしながら鳥居を潜りいつもの場所へと向かった。
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「(ふぅ…やっぱりここは落ち着くね)」
鳥居を潜って向かったのは中の本殿の屋根の上。煙草に火を着けながら呟く。やはりと思ってはいたがこちらも古びていたはずなのだが新築の様に綺麗になっていた。ん?どうやって屋根の上に登ったのかだって?その辺りに落ちていた梯子を持ってきて立掛けただけだよ。
「う~ん…やっぱりアルコール二十%は強すぎたかな?」
家から離れた行きつけの酒屋で煙草と一緒に買ってきた一升瓶を取り出し口に含むと焼酎の独特な甘苦い味が口いっぱいに広がる。さて、
「そこにいるのは誰ですか?」
一旦口につけていた一升瓶を置き先程から後ろに聞こえる微かな枯葉を踏む音に向けて声をかける。しかしこれほど足音を消せるとなると並の人間じゃない。いや、もしかしたら幽霊かもしれない。皆さん今僕がいる場所がどこなのか思いがしてほしい。そう山奥の古びた神社、しかも辺りが真っ暗というおまけ付き。そんな場所に幽霊がいても不思議じゃないよね。それともただ風で揺れた音かな?
「折角足音を消しているのにいきなり足を止めては行けませんよ?枯葉の音はいきなり止まりませんから」
声をかけると同時に枯葉の音が止む。風は緩やかだが吹いているので風で揺れた音ではないことがわかる。となるとこの辺りを住処にしているホームレスだろうか?
「はぁ…貴方勘がいいわね」
「そんなことはありませんよ」
真っ暗な木々の間から出てきたのは長い金髪のお姉さん。華奢な体に似合う紫のドレスに包まれた豊満な胸が目を引く。しかしなぜこんな時間にこんな場所にいるのだろうか?
「お姉さんこれでもゆうに千歳は超えてるのわよ」
「千歳ですか…それだと貴方は人間ではないのですね?」
「えぇ、私は人間じゃなくて妖怪…スキマ妖怪よ」
「妖怪なら納得いきますね。それよりもお姉さんは何故ここに?」
「あら、案外冷静なのね。ここに来た理由は小道狂夜、貴方をある場所に送るためよ」
「この辺りも都会になりつつありますが妖怪には何度かあったことはありますから。ある場所に送るのはかまいませんが地獄とかなら抵抗しますよ?」
何度かあったといったが回数的には片手で数えられる程の数だ。姿を変えていたり妖怪が持つ力‐妖力も抑えているためか殆ど普通の人間と見分けがつかないことが多い為完全には分からないことが多い。
「地獄ではないわ…むしろ地獄よりも恐ろしいところよ。貴方の行く※幻想郷※は」
「地獄でないならいいですよ。僕はまだ死ぬわけにはいかないので」
「貴方変わってるわね。ここに思い残すこととかわないのかしら?」
「そうですね…あるとすれば恨みと後悔くらいです。それに僕はここが大嫌いなのでお姉さんが来てくれて助かりましたよ」
「そう、思い残すことがないなら私としては助かるからいいけど。それじゃあ準備するから少し待って頂戴ね」
言い終わると同時にお姉さんから膨大な妖力が放たれ始めた。
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「狂夜準備できたから降りて着て頂戴」
「…わかりました」
お姉さんが妖力を放ち始めてから数分、煙草を吹かしながら待っていると下から声がかかった為空になった瓶を持ち屋根の上から下に向かって飛び降りる。
「…何だか奇妙なものがあるんですがこれは何ですか?」
「これは私の能力で作ったスキマよ。簡単に言えば空間と空間を繋いだり切り離したりするものよ」
段々と説明するお姉さんには悪いがもう少し内装をどうにかできないのだろうか?隙間と呼ばれたそれの中は無数の目玉や手足などといった人間の体を形成している部分が辺りに散らばっているもので見ていて少しどうかと思う。まぁ、僕はどうとも思わないけどね。
「さ、早く行きましょうか」
「はい」
考え事をしているとお姉さんはすでにスキマに入っていたので軽く返事を返し隙間の中へと歩みを進めた。
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「…何で空中!?っと」
スキマ内に入って数秒いきなり足元の感覚がなくなり空中に放り出される。一瞬吃驚したがすぐ体制を立て直し地面へと降り立つ。
「ようこそ幻想郷へ歓迎するは狂夜」
「お姉さん…落とすなら落とすって言ってもらわないと困ります」
「ふふ、ごめんなさいね。それよりも貴方はこれからどうするのかしら?」
「そうですね…ちょうどここは森なので辺りの木々の上で生活しますよ。野生の動物もいるみたいですしね」
ちらっと後ろを振り向くとひょっこりと顔を出しているウサギが視界に入る。
「わかったわ。また時々来るわね」
「はい、ありがとうございました」
スキマの中に入っていく※作り笑い※を浮かべながらお礼を言う。さて…
「取り敢えず今日の食料を集めないとね。向こうの世界では夜だったけどこっちの世界だと昼みたいだし」
眩し日差しの中、食料を求めて森の中へと歩みを進めた。
久しぶりに第一話を書いてみるとわかりますが滅茶苦茶難しいですねぇ。第一話の内容で今後の展開が決まってくるのでしっかり書けていれば幸いです。
今回の主人公は幻想入りする前ということでゆかりんを登場させることができたので若干簡単ではあったと思いますね。
それでは次回もよろしくお願いします!!